- ● 言葉の森新聞2025年7月1週号 通算第1857号 (401字) 言葉の森事務局 jun 2025年07月03日 14時14分
17363 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年7月1週号 通算第1857号
文責 中根克明(森川林)
■■「ぼくたちはChatGPTをどう使うか」を読んで
これまで、中高生向けに書かれたChatGPTの本はほとんどなく、どれもビジネスマン向けだったので、期待して読んでみた。
とてもていねいに書かれていた好感が持てたが、予想していたよりも平凡だった。
国語や数学や英語の勉強にChatGPTを使うというのは、まだChatGPTを活用していない中高生には大いに役立つと思う。
しかし、それらはすべて、答えのある世界にどうAIを使うかという話だ。
答えのある世界で答えを早く見つけるというのは、言い方は悪いが、簡単なカンニングの方法を見つけるというのと同じだ。
AIの本当の活用は、答えのない世界で思考と創造を楽しむことにある。
AIを使ったプログラミングの話などがあるかと思ったが、そういうのはなかった。
第二作を期待したい(笑)。
- ● サマーキャンプの参加者リストをお送りしました【送信指定】 (119字) 森川林 nane 2025年06月26日 19時40分
17357 (言葉の森オンライン新聞)
6月26日(木)19:30ごろ、メールで、サマーキャンプの参加者リストをお送りしました。
内容をご確認いただき、変更や修正がある場合はご連絡ください。
変更や修正がない場合は、メールをそのままご返信ください。
よろしくお願いいたします。
- ● 言葉の森新聞2025年6月4週号 通算第1856号 (3316字) 言葉の森事務局 jun 2025年06月23日 13時03分
17356 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年6月4週号 通算第1856号
文責 中根克明(森川林)
■■6月29日(日)・30日(月)は休み
6月29日(日)・30日(月)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。
振替もお休みです。
■■新学期の教材を発送しました。(作文クラス)
6月20日(金)に新学期の作文の教材を発送しました。
国内の生徒で26日になっても届かない場合はご連絡ください。
■■2025年6月保護者懇談会資料
●サマーキャンプ、8/14満員、8/15ほぼ満員。
今回のサマーキャンプは、お盆近くという不便な日程にもかかわらず、多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。
今回、日程を絞ったのは、久しぶりのサマーキャンプなので、プログラムの手直しが多いと思われたためです。しかし、プログラムは特に問題なく手続きが進められました。
また、車で移動する際の運転手は、新たに現地の方2名がやってくれることになったので、来年からは、もっと幅広く日程を設定できると思います。
言葉の森のキャンプは、午前中は読書や感想文や勉強ですが、午後からは安全な川遊び、夕方は自由な部屋遊びとしているので、のびのびと過ごせると思います。
●推薦図書検定の特許申請スタート
推薦図書検定のプログラムを特許申請しました。
AIを使った独自のアルゴリズムで、読書評価をできるようにしています。
申請が完了していないので、まだ詳細は明らかにできませんが、いずれ具体的な図書検定のお知らせをします。
●作文検定スタート。日程は、7/26(土)又は7/27(日)朝8:00~10:00。その後毎月実施。
新たに開発したAI森リンをもとに、作文検定を始めます。
作文検定は、ずっと昔にもやっていましたが、当時はまだテキスト入力できる人が少なく、手書きの作文を、検定委員がテキスト化するような仕組みで行っていました。
現在は、テキスト入力をできる人も多くなり、また、手書き作文では、OCRの押し論を使って対応することができるようになりました。
この作文検定は、一般に公開します。
受検料は、個人受検2,800円、団体受検2,200円です。
言葉の森の生徒、元生徒、ご家族は団体受検扱いになります。
申し込みフォームはこれから作成しますので、しばらくお待ちください。
●暗唱検定もAIで自動化する予定。
小学校低学年からの暗唱練習は、大きな効果があります。
しかし、検定委員の対応が難しい面があったので、あまり広げることができませんでした。
今後は、この暗唱検定もAI化をする予定です。
これで、作文検定、図書検定、暗唱検定のすべてがAI化できるようになります。
●「遅刻しない」「欠席は連絡する」などの基本的なルールを子供のうちから
言葉の森の生徒のほとんどは、クラスの開始時刻に間に合うように会場に入ります。
また、欠席の場合は、事前に連絡を入れてくれます。
しかし、ごく一部に、いつも少し遅れて入る子や、連絡をせずに欠席をする子がいます。
将来、子供たちが社会生活を送るときに、日本の社会では、遅刻や無断欠席は絶対にしてはいけないことだと教えておく必要があります。
これは、勉強よりも大事なことです。
●小2までの素直に言うことを聞く時期に、勉強ではなく生活習慣を作る。小3からは、親の決めたルールに従わせるよりも、少しずつ本人の自主性を尊重する
小2までの子は、親や先生の言うことに素直に従います。
この時期を活かすためには、勉強をさせるよりも、毎日の生活習慣をつくることです。
その習慣とは、人に会ったら挨拶をする(朝起きて家族に言う挨拶も同じ)、身の回りを整頓し掃除をする(たとえ汚れていなくても)、毎日読書をする(読み聞かせでも可)、一定の勉強をする(ただしできるだけ短時間に)、などです。
しかし、小3からは、子供が自主性を発達させてきます。
その時期になっても、親のコントロールのとおりに動くようにしていると、親は気分がいいかもしれませんが(笑)、いずれ子供に反動が来ます。
小3からは少しずつ本人の自主性を活かすような工夫をしてください。
●読書のレベルを引き上げることが必要
読書は、本を読んでいればよいというのではなく、その本の中身が重要です。
ただし、読書好きな子は、漫画やくだらない本も好きです。
どちらも読んでいるというのが、正常な読書習慣です。
小学校低中学年の子は、絵本や漫画ではなく字の多い本を読む必要があります。
子供が自分から進んで読めない場合は、親が読み聞かせをすることです。
小学校高学年の子には、面白そうな本がいろいろあります。
しかし、親が中身を見てアドバイスをすることが必要です。
「会話だけで話が進んでいる本」「短編が集まっているだけの本」「すぐに殺人事件で始まるような本」「軽い物語の本」は、単なる娯楽の本です。
人間に娯楽は必要ですが、それは読書には値しないということを教えておく必要があります。
●勉強よりも将来のビジョンを
言葉の森の生徒には、勉強のよくできる子が多いです。
勉強がよくできると、子供もそれでいいと思い、親もそれでいいと思いがちです。
しかし、勉強だけで人生を考えていると、成績をよくして、いい大学に入り、いい会社に入り、そこで出世して……」というゴールしか思いつきません。
ところが、多くの子が、いい会社に入ったあと、又は、いい仕事についたあと、しばらくして「その仕事をやめたい」と思うのです。
既存のレールに乗るのではなく、自分らしい人生を送るためにはどうしたらいいかということを考えておく必要があります。
しかし、このことを実際に考えられるようになるのは中学3年生ぐらいからです。
それまでは、その前に、普段の親子の対話の中で、いい人生とはどういうものかを話し合っておく必要があると思います。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433 東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 毎日小学生新聞「さくひん」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
- ● 言葉の森新聞2025年6月2週号 通算第1854号 (843字) 言葉の森事務局 jun 2025年06月10日 11時20分
17349 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年6月2週号 通算第1854号
文責 中根克明(森川林)
■■掛け声だけでない読書教育を
先日、ある出版社が「読書立国」という特集をしました。
内容は、とても充実したもので、各地で読書活動に力を入れている人たちの熱意が伝わってきました。
しかし、私は、この特集をふと「掛け声だけの読書教育」と思ってしまったのです。
読書の大切さは多くの人が感じています。
しかし、その一方で、読書離れは年々進んでいます。
日本の読書教育について危機感を感じるのは誰も同じです。
しかし、ではどうしたらよいのかという方針が見いだせないのです。
私がこれまでに、唯一、実効があると思った読書教育は、「朝の10分間読書」の運動です。
しかし、その読書教育も、形骸化しているところがあります。
形骸化の原因は、当初の原則が変質しているところにあります。
第一に、毎日読むのではなく週に何回か読むようなかたちになっていることです。
第二に、全員が教師も含めて読むのではなく、生徒だけに読ませるようなやり方になっていることです。
これは、家庭での読書でも同じです。
子供に「本を読みなさい」と言うだけでなく、親も一緒に読む必要があります。
多くの人は読書の本質をわかっていません。
読書は、成績をよくするものではなく、頭をよくするものです。
読書を通して、言葉が実感を持って読み取れるようになります。
ここで、頭をよくするとは、言い方を換えれば心を豊かにすることと同じです。
読書によって、言葉を理解するだけでなく、言葉が心に響いてくるようになるのです。
読書は考える力も育てます。
読書力のある子は、難しい数学の図形の問題の解説なども考えながら読んで理解します。
読書力のない子は、難しい解説に読む気が起こりません。
さて、私が今考えている読書教育は、これまでの読書教育とは全く違います。
それはまだ詳細を書けませんが、この新しい読書教育をこれからの読書教育のスタンダードにしたいと思っています。
- ● 言葉の森新聞2025年6月1週号 通算第1853号 (3789字) 言葉の森事務局 jun 2025年06月02日 17時18分
17346 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年6月1週号 通算第1853号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】6月1週は、作文のテストです
6月1週は、作文のテストです。
今やっている課題の字数と項目が全部できることが条件です。
字数の目標は、学年の100倍ですから、
小1は100字以上
小2は200字以上
小3は300字以上
小4は400字以上
小5は500字以上
小6以上は600字以上
となります。
必要な字数を書く力は、作文の実力と高い相関があります。
普段、長く書けない場合でも、テストをきっかけに、がんばって目標の字数まで書くと、それからその長く書けた字数が自分の実力となります。
作文に入れる項目には、項目マークもつけておいてください。
項目は1種類について、1つつけてあればいいです。
例えば、たとえをいくつか書いている場合でも、その中にひとつに項目マークをつけておけばいいです。
・構成は「枝」のマーク
・題材は「葉」のマーク
・表現は「花」のマーク
・主題は「実」のマーク
です。
パソコンで作文を書いている人は、項目の該当する箇所に、
< <構成> >又は< <こうせい> >
< <題材> >又は< <だいざい> >
< <表現> >又は< <ひょうげん> >
< <主題> >又は< <しゅだい> >
と書いておいてください。
※「<」と「>」は、全角の山カッコで、それを2つ並べます。
日本語キーボードの「ね」と「る」のところにあります。
半角の「<<」「>>」や「《」「》」ではありません。
作文テストの提出締切は6月8日(日)です。
遅れないようにがんばってください。
■■森リン解説――4月の森リンベスト中3の作品から
4月の森リンベストで、中3の部の1位だった作品の森リン解説を行います。
4.2
中3 あえとく(aetoku) 2025年4月2日
科学文明の進歩により、日常の多くの手間が省かれ、便利な社会が築かれた。しかし筆者は、人間が本来の力を育てるには「必要なる手間」を経験することが重要だと考える。オーストラリアの小学校では、卒業前に数日間の野外活動を行い、判断力や協調性、本能的な感覚を育てている。現代では便利さの裏で、人間の感覚や決断力が鈍ってきているのではないかと筆者は懸念する。生きる喜びは、新しいことを知る感動や期待の中にある。かつての寮生活で見た「ボーイズ・ビー・アンビシャス」の落書きが、今も筆者の心に生き続けている。自然や人間の魅力を日々発見することこそ、筆者の野心である。そのための方法としては第一に、機械などに頼らず、自分でやってみることだ。キャンプではライターを使わずに自力で火を起こした。一見面倒に思えるが、一からやることで真の楽しさがわかる。
第一に、機械や道具に頼らず、自分の手でやってみることである。僕はキャンプに行った際、ライターを使わずに火を起こした。確かに手間はかかるが、一から挑戦することで、その過程にある楽しさや達成感を味わうことができた。これこそが、本来の人間の力を引き出す方法なのだ。現代の人間は一つのことをするのに楽をしすぎている。それに比べて昔の人々は何から何まで全て手作業でこなしている。僕たちは昔の人を見習う必要があると考える。まずは自分でできるところからやっていけばいいと思う。
第二に、学校教育の中に体験型の学習をもっと取り入れていくことである。田植えや家畜の世話など、自然や命と向き合う経験を通して、子どもたちは食べ物の大切さ、命の尊さ、そして働くことの意義を肌で感じることができる。こうした体験は教科書だけでは学べない貴重な学びとなる。結局一番大切なのはどれだけ勉強できるかよりも教科書だけでは学べない貴重な学びが将来生かせるような人だと思う。もしそういうものを活かせるような人になれたら周りからも信頼されると思う。
確かに、現代社会において便利な道具や技術を活用することは重要である。しかし、「人が旅行するのは、到着するためではなく、旅行するためである」という言葉が示すように、目的地に至るまでの過程にこそ、本当の価値があるのではないだろうか。手間をかけるということは、遠回りに見えて、実は自分自身を磨き、高める近道なのである。私たちは今こそ、便利さの陰にある失われた感覚を取り戻すべきときなのかもしれない。生きることに手間をかけ、日々新しい発見に心を踊らせるような人生こそが、真の「生きる喜び」へとつながる道なのではないだろうか。
あえとくさんの課題は「4.2」となっていますが、今度、自分なりに題名を考えてつけておくといいです。
要約は上手にまとめています。
清書のときは、ここは要約でなく、自分なりの説明に変えて書いていくといいです。
この作文の点数が高い理由のひとつは、バランスがよいことです。
自分自身のキャンプの体験という柔らかい実例が入っていると同時に、「学校教育の中での体験学習型の授業」という社会的な広がりのある話も入っています。
この社会実例の部分で、数字や固有名詞の入るデータが調べられれば、そういう実例をいれることによって、更に知識語彙の点数が上がります。
今後は、ChatGPTなどを活用して社会実例を探していくといいです。
結びの第四段落が、第一、第二、第三段落と同じぐらいの分量で書かれているのもよいところです。
多くの人は、結びの感想や意見の部分をあっさりまとめてしまいがちですが、ここをじっくり書くことが思考語彙を高めるコツになります。
結びの段落に、「人が旅行するのは、到着するためではなく、旅行するためである」という光る表現を入れているので、文章全体の印象が切れ味のよいものになっています。
====
■思考語彙 22種 31個 (種類率71%) 82点
n確か,n第,。しかし,。確か,いけば,ことこそ,これこそ,するため,そのため,だろう,と思う,と考える,にこそ,に思える,のかも,は第,人生こそ,今こそ,使わざる,取り戻すべき,進歩により,頼らざる,
■知識語彙 68種 105個 (種類率65%) 85点
一番,世話,人生,人間,体験,価値,便利,信頼,判断,到着,勉強,卒業,協調,大切,学校,学習,家畜,将来,小学校,必要,意義,感動,感覚,懸念,手作業,手間,技術,挑戦,教科書,教育,文明,方法,旅行,日常,日間,期待,本当,本来,本能,機械,決断,活動,活用,現代,生活,発見,目的,社会,科学,筆者,経験,結局,自分,自力,自然,自身,言葉,貴重,近道,進歩,過程,道具,達成,重要,野外,野心,面倒,魅力,
■表現語彙 127種 211個 (種類率60%) 85点
n確か,。確か,こと,これ,さ,するため,そのため,それ,たち,とき,ところ,どれ,もの,よう,オーストラリア,ライター,一,一つ,一番,世話,中,二,人,人々,人生,人間,今,体験,何,価値,便利,信頼,僕,全て,判断,到着,前,力,勉強,卒業,協調,周り,命,喜び,地,型,多く,大切,子ども,学び,学校,学習,家畜,寮,将来,小学校,心,必要,性,意義,感,感動,感覚,懸念,手,手作業,手間,技術,挑戦,教科書,教育,数,文明,方法,旅行,日々,日常,日間,昔,期待,本当,本来,本能,楽,機械,決断,活,活動,活用,火,現代,生活,田植え,発見,的,目的,真,社会,私,科学,筆者,経験,結局,肌,自分,自力,自然,自身,落書き,裏,言葉,貴重,近道,進歩,過程,道,道具,達成,遠回り,重要,野外,野心,陰,際,面倒,食べ物,魅力,
■経験語彙 45種 66個 (種類率68%) 86点
かかる,かける,かせる,こなす,しれる,すぎる,せる,つながる,できる,と思う,と考える,なれる,に思える,やる,れる,わかる,使う,働く,取り入れる,取り戻す,向き合う,味わう,失う,学べる,引き出す,感じる,比べる,生かせる,生きる,省く,知る,磨く,示す,築く,続ける,育てる,至る,行う,見える,見習う,起こす,踊る,鈍る,頼る,高める,
====
■■AI作文検定の目的
AI作文検定の目的は、次の5つです。
1.日本に作文文化を広げる。
2.作文を書くことが、小学校高学年、中学生、高校生において日常化する。
3.そのことによって、読む力、書く力、考える力が育つ。
4.日本の教育が、知識偏重から思考重視に転換する。
5.日本が創造教育文化立国として発展する。
■■乗り物酔い対策
遠足でバスに乗ると、乗り物酔いをするので嫌だという子がいます。
そのときの対策です。
家の近所からバスに乗る練習をします。
バスに酔うまで乗り続けて、気分が悪くなってきたらそこで降りて、帰りのバスに乗ります。
これを日曜日などに何回か繰り返していると、そのうちにバスに乗っても酔わなくなります。
こういうことは、子供がひとりで考えつくことはないので、親がアドバイスをしてあげることが必要です。
どんなことも、人間には適応力があります。
それは、自然治癒力とでもいうものです。
勉強も同じ(笑)。
難しい算数数学の問題も、何度も繰り返して解法を見ながら解いていると、4、5回目には、ほぼ楽に解けるようになりす。
自然治癒力で乗り物酔いを克服していきましょう。
- ● 言葉の森新聞2025年5月4週号 通算第1852号 (4491字) 言葉の森事務局 jun 2025年05月22日 14時47分
17337 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年5月4週号 通算第1852号
文責 中根克明(森川林)
■■5月29日(木)・30日(金)・31日(土)は休み
5月29日(木)・30日(金)・31日(土)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。
■■AIと共に学ぶ時代へ――「AIオリエンテッド教育」のすすめ
いま、教育の現場が大きな転換点を迎えています。これまでの「教える」中心の一斉授業から、「学び手が主体」となる自律的な学びへとシフトする中で、AIの存在が急速に注目を集めています。
「AIオリエンテッド教育」とは、AIをただの道具として使うのではなく、教育そのものをAIと共に進化させていこうという新しい考え方です。つまり、AIを学ぶことと、AIと一緒に学ぶことの両方を含む教育のスタイルです。
この背景には、社会全体の変化があります。知識を覚えるだけでよかった時代は終わり、現代では「情報を使って何ができるか」が問われるようになっています。そんな時代に、AIは学習者の進捗に応じて学びを最適化し、即座にフィードバックを返すことができます。さらに、教員の業務負担を軽減し、より個に寄り添った指導を実現する力も持っています。
実際に、言葉の森が開発した作文評価支援AI「森リン」や、読書感想文を評価する「図書検定」では、AIが生徒の書いた文章に講評や数値評価を返し、自分の表現を客観的に見つめ直す手助けをしています。生徒たちはAIと対話しながら、自分の考えを深め、言葉にしていく力を伸ばしていきます。これは単なる採点ではなく、「学びの伴走者」としてのAIの姿です。
AIオリエンテッド教育を導入するには段階があります。まずは授業の補助的な場面でAIを活用することから始め、次に探究学習や作文などでAIと対話する活動へと進み、最終的にはカリキュラム自体をAI前提で設計していくことが理想です。教員は情報提供者からファシリテーターへ、生徒は受け身から能動的な学び手へと変化します。
もちろん懸念もあります。AIに頼りすぎて考える力が育たないのでは、という声もあります。しかし大切なのは、「使い方を教える」だけでなく「どう使われるかを自分で選ぶ力」を育てることです。AIを使って表現し、考え、対話する経験を積むことが、これからの社会を生きるうえでの力になります。
未来の教育は、AIと競争するものではありません。AIと共創し、人間にしかできない創造力や思考力を育てる教育です。今こそ、教育のあり方を根本から見直し、AIと共に歩む「学びの未来」を考えるときです。
■■2025年5月保護者懇談会資料
●夏季休業の予定(8/11月~8/17日は休み宿題、7~9月に振替参加できます) 8月11日(月)~8月17日(日)は休み宿題とします。
作文の人は、ウェブに8.2週と8.3週の解説動画を入れておくのでそれを見て書いてください。
振替授業で参加される場合は、7月~9月の間で行ってください。
●生徒の学習データを知らせる「森からゆうびん」を復活作成中
11月のサーバー移転の影響が長く残っていたために、「森からゆうびん」の発送が遅れていましたが、復活できる見通しがついたので、5月から毎月郵送する予定です(海外の方にはオンライン新聞で連絡します)。
●OCRのオシロンのページの現状
手書きの作文を書いている人も森リン採点が利用できるように、OCRのページ「オシロン」を開設しました。
しかし、GoogleもChatGPTもまだ日本語に十分対応しきれていないために、誤読が残る面がありました。
OCRにかけるコツは、
・画像はjpgかpngです。pdfはできません。
・できるだけ丁寧な字で書いてください。
・作文が2ページ以上になる場合は、ページの途中で文が切れないように工夫してください(OCRは1枚ずつ読むので、文が途中だとうまく読めないことがあります)
・縦書きよりも横書きの方が正確に読めるようです(しかし、これはいずれ改善されると思います)
・ChatGPTに直接アップロードしてテキスト化してもらうこともできます(無料版でも、枚数の制限はありますが、アップロードできます)。
※将来は、コピー機自体がAIで手書きの文章をテキスト化できるようになります(既にそういう機械はありますが、子供の手書きの作文への対応は未定です)。
●作文は、森リンの評価を目標に――字数は学年の200倍を基準に
森リンは客観的な評価が出るので、勉強の励みになります。
森リンベストに載ったり、自分の点数を上げたりすることがひとつのきっかけになうようにしていくといいです。
字数の基準は学年の200倍で。小6以上は1200字以上を目指して書いていってください。
●将来の学力は、知識の学力から、思考力、創造力、共感力の学力へ
現在の学力は、知識の習得を中心に組み立てられていますが、将来は知識だけでなく、思考力、創造力、共感力を育てることが学力の目標となります。
思考力は主に作文で、創造力は主に創造発表とプログラミングで、共感力は主に読書と生徒どうしの交流で、知識の学力は、基礎学力、総合学力、全科学力で担うようになると思います。
●サマーキャンプ計画中、8/14~8/16あたり、泊数自由、那須合宿所現地集合 コロナ禍以降、休止していたサマーキャンプを復活します。
ただ、今回は久しぶりのサマーキャンプのため、日数を限定し、集合場所も現地集合で行う予定です。
詳細が決まりましたら、改めてご連絡します。
●夏休みの読書感想文の宿題は無意味に
読書感想文は、授業の中で読書指導や作文指導ができないことから、宿題やコンクールというかたちで行われてきました。
しかし、AIの利用によって、宿題やコンクールは無意味になりました。
そして逆に、言葉の森の作文自動採点「森リン」や、推薦図書検定(計画中)によって、読書と作文の指導を授業の中で行うことが可能になりました。
これからは、読書や作文は、本来の教育のかたちで行われるようになると思います。
●推薦図書検定を作成中
推薦図書一覧表を作成し、その推薦図書をもとにした読書感想文のシステムを現在開発中です。
これによって、読書指導が日常的にできるようになる予定です。
●小123年の勉強は、無条件に吸収できる年齢を生かして暗唱を中心に
小123年生の基礎学力クラスは、この学年のあらゆることを無条件に吸収できる特徴を生かして、暗唱を中心にした授業を行っています。
暗唱を行っている幼稚園で、卒園児の平均IQが120という結果が出ているように、この時期の暗唱学習は、将来的にも効果があります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000006547.html
(言葉の森は、数十年前から暗唱練習ができるようにしています)
https://www.mori7.com/askt/
●小456年の勉強は、学年相当よりも1年先を、また英語の暗唱力を
小456年生の総合学力クラスは、中学受験はしないか又はする必要のない、学力優秀な生徒が勉強しています。
勉強は、小学校で習う標準的な勉強を中心に、学年を先取りする方向で勉強し、小6は中学生の勉強を先取りすることを目標にしています。
また、英語の暗唱力をつける授業を行っています。
●中123年の勉強は、AIオリエンテッド学習で、また英語の暗唱力を
中123年生の全科学力クラスは、先生に教わる勉強でも、自分ひとりでやる勉強でもなく、AIと相談しながら進める勉強を行っています。
勉強の内容だけでなく、勉強計画や、将来の希望などもAIと相談しながら、進めます。
AIオリエンテッドの学習は、今後の学習の基本になります。
また、英語の暗唱力をつける授業を行っています。
●創造発表も、AIオリエンテッド学習を基本に
創造発表クラスは、参考書や本やネット検索で、すでにあるものを探求する学習ではなく、AIを使ってまだないものを個性的、創造的に研究発表する勉強をします。
創造発表で培った自主性、創造性は、将来の大学入試の総合選抜ばかりでなく、将来の社会での独立起業志向に結びついていきます。
●プログラミングも、AIオリエンテッドで、バイブコーディングの学習に
プログラミングクラスは、これまでのコードプログラミングを中心にした地道な学習から、AIを利用した目的中心の学習に移りつつあります。
「どう作るか」よりも「何を作りたいか」ということが中心になる勉強です。
バイブコーディング(AIコーディング)は、まだ途上ですが、これから広がっていきます。
プログラミングクラスは、作品の発表を中心に勉強の成果を出していく予定です。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433 東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 毎日小学生新聞「さくひん」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
- ● 言葉の森新聞2025年5月3週号 通算第1851号 (1102字) 言葉の森事務局 jun 2025年05月16日 10時37分
17327 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年5月3週号 通算第1851号
文責 中根克明(森川林)
■■AIと教育――全科学力、創造発表、作文、推薦図書
AIの発達によって、今後の教育は大きく変わります。
第一は、人間の先生が教える時代ではなくなるということです。
子供は、AIで自ら学ぶことを選ぶようになります。
そのときに大事なことは、ただ、勉強をするだけではなく、同年齢そして同レベルの友達との人間どうしのコミュニケーションがあることです。
友達とのコミュニケーションを通して、勉強するために、言葉の森では、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスを開いています。
AIによって、教育が変わる第二の面は、知識の吸収を中心としたこれまでの教育の見直しが必要となることです。
知識は基礎的な学力の知識だけでよくなり、むしろ創造と発表が教育の中心になっていきます。
知識の土台になる基礎的な学力は、学習の前提として、誰もが身につけておく必要があります。
その中心は、日本語を読む力と、数学の基礎学力です。
知識の上に成り立つのは、論理力と思われていますが、単純な論理力ではなく思考力が必要になります。
思考力の基盤は、難しい文章を読む力をつけることです。
言葉の森では、難しい文章を読む力をつけるために、推薦図書検定の仕組みを現在作っているところです。
思考力を発展させるものは、作文力です。
そのために、言葉の森では、森リンで作文の自動採点ができるようにしています。
しかし、作文を通して考えるためには、手書きで書く練習をしていく方が効果的です。
手書きOCRは、まだ発展途上ですが、将来は、手書きOCRで作文をテキスト化して、森リンが採点するという仕組みになっていくと思います。
■■【重要】OCRオシロンのその後
OCRオシロンに、縦書きの原稿を横に読み込んでしまう問題が発生しました。
これは、GoogleのAPIが、まだ日本語の縦書きに対応しきれていないためです。
また、ChatGPTのAPIは、2024年5月に開始されたばかりなので、まだ日本語に十分対応できていなかったためです。
いろいろ修正をしましたが、根本的には直りませんので、今後は、GoogleやChatGPTのAPIが改善されるのを待つしかありません。
しかし、現在でも、ChatGPTに直接画像を読み込ませると、かなり精度の高いテキスト化をしてくれます。
OCRオシロンでテキスト化がうまくいかない場合は、ChatGPTに直接画像をアップロードしてテキスト化をしてくださるようお願いします。
https://www.mori7.com/osiron/
- ● 言葉の森新聞2025年5月2週号 通算第1850号 (1097字) 言葉の森事務局 jun 2025年05月10日 16時18分
17321 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年5月2週号 通算第1850号
文責 中根克明(森川林)
■■手書き作文が自動的にテキストになるOCRの「オシロン」のページ
OCRの性能は、日々向上していますが、これまでは日本語の手書きの文字をテキスト化するのは、まだ難しい面がありました。
しかし、AIが文脈で文字を読み取れるようになってきたことで、手書きの文字の読み取り性能が一挙に上がりました。
言葉の森が開発したOCRの「オシロン」は、現在、日本の最高レベルのOCR機能を持っていると思います。
それは、AIを組み込んだOCRだからです。
言葉の森のOCRの特徴は、子供が書いた手書きの文字を補正してテキスト化することです。
その理由は、テキスト化の目的が、作文の森リン点を出せるようにすることだからです。
だから、小学1年生が書いたひらがなだけの作文も、普通の漢字仮名交じり文に変換してテキスト化します。
作文力の本質は、文章が漢字で書いてあるかひらがなで書いてあるかには関係なく
、どのような語彙で書かれているかというところにあります。
手書きで作文を書いている人は、OCRの「オシロン」を活用して、手書きの作文とテキスト化された作文の両方を作文の丘から送ってくださるといいと思います。
話は変わりますが、人間が考えることと書くことの間には、強いつながりがあります。
人間は、頭の中で考えるだけでなく、手で書きながら考えます。
パソコンでタイピングすることと考えることの間のつながりは、手で書くことことと考えることとの間のつながりよりも弱くなります。
タイピングは、考えたあとの清書のような性格の入力の仕方です。
手書きは、考えを深めながら書くという性格の入力の仕方です。
だから、将来の作文では、手書きが復活すると思われます。
その手書きの作文を「オシロン」がテキスト化するのです。
しかし、手書きは、パソコン入力よりも確かに時間がかかります。
そこで、手書きは、四行詩のような簡潔で密度の濃い書き方になっていくのだと思います。
■■【合格速報】東京大学理科一類
●東京大学理科一類 F.H.さん
<担当講師より>
中学高校と、ほぼ全提出で作文を続けてくれたFくん、見事志望大学に進学されました。ご本人の高い意欲と努力の賜物に違いありませんが、国語が大きく目標点を上回っていたとお聞きすると、うれしくてなりません。
作文を書く時にさまざまな対話をする際の発言にキレのある生徒さんでした。勉強一辺倒ではなく、ピアノや自転車も楽しむ高校生活でした。これからの大学生活もすばらしいものになるはずです。
おめでとうございます。
- ● 言葉の森新聞2025年5月1週号 通算第1849号 (1386字) 言葉の森事務局 jun 2025年05月01日 13時40分
17319 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年5月1週号 通算第1849号
文責 中根克明(森川林)
■■5月3日(土)~6日(火)は「休み宿題」(再掲)
カレンダーに記載してあるとおり、5月3日(土)・4日(日)・5日(月)・6日(火)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■森リン点の改定――各語彙の偏差値を再集計し、バランス点を加えました
4月の森リン点の集計をしました。(2025/4/29)
これまでの各語彙の種類数の平均は、1200字の作文の場合、
・思考語彙=23種類
・知識語彙=59種類
・表現語彙=111種類
・経験語彙=41種類
でした。
小6から中3までの4月中の1200字以上の作品の森リン点を集計をすると、総合点は中3が79.5と最も偏差値50に近い数値でした。
森リン点は、小学校低学年の子供たちのことを考慮して、偏差値50に30を加えた80を平均としています。
また、中2の生徒の人数は、小6から中3の生徒の中で最も多かったので、中2の種類数を全体の基準とすることにしました。
新しく集計した中2の各語彙の種類数の平均は、
・思考語彙=21.2種類
・知識語彙=62.8種類
・表現語彙=114.9種類
・経験語彙=40.7種類
でした。
この中2の各語彙の種類数の平均と標準偏差を、今後の森リン点の基準とします。
すると、新しい点数は次のような傾向になります。
・思考語彙の点数は高くなります。+8.8%
・知識語彙の点数は低くなります。-7.1%
・表現語彙の点数は低くなります。-3.4%
・経験語彙の点数は高くなります。+0.7%
これまでは、難しい言葉を使うと知識語彙の点数が高くなる傾向がありました。
しかし、これからは、各語彙の点数の均衡度が低いと、総合点が低くなることがあります。
これを均衡点(バランス点)と呼びます。
均衡点(バランス点)は、+9から-10の範囲です。
それぞれの語彙の点数のバランスをよくするためには、次のようにしていくといいです。
思考語彙を上げるには、調べた知識の事実だけでなく、その知識の説明やそこで自分が考えたことを入れることです。
また、最後の段落の感想や意見の部分を、それまでの段落と同じぐらいの長さで詳しく書くことです。
しかし、思考語彙が高くなりすぎると、理屈の多い硬い文章になる可能性があります。
経験語彙を上げるには、実際に経験したり見聞したりした実例を書くことです。
ただし、経験実例を書きすぎると、読みやすいが、全体が浅い文章になる可能性があります。
知識語彙を上げるには、調べた知識などを書いて、話題を社会的に広げて書くことです。
表現語彙を上げるには、同じ語彙を使わずにできるだけ多様な語彙を使うことです。
多様な語彙を使うためには、説明文読書や意見文読書の機会を増やし、読める語彙だけでなく使える語彙の範囲を増やしていくことです。
- ● 言葉の森新聞2025年4月4週号 通算第1848号 (4635字) 言葉の森事務局 jun 2025年04月22日 13時50分
17306 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年4月4週号 通算第1848号
文責 中根克明(森川林)
■■4月29日(火)・30日(水)は休み
4月29日(火)・30日(水)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。
■■5月3日(土)~6日(火)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、5月3日(土)・4日(日)・5日(月)・6日(火)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■2025年4月保護者懇談会資料
●作文クラス
○小1の作文
小1のころは、文字を読めても書くのはまだ慣れていません。
また、指の力が弱いので長く書くことはできません。
しかし、小1から作文の勉強を始めると、毎週作文を書く習慣ができます。
この時期に大事なことは、「直さないこと」です。
子供の作文を親や先生が見れば、直したくなるところはいくらでもあります。
しかし、そこでよりよい文章にしようと思って、直すアドバイスをすると、みんな作文が嫌いになります。
長続きするためには、間違いがあっても褒めるだけにすることです。
○小2の作文
小2になると、書くことに慣れてくるので、長く書くことに喜びを感じるようになります。
長さにいちばん関心が行く時期なので、作文の中身はあまり気にしません。
この時期は、長く書いたら、その長く書いたことを認めてあげることです。
小3になると、次第に中身に関心が行くので、長さにはこだわらなくなります。
○小3の作文
小3になると、自由な題名から課題の題名になります。
また、感想文の課題も出てきます。
本当は、感想文を書くのは小5からでいいのですが、学校で夏休みの宿題の感想文が出ることがあるので、その対策として書き方を身につけておくために感想文課題を出しています。
感想文になると、小3の生徒は、ほとんど書けなくなります。
しかし、その難しい感想文を書いたところだけを褒めてあげるようにしてください。
○小5の作文
小4までは、事実中心の生活作文でした。
小5からは、中学入試問題に出てくるレベルの文章で感想文を書く課題が出てきます。
小5の時期は、考える力がついてくるので、文章の要約をしたり、文章を構成的に考えたりすることができるようになります。
算数の勉強も、小5から抽象的な問題が出てきます。
作文の勉強は、小5から急に難しくなるので、課題フォルダの長文を読んでよく準備しておくことが必要になります。
○中1の作文
小6までは、題材が中心になる事実文、説明文でした。
中学生になると、主題が中心になる意見文になります。
構成の仕方が変わるので、どの生徒もうまく書けなくなります。
森リンベストなどを参考に書き方を工夫していくといいです。
○手書きの作文も、ChatGPTでテキスト化できる
ウェブの記事です。
「ChatGPTで、手書きの作文も、テキスト化した作文になる」
https://www.mori7.com/as/5332.html
将来、OCRの性能がよくなると、手書きの作文をテキスト化してアップロードするということが普通になると思います。
●基礎学力、総合学力、全科学力クラス
現在の教育は、受験を中心に作られているので、知識の詰め込みという面があります。
しかし、基本的な知識の教育は大事です。
数学の因数分解などは、実社会で使う場面はまずありません。
二次方程式の解は、解の公式で、出すことができるからです。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2025/4221215570.jpg
しかし、因数分解のいろいろな工夫をして解くのは、実は人間にとって面白いことなのです。
それが、人間が本来持っている知的な向上心です。
跳び箱を飛ぶとか、逆上がりをするとか、二重跳びをするとかいうのも、すべて大人になってから使うことはまずありません。
しかし、そういうことができるようになるのは、人間の向上心にとって嬉しいことなのです。
だから、勉強で重要なことは、思考力、創造力、共感力を育てることとともに、学力を育てることです。
しかし、今は、受験のための学力を育てることだけが突出して重視され、それ以外の作文とか読書とか自由な研究や友達との交流などは後回しになる傾向があります。
そこで、能率よく学力を育てることを目的として、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスを作りました。
基礎学力クラスは、能率だけでなく、毎日の暗唱の習慣をつけるために毎週暗唱のチェックをしています。
総合学力クラスも、毎週英文暗唱のチェックをしています。
勉強の基本は家庭学習ですから、授業の中では、勉強の進捗状況のチェック、互いの読書や勉強の発表、確認テスト、わからなかったところの質問などをすればいいのです。
しかも、わからなかったところの質問は、今はChatGPTでほとんどカバーすることができます。
また、ChatGPTに相談して、勉強の計画などを作ってもらうこともできます。
勉強は、ますます、毎日教室に通ってするようなものではなく、自分ひとりで進めて、時々教室に行けばいいというものになっているのです。
毎日通わないと自己コントロールができないという場合は、自習室を利用することができます。
●創造発表クラス
現在の子供たちの勉強は、吸収することが中心になっています。
もちろん基礎学力は、吸収しなければつきません。
しかし、吸収の目的は、吸収そのものではなく、そのあとの創造と発表です。
子供たちの多くは、創造と発表の学習に慣れていないので、資料をまとめるだけの発表になってしまうことがよくあります。
高校生になると「探求」の授業が出てきますが、小中学生のうちから、創造的に勉強する姿勢を作っておくことが大事です。
この創造発表の授業についても、これからはChatGPTを使って、より個性的に取り組むことができるようになると思います。
●プログラミングクラス
プログラミング教育は、今、大きく変わりつつあります。
これまでは、コードを覚えることが勉強の中心でしたが、これからは何を作りたいかという目的を決めることが勉強の中心になります。
こういう目的先行の勉強ができるようになったのは、ChatGPTがプログラミングを作ってくれるようになったからです。
しかし、最初からすべてChatGPTに丸投げして作品を作ったとしても、その作品のほとんどがブラックボックスであっては、何も身につきません。
テキストをもとに初歩的なコードを学び、その学んだコードを応用してChatGPTに新しいプログラムを作ってもらうという流れで勉強を進めていく必要があります。
まだ、作ったプログラムは、みんなに発表できるようにHTML化してウェブにアップロードするというかたちで勉強を進めていきたいと思っています。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■森リンの学年と語彙力の相関――4月18日から森リン点の調整
4月に入ってからの作文で、年齢と語彙力の相関を調べました。(作文の数は、小6から高2までの1200字以上の作文54件)
年齢と思考語彙:0.12……弱い正の相関
年齢と知識語彙:0.75……強い正の相関
年齢と表現語彙:0.52……中程度の正の相関
年齢と経験語彙:0.20……弱い正の相関
「強い相関」の知識語彙は、難しい言葉が使われているかどうかですから、実感としてよくわかります。
「中程度の相関」の表現語彙は、語彙の多様性ですから、学年が上がるほど多様な語彙を使えるようになるということで、これもよくわかります。
「弱い相関」の思考語彙は、考えながら書く言葉ですが、弱い相関なので、今後は相関の低い言葉については思考語彙からはずすなど調整したいと思います。
「弱い相関」の経験語彙は、実際の経験をもとに書く言葉なので、学年が上がり作文の内容が説明や意見中心になると、それほど多くはならないということで弱い相関になっていると思います。
また、今回、4月からの作文について、平均と標準偏差を集計しなおし、森リン点を修正します。
おおまかに言えば、次のような傾向になります。
・思考点は35%上がります(これは、4月から思考語彙を個数ではなく種類数にしたためです)
・知識点は4%下がります
・表現語彙は2%下がります
・経験語彙は8%下がります
3月までの評価は変わりません。
■■【合格速報】新潟市立高志中等教育学校
●新潟市立高志中等教育学校 S.H.さん
<担当講師より>
入会当初より読解力を伸ばそうと問題集読書をコツコツと頑張りました。クラスでの読書紹介を通じて読書内容も変化していき、みごと合格されました。中学でも自分の意見をしっかりと持ち、視野を世界に向けて頑張ってくださいね。
- ● 言葉の森新聞2025年4月3週号 通算第1847号 (1320字) 言葉の森事務局 jun 2025年04月15日 11時17分
17296 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年4月3週号 通算第1847号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】学習グラフが表示できるようになりました――「森からゆうびん」も再開します
11月のサーバー移転以来、直っていないページが「学習グラフ」でした。
そのため、「森からゆうびん」の発送もできないでいました。
しかし、本日、ChatGPTと相談しながら、やっと学習グラフが表示できるようになりました。
https://www.mori7.com/gs/
これから、「森からゆうびん」で、生徒別の学習記録の郵送を再開します。
海外の方には、メールでご連絡します。
■■確認テストの範囲を広げました――言葉の森の生徒ならどなたでもどの教科でもできます
確認テストのページを作り直しました。
https://www.mori7.com/kt/
1.年間を通して学習計画を立てられるように、毎月の問題集の出題範囲を表示しています。
問題集の該当ページを早めに計画的に勉強していってください。
2.確認テストは、言葉の森の生徒であれば、どの教科も受けられます。
ぜひ、毎月、確認テストを受けてください。
必要な教材は、教材注文フォームで注文してください。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
3.確認テストは、自己採点になります。
答えを送信すると、正解が表示されます。
その正解を見て、自分の答えを採点してください。
小1の確認テストは点数配分がないので、×ひとつにつき100点マイナス1点で採点しておくといいです。
答えの送信と採点は、1回しかできません。
もし間違えて送信してしまった場合は、事務局にご連絡ください。
4.中学生の問題は、標準問題と発展問題の両方ができるようになっています。
数学、英語が得意な人は、難しい発展問題に取り組むようにしてください。
5.高校生の問題を新たに設けました。プログレスの難しい問題を表示しています。
高校生の人は、挑戦してみてください。
※確認テストの正解のページには、解法や説明が載っています。
言葉の森の先生は、それ以上の説明はしません。
解法や説明が理解できないときは、ChatGPTに聞いてください。
■■【合格速報】東北大学文学部・国際基督教大学 O.Y.さん
●東北大学文学部・国際基督教大学 O.Y.さん
<担当講師より>
Yちゃん、ご入学おめでとうございます!
嬉しいご報告を、ありがとうございました。
東北大学、国際基督教大学に合格とのこと、すばらしいですね。
さすが、Yちゃん、という感じです。
Yちゃんは、受講いただいているときも、きちんと緻密な準備をしてクラスに臨み、発表もしっかりとわかりやすく話すことができていました。
これからも、Yちゃんらしく、しっかりと道を見定めて、信じた方向へ進んで行かれること、心よりお祈りしております。
本当にうれしいお報告ありがとうございました。
東北大学へのご入学、おめでとうございます。
晴れ晴れとした春を迎えておられることと思います。
これからの日々が楽しみですね。充実した大学生活を送られ、より一層飛躍されますよう、応援しています。
- ● 言葉の森新聞2025年4月2週号 通算第1846号 (3406字) 言葉の森事務局 jun 2025年04月09日 10時30分
17287 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年4月2週号 通算第1846号
文責 中根克明(森川林)
■■未来の教育――全科学力、総合学力、基礎学力クラスのお知らせ
中学生対象の全科学力クラスがスタートします。
これは、週に1回の授業で、国語、数学、英語、理科社会の勉強をするクラスです。
勉強の基本は家庭学習ですから、授業では確認テストや問題集で学習状況を把握し、勉強に必要なアドバイスをします。
全科学力クラスには、高校生も参加できます。
しかし、高校生は自分ひとりで勉強する方が能率がいいので、特に全科学力クラスに参加する必要はありません。
家庭学習では勉強のきっかけがつかめないという場合は、24時間開いている自習室を利用することができます。
これから必要になる学力は、思考力、創造力、共感力で、それらの学力の基礎として国語、数学、英語などの教科の学力があります。
思考力を育てるのは主に読書と作文で、創造力を育てるのは作文と創造発表で、共感力を育てるのは授業の中での他の生徒との関わりです。
他の生徒との関わりを作るために、オンラインクラスでは読書紹介や一人一言の時間を設けています。
この思考力、創造力、共感力を育てる教育とは別に、教科の学力をつける教育があります。
国語の勉強は、読書と問題集読書と読解検定と確認テストが中心に行います。
更に発表する勉強として要約感想短歌作成の勉強もしていきます。
作成の勉強は、記述の勉強にもなります。
数学の勉強は、1冊の問題集の反復徹底と確認テストが中心に行います。
更に発表する勉強として、問題作成をしていきます。
この問題作成は、自分ができなかったり苦手だったりした問題を新たに作る勉強で、ChatGPTが活用できます。
英語の勉強は、1冊の問題集の反復徹底と確認テストが中心に行います。
更に発表する勉強として、英文暗唱、英文作成を行います。
英文暗唱は毎日の習慣にすることが大事なので、毎週、暗唱チェックしていきます。
理科社会の勉強は、基本は教科書の習得が中心です。
更に発表する勉強として、理科、社会、プログラミングなどの分野で毎月創造発表の時間を設けます。
これは、教科書を更に自分なりに深め、創造的に研究し発表する勉強です。
中学生は、ChatGPTを使うことが多くなるので、自分専用のパソコンを用意し、ChatGPTのアカウントを取得します。
ChatGPTのアカウントは無料のものでいいのですが、更に勉強を発展させたいときは有料のアカウントに切り替えます。
以上が全科学力クラスの概要です。
勉強には、継続する時間が必要です。
その勉強の中で、友達と一緒に勉強したり、先生と話をしたりする長い時間を過ごすことが大事です。
人間は、時間の中で生きているからです。
だから、全科学力クラスの学年の前には、小学456年生対象の総合学力クラスがあり、その前には小学123年生対象の基礎学力クラスがあります。
オンラインクラスの中で、長い時間の勉強ができるようにしています。
小学456年生の総合学力クラスでは、国語、算数、英語、創造発表の勉強をします。
英語の勉強の中心は、英文の暗唱です。
英文の暗唱チェックは、毎週行います。
小学123年生の基礎学力クラスでは、国語、算数、暗唱、創造発表の勉強をします。
暗唱は、日本語の暗唱で、暗唱文集をもとに行います。
暗唱は、毎週チェックをします。
未来の勉強は、オンラインの少人数クラスというプラットフォームで行われる必要があります。
この場合の少人数とは、4人から5人の人数です。
同年齢同レベルの4人から5人が、ひとつのクラスとして授業を受けるためには、オンラインという形式でなければできません。
リアルの通学形式の教室では、人口密度の高い街か、人が集まりやすい駅前でなければ、同年齢同レベルの少人数クラスを作ることはできないからです。
このオンラインのプラットフォームはすでに作られています。
残る問題は、多数のオンライン少人数クラスを担当できる、多数の講師がいることです。
これまでの講師の資格には、教える教科の知識が必要でした。
学年が上がるほど、担当する教科の知識は重要になってきます。
小学校では、ひとりの先生が、国語も算数も英語も理科も社会も教えることができました。
しかし、小学校高学年から、教科の知識は次第に専門化してきます。
中学校では、国語は国語の先生が、数学は数学の先生が、英語は英語の先生が教えるようになります。
しかし、これでは、国語の先生は国語の観点からしか生徒を見ることができません。
数学の先生は数学の観点から、英語の先生は英語の観点から生徒を見るので、生徒をトータルに見ることができるのは親しかいないことになります。
本当は、先生もトータルに生徒を見て、子供の教育を親と共有できるようになるのが理想です。
それが、現在、ChatGPTなどのAIの活用になって可能になってきました。
生徒がわからない問題はChatGPTが解説し、場合によっては似た問題を作り学習を強化することができます。
だから、全科学力クラスや総合学力クラスでは、先生は生徒に教えたり、生徒の質問に答えたりすることはできるだけしません。
生徒が自分の力で勉強し、わからないことをChatGPTを活用して勉強することを、近くで見守りサポートするのが先生の仕事です。
4月から、全科学力クラス、総合学力クラス、基礎学力クラスのそれぞれの体験学習を受け付けます。
体験学習と言っても、勉強の内容よりも、勉強するクラスの雰囲気を味わうことが目的です。
体験学習を希望される方は、オンラインクラス一覧表を参考に、参加できる日程を個別れんらくから又はお電話でご連絡ください。
■■5教科オール5を達成の中学生の生徒
ある先生からの話です。
中1のとき、いろいろな質問をしてくる生徒でしたが、講師が、勉強を人任せにせず、
「わからないものはわからないままにしない」
「曖昧さを残さない」
「たとえできたと思っても本当に自分が理解できているのか繰り返し検証して精度を高める」と自発的な姿勢で勉強することを促しました。
その結果、中2になって、5教科オール5を達成しました。
中根が担当していた生徒でも、読解検定で、ほぼ毎回「どうして自分の答えが違っているのか」と質問してくる生徒がいました。
読解検定は、微妙な難問なので、正解以外の考え方もあるのです。
そういう生徒は、みんな成績を上げて、有名な高校や大学に進学しました。
納得できるまで考えるということは勉強の基本です。
数学の問題でも、1冊の問題集のできない問題が1問もなくなるまで解き直すことで上達します。
しかし、多くの子は、8割か9割できたらできたことにしてしまいます。
勉強は、答えがあるものですから、100%できるようにすることが大事です。
ただ、たまに、教える先生でも、「これは時間内に解けるわけないなあ」と思う問題があります。
そういう例外的な問題はあるとしても、原則は全部完璧にできるようにすることです。
そして、答えのある勉強が完璧にできるようにすることと並行して、答えのない勉強である作文や読書や創造発表で、個性的創造的な学力を育てていくことが大事なのです。
■■合格速報
●三田国際科学学園・東京都市大学等々力中学校 O.Y.さん
<担当講師より>
途中、受験勉強に専念されましたが、作文をコツコツと続けてこられました。歴史や読書が好きで、知識も豊富で、いつも自分の考えや意見をしっかり述べることができる生徒さんです。入試でもそのような力が発揮できたようで、本当によかったです。新生活でも頑張ってください!
●東京都立青山高校 M.T.さん
<担当講師より>
受験直前期になるまで、作文クラスで毎週しっかりと作文に取り組んでいました! いつも自分らしい体験実例を挙げ、説得力のある作文に仕上げていましたね。また作文を再開されるとのこと、また一緒に作文の勉強ができることを楽しみにしています!
また高校生活のお話をたくさん聞かせてくださいね♪
●長野県長野高等学校 O.S.さん
<担当講師より>
受験直前まで言葉の森の受講も続け、良い作品を提出していました。おめでとうございます。
- ● 言葉の森新聞2025年4月1週号 通算第1845号 (5698字) 言葉の森事務局 jun 2025年04月01日 15時51分
17286 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年4月1週号 通算第1845号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】4月から森リンの表示を一部変更します
4月の作文から、森リンの表示を一部変更します。
●思考語彙は、個数ではなく種類数で評価します
思考語彙は、作文の中の、考えながら書いている言葉を抽出しています。
考えながら書くことと、考えた結果を書くこととは違います。
考えた結果を書くと、知識語彙の点数が増えます。
考えた結果は、主に知識的な名詞として表されるからです。
考えながら書くときは、名詞よりも、主に接続詞や助動詞や動詞が使われます。
しかも、ある特定の言葉が使われる傾向があります。
例えば、「確かに」「一方」「しかし」「だろう」などの言葉です。
思考語彙の数はあまり多くないので、これまでは個数として集計しています。
しかし、個数として集計すると、例えば、「しかし」や「思う」という言葉をたくさん使うほど思考語彙が増えてしまいます。
そこで、思考語彙も、他の語彙と同じように種類数として集計することにしました。
その結果、4月から一時的に思考語彙の点数が下がります。
しかし、これは、種類数をもとにした思考語彙の偏差値を新たに集計し、点数を調整するようにします。
●「文化語彙」を「経験語彙」という名称にします。
この言葉は、主に動詞の多様性を意味する概念で、日本語の和語を豊富に使える人ほど高い点数になる言葉でした。
そこで、日本語の文化的な素養を持っているほど高くなると考え、この語彙を文化語彙という名称にしていました。
日本語には、知識的な概念を表す漢語と、生活感、動き、生きた表現などを表す和語(やまとことば)があります。
漢語は主に名詞で使われ、和語は主に動詞や形容詞で使われています。
自分の経験や実際に見聞したことが書かれている作文は、動詞の種類が豊富になる傾向があります。
そこで、文化語彙という言葉よりも、経験語彙という言葉の方が実感に合っていると考え、名称を経験語彙という言葉にしました。
●字数の少ない作文も、1200字換算にした場合の点数を表示します
作文の語彙の評価は、1200字以上の作文でないと誤差が大きくなるので、小6以上は1200字を基準の字数としています。
しかし、小1から小5までは、まだ長い字数を書けないので、それぞれ小1は200字、小2は400字、小3は600字、小4は800字、小5は1000字を基準としています。
しかし、1200字未満の作文でも、その作文を1200字に延長したらどういう点数になるかということがわかるといいので、1200字換算の点数も表示することにしました。
■■未来の教育――全科学力クラスのビジョン
■理想の教育のプラットフォームは、オンライン少人数クラスの教育
教育の本来のあり方を考えると、4~5人の少人数のクラスでの教育が必要であると考えられます。
少人数のクラスであれば、生徒ごとの個別指導ができ、生徒と先生との対話ができ、生徒どうしの交流ができます。
学習の効果のかなりの部分は、学習する側の意欲によっているので、一人ひとりが主体的に参加できる少人数のクラスが必要なのです。
しかも、その少人数は、同学年の同レベルの生徒の集まりであることが理想です。
もちろん、言葉の森でも、まだ一部のクラスでしか、同学年同レベルのクラスは成り立っていません。
しかし、それが可能な体制は、すでに技術的に整っています。
同学年同レベルの少人数クラスの教育が可能であるためには、教育は、ウェブ会議を使ったオンライン教育というプラットフォームで行われる必要があります。
■学校での一斉授業よりも、GPTを使った家庭での自主学習が基本になる
学習の能率が高いのは、教わる勉強よりも自ら学ぶ勉強です。
小学校低中学年のころは、一斉に同じことを教える勉強でも効果はあります。
しかし、学年が上がるにつれて、一斉授業は能率の悪い学習形態になります。
一斉授業では、よくできる子はすでにわかっていることを聞かなければならず、一方まだよくできない子はわからないまま授業が先に進むことがあるからです。
これまでは、学校や塾の一斉授業を受ける必要が残っていました。
それは、わからないことを質問したり、勉強の計画を立てたり、できなかった問題を解き直したりするということが、先生のいる環境でなければできにくかったからです。
しかし、これらは現在、GPTのAIがカバーできるようになっています。
例えば、問題集のページの画像をGPTに読み込ませて、質問をすることができます。
それも、夜中でも、早朝でも、日曜日でも、いつでも質問ができ、質問に対する答えが理解しにくいときは更に質問を重ねることができます。
また、難しかった問題については、似た問題を自分用に作成してもらうことがでます。
定期テストの1、2週間前に、GPTと相談して自分の勉強計画を立てることもできます。
自分のテスト結果を読み込ませて、今後の勉強の重点を相談することもできます。
これまでのテストをもとに、今後のテストの予想問題を作ってもらうこともできます。
これまで人間の先生によって行われてきたことが、ほとんどすべてGPTによってカバーしてもらうことができます。
■先生の役割は、教えることではなく見守ることになる
先生の役割は、教えることではなくなります。
先生の役割は、GPTという助手の助けを借りて、生徒を見守ることになります。
先生が生徒よりも優れている点は、その名のとおり、先に生まれていろいろな経験をしていることです。
野口英世は貧困な家庭に生まれ育ち、母は文字が書けませんでした。
だから、母が優れた教育を行って、英世が成長したのではありません。
母の役割は、愛情深く子供を育てることだったのです。
これからの先生の役割も同じです。
先生の役割は、子供を見守ることです。
そのために必要になる先生の資質は、教科の知識ではなく、幅広い経験と豊かな人間性です。
だから、多くの人が先生の役割を果たすことができるようになります。
■誰でもできる多数の先生が、多数の少人数クラスを担当するのが未来の教育
未来の教育は、オンライン少人数クラスというプラットフォームで行われるようになります。
そのときにネックになるのは、多数の少人数クラスをカバーする多数の先生をどう確保するかということです。
しかし、先生の仕事が教えることではなく見守ることであれば、教える教科の知識は必要ありません。
そうすると、ある先生が、ある生徒を小1から高3までの全学年、全教科を見ていくということができるようになります。
また、生徒にとっても、ある先生に小1から高3までの全学年、全教科を見てもらいたいという場合も出てきます。
同時に、勉強の環境に変化を持たせるために、定期的なクラス替えなどを行う必要も出てきます。
このような先生の仕事は、フルタイムである必要はありません。
自分のできる範囲で、時間を決めて担当するクラスを持つことができます。
オンラインクラスですから、ある先生に急な用事ができた場合は、すぐに他の先生に代講を頼むことができます。
教育が人間のつながりの中で行われるというのは、かつての寺子屋教育の基本でした。
それが、今日のAIの技術とネットワークの技術の中で復活するようになります。
大きく見れば、これが日本の教育全体を変えていく未来のビジョンになります。
■全科学力クラスがスタートします。
全科学力クラスは、当面、中学1年生から中学3年生が対象です。
高校生も参加することができますが、高校生は自分のペースで勉強すればいいので、特に参加する必要はありません。
もちろん参加することはできます。
中学1年生は13歳になるので、Gmailなどで自分のメールアドレスを作れます。
そのメールアドレスで、ChatGPTのアカウントを取得します。
ChatGPTに高度な質問をする場合は、有料の方がいいので、できるだけ有料のアカウント(月20ドル)を取得するといいですが、当面は無料のアカウントで十分です。
授業の内容は、国語・数学・英語が中心で、毎月1週目から3週目は、どの教科に取り組んでもかまいません。
一応、授業の中では、1週目に国語的な話、2週目に数学的な話、3週目に英語的な話をします。
4週目は、創造発表的な授業をします。理科、社会、プログラミングのいずれかをテーマに自分で研究したことや創造したことを発表します。
国語・数学・英語は毎月確認テストを行い、学習状況をチェックします。
家庭学習が遅れがちな生徒には、毎日の自習室の利用をすすめます。
全科学力クラスで勉強を続けるためには、学校の成績がオール3.5以上であることが必要です。
それは、少人数クラスで勉強するには、学力が同じぐらいである必要があるからです。
■■未来の教育――AIを活用した自ら学ぶ勉強
私は、勉強はやれば誰でもできるようになると思っています。
勉強ができないのは、ひとつには勉強をする時間が不足しているからです。
もうひとつには、読書によって読む力や考える力がつけることが不足しているからです。
勉強は、いい参考書や問題集を用意して、自分で勉強を進めていけばいいのです。
学校の教科書は、先生が教えることを前提に作られているので、独学には向いていません。
だから、教科書よりも詳しい参考書の方が勉強には向いています。
デジタル教科書は、勉強には向いていません。
デジタルは検索には便利ですが、勉強は繰り返し学び直すことが大事です。
繰り返し学ぶことによって、情報が単なるデジタルの情報としてではなく、その情報の載っている本のページや手触りやレイアウトと一緒に身につくからです。
勉強は、人に教えてもらう必要はありません。
小学校の低中学年では、教えてもらう方が能率がよい面がありますが、学年が上がるほど、自分のペースで勉強する方が能率はよくなります。
ただし、これまでは、中学生や高校生であっても、わからない問題に遭遇したときは、わかっている人や先生に教えてもらう必要がありました。
ところが、ここに来て、ChatGPTなどのAIを使えば、人に教えてもらうよりも更に詳しく教えてもらえることがわかってきました。
もちろん、AIはまだ進化途上なので、間違えることがあったり、複雑に説明しすぎたりすることがあります。
また、日本の教育は、生徒に必要な実力をつけることよりも、生徒に点数の差をつけることを目的にしている面があります。
そのために、AIも勘違いするような問題が出されることもあります。
しかし、基本的な学力は、AIで十分に教えてもらうことができるようになっています。
AIは、ただ教えてくれるだけでなく、似た問題を作ってくれることもできます。
自分の苦手分野を克服するために、どういう勉強をしたいいかも教えてくれます。
関連した問題に話題を広げてくれることもできます。
教育に関しては、AIは何でも相談できる家庭教師のような役割ができるようになってきています。
これからの勉強は、AIの活用によって、教わる勉強から自ら学ぶ勉強になってくるのです。
■■中学生の勉強法――方法よりもまず勉強時間を確保して繰り返すこと
中学生の勉強時間は、平日1.5時間、土日2.5時間が目安です。
平日の1.5時間の内訳は、数学1時間、英語30分。
土日の2.5時間の内訳は、数学1.5時間、英語1時間。
テスト2週間前からは平日3.5時間、土日7時間が目安です。
平日の3.5時間の内訳は、数学1時間、英語1時間、国語・理科・社会それぞれ30分。
土日の7時間の内訳は、数学2時間、英語2時間、国語・理科・社会それぞれ1時間。
勉強するときは、タイマーをセットして勉強します。
長時間勉強するときは、30分ごとに5分程度の休憩の時間を取るようにします。
その休憩時間には、YouTubeなどを見て休憩してもかまいません。
中学生は、子供部屋では勉強できないので、勉強はリビングで行うようにします。
リビングで勉強する習慣がない場合は、自習記録をつけて、自習室でその時間の勉強をします。
(自習の記録をつけるだけでもいいです。)
読書力がないと、勉強の時間をかけても成績が上がりません。
読書力がないと、ものごとを理解する力が弱くなるからです。
だから、説明文意見文の読書は、毎日やるようにします。
目標は、1日50ページで、1週間に1冊は必ず読み終えるようにします。
勉強の内容に関する質問や、勉強の仕方に関する質問は、そのつどChatGPTに聞くようにすると能率が上がります。
親が数学を教えると、うまく行かないことが多いです。
それは、つい、「こんなこともできないのか」と思ったり言ったりしてしまうからです。
親が数学を教えるときは、いつもにこやかに忍耐強く教えることが大切です。
中学生の勉強では、いい方法を探すよりも、まず時間をかけて繰り返すことが大事です。
1冊の問題集を5回繰り返せば、ほとんど完璧にできるようになります。
■■合格速報
●北海道大学経済学部 K.N.さん
<担当講師より>
入試の前日も、いつもと変わらずZOOMで作文指導を受けてくれて、本日「小論文で合格しました。ありがとうございました。」と合格の報告を受けました。
他者を批判することなく、自分の意見もしっかり述べることのできる穏やかで聡明な生徒さんです。興味関心のある分野で学びを深め、社会で活躍してくれることを期待します。将来が楽しみです。
●国際基督教大学(ICU) K.R.さん
<担当講師より>
小5から中3まで作文の勉強をしていました。
帰国子女ですから、いつも自分の意見をはっきり言える子でした。
推薦小論文の勉強をして、ICUに合格しました。
- ● 言葉の森新聞2025年3月4週号 通算第1844号 (4872字) 言葉の森事務局 jun 2025年03月22日 10時48分
17280 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年3月4週号 通算第1844号
文責 中根克明(森川林)
■■3月29日(土)・30日(日)・31日(月)は休み
3月29日(土)・30日(日)・31日(月)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。
■■2025年3月保護者懇談会資料
●小学校低学年の作文は、書いたあとの添削よりも、書く前の題材作りと読書が大事
小学校低学年の生徒は、親や先生の言うことをよく聞きます。
この時期に、子供の書いたものを直すことに力を入れると、一時的に文章がよくなるように見えますが、長い目で見ると、作文を書くことに次第に負担に感じるようになります。
低学年の作文で大事なことは、書いたあとに直すことではなく、作文の題材作りをしてあげることと、毎日の読書に力を入れることです。
●中学生高校生の今後の国語力の分野は、読解力や記述力よりも作文力になる
学力を評価する最も重要な指標は作文力です。
しかし、これまでは作文を評価し指導する方法がなかったので、小学校高学年から学校での作文指導はほとんどなくなりました。
作文力の代わりとして使われているものが読解力や記述力のテストです。
しかし、読む力のある生徒は読解問題はほとんど満点になるので、例えば東大の国語の試験では読解問題はひとつもありません。
一方、記述力のテストも、書く力のある生徒ではほとんど差がつきません。
しかも、100字や200字程度の記述テストでは、ほとんど何の評価にもなりません。
これから、言葉の森で作成した作文検定や、今後作成する予定の読書検定が広がると、国語力や学力の基準は、作文力と読書力になってきます。
そういう将来の見通しを持って、作文と読書に力を入れていきましょう。
●読書力があると、勉強時間が短くても成績が上がるという川島教授調査データ
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川島 いまは仙台市の教育委員会と学術協定を結んでいて、市内の公立小中学校に通う7万人強の子供たちの学力データを10年近くにわたって追跡調査していましてね。そこからも読書習慣を持っている子の学力が明らかに高いというデータを得ているんです。
脳の測定をさせてもらうと、読書習慣を持っている子は脳の発達がとてもいい。大脳の言語半球の神経線維しんけいせんいという電線の連絡する部分、ここの発達がすごくよくなっていることが分かりました。
土屋 読書の効果が脳にもはっきりと現れているわけですね。
川島 そうなんです。実際にどれだけ学力に差があるかと言いますと、読書を全まったくしない子が平均点を超えるには、家で毎日2時間勉強して、かつ睡眠を6時間から8時間キチッととらなければなりません。ところが読書を毎日する子たちは、家での勉強時間が1時間もあれば十分で、あとはちゃんと睡眠さえとっていれば平均点を軽く超えるんです。さらに、毎日1時間以上読書する子たちは、宿題さえちゃんとしていれば、あとは適切な睡眠時間が確保されると楽々平均点を超える。それくらい、激烈な学力の差が生まれることが分かったんです。
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https://magazine.chichi.co.jp/articles/5698366208/
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2025/3071610440.png
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2025/3071610441.png
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2025/3071610442.png
●ChatGPTなどのAI機能の活用で、勉強の仕方が大きく変わる
勉強で大事なことは、いい教材(参考書や問題集)を使うこと、正しい勉強法を理解すること、わからないときに質問できる場があることです。
教材については、優れたものが既に多数出ています。
勉強法についても、参考になる本が数多くあります。
質問できる場については、これまでは学校や塾の先生が必要でした。
しかし、今後はChatGPTが先生の代わりに質問に答えてくれるようになります。
ChatGPTは、質問をいくら重ねてもわかりやすく教えてくれます。
算数数学の問題でも、問題の画像を読み込ませて質問すれば教えてくれます。
13歳になるとGmailでメールアドレスが取得できるので、ChatGPTのアカウントが作成できます。
中学生以上の生徒は、ChatGPTを利用して勉強をしていきましょう。
これからの勉強は、教材と勉強法とChatGPTを生かした家庭学習が基本になります。
しかし、ひとりで勉強していると、ほかの人とのコミュニケーションの機会がなくなるので、オンラインクラスへの参加を生かします。
オンラインクラスは、そこで勉強をしたり質問をしたりする場であるよりも、自分の勉強成果を発表し、他の生徒と交流する場になります。
将来の勉強は、このようなスタイルになっていくと思います。
●小123年の基礎学力クラスの勉強は、国語・算数の勉強習慣と、毎週の暗唱と、4週目の創造発表
小123年生で大事な勉強は、読書と、暗唱と、みんなの前で発表する機会を持つことです。
勉強的なことは、学校で普通にやっていれば十分です。
●小456年の総合学力クラスでは、国語・算数の基本的な勉強習慣と、毎週英文暗唱と、4週目の創造発表
小456年生で大事な勉強は、勉強習慣を作ること、英文暗唱ができるようになること、創造発表の場を持つことです。
中学受験する人が多いと思いますが、小6の年齢での受験では、保護者の対応が大事になります。
勉強の時間は長くなりますが、読書の時間は短くても毎日確保しておくことが必要です。
受験のあと、小6のころの年齢では、合格すると人生を甘く見るようになり、不合格になると劣等感を持つようになりがちです。
保護者は、長い人生経験を生かして、受験後の対応をよく準備しておくことが必要です。
●中学生の全科学力クラスでは、国語・数学・英語の勉強と、4週目の理科社会プログラミングの創造発表。中学生はChatGPTのアカウント取得が必要
中学生対象の全科学力クラスは、国語・数学・英語、創造発表(理科社会プログラミング)を、それぞれの生徒が自分のペースでやっていきます。
勉強の基本は家庭学習で、先生は勉強のチェックをしますが、何かを教えるようなことはしません。
教わりたいことや質問したいことは、問題集とChatGPTの活用でカバーします。
授業の場では、学習チェックと学習結果の発表が中心になります。
全科学力クラスは、高校生も参加できますが、高校生は勉強の自覚ができているので、家庭で自分の力でやっていくのでいいと思います。
●英語クラスは、クラスによって高校生も指導
英語クラスのさとこ先生は、英語指導のベテランです。
高校生のハイレベルの指導も十分にできるので、希望される方は体験学習を受けてください。
●高校生は、塾や予備校に頼るのではなく、勉強法の本を参考に、ChatGPTを利用して独学をするのが基本
今は、子供のころから塾で勉強することが多いので、高校生でも、塾や予備校で人に教えてもらう勉強を続ける人が多いと思います。
しかし、勉強の基本は独学です。
できるだけ、自分で工夫して勉強するようにすると、その経験は社会に出てからも生きてきます。
特に、これからはChatGPTを使えば、独学はより容易になります。
塾の宿題や塾のテストに追われずに、自分のペースで勉強を進めていきましょう。
●勉強の目的は、大学入試に合格することではなく、社会に出て第一人者として活躍できる人間になること
昔は、大学入試がゴールで、いい大学に合格したらそれで勉強は終了という時期がありました。
しかし、今は、大学入試はゴールではありません。
就職試験では、出身大学が基準になることが多いですが、学歴が問題になるのはそこまでです。
現在は、東大の入学式で学長がベンチャービジネスの話をする時代です。
起業、創業は、資金的にも技術的にも、昔よりはるかに容易になっています。
だから、大事なことは、勉強で基礎学力をつけるとともに、自分の好きなことに没頭する時間を作ることです。
また、15歳ぐらいになると、人生の自覚ができますから、この時期に、いろいろな伝記を読むとあとでそれが生きてきます。
古典的な伝記として、シュリーマン、フランクリン、福沢諭吉、勝海舟などがありますが、最近の伝記としても、松下幸之助や本田宗一郎や糸川英夫などの本があります。
中学生、高校生は、勉強以外に読書の時間を確保していくようにしましょう。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■【合格速報】奈良県立郡山高校
●奈良県立郡山高校 N.N.さん
<保護者さまより>
言葉の森で勉強させていただいたおかげです。
本当にありがとうございました。
夏前と夏休み直後の模試ではE判定で、これは厳しいかな、と思いましたが、それから判定を上げていき、12月ではA判定を頂きました。
勉強法について迷うたびに色々アドバイスをいただき、それにのっとって進めていきました。
高校生になっても作文と読書は続けて行きたいと思います。
<担当講師より> 英語
授業中は自ら英語の説明のメモを取り、きちんと英作文に取り組み、コツコツと自習に励んでいました。合格発表のあったその夜からさっそく高校英語に取り組んでいます。
<担当講師より> 作文
第一志望校合格、おめでとうございます。
夏休み以降の追い上げは、Nさんの努力と粘り強さの賜物ですね。
高校生活はさらに世界が広がる時期です。作文も続けていきたいとのこと、嬉しく思います。
これからも自分の言葉で考え、自分の言葉で表現する力を磨いていってください。応援しています。
- ● 言葉の森新聞2025年3月3週号 通算第1843号 (1901字) 言葉の森事務局 jun 2025年03月17日 11時37分
17276 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年3月3週号 通算第1843号
文責 中根克明(森川林)
■■3月20日(木)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、3月20日(木)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■新しい教育のビジョン――AI時代は自分で学ぶ勉強の時代に
人間は、中学3年生ぐらいになるまでは、勉強の自覚がないのが普通です。
それは、まだ自分というものがはっきりしていないからです。
このころまでは、向上心によって勉強するのではなく、人に言われるから勉強するというのが勉強の動機です。
だから、中学3年生まで義務教育になっているのです。
子供は、中学3年生ごろから次第に自覚によって勉強するようになります。
だから、自覚によって勉強する前の時期、小学校高学年から中学生の時期にかけての勉強の仕組みを作ることが大事です。
今の教育の多くは、宿題とテストによって勉強の動機付けを行っています。
以前、宿題とテストを廃止した中学があり、かえって成績が上がったという例がありました。
しかし、それが続いているかどうかはわかりません。
フィンランドの教育が、一時、宿題もテストもない教育として話題になりました。
しかし、そのときの生徒の学力は、それまでの宿題やテストがあった時期に作られた学力でした。
だから、宿題とテストをやめてから、フィンランドの教育は急降下しました。
宿題とテストがなければ、生徒は勉強しません。
しかし、宿題とテストだけで勉強させようとすれば、生徒の自主性が失われます。
宿題とテストという強制に頼らずに、生徒が自主的に勉強に取り組む仕組みが必要です。
私(森川林)が考えているのは、次のような学習システムです。
対象は、主に中学生です。
まず、全員が、国数英理社の参考書又は問題集を用意します。
勉強の基本は、家庭での自学自習ですから、毎日計画的に勉強を進めます。
しかし、中学生のころは、学習の仕方がわからないうちは、無駄なことをしたり、わからなところを飛ばしたりします。
そこで、週に1回、学習チェックの時間を作ります。
学習チェックは、オンラインクラスで、同学年の同レベルの生徒が4~5人集まる状態で行います。
そこで、勉強の状態をチェックするとともに、読書紹介や、勉強や、学習相談や、生徒どうしの交流を行います。
ここで大事なことは、先生の役割です。
先生がひとりで勉強を教えようとすると、中学生のレベルでは教科担任になりがちです。
中学生の国語も数学も英語も理科も社会も、全部教えられるという先生はあまりいないからです。
しかし、ここで、ChatGPTが助手として参加します。
先生は、生徒の勉強の全体的なバランスを見てアドバイスをします。
個々の教科の指導や質問は、ChatGPTのAIが行います。
そのために、参加する生徒は、できるだけChatGPTの有料版(月20ドル)を使えるようにします。
国数英理社の教科の勉強は、ChatGPTを使えば十分にできます。
先生の役割は、生徒の全体の状態を見ることです。
しかし、国数英理社の勉強は、吸収する勉強です。
これからは、吸収だけでなく、創造し発表する勉強が必要になってきます。
そこで、月に1回は、創造発表の週を作ります。
この創造発表のテーマは、主に、理科と社会とプログラミングです。
週1回の学習では、家で勉強する時間が不足するという場合は、自習室を使うようにします。
このような自学自習と創造発表ができるためには、学校成績がオール3.5以上であることが必要です。
学校の成績がそれ以下になったら、国数英の確認テストが連続3ヶ月70点以上になるまで自分で勉強をするようにします。
こうすれば、無駄のない、そして友達との交流もある楽しい勉強ができます。
これを4月から行っていく予定です。
■■【合格速報】中央大学文学部
●中央大学文学部 T.Y.さん
<担当講師より>
昨年まで受講していた生徒さんです。理系→文系に進路変更し、毎週欠かさず力作を仕上げていました。見事中央大学文学部に合格したそうで、おめでとうございます。
- ● 【テスト送信】文字化けがあったらご連絡ください【送信指定】 (114字) 森川林 nane 2025年03月16日 11時00分
17274 (言葉の森オンライン新聞)
このメールは、講師の方、全員にお送りしています。
言葉の森のオンライン新聞からの送信です。
メール設定を直したので、もし題名、又は、本文に文字化けがあったらお知らせください。
文字化けがない場合は、特に連絡されなくて結構です。
- ● 言葉の森新聞2025年3月2週号 通算第1842号 (1136字) 言葉の森事務局 jun 2025年03月10日 14時46分
17269 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年3月2週号 通算第1842号
文責 中根克明(森川林)
■■これからの学力は、勉強よりも創造、その創造を生かすものは発表
世の中にある価値の源泉は、創造です。
資源でも、土地でも、人口、ゴールドでもありません。
例えば、最初に光合成を創造した生物がいたから、自然はこのように豊かになりました。
今の植物たちはすべて、その最初の創造をコピーして繁栄しています。
もっとぐっと身近なところでは、あるとき、亀の子だわしを発明した人がいたから、それから掃除の能率が格段と上がりました。
こういう例は、いくらでも出てきます。
だから、日本を豊かにする道は、さまざまな創造が次々と生まれることです。
この点で、日本には土台となる文化があります。
その文化が、例えば、万葉集を生み出しました。
ところが、今の教育は、創造とは正反対の詰め込み競争を行っているように見えます。
クイズ番組のような知識をいくら覚えても、世の中は豊かになりません。
ただし、一定の知識の蓄積は必要です。
その方法は、ひとつはAIを利用することです。
もうひとつは、友達と一緒に勉強する場を作ることです。
そして、大事なことは、その知識の基礎の上に、創造の機会を作ることです。
ところが、創造の教育は、かつてのゆとり教育のようなものになりがちです。
現在行われている探究学習でも、参考書をていねいに書き写して発表するだけようなものが多いのではないかと思います。
創造教育の要は、自分の好きなことに取り組むことです。
そして、そこに、まだ誰もしていないことを盛り込むことです。
その創造の学習のバネになるもののひとつは、みんなの前で発表する機会があることです。
もう一つは、創造の見本となる、創造と発表の好きな保護者や友達がいることです。
創造的な学習をする機会は、作文クラスでの作文発表、基礎学力クラスと総合学力クラスでの4週目の創造発表、創造発表クラス、プログラミングクラスなどがあります。
また、勉強の工夫の仕方では、国語読解クラスでの問題文の要約感想短歌、算数数学クラスでの問題作成、英語クラスでの自由英作文などもあります。
教科書を読んで、先生の話を聞いて、テストの問題を解いて100点を取ったところで、何ということはありません。
そういう勉強は、必要になったときにいつでもできるからです。
受け身の勉強ではなく、主体的な勉強をすることが、これからの教育に求められているのです。
■■【合格速報】北海学園札幌高等学校
●北海学園札幌高等学校 A.T.さん
<担当講師より>
受験のプレッシャーを感じていたようですが、作文の提出もきちんと続け、見事志望校に合格しました。おめでとうございます。
- ● 言葉の森新聞2025年3月1週号 通算第1841号 (1350字) 言葉の森事務局 jun 2025年03月01日 11時16分
17249 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年3月1週号 通算第1841号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】3月1週は、作文のテストです
3月1週は、作文のテストです。
今やっている課題の字数と項目が全部できることが条件です。
字数の目標は、学年の200倍ですから、
小1は200字以上
小2は400字以上
小3は600字以上
小4は800字以上
小5は1000字以上
小6以上は1200字以上
となります。
必要な字数を書く力は、作文の実力と高い相関があります。
普段、長く書けない場合でも、テストをきっかけに、がんばって目標の字数まで書くと、それからその長く書けた字数が自分の実力となります。
作文に入れる項目には、項目マークもつけておいてください。
項目は1種類について、1つつけてあればいいです。
例えば、たとえをいくつか書いている場合でも、その中にひとつに項目マークをつけておけばいいです。
・構成は「枝」のマーク
・題材は「葉」のマーク
・表現は「花」のマーク
・主題は「実」のマーク
です。
パソコンで作文を書いている人は、項目の該当する箇所に、
< <構成> >又は< <こうせい> >
< <題材> >又は< <だいざい> >
< <表現> >又は< <ひょうげん> >
< <主題> >又は< <しゅだい> >
と書いておいてください。
※「<」と「>」は、全角の山カッコで、それを2つ並べます。
日本語キーボードの「ね」と「る」のところにあります。
半角の「<<」「>>」や「《」「》」ではありません。
作文テストの提出締切は3月8日(土)です。
遅れないようにがんばってください。
■■成績をよくするよりも頭をよくすることが大事
成績は、時間をかけて覚えれば、誰でもよくなります。
成績がよくないのは、単に勉強をしていないからです。
しかし、成績がよくなる勉強をいくらしても頭はよくなりません。
頭のよさが差として出てくるのは、受験の最後の1年間です。
受験のときに、頭のいい子はぐんぐん成績を上げます。
一方、成績だけがよかった子の成績は、横ばいかわずかの上昇で推移します。
こうして、静かな逆転が起こるのです。
大学入試で逆転があるように、社会に出てからも同じような逆転があります。
成績をよくする勉強は、知識を詰め込む勉強です。
頭をよくする勉強は、考える勉強です。
考える勉強の代表は、読書と作文です。
ただし、読書は考える読書、作文は考える作文である必要があります。
言葉の森で作文の勉強をしていると、自然に頭がよくなります。
しかし、頭がよくなったことは、点数がつくわけではないので、なかなか外からはわかりません。
外見からのわかりやすい目安は、本を読むのが好きになること、文章を書くのが好きになることです。
そういう子は、自然に難しい本を読み難しい文章を書く方向に進みます。
■■【合格速報】慶応大学総合政策学部
<担当講師より>
小学生の頃から、テスト期間や受験期間も休まず受講してくれました。
「毎週、言葉の森の課題で、いろいろなことを考えていたから、受験当日に出された小論文の問題にも、迷いなく対応できたのだと思う」と言ってくれました。
受験という環境も、学ぶこと自体も楽しんでいる生徒さんですので、今後の活躍を楽しみにしています。
- ● 言葉の森新聞2025年2月4週号 通算第1840号 (3935字) 言葉の森事務局 jun 2025年02月25日 15時46分
17240 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年2月4週号 通算第1840号
文責 中根克明(森川林)
■■2025年2月保護者懇談会資料
●動画
https://youtu.be/A41nJ8Iopxo
●作文学習の意義
勉強は成績がよくなるだけだが、作文と読書は頭がよくなる。
頭がよくなれば、学年が上がるにつれて成績も上がる。
逆に言うと、成績だけ上げていると、学年が上がるにつれて成績は下がる。
●小学校低学年のうちは、コントロールしすぎない
親のペースで子育てをしていると、勉強のよくできる子になるが、やりすぎると、小4のころから反発するようになり、かえってうまく行かなくなることがある。
低学年のころは、直したり指示したりすることは少なくして、褒めることと自主性を活かすことを中心に、。
●小学校中学年は、家庭学習の習慣をつけ、毎日決まったことをやれるようにする。
そのためには、勉強の量は少なく、決まりきったことができるようにする。
勉強以外のお手伝いの習慣も同じ。
そういう習慣がつくと、夏休みの宿題なども計画的にやるようになる。
●中学生高校生は、読書が重要。
特に、小説ではなく説明文意見文の読書を中心に。
難しい本の読書をしていると、読書とは関係ないように見える数学や他の教科の成績も上がる。
その理由は、読書によって考える力がつくので、数学の解法なども考えて理解できるようになるから。(読む力がないと、解法を読む気がしなくなることもある)
●勉強の目標を、大学入試に置くのではなく、その先の独立起業に
昔は、いい大学に入ることが勉強のゴールだったが、これからはそうではなくなる。
本当のゴールは、社会に出て第一人者になることで、わかりやすく言えば独立して起業すること。
●ベーシックインカムの時代は、遠い先の話ではないから、メシの食える大人になることよりも、楽しい人生を送る大人になることが目指す目標になる。
楽しい人生の条件は、常に向上心を持ち、創造的に生き、社会に貢献すること。
●学力の基礎は日本語。
日本語の力をつけるには、読書と対話と作文と暗唱。
読書には読み聞かせも含む。
日本語の力がつくと、精神が安定し、人の言うこともすぐに理解するようになる。
学校でなにかのお知らせのプリントが配られるようなときに、すぐに読み出すような子は読む力がある。
逆に日本語の力がないと、落ち着かない、言うことを聞かない、怒りっぽくなるなどの問題が出てくることがお多い。
●今後の学力はAIで大きく変わる。
わからないことは先生に聞くよりもAIに聞くようになる。
勉強を発展させたいときも、AIと相談するようになる。
勉強は、家庭学習+AIが基本になる。
●AI時代のオンラインクラスの意義
基礎学力クラスは、低学年からの勉強仲間作り。
総合学力クラスは、能率のよい国語算数英語創造発表の学習。
全科学力クラスは、同じく能率のよい国語数学英語理社の学習。
プログラミングクラスは、これまでのコード学習から、これからはAIを使った作品づくりへ。
創造発表クラスは、理科・社会・プログラミングの勉強をAIで発展させて発表する学習に。
●AI時代の作文
作文の本質は考えることで、書くことはその結果。(書きながら考える面はあるが)
構想メモを手書きで書くことが作文の中心になる。(考える作業は手書きと相性がいいので)
将来は、人間が、構成と実例と意見と名言を考え、それを書くのがAIという役割分担になる。
●AI時代の英語
英語教育は、伝達のための英語から、文化を身につけるための英語になる。
英語以外の外国語も、文化のための外国語を学ぶ学習になる。
文化のための外国語の学習には、外国語の文章の暗唱が重要になる。
●AI時代の入試
知識のテストは基本的なことがわかっていればいいということになる。
具体的には、オール4の成績か、共通テストで7~8割の成績。
あとは、自分の得意分野があり、それに熱中した実績など。
ただし、得意分野は、スポーツ的音楽的なものよりも学問的なもので。
将来は、作文小論文が入試の中心になる。
現在、作文が入試の中心になっていないのは、評価に手間がかかるから。
作文検定試験が広がれば、作文力が学力と見なされ、読解や記述の試験も作文に統合されるようになる。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■森リン点を2月から調整します――それぞれの語彙の説明
思考語彙のうち、「たら」という言葉が、原形の「た」という言葉で集計されている例が多かったので、思考語彙からはずしました。
表現語彙のうち、「の」が名詞として集計されていますが、「の」と表示されてもわからないと思うので、表現語彙からはずしました。
ほかに、あらかじめはずしているものは、数字の1、2、3……などです。
以上の調整をしたあと、全学年のほぼ中間に位置する中1の1~2月の採点をし直し、新しい平均点と標準偏差の数値を作りました。
その新しい基準で、2月からの森リン点を採点し直します。
なお、それぞれの語彙の簡単な説明は次のとおりです。
・思考語彙……考える言葉、説明、意見、感想など。
・知識語彙……知識実例、調べた話など。
・表現語彙……話題の多様性。語彙の多様性。
・文化語彙……具体的な例。主に体験実例。
これらの語彙は、単純な個数の集計ではなく、種類の数の集計なので、同じ語彙がある場合は1つとして数えています。
どの語彙も多いほうがいいと思うかもしれませんが、多すぎるとかえってマイナスになることがあります。
・思考語彙が多すぎると……理屈の多い、読みにくい文章になる可能性があります
・知識語彙が多すぎると……難解な言葉や知識実例が多く、読みにくい文章になる可能性があります
・表現語彙が多すぎると……話題は豊富ですが饒舌で、考える内容の薄い文章になる可能性があります。
・文化語彙が多すぎると……身近な実例や体験実例が多く、浅い内容の文章になる可能性があります。
しかし、現在はまだ、特定の語彙が多すぎることによるバランス上の減点は行っていません。
■■合格速報
●自由学園中等部 N.J.さん
<担当講師より>
読書好きで、語彙力、表現力に長けていることはもちろんですが、自分にしかできない体験を通して感じたこと、考えたことを、自分の言葉で伝えることができる聡明な生徒さんです。
願書作文では、入学への思いが伝わる文章をしっかりと書くことができました。
中根先生からも「願書の模範のような願書です」とお墨付きをいただいていました(^^
「平和・環境・人権を大切に学び、誰一人とり残されることのない社会を実現するために貢献できる人になりたい」という目標に向かって学びを続け、それを実現できる人になってくれると期待しています。
●筑波大学附属高等学校・開成高等学校 S.K.さん
<担当講師より>
受験期間の2週間だけお休みされましたが、直前まで作文も粛々と取り組んでくれていました。ユーモアセンスがあり、鋭い視点で個性あふれる文章を書いてくれます。高校でのさらなる成長と活躍を期待しています。
●奈良県立大学付属高校普通科・奈良育英高校普通科選抜コース N.N.さん
<担当講師より>
中2のうちに『発展新演習英語中3』の全単元を終了して英検3級に合格。中3になってからは同問題集の入試対策問題や中根先生のお勧めで購入した高校入試過去問題集の問題に取り組んできました。今も3月の第一志望校入試に向けて英語はライディングを中心にがんばっています。
- ● 言葉の森新聞2025年2月3週号 通算第1839号 (4048字) 言葉の森事務局 jun 2025年02月15日 10時45分
17230 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年2月3週号 通算第1839号
文責 中根克明(森川林)
■■2月24日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、2月24日(月)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■全科学力クラスの4月からの勉強――中学生高校生対象の新しいクラス
全科学力クラスは、中学生と高校生が対象です。
勉強は、学校や塾や予備校に通って行うものではありません。
家庭で自分のペースで行うものです。
その家庭学習のときに、AIが役に立ちます。
AIは、いつでも、どんなことでも、わかりやすく説明してくれます。
しかし、人間が勉強する目的は、AIのような人間になることではありません。
話は少し飛躍しますが、近い将来、ベーシックインカムが導入されるようになります。
それは、人類全体の生産力が、すでに人類全体の消費力を上回っているからです。
にもかかわらず、多くの人がそれほど豊かに暮らせないのは、生産力の多くが軍事費やもろもろの非生産的なものに費やされているからです。
しかし、あるときから、それらの無駄が取り消されます。
また、人間がする仕事は、AIやロボットによって次々となくなっていきます。
今ある仕事の多くは、人間がやらなくてもいいものになります。
また、今後の科学によって、エネルギーは無料に近づきます。
例えば、地球は、高速で自転し更に高速で公転しています。
極端に言えば、その自転や公転の一部でも使えれば、エネルギーはほとんど無料になります。
今はまだそこまで科学が進んでいないので、化石燃料を使っているのです。
これからの近い将来の社会を考えると、子供たちの勉強の目的は、いい大学に入り、いい会社に就職するというようなことではなくなります。
今はまだ、漠然とグローバル企業のホワイトカラーを目指し、役職と給与の上昇を目指す人生設計があります。
しかし、そうではない選択肢が増えています。
勉強の目的は、自分の好きなことを生かして、独立して仕事をすることになります。
しかし、ベーシックインカムの時代の仕事の目的は、売上を上げて利益を確保することではなくなります。
自分の個性を生かし社会に貢献することが仕事の目的になります。
江戸時代の長い平和の時代に、日本ではさまざまな新しい文化が生まれました。
その中には、利益になるものもありましたが、ただ文化を豊かにするだけのものもありました。
ベーシックインカムの時代には、自分の個性を生かす仕事は、仕事というよりも、自分の個性を生かす文化の創造になります。
しかし、「勉強の目的は文化の創造」というのではわかりにくいので、「勉強の目的は独立起業」としておきます。
今はまだ、子供たちの多くにとって、勉強の目的は、テストでいい点数を取ること、そしてやがていい大学に合格することになっています。
しかし、本当の目的は、将来、独立起業を目指すことです。
これからの勉強で大事なことは、4つあります。
第一は、国数英理社の基礎学力を身につけることです。
第二は、知識力ではなく思考力を伸ばす勉強をすることです。
第三は、創造的な研究をし発表する習慣を作ることです。
第四は、ほかの人とのコミュニケーション力と共感力を育てることです。
全科学力クラスでは、毎月1週目は、国語の勉強をします。
国語の勉強のひとつは読解力をつけること、もうひとつは記述力をつけることです。
読解力は、読解検定をもとに行います。
記述力は、国語問題集の問題文をもとに、要約と感想を書く練習をします。
2週目は、数学の勉強をします。
数学は、数学の問題集をもとに行います。
問題を解くだけでなく、自分なりに問題の解説をしたり問題の作成をしたりします。
数学の問題の中には、解答と解法を見ても理解できないときがあります。
そのときは、AIを活用します。
3週目は、英語の勉強をします。
英語は、英語の問題集をもとに行います。
また、英文の暗唱と英作文の練習をします。
英語は、AIの得意な分野です。
4週目は、創造発表の勉強をします。
これは、探究学習を更に創造的発表的にした勉強です。
創造発表の主な分野は、理科と社会とプログラミングです。
理科と社会は問題集と教科書をもとに行います。
プログラミングは、プログラミングの書籍をもとにします。
プログラミングは、AIを最も活用できる分野です。
これらの勉強によって、将来の独立起業を目指します。
その途中の過程で、大学入試を目指したり、学校のテストの成績向上を目指したりするのです。
これまでの勉強は、知識を頭で理解することが中心でした。
しかし、これから必要になる勉強は、その知識を身体化することです。
そのために、思考、創造、発表が必要な勉強をしていきます。
これまでの勉強には、個性は必要ありませんでした。
しかし、これからの勉強は、個性と不可分の勉強になります。
それぞれの個性を通して、同じクラスの生徒どうしが交流することが勉強のもうひとつの重要な柱になります。
なぜなら、人間の本当の成長は、他の人との交流の中で育つからです。
■■AI時代の教育(その1)
AIはすでに十分に発達していますが、更にそれが加速します。
子供たちの勉強は、これから、AIと結びつくかたちで進みます。
そのときに、人間が受ける教育はどうあるべきかということを考えておく必要があります。
人間がAIと違う点は、身体を持つことです。
この身体性によって、人間は特定の時間と空間の中で生きるようになります。
もちろん、AIも、時間と空間を指定すれば、それに応じた対応をします。
しかし、AI自身が、特定の時間と空間の中に生きているわけではありません。
わかりやすい例で言えば、人間は、例えば誰かが好きになります。
しかし、AIは特定の誰かを好きになったり嫌いになったりすることはありません。
これが、身体性の違いです。
現在、学校で行われている教育の多くは、身体性とは無縁です。
だから、AIで教育ができます。
すると、今後の教育の主な場所は、学校ではなく、家庭になります。
AIに教えてもらい、AIに質問し、AIに評価してもらえばそれで十分です。
しかし、それでは、人間の主体性がありません。
人間が持つ身体性は、AIとは異なる価値を生み出します。
それが、ひとつは、問題意識や義憤と呼ばれるようなものです。
もう一つは、夢や憧れや希望と呼ばれるようなものです。
AIは、本質的に問題意識や夢を持ちません。
人間が、AIに問題意識や夢を与えて、初めてそのために動くのです。
話が少し飛びますが、AIが感情を持つかどうかということも、これでわかります。
AIは、感情を持つ動作をすることはできますが、感情は持ちません。
それは、AIは身体性を伴っていないからです。
もうひとつ話は飛びますが、AIが人間に反抗したり人間を支配したりするようになるかという話がありますが、それは原理的にありません。
AIは、あらゆる情報を総合して考えます。
すると、Aとって有利なことがBにとって不利であり、Bにとって有利なことがCにとって不利なことであることもわかります。
すると、BにもCにも有利になることが、結局は回り回ってAにとっても有利になることがわかります。
そこでAIが出す結論は、「最大多数の最大幸福」のようなものになるのです。
さて、話は戻って、人間はこれからどう生きるべきかということです。
AIが誰でも利用できるようになり、ロボットが誰でも利用できるようになると、人間の生活は便利になります。
しかし、そこで、人間は、次第にサルになっていく可能性があります。
テレビを見るサル、必要なボタンを押せるサル、AIに何でも教えてもらえるサルになる可能性もあるのです。
サルになった人間は、AIに新しい問題意識や新しい夢を指示することはできません。
だから、ここで、新しい教育が必要になるのです。
その教育とは、これまでのようにAIに近づくことを目指す教育ではありません。
人間の身体性を生かし、人間がいつまでも新しい問題意識と新しい夢を持つための教育です。(つづく)
■■合格速報
●兵庫県立芦屋国際中等教育学校 H.M.さん
<担当講師より>
自由度が高いゆえに難しい作文試験でしたが、毎回ボリュームたっぷりに書き上げる努力が実を結んだと思います。講評を見ながらおうちの方と手直しをして、本番でも使えそうな表現を見つけていきました。
言語に興味があるMさんなので、多文化が特徴の学校生活で、いろいろな言語や文化に触れるのが楽しみだそうです。
よくがんばりました。おめでとうございます!
●昭和女子大学附属昭和中学校 K.Y.さん
<担当講師より>
入会当初、お母様はYちゃんが恥ずかしがり屋さんで、電話でお話ができるかどうかと心配していらっしゃいました。それから三年半になりますが、Yちゃんは毎回こちらからの質問にはきはきと答え、自分の意見もしっかりもち、毎週立派な作文に仕上げてきました。この一年は受験に向けて頑張っている様子も言葉の森の作文の中で書いてくれていましたので、合格の知らせを聞いたときは私もとてもうれしかったです。第一志望合格本当におめでとうございます。 中学校生活もYちゃんらしく、楽しく充実したものになりますように祈っています。
- ● 言葉の森新聞2025年2月2週号 通算第1838号 (2817字) 言葉の森事務局 jun 2025年02月08日 11時02分
17222 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年2月2週号 通算第1838号
文責 中根克明(森川林)
■■2月11日(火)は「休み宿題」(再掲)
カレンダーに記載してあるとおり、2月11日(火)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■共通テスト国語第二問の解説――しかし、いずれ読解問題や記述問題はなくなる
●動画
https://youtu.be/wn_sW0AOnIs
▽第二問と解説
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2025/2071222410.pdf
物語文の解き方のコツの第一は、問題文を味わって読むことです。
臨場感を伴って読むと、選択肢を見たあと、わざわざ問題文に戻らなくても答えることができます。
答えたあと、確認のためにもとの問題文を読めばいいのです。
PDFの問題文に傍線が引いてありますが、これは大事なところだから線を引いたのではなく、「へえ、そうなんだ」と心が動かされたから線を引いています。
このように、自分の感情をもとに読むことが大事です。
こういう読み方をする力をつけるためには、普段から味わって読む読書生活をしておくことが大事です。
表面的な知識として読むのではなく、自分がその場にいる登場人物であるかのようにハラハラドキドキしながら読むということです。
選択肢を選ぶときのコツは、
★合っていそうなものを選ぶのではなく、
★必ずしもそうは言っていない箇所のある選択肢を省き、省くところのない選択肢を選ぶ、
ということです。
PDFには、選択肢に×や?がついていますが、それは、その箇所が問題文にはそういうことが書いていないという意味です。
そして、最終的に×や?がない選択肢が○になるということです。
さて、話は変わりますが、このような読解問題はいずれなくなると思います。
こういう読解問題は、読む力のある生徒にどういうふうに差をつけるかという目的で作られています。
だから、問題をつくる人は、問題を解く人よりもずっと大変です(笑)。
なぜ、このような差をつけるための問題を出すかというと、国語力を測るほかの方法がないからです。
ところが、これから、国語力は、読解問題や記述問題ではなく、作文小論文で評価するようになります。
東大の国語の二次試験は、すべて記述問題です。
数年に一度、読解問題があるかないかというぐらいです。
それは、読解問題にすると、みんなできてしまうので差がつけられないからです。
しかし、その記述問題は、せいぜい60字とか120字とかの短い問題です。
なぜ、そういう短い記述問題を出すかというと、採点が大変だからです(笑)。
だから、読解問題でも、記述問題でも、ある程度以上の国語力のある生徒には評価の意味がないのです。
ところが、今後、言葉の森が作文検定を行うようにします。
ある問題について、その問題の内容を正確にとらえながらも、自分の独自の視点で文章を書くことができるかどうかを評価できるようになります。
すると、この作文小論文が、最も確実な国語力の測定になります。
しばらくは、まだ、微妙な読解問題や短い記述問題の試験が続きますが、やがてそういう試験はなくなり、作文小論文の力が国語力の評価になると思って、読書と作文の勉強を進めていってください。
■■【読解検定】1月の中1の問1のBが×の理由
中1の問題文「あなたはいい加減な人間だ」の前半には、
====
だが、どう考えてみても、この三つの意味のあいだには関連が見いだせそうにない。「適当」と「でたらめ」と「かなり」に、どんな共通項こうがあるのだろう。まったくニュアンスを異にする意味を三つもふくんでいるとすれば、「いい加減」という言葉は文脈で判断するほかない。
====
とありますから、「共通項が見出せそうにない」ということになります。
しかし、問題文の後半には、
====
私は『広辞苑こうじえん』にあげられている「いい加減」の三つの意味のあいだに何の関連も見いだせそうにないといった。だが、以上のように考えてくると、この三つの意味はやはり見えない糸で結ばれていることに気づく。
====
となっています。
だから、「共通項が見出せそうにはないが、見えない糸で結ばれていると気づく」となります。
したがって、「それらの意味には全く共通項がない。」の「全く」が×になるということです。
選択問題で、「全く」とか「絶対に」とかの言葉が使われていると、×になることが多いです。
■■【読解検定】中1の1月の問5のAの問題「昔、夏に食べたトマトは」
最初に書いてある「昔、夏に食べたトマトはおいしかった。」は、作者の主観的な思い出から来るおいしさです。
そのあとの、「あのころのトマトは臭かった。だから厳密にいうと、今のトマトと昔のトマトのどっちがおいしいかという話に簡単に答えは出せない。」が、客観的なおいしさの説明です。
だから、
「A 昔のトマトは青臭いがおいしかった。」
の「青臭いが」は合っていますが、「おいしかった」は必ずしもそうとは言えないので○ではないということです。
■■合格速報
●千葉県立千葉中学校 S.A.さん
<担当講師より>
算数数学クラス受講中のS.A.さん。
中高一貫で、倍率7倍の難関を潜り抜けての合格です!
小5・6年の受験問題集を、繰り返しコツコツ解いていました。
本当にがんばりました!
おめでとうございます!
●創価高校 T.R.さん
<担当講師より>
第一志望の創価高校に合格しました。
数学と英語だけの試験で、英語はほぼ完璧、数学は大問をちょっと落としたということでしたが、たぶん余裕の合格だったと思います。
受験が終わったので、3月いっぱいは、高校の数学の先取り学習をする予定です。
明るく真面目な性格で、定期テストのときも、いつも休まずに出席していました。
高校でも、楽しい学校生活を送れると思います。おめでとう!
●東京学芸大学附属世田谷中学校 M.M.さん
<担当講師より>
Mさんは、毎回丁寧に課題と向かい合い、おうちの方と対話を重ねて取り組んでいました。規定の文字数ぴったりで書くことを徹底し、よく頑張りましたね。本番では時間配分もうまくいき、実力を発揮できたようです。穏やかで凛としたたたずまいの中に力強さを感じるMさん。新しい出会いや環境を楽しんで、中学校生活を送ってくださいね。おめでとうございます!
- ● 言葉の森新聞2025年2月1週号 通算第1837号 (4051字) 言葉の森事務局 jun 2025年02月01日 12時42分
17211 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年2月1週号 通算第1837号
文責 中根克明(森川林)
■■2月11日(火)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、2月11日(火)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■【重要】2月の作文から、森リン点が変わります――学年ごとの点数から全学年の点数へ――小学生は点数が下がり、高校生は点数が上がります
昨年の11月から開始した新しいAI森リンの点数は、学年ごとの点数としました。
すると、森リンベストの点数は、小学生でも最高が80点台、高校生でも最高が80点台となりました。
しかし、こういう点数では、学年が上がったときでも進歩のあとがわかりにくいという問題が出てきました。
そこで、2月からは、学年ごとの点数ではなく、昔の森リンのように全学年統一の点数とします。
その結果、小学生は、これまで80点台だった生徒も30点台や40点台となります。
高校生は、これまで80点台だった生徒が、90点台になることもあります。
中学生は、あまり変わりません。
2月からの点数が、新しい基準の点数ですから、この点数から少しでも点数が上昇するようにがんばってください。
■■【連絡】中学生の国語・数学・英語の教材を1月からの改定前に注文された方には改定後の教材をお送りします
2024年の12月中に、改定前の中学生の国語・数学・英語のいずれかの教材を注文された方は、ご連絡ください。
改定後の教材をお送りします。
■■中根の担当するこれからの創造発表クラス、プログラミングクラス
●動画
https://youtu.be/Fa_ntxLQelo
以下の記事は、中根の担当する水1900の創造発表クラスと木1900のプログラミングクラスの話です。
2月からの予定ですが、現在、このクラスで勉強している生徒は、勉強の内容を変える必要はありません。
さて、私は、創造発表クラスの勉強こそが、将来の勉強の中心になると思っています。
それは、知識の詰め込みのような勉強は、次第に少なくなっていくからです。
現在、高校で行われている探究学習は、創造発表の勉強に近いものです。
しかし、探究学習は、1クラスの人数が30人から40人という大人数で行われているために、グループ共通のテーマでえしか研究が行えず、しかも、個人が研究発表する分野は全体の一部に限られています。
これに対して、創造発表クラスの学習は、一人ひとりが自分の独自の分野を研究し発表する学習です。
このような創造的、個性的な学習が将来の学習の中心になります。
しかし、そのためには、創造発表の学習に方向性を持たせる必要があります。
何でも自由に研究発表してよいというのが理想ですが、そうすると、何をしていいいかわからないという場合も出てきます。
そこで、これからの中根の創造発表クラスでは、自由な研究発表はもちろんいいのですが、研究発表の方向として、プログラミング、理科、社会を指定していきます。
プログラミングの教材は、HTML、ChatGPT、JavaScript、Pythonです。
HTMLの学習でウェブ発表の土台を作り、その土台の上に、ChatGPTを利用して、JavaScriptやPythonのプログラミングを研究し発表していきます。
理科・社会の教材は、中学・高校の理科と社会の問題集です。
理科の分野は、物理・化学・生物です。
社会の分野は、中学生は地理・歴史・公民で、高校生は日本史、世界史です。
これらの教材ともとに、ChatGPTのAIを利用しながら、自分で研究を深め、毎月発表していきます。
理科社会は、勉強を兼ねることができるように、理科社会の確認テストもできるようにします。
創造発表クラスとプログラミングクラスは、同じような内容を研究発表していくことになるので、将来的には「創造発表クラス」という名称で統一していきます。
しかし、今の段階では、名前のわかりやすさを優先して「プログラミングクラス/創造発表(理科社会)」とし、参加者がこのクラスの学習に慣れてきたら「創造発表クラス」にする予定です。
対象は、当面中学生以上です。
将来的には、理科社会の勉強が始まる小5以上とする予定です。
このクラスでは、プログラミングの学習をしてもいいし、理科社会の教材をもとにした創造発表の研究をしてもいいとします。
1.2.3週は、それぞれの研究と途中経過の発表、4週は全体の発表です。
発表した内容は、発表広場(仮称)にそのつどアップロードします。
この発表広場には、基礎学力クラス、総合学力クラスの4週目の発表作品もアップロードし、見学に来た生徒が投票したりコメントを書いたりできるようにする予定です。
■■これからの基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスの勉強
●動画
https://youtu.be/u8ZYYHRN--s
勉強は、家庭学習として行うのが最も能率のよいやり方です。
塾に行って勉強を教えてもらうのは、一見やりやすい勉強の仕方に見えますが、教えてもらう勉強や、宿題をさせられる勉強は、無駄が多いのです。
家庭学習の勉強の基本は、1冊の問題集を何度も繰り返すことによって完璧に自分のものにすることです。
学校や塾の勉強は、いろいろな問題のプリントを次々にやるようなやり方が多いので、無駄が多く定着しにくいのです。
小中学生の間は、勉強をチェックする仕組みがないと、子供は自分から進んで勉強をするようなことはありません。
そこで、言葉の森では、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスを作っています。
これらのクラスでの毎週の勉強チェックと、毎日の自習記録を併用すれば、家庭でも十分に勉強を続けることができます。
基礎学力クラスは、小学1・2・3年生対象で、1週目は国語、2週目は算数、3週目は暗唱、4週目は創造発表、という勉強の仕方をします。
読書と暗唱は重要なので、毎週確認するようにします。
総合学力クラスは、小学4・5・6年生対象で、1週目は国語、2週目は算数、3週目は英語、4週目は創造発表、という勉強の仕方をします。
英語は英文の暗唱をしますが、この暗唱と読書は重要なので、毎週確認するようにします。
勉強は、問題集をもとにやっていけばいいので、先生が改めて何かを教えるということはありません。
質問があれば先生は説明をしますが、それよりも大事なのは、生徒一人ひとりが発表をすることです。
これからの勉強は、すでにある答えを見つける勉強ではなく、思考力、創造力を使って発表する勉強になります。
答えのある勉強は、家庭学習としてやっていればいいので、授業では答えのない創造的な勉強をします。
例えば、国語では、国語の問題文を読んで、要約を書き、感想を書き、その感想をもとに短歌を書きます。
古い勉強の仕方に慣れている人は、教わる勉強や詰め込む勉強が本当の勉強で、発表する勉強は遊びのように考えがちです。
しかし、実は発表する勉強こそが将来役に立つ勉強なのです。
この要約、感想、短歌は、中根の担当する国語読解クラスでも行います。
それは、これからの国語力には、読解力だけでなく記述力が必要になるからです。
更に言えば、記述力よりも必要になるのが、作文力です。
将来の勉強の中心は、読書と作文になっていくと思います。
算数の発表する勉強は、算数の問題集をもとに自分で問題を作ります。
自分がよくできなかった問題をもとに、オリジナルな問題を作れば、その問題の解き方が深く理解できるようになります。
英語の発表する勉強は、ひとつは英文暗唱で、もうひとつは英文作成です。
Google翻訳を使い、英文を作成しますが、問題集に載っている英文法を使い、3文程度の文章を作るようにすれば、より実際的な英文作成ができるようになります。
創造発表は、自由に何を発表してもいいことにしていますが、今後は理科と社会の問題集を使い、より学問的な発表にします。
学校で習う理科と社会の勉強を参考に、学校で習うよりも更に深く研究していく勉強です。
その際に、ChatGPTやPerplexityのAI機能を使えば、自分の興味関心に応じて勉強の内容を個性的に深めることができます。
AIがないころは、研究を深めるためには、参考書を読んだりネットの情報を検索したりしなければなりませんでした。
そのやり方では、時間のかかるわりに、深める度合いにも限界があります。
AIを活用する勉強法は、創造発表だけでなく、これからは国語にも算数数学にも英語にも応用できるようになります。
全科学力クラスは、中学1・2・3年生、及び高校生が対象で、1週目は国語、2週目は数学、3週目は英語、4週目は創造発表(理科社会)、という勉強の仕方をします。
定期テストの2週間前からは、テスト対策期間として勉強をします。
言葉の森は、長年、作文専科の教育を行ってきました。
作文指導については、日本でいちばんの実績を持っています。
しかし、今後は、作文指導だけでなく、全教科の勉強そのものを、思考力、創造力、共感力を育てるものにする必要があると思いました。
そのために、Online作文教室言葉の森という名称を、オンラインスクール言葉の森としました。
これからは、作文教育とともに、小1から高3までのトータルな教育に力を入れていく予定です。
- ● 言葉の森新聞2025年1月4週号 通算第1836号 (3914字) 言葉の森事務局 jun 2025年01月22日 13時49分
17204 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年1月4週号 通算第1836号
文責 中根克明(森川林)
■■1月29日(水)・30日(木)・31日(金)は休み
1月29日(水)・30日(木)・31日(金)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■受験が間近になったときこそ、新しいことをせずに、これまでの反復を
●動画
https://youtu.be/b7xSE8Ykj1g
受験が間近になると、新しい教材で新しいことをやりたくなるものです。
新しいことをすると、勉強がはかどる気がします。
それは、できる問題を解く時間が増えるからです。
しかし、いくら形が新しくなったとは言え、できる問題を解いているのでは力はつきません。
大事なことは、これまでやった勉強を反復し、特に数学ではこれまでにやった問題集を完璧に仕上げることを目標にすることです。
できなかった問題をできるようにするのは、できる問題を解くよりもはるかにくたびれるものです。
しかし、何冊もの問題集を8割から9割できるというのでは成績はあがりません。
1冊の問題集を100%できるようにすることが大事なのです。
■■共通テスト国語第1問の解説
選択問題の解き方は、「そう言っているものを選ぶ」のではなく、「そういうことは必ずしも言っていない」というものを除き、残ったものを選ぶという解き方になります。
言葉の森の読解検定も同じような問題の作り方ですから、読解検定で高得点を取ることを目指すのが国語の共通テストの勉強の仕方になります。
こういう選択問題を作る人は、かなり苦労していると思います。
選択肢の中に、微妙に合っていないものを入れなければならないからです。
しかし、こういう瑣末なところで差をつけることを目的とした国語の勉強は、いずれ時代遅れになります。
国語力は、このような読解の細かい選択問題で評価するのではなく、また短い要約問題や記述問題で評価するのでもなく、読書力と作文力で評価すべきです。
作文力の評価は、言葉の森のAI森リンでやっていくことができます。
読書力は、言葉の森が今開発しているAI読書検定の仕組みでできるようになると思います。(先の話ですが)
●問1.漢字の問題
1.雑貨……外貨
2.散策……策謀、模索
3.呈した……贈呈
4.一掃……掃除
5.忌まわしい……禁忌
・難しい漢字ではないので、漢字の勉強よりも、読書で語彙力をつけること。
●問2.「観光地住民の『戦略』は常に綱渡りである」
1.「観光者の所属する社会の制度に規定されているために」などとは言っていない。ほかにも多数。
2.「そのまなざしにもてあそばれる事態を招きかねない」がちょっと変かなあ。
3.「おぞましい部分を好んで観光の対象とする観光者」とは言っていない。
4.おかしいところがないので○。
●問3.「観光において『見る』ことは問題含みであるだけでなく、とくに「する」こととの対比において、価値のないものとみなされてもきた。
1.「プーアスティが旅に命をかけてきた旅人に意味を見出したことによって」とまでは言っていない。
2.「観光で重視すべきは観光地住民の生活を体験することであり」などとは言っていない。
3.おかしいところがないので○。
4.「見る側の観光者が無意味な存在に貶められた」とは言っていない。
●問4.「ことはそれほど単純でもない」
1.「その土地の生活を体験するプログラムを人気の観光商品に押し上げることにつながり」とは言っていない。
2.おかしいところがないので○。
3.「かつても旅人による能動的な旅を再現する観光を要求することにつながり」などとは言っていない。
4.「観光地社会に対する無理解さを反省した新しい観光を実践することにつながり」とは言っていない。
●問5.「ともに踊る」
1.「複数の視点を組み合わせることにより新しい研究が可能になる」が変。
2.おかしいところがないので○。
3.「他の観光客とともにあることが観光地の価値を高めるという観光のあり方」がおかしい。ほかにも。
4.「見る人とする人とが互いに高度なやり取りを行っている観光体験のありよう」が変。
●問6.「観光における『見る/見られる』を考えるうえで、サファリパークは示唆的である」
1.「グアムなどのリゾートでは、ゲスト側の文化的なメガネを通したまなざしがホスト側に押し付けられる」とは言っていない。
2.おかしいところがないので○。
3.「主役はそこに暮らす動物であり」とは言っていない。
4.「観光者相互のコミュニケーションのあり方に注意を促す点で」ということでない。
▼問題はこちら(東進のページより)
https://www.toshin.com/kyotsutest/data/2756/kokugo.pdf
■■森リン点における語彙の評価の説明
●動画
https://youtu.be/561p4rcxwuo
森リンによる作文の評価は、語彙力の評価を中心にしています。
人間の感覚で、「読み応えのある作文」と感じるものは、語彙の評価において点数が高いことと相関関係があります。
しかし、人間は、その感覚の理由を説明できません。
「何となく、こちらの作文の方がよく書けている」というところまでしか言えないのです。
しかし、森リンの語彙の点数を見ると、その「よく書けている」という理由が数値となって表されます。
それは、ほんのわずかの数値の差であることが多いのですが、それでも客観的な評価ができるので、今後の作文の勉強の方向がわかります。
ところで、語彙力は、すぐに伸びるものではありません。
数学や英語は、がんばればがんばっただけ成績が上がるのも早いのですが、作文や読解はそうではありません。
それは、作文力や読解力は、知識や方法によって身につける力ではなく、トータルな日本語の力によって身につけるものだからです。
日本語力の基本は、読書の量と質です。
作文や読解の勉強は、まず本を読むことから始まるのです。
しかし、知識や方法として作文や読解を上達させる道もあります。
作文の場合は、森リン点を参考にすることです。
■思考語彙は、説明や感想を書く力です。
作文のそれぞれの段落の結びに、自分なりの思ったことを書くとか、最後の段落の感想や意見を短く終わらせずにじっくり書くとかいう方法が役に立ちます。
■知識語彙は、調べたことや知識やデータを実例として取り込むことです。
調べなければわからないような実例は、難しい実例であることが多いので、難しい言葉が多い作文は、自然に知識語彙が高くなります。
■表現語彙は、多様な語彙を使うことです。同じことを説明する場合でも、同じ言葉ではなく多様な言葉を使って書くと表現語彙が高くなります。
表現語彙は、主に社会実例と関係があるので、硬い多様性とも言えます。
■文化語彙は、やはり多様な語彙ですが、主に体験実例に基づいた語彙と関係があるので、柔らかい多様性と言っていいと思います。
■字数は、学年の200倍が基準なので、小1は200字、小2は400字、小6以上は1200字を基準としてください。
字数がそれ以上長くても、語彙の点数には関係しません。
森リン点を上げることを目安にして、作文の勉強を進めていきましょう。
■■【合格速報】佐久長聖高等学校
●佐久長聖高等学校 O.S.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます。受験中でもしっかり作文の提出をしている努力家の生徒さんです。
- ● 言葉の森新聞2025年1月3週号 通算第1835号 (4091字) 言葉の森事務局 jun 2025年01月15日 16時33分
17201 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年1月3週号 通算第1835号
文責 中根克明(森川林)
■■【連絡】中学生の教材、注文できます
中学1・2・3生の改訂版の教材が届きました。
▽標準的な教材
標準新演習 国語、数学、英語
▽発展的な教材
発展新演習 国語、数学、英語
どちらを選んでもいいですが、おすすめは、標準新演習を完璧に(数学はできな問題が1問もなくなるまで、国語と英語は5回繰り返し読んで)、できれば1年間先取りの学習をしていきましょう。
そのうえで、余裕があるなら、発展新演習も、同じく完璧に仕上げて、1年間先取りするように勉強していきましょう。
勉強は、家庭での自学自習が基本です。
このあと、「森からゆうびん」をお送りしますが、自習記録の欄があります。
自習記録は、自習室には必ずしも入らなくて構いませんから、毎日の記録をつけて勉強していきましょう。
また、確認テストは、今後、誰でも受けられるようにします。
毎月1回の確認テストで、自分の学力の位置を把握していきましょう。
後日、「森からゆうびん」を送ります。
■■新しい未来の教育――言葉の森で行う勉強の展望
●動画
https://youtu.be/QrsJ4cDr5-M
●受験のための勉強から、社会に出てから活躍する実力をつけるための勉強へ
昔は、いい学校に入ることが、いい仕事につくことにつながり、いい仕事につくことがいい生活につながっていました。
しかし、今は、そうではありません。いい仕事というゴール自体が、年々変化しています。
受験のゴールは一見魅力的に見えますが、本当のゴールは社会に出てから活躍することです。
勉強の目的は、そのための実力をつけることです。
●大事なのは、競争に熱中することではなく、思考力と創造力を育てること
スポーツでも、音楽でも、勉強でも、競争があれば誰もが熱中します。
特に、小中学生のころは、競争に熱中する時期です。
また、社会全体が、競争を必要以上に持ち上げる傾向があります。
しかし、大事なことは、競争の熱中から一歩距離を置き、自分の本当の実力となる思考力、創造力を育てることなのです。
●思考力を育てるのは読書と対話、創造力を育てるのは作文と創造発表
思考力を育てるのは、学校の勉強ではなく、読書、特に難しい説明文意見文の読書を続け、必要に応じて対話をすることです。
創造力を育てるのも、学校の勉強ではなく、作文を考えながら書き、自分の興味のある分野で研究や調査や実験や発表をする創造発表の時間を作ることです。
●小学生時代の生活の基本は、読書と暗唱と作文と対話と友達とお手伝い
小学生、特に低中学年のころは、生活と勉強の方向を決める大事な時期です。
この時期には、既成の宿題やテストや学校の成績に追われるのではなく、読書と暗唱と作文と対話と友達作りと毎日のお手伝いの習慣をつけることです。
それが、あとからの勉強と生活の基礎になるのです。
●勉強の中心となる場所は、学校でも塾でもなく家庭
学校や塾での授業は、みんなが同じことを一斉に学びます。
だから、できる子は退屈し、できない子は途中からわからなくなります。
家庭で自分のペースでやる勉強であれば、無駄のない勉強ができます。
勉強の中心は、家庭なのです。
●ChatGPTなどのAIを活用すれば、先生がいなくても勉強は進められる
これまでは、わからないところがあれば、先生に教えてもらいました。
これからは、ChatGPTなどのAIを活用すれば、先生以上に詳しく教えてくれます。
先生に質問をすると、同じことを何度も聞けないとか、あまり初歩的なことは聞けないとかいう遠慮が出てきます。
AIであれば、そういう制約はありません。
●言葉の森のオンラインクラスでは、毎回の読書紹介と一人一言の時間がある
これからの勉強では、読書と対話の力が必要になります。
毎回の読書紹介で、誰でも本を読む習慣ができ、読書のレベルも向上します。
みんなの前で発表する時間があると、人前で話をすることに慣れます。
この読書力とコミュニケーション力が、これからの学力になるのです。
●これから必要になる勉強は、国数英理社よりも、創造発表とプログラミング
これまでの学校の勉強は、答えのある勉強でした。
教えてもらって答えが合うようになればそれで勉強は完成でした。
これからの勉強は、答えのない勉強です。
創造発表やプログラミングで、自分にしかできない勉強をするのが未来の勉強です。
●国数英は、人に教わるよりも、AIを使って自分でやるのが最も能率がよい
国語、算数数学、英語などの勉強は、AIに教わることのできる勉強です。
人に教えてもらうよりも、AIに教えてもらう方が、より深く理解できます。
わからないところがあれば、わかるまでさかのぼって教えてもらうことができます。
これからの勉強は、AIを活用する勉強になるのです。
●小中学生の勉強は、進捗度をチェックする仕組みがあれば、家庭でできる
小中学生のころは、子供がひとりで勉強すると、無駄な遠回りをすることがあります。
そこで必要になるのが、勉強の進捗状況をチェックする仕組みです。
自習の記録、自習室の利用、確認テスト、問題集をもとにした質問などがあれば、家庭での勉強も軌道に乗るのです。
●中学、高校、大学の受験はゴールではなく、本当のゴールは社会に出てから
受験に合格することは、子供にとっては大きな夢です。
しかし、合格はゴールではなく、社会に出て活躍することが本当のゴールです。
勉強の目的は、自分自身を向上させることで、その結果のひとつとして受験があるのです。
●オンライン少人数クラスの教育は、対話と交流のある未来の教育
オンラインの少人数クラスであれば、同年齢同進度の生徒が、少人数で交流しながら勉強することができます。
人間の勉強は、単に知識を身につけるだけでなく、友達との交流の中で身につける必要があります。
友達と一緒に学ぶことで、勉強以外の要素生まれそれが人間を育てるのです。
●小学1年生から始められて、高校3年生まで続けられる勉強が本当の勉強
小学校低学年の勉強が、低学年の間だけで終わるのではもったいないことです。
高校生の勉強が、高校生になってから始めるのであれば根の浅い勉強になります。
作文の勉強を、小学1年生から高校3年生まで一貫したカリキュラムで勉強すれば、それが本当の文章力の実力になるのです。
■■能率のよい勉強は、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスを使って、自分のペースで勉強すること
勉強の基本は、家庭学習です。
しかし、今の子供たちは、学校や塾や予備校に頼ることが多すぎます。
塾によっては、生徒が通う学校のテストの過去問を用意してテスト対策をしてくれるところもあります。
そういう工夫を考えた塾はえらいと思いますが(笑)、そのお膳立てに乗ってしまうことには大きな問題があります。
それは、子供たちが、勉強の主体が自分だということを忘れて、上から言われたままに行動する姿勢を身につけてしまうことです。
近年、会社で、優秀な大学を卒業した新入社員に指示待ち型の人が意外に多いと聞いたことがあります。
現代の世の中は複雑になっているので、いったん指示を待つということは大切ですが、いつまでも指示を待つだけであったら、自分の役割はないことになります。
勉強は、自分の計画したことをひとりでやっていくのがいちばん能率がよく、また、時間をかければかけるほど、自分らしい勉強の仕方が身についていきます。
ただし、中学生のころまでは、まだ勉強に対する自覚がないので、ある程度の枠組みは必要です。
そこで、言葉の森が今やっているのは、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスで、週に1回ひとつの教科の進捗状況をチェックするという勉強の仕方です。
基礎学力クラスは、小学123年生対象で、国語、算数、暗唱、発表を1ヶ月でやっていきます。
総合学力クラスは、小学456年生対象で、国語、算数、英語、発表を1ヶ月でやっていきます。
全科学力クラスは、これからスタートしますが、中学123年生対象で、国語、数学、英語、理科社会を1ヶ月でやっていきます。
基礎学力クラスや総合学力クラスに参加している生徒は、優秀な子が多いです。
しかし、家庭学習の習慣という点では、まだ不十分な生徒も多いので、今後は、自習記録をつけるかたちで、家庭学習を強化していく予定です。
自習記録は、自習室に参加しなくてもつけられるので、これからは自習記録を徹底させていきたいと思っています。
こういうやり方で、自分のペースで勉強すれば、毎日余裕のある生活ができます。
塾の宿題やテストに追われるのではなく、自分のペースで勉強を進めていけばいいからです。
私(森川林)が、このような勉強方法がよいと考えているのは、私のうちの子供2人が、塾にも予備校にも行かず、余裕のある中学高校生活を送り、大学に進学したからです。
大学生の友達からは、「よく塾に行かないで勉強できたね」と驚かれたそうですが、それだけ今の世の中は、塾通いが一般化しているのです。
塾の宿題やテストに追われなければ、生活時間に余裕が出てきます。
その余裕のある時間に、学校の勉強とは離れた、読書、創造発表、プログラミング、自分の趣味などに取り組んでいけばいいのです。
■■AI作文評価システム「森リン」の、学校や学習塾や予備校でのご利用について
学校、学習塾、予備校などで、AI作文評価システム「森リン」の利用を希望される方は、お電話でお問い合わせください。電話045-353-9061(朝7:00~夕17:00)
利用料は、生徒1人につき月額300円で、月に何度でも利用できます。
送信された作文1編ごとに、語彙力による評価と、AIによる講評が表示され、データベースに蓄積されます。
言葉の森の生徒以外の方がテスト送信できる体験ページを現在作成中です。
- ● 言葉の森新聞2025年1月2週号 通算第1834号 (1028字) 言葉の森事務局 jun 2025年01月08日 15時32分
17198 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年1月2週号 通算第1834号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】1月13日(月)は授業があります(再掲)
1月13日(月)は祭日ですが、授業を行います。
■■言葉の森のAIを生かした作文指導
●動画
https://youtu.be/0oTNR4qXETc
■■小学2年生の森リン点を直しました
新しいAI森リンの点数は、学年別の平均点と標準偏差を元にしています。
小学1、2年生は、パソコン入力の作文の件数が少なかったの、小3と同じ平均点を標準偏差で点数を出していました。
しかし、小学2年生もパソコン入力の作文が多くなってきたため、小学2年生独自の点数を出すことにしました。
その結果、11月と12月の森リン点は、以前よりも高くなっています。
■■合格速報
●FC今治高校里山校 O.T.さん
<担当講師より>
Tくんは、作文を書くための事前準備と作品の完成に一度たりとも手を抜くことなく、いつも真摯に課題と向き合ってきてくれました。身近な題材は誰もが共感できるようなものであったり誰もがクスっと笑ってしまうような家族のエピソード、対照的に社会実例や伝記実例や歴史実例は教養を感じさせるもので、いつも読み手を惹きつけてくれます。表現にユーモアがありつつも結論部分の意見は思考力に支えられた非常にしっかりしたものです。
好きなことがはっきりと決まっているTくん、穏やかな人柄ながら周囲に流されることがなく、存分に好きなことに対する学びを深められる環境を選ぶことができて何よりです。
高校生活も、その先の生活も、ぜひ仲間と一緒にTくんらしく明るく前向きに楽しんでくださいね。
合格おめでとうございます!
●広尾学園中学校 T.E.さん
<担当講師より>
Eちゃんは、作文と国語読解のクラスを受講し、いつどんな課題に対しても真摯にそして明るく楽しく取り組んできてくれました。読解問題の解説も丁寧、確認問題に関してはどの長文を選んでも「あ、これ。これはこういう内容で…」と、ほぼ見なくても説明できるほどしっかり理解しながら読めていて毎回感心していました。
算数の点数を伸ばすためのアドバイスが欲しいということだったので「同じ問題集を5回繰り返してスラスラ解けない問題がないところまでもっていくこと」をお伝えしたところ、その通りに勉強して本番で全ての問題を解けたそうです。
真摯な努力の積み重ねが嬉しい結果に結びついてよかったですね!合格おめでとうございます!!
- ● 言葉の森新聞2025年1月1週号 通算第1833号 (2691字) 言葉の森事務局 jun 2025年01月05日 09時50分
17183 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2025年1月1週号 通算第1833号
文責 中根克明(森川林)
■■新年の挨拶
令和七年、あけましておめでとうございます。
日本の今後の課題は、
縄文文化、平安文化、江戸文化の長所を
現代の科学技術によって再生し、
オンライン教育で日本と世界に広げることです。
日本文化の要になるものは日本語です。
日本語の中心となる教育は、読書と作文と暗唱です。
言葉の森は、昨年、作文のAI化に着手しました。
今年は、読書のAI化に取り組みます。
暗唱教育はもうできているので、将来は暗唱文集のページ数を増やす予定です。
人間の生きる目的は、幸福、向上、創造、貢献です。
教育の中心となる目標は、思考力、創造力、共感力を育てることです。
将来は、ここに心身力を育てることを入れたいと思いますが、まだそれは先の課題です。
今年も、よりよい日本を作るために頑張っていきましょう。
■■1月1日(水)~1月7日(火)は「休み宿題」(再掲)
1月1日(水)~1月7日(火)は、休み宿題となります。
作文講座を受講されている方は、下記のリンクを参考に自分で作文を書くか、又は、1月8日~2月28日までの間に振替授業に参加してください。
小1 自由な題名
https://youtu.be/KVlDlYxrOQU
https://www.youtube.com/watch?v=r81Hcjz8j5k
(前半が作文の説明。後半の勉強の説明は昔のもので、今は関係ありません。)
小2 自由な題名
https://www.youtube.com/watch?v=EqaGw02TzP0
小3 お父(母)さんとあそんだこと
https://www.youtube.com/watch?v=C9WoHyZZZ_0
小4 休み時間
https://www.youtube.com/watch?v=o-FYfvi33qc
小5 お正月
https://www.youtube.com/watch?v=2WtNADS5SUk
小6 除夜の鐘
https://youtu.be/W4awdudIMcQ
https://www.youtube.com/watch?v=4Z2ZpNgQj3g
(前半が作文の説明。後半の勉強の説明は昔のもので、今は関係ありません。)
中1 ポイ捨て
https://www.youtube.com/watch?v=rOvJT20qiyY
中2 本当の豊かさ
https://www.youtube.com/watch?v=hhJZQfVrmck
中3 内申点
https://youtu.be/IbQxEM5YV1w
高1 独裁と民主主義
https://youtu.be/6ayHMgVoO0Q
高2 宗教
https://youtu.be/RldINhjJXDo
高3 ベンチャー
https://youtu.be/n3YGjdRkIfY
作文講座以外の基礎学力、総合学力、国語読解、算数数学、英語、創造発表、プログレスの講座の方は、自宅又は自習室で自習をするか、1月8日~2月28日までの間に振替授業に参加してください。
■■【重要】1月13日(月)は授業があります(再掲)
1月13日(月)は祭日ですが、授業を行います。
■■AI森リンの点数の再集計とその説明――パソコンは入力の道具、ノートとペンは思考の道具
12月下旬から1月4日にかけて、AI森リンの点数を再集計しました。
それまでの森リン点は、古い森リンのデータをもとにした平均点や標準偏差だったので、これを新しい森リンのデータをもとに、学年別に集計し直しました。
全員の点数をつけ直したあと、その結果出た学年別平均点と標準偏差をもとにもう一度基準を少し変えたので、まだ最終的な点数というわけではありません。
だから、青い☆をクリックすると、点数が少し変わることがあります。
しかし、大体の点数は確定しています。
表示されている点数は、学年別偏差値のようなものですが、実際の偏差値よりも30点高くしています。
偏差値は、平均を50としているので、そのまま表示すると、低学年の生徒ががっかりすると思われるからです。
今回の新しい森リン点は、学年別のデータで点数をつけているので、小学5年生以下の生徒は、これまでよりも点数が高くなっていることが多いと思います。
新しい森リンは、AI森リンと呼んでいますが、AIの部分は講評だけです。
点数のところは、独自のアルゴリズム(特許取得済み)で計算しています。
■思考語彙
思考語彙は、思ったこと、考えたこと、予測、仮定、否定、条件、理由、方法などが盛り込まれている言葉をもとに集計しています。
思考語彙を高めるには、感想の部分を充実させるようにすることです。
■知識語彙
知識語彙は、難しい知識や言葉が使ってあることを評価しています。
しかし、あまり難しい言葉を使いすぎるとバランスが悪くなので、適度に難しいことばを使うことが大事です。
■表現語彙
表現語彙は、表現の多様性です。
語彙の評価としては、これがいちばん大事なもので、できるだけ同じ言葉を使わずに書くように工夫することです。
■文化語彙
表現語彙が、主に名詞の多様性であるのに対して、文化語彙は主に動詞の多様性です。
表現語彙や文化語彙を増やすには、幅広い読書をすることが大切です。
■字数
字数は、学年の200倍が目標です。
小1は200字、小2は400字、……小6と中学生と高生は1200字を基準としています。
ですから、この基準の字数よりも少ない場合は点数に低くなりますが、基準の字数より長く書いても、点数には影響しません。
森リンは、パソコン入力でテキスト化された文章を採点するようになっています。
小学3年生までは、まだパソコンを使う人は少ないですが、今はGoogleドキュメントで音声入力ができるようになっています。
また、丁寧に書かれた手書きの文字だと、ChatGPTにアップロードするとほとんど正確に読み取ってくれます。
このAIを生かしたOCR機能は、これからもっと発展すると思います。
小学4年生以上は、ローマ字を習っているので、自分でパソコン入力をするといいです。
ただし、人間の思考力や感受性は、手書きの感覚と結びついています。
作文はパソコン入力がいいのですが、作文を書くまえの構想を考えるときや日記を書くときは、ノートとペンで手書きで書くようにするといいです。
パソコンは入力の道具、手書きのノートとペンは人間の思考力の道具というふうに分けて考えておくといいです。
- ● 言葉の森新聞2024年12月4週号 通算第1832号 (3839字) 言葉の森事務局 jun 2024年12月22日 11時22分
17152 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年12月4週号 通算第1832号
文責 中根克明(森川林)
■■新学期教材を発送しました(作文クラス)
12月20日(金)に新学期の作文の教材を発送しました。
国内の生徒で26日になっても届かない場合はご連絡ください。
受験コースの課題フォルダは後ほど別便でお送りします。
■■2024年12月保護者懇談会資料
●新年度の教材
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
新しい学年の教材を注文できますが、中学生の標準新演習国数英、発展新演習国数英は改訂版が2月に発行されることになりました。
中学生で教材を希望される方は、2月までお待ちください。
、高校生のプログレス現代文の大学受験版は、解答解説がウェブで見るようになっているため使いにくいので、高3のみスタンダード現代文に変更します。
標準新演習は、小6や中3になるとかなり難しい問題も出てきますが、それまでは標準的な易しい問題が多いです。
小学生は、最初は標準新演習に取り組み、実力のある生徒は、学年よりも先取りして勉強を進め、1学年先の勉強までやっておくといいと思います。したがって、小6生は中1の勉強を早めに取り組むということです。
中学生は、最初は標準新演習に取り組み、実力のある生徒は、学校の授業よりも先取りして早めに終わらせ、発展新演習に取り組むといいと思います。
●冬休みの予定
1月1日(水)~1月7日(火)は、休み宿題となります。
作文講座を受講されている方は、下記のリンクを参考に自分で作文を書くか、又は、1月8日~2月28日までの間に振替授業に参加してください。
▽作文の学年別課題の解説
https://www.mori7.com/as/5239.html
●受験作文コースの生徒の直前アドバイス
受験作文コースの生徒を対象に、直前アドバイスを行います。
▽受験作文コースの冬休み1月アドバイス
https://www.mori7.com/as/5240.html
●新年遊び企画
主に小学生の生徒を対象に遊び企画を行います。
▽新年遊び企画
https://www.mori7.com/as/5241.html
●AI森リンの点数を調整します
学年別に、字数の制限を決め、学年別の平均値、標準偏差を出し、偏差値+30点で点数を表示します。
動詞の多様性を文化語彙として新たに評価に入れます。
ですから、評価の分野は、字数のほかに
思考語彙……考える言葉
知識語彙……難しい知識や言葉
表現語彙……すべての語彙の多様な表現
文化語彙……動詞の多様性
となります。
●推薦読書検定の企画
思考力を育てる最も重要な勉強は、読書です。
説明文の本や難しい本を読んでいる生徒が少ないので、小1から高3までを対象にした推薦読書検定を作ります。
検定試験では、本の内容を読み取り、自分なりの独自の似た例や感想が書けるかどうかを数値で表示します。
推薦読書検定用の本のリストを作成しますので、ご協力ください。
(掲示板を作る予定です)
■■12月29日(日)・30日(月)・31日(火)は休み
12月29日(日)・30日(月)・31日(火)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■1月1日(水)~1月7日(火)は「休み宿題」
1月1日(水)~1月7日(火)は、休み宿題となります。
作文講座を受講されている方は、下記のリンクを参考に自分で作文を書くか、又は、1月8日~2月28日までの間に振替授業に参加してください。
小1 自由な題名
https://youtu.be/KVlDlYxrOQU
https://www.youtube.com/watch?v=r81Hcjz8j5k
(前半が作文の説明。後半の勉強の説明は昔のもので、今は関係ありません。)
小2 自由な題名
https://www.youtube.com/watch?v=EqaGw02TzP0
小3 お父(母)さんとあそんだこと
https://www.youtube.com/watch?v=C9WoHyZZZ_0
小4 休み時間
https://www.youtube.com/watch?v=o-FYfvi33qc
小5 お正月
https://www.youtube.com/watch?v=2WtNADS5SUk
小6 除夜の鐘
https://youtu.be/W4awdudIMcQ
https://www.youtube.com/watch?v=4Z2ZpNgQj3g
(前半が作文の説明。後半の勉強の説明は昔のもので、今は関係ありません。)
中1 ポイ捨て
https://www.youtube.com/watch?v=rOvJT20qiyY
中2 本当の豊かさ
https://www.youtube.com/watch?v=hhJZQfVrmck
中3 内申点
https://youtu.be/IbQxEM5YV1w
高1 独裁と民主主義
https://youtu.be/6ayHMgVoO0Q
高2 宗教
https://youtu.be/RldINhjJXDo
高3 ベンチャー
https://youtu.be/n3YGjdRkIfY
作文講座以外の基礎学力、総合学力、国語読解、算数数学、英語、創造発表、プログレスの講座の方は、自宅又は自習室で自習をするか、1月8日~2月28日までの間に振替授業に参加してください。
■■【重要】1月13日(月)は授業があります
1月13日(月)は祭日ですが、授業を行います。
■■受験作文コースの冬休み1月アドバイス
受験作文コースの生徒を対象に、冬休み1月アドバイスを行います。
●対象
対象は、受験作文コースの受講生で、これから作文試験がある小6、中3、高3の生徒です。
●日時
1月2日(木)8:00~8:45
3日(金) 〃
6日(月) 〃
7日(火) 〃
●内容
これまでに書いた受験作文のうち1編を発表室にアップロードしてください。
これからのアドバイスをお伝えします。(1人10分程度)
質問なども受付ます。
1人10分で順番に説明しますので、ほかの人へのアドバイスも聞けます。
自分の話だけ聞いて退出されても結構です。
●定員
4人
クラスが満員になった場合は、別のクラスを開設します。
●費用
無料
●申し込み方法
オンラインクラス一覧表の1月2・3・6・7日の8:00のクラスにお申込ください。
各クラスの定員は4名です。
■■新年遊び企画
●対象
言葉の森の生徒
●内容
作文づくりゲーム「いつ・どこで、だれがなにをしたら……」という文をみんなで作ります。(もとになる文は、前日までに発表室に入れておいていただきます)
ハイク大会(575の文を作ります)
ぬいぐるみ紹介(自分の好きなぬいぐるみ、又は、ペットを紹介します)
※子供さんがひとりでできない場合は、お母様が横から手伝ってくださって結構です。
●日時
1月4日(土)8:00~8:45
5日(日)8:00~8:45
●定員
5名
クラスが満員になったら新しいクラスを開設します。
●申し込み方法
オンラインクラス一覧表の1月4日8:00、5日8:00の創造発表クラスでお申し込みください。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
- ● 言葉の森新聞2024年12月3週号 通算第1831号 (4887字) 言葉の森事務局 jun 2024年12月16日 11時56分
17128 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年12月3週号 通算第1831号
文責 中根克明(森川林)
■■新年度の教材のうち、中学生の標準新演習国数英、発展新演習国数英は2月に改訂版の予定
新年度の教材のうち、中学生の標準新演習国数英、発展新演習国数英は改訂版が2月に発行されることになりました。
中学生で教材を希望される方は、2月までお待ちください。
また、高校生のプログレス現代文の大学受験版は、解答解説がウェブで見るようになっているため使いにくいので、スタンダード現代文に変更する予定です。
そのほかの教材の変更はありませんので、新年度の問題集は今からお申し込みいただけます。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
■■自習室を利用して勉強しよう――勉強の基本は、家庭学習。どこかに行って誰かに教えてもらうのではなく、家庭で1冊の問題集とChatGPT又はPerplexityを使って勉強を進めていくのが最も能率的。
●動画
https://youtu.be/huu0pQsdaTM
自習室の利用の仕方を変えました。
大きな変更点は、次のとおりです。
1.カメラはオフでいいです。
2.ブレークアウトルームが50個あるので、そのどこに入って勉強してもいいです。
自習室は、1年365日、1日24時間開いています。
毎日やった方がいいが、ついうっかり忘れてしまうような勉強をするといいです。
例は、暗唱、読書、問題集読書、算数数学問題集、英語暗唱などです。
中学生は何時間やってもいいですが、小学生は学年の10倍以内を目安にしてください。
小学1年生は10分以内、2年生は20分以内です。
だから、暗唱などを中心にするといいです。
国語力をつけたい人は、問題集読書を時間を決めてやっていきましょう。
数学力をつけたい人は、毎日1ページ数学問題集をやることを目標にするといいです。
小学生は、時間制限がありますが、作文と読書をする場合は、時間制限は考えなくていいです。
自習室に入る前に、自習の記録をつけるので、あとから自分がどういう勉強をしたかということがわかります。
▽自習室
https://www.mori7.com/teraon/js.php
■■国語力をつけたい人は、自習室を利用して、毎日の問題集読書を続けよう
何度も書きますが、国語力をつけるコツは、3つです。
1.毎日の読書をして速読力を身につけること
2.難しい読書(又は問題集読書)をして、難読力を身につけること
3.読解問題を分析して解き方のコツを身につけること
数学や英語は理屈を理解する勉強ですから、知識と理屈の理解で、比較的早く成績が上がります。
国語は、そうではありません。
読解問題の答えの分析は、理屈ですから、誰でもそれなりに理解できます。
しかし、自分の力で読み取るというのは、理屈ではなく、身体的な訓練によるものなのです。
国語力は、運動の力や音楽の力のような身体的な能力なのです。
解き方の理屈を理解したあと、易しい文章なら正解になるが、難しい文章になると正解にならないという生徒が時々います。
それは、読み取る力がないからです。
国語の成績が上がらない生徒は、理屈の理解以前に、読み取る力が不足しているのです。
読む力は、読書の傾向を見ればある程度わかります。
読む力のある生徒は、読書の傾向が、自然に読み応えのある難しい本に向かいます。
読む力のない生徒は、易しい本、ひとつの話がすぐ終わる本、挿絵や図解が中心の本に向かいます。
中学生以上の生徒は、説明文意見文の本をしっかり読む必要がありますが、いつまでも事実の経過中心の本を読んでいる人も多いのです。
だから、とりあえずは国語問題集読書で難しい文章を読む機会を増やすことが必要になります。
ところが、問題集読書は、形の残らない勉強なので、短い時間ですぐ終わる勉強でありながら、続けられない人も多いのです。
そこで、国語力を真剣につけたいと思っている人には、自習室を利用して、毎日10分間、又は、問題文2編、問題集読書の音読をすることをおすすめします。
自習室は、次のようになっています。
1.カメラはオフでよい
2.ブレークアウトルームが100あるので、そのどこで勉強してもよい
3.1日24時間365日開いている
4.毎回自習の記録をするので、自分の勉強結果が蓄積できる
読書が進まない人は、自習室で読書をするといいです。
学校で行われている「朝の10分間読書」のように、自習室で毎日10分読書をすればいいのです。
長い時間やる必要はありません。
短い時間でいいので、毎日やることが大切です。
問題集読書や読書は、すぐに成果が見えるようになるわけではありません。
運動や音楽と同じように、時間をかけることによって上達していきます。
結果が出る期間の目安は、6ヶ月です。
数学や英語は、夏休みの1ヶ月本気で勉強すれば成果が出ます。
国語は、1ヶ月では成果が出ません。
時間のかかる勉強なので、早めに始めることが大事です。
受験の近くになってからではなく、そのずっと前から問題集読書と読書に取り組んでいくことです。
自習室を利用して、問題集読書の習慣をつけていきましょう。
自習室は、言葉の森の生徒とご兄弟であれば、誰でも利用できます。
■■方法を学ぶ創造発表クラス、目的から始めるプログラミングクラス――AI時代の学力を育てる二つのクラスの今後
創造発表クラスとプログラミングクラスへの提案ですが、これはまだ中根が担当しているクラスでやっていることなので、他の先生のクラスでは、これとは違う枠組みで勉強を進めています。
■まず、創造発表クラスの話から始めます。
子供たちの勉強は、今はまだ詰め込み型の勉強が主流です。
しかし、やがて、詰め込むのは基本的な知識と身体化する必要がある知識だけになり、勉強の主流は創造的なものになります。
基本的な知識とは、誰でも知っておいたほうがいい知識です。
身体化する必要がある知識とは、読書力、数学力、日本の歴史の知識などになると思います。
これらの知識の習得にかかる時間はそれほど多くありません。
余った時間は、自分の好きな分野の創造的な勉強に向けるのです。
創造発表クラスは、個性を活かす勉強です。
しかし、これまでの教科の勉強のように点数や成績がある勉強ではなく、あるのは発表と交流の面白さですから、今までの勉強に慣れていた子は、意欲を持ちにくい面が出てきます。
そこで、創造発表クラスは、発表する内容とともに、発表するための方法を学ぶことにしました。
具体的には、発表にAIを使うことと、ウェブでも発表できるようにFTPやHTMLや、場合によってはJavaScriptやPythonを学ぶことを取り入れることにです。
これからの方法を身につければ、将来自分が何か創造的なことを発表するときにも、その方法を活かすことができます。
今後の創造発表クラスは、創造的な内容を発表するとともに、発表する方法を学ぶ創造発表クラスにしていこうと思っています。
■次に、プログラミングクラスの話です。
これまでのプログラミングの学習の難点は、コードを勉強する長いアプローチの期間があるので、学習に飽きてしまう子が多いということでした。
子供たちを飽きさせないために、これまでのプログラミング学習は、いろいろな工夫をしてきました。
ひとつは、Scratchなどのビジュアルに操作できるプログラミングで、導入部分を楽しいものにすることです。
もうひとつは、ゲーム作りやロボット作りなど、子供たちが興味を持てる目標でプログラミングの学習を始めることです。
しかし、これらのプログラミング学習から、自分で作るプログラミング進む子は、多くありませんでした。
それは、結局、いずれ途中から退屈なコードプログラミングの学習に進まなければならなくなるからです。
しかし、AIの登場によって、プログラミングの学習は大きく変わる可能性が出てきました。
子供たちはそれぞれ、何を作りたいかという目的を持っています。
その目的を、AIの力を借りながら、小さなところから始めることができるようになってきたのです。
山登りをするときに、麓から始める学習ではなく、山頂から始める学習ができるようになってきたのが、AI時代の学習の特徴です。
これまでのプログラミング学習のための教材は、麓から始めるプログラミング学習なので、初歩的なところから始めるものでした。
初歩的なプログラミングの学習では、「Hllow World!」の表示から始まって、足し算をしたり、ループを作ったり、条件文で選択肢を選んだりするようことが続きます。
そのために、そのうちに、飽きてしまうことがあるのです。
ところが、今、新しく出てきたのは、HTMLエナジーという考え方です。
以下、Perplexityからの引用です。
====
**HTMLエナジー(HTMLエネルギー)**は、インターネットの初期の精神を取り戻すためのムーブメントで、HTMLを中心としたウェブ開発の新しいアプローチを提唱しています。以下は、この概念の主なポイントです。
自己表現と個性の尊重
HTMLエナジー・ムーブメントは、ウェブサイトが個人による自己表現の場であることを強調しています。かつてのインターネットのように、ユーザーが自分の意に沿ってサイトを制作し、個性を表現することを促しています
コーディングの触覚的なプロセス
このムーブメントは、HTMLをコーディングする触覚的なプロセスに焦点を当てています。コードを書く行為自体が、創造的な表現の一形態と見なされ、ユーザーからの意図と創造性を尊重しています
レトロな美学ではなく、現代的なアプローチ
HTMLエナジーは、単にレトロな美学を追求するものではなく、現代的なウェブ開発における人間的な感覚を取り戻すことを目指しています。サイトのソースコードを見たり、イースターエッグのような隠されたメッセージを探すことが、サイトの魅力の一部となっています
小規模なコミュニティとディスカバリー
HTMLエナジー・コミュニティは、小規模なディスコードチャンネルやデジタル雑誌などで形成されており、偶然の出会いを通じて新しいサイトやアイデアを発見することが特徴です。サイトは特定のアクションを促すために最適化されたものではなく、訪問者の好きな方法で訪問者と関わり、制作者の肖像を提供するものです
HTMLの基本的な性質の尊重
HTMLエナジー・ムーブメントは、HTMLがあらゆるウェブサイトのバックボーンであり、ユーザーからの意図を要求する言語であることを強調しています。HTMLを使うことで、コードの1行が欠けていてもページは読み込まれるなど、寛容さと柔軟性が提供され、創造的な実験が奨励されます(下線は中根)
このムーブメントは、今日の商業化されたウェブ環境の中で、個人に力を与え、自己表現を促すかつてのインターネットの魅力を取り戻そうとする試みです。
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HTMLはアバウトな仕様なので、多少、入力ミスがあってもそれなりに表示してくれます。
このHTMLを勉強し、FTPソフトで、自分のウェブを作り、そこで自己紹介のページを作ったり、JavaScriptやPythonの実験をしたりするのが、これからのプログラミング学習にする予定です。
その際、AIを使って、「こういうものを作りたいのだけど」と相談すれば、AIがそれなりのコードを書いてくれます。
そのコードを読むためには、ある程度のコードプログラミングの知識が必要ですが、大事なことは、どう作るかという方法ではなく、何を作りたいかという目的の方です。
今後、AIが発達すれば、目的を先に考えるプログラミング学習は更に発展していきます。
その先取りをするのが、言葉の森のプログラミング学習の今後の方向です。
- ● 言葉の森新聞2024年12月2週号 通算第1830号 (7775字) 言葉の森事務局 jun 2024年12月09日 14時34分
17099 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年12月2週号 通算第1830号
文責 中根克明(森川林)
■■これからの学力を考える――冨山和彦さんの「ホワイトカラー消滅」を読んで
●動画
https://youtu.be/cJW1H0_RsYQ
これからの日本の教育を考えているときに、ちょうど「ホワイトカラー消滅」(冨山和彦著)を読みました。
この本は、これからの子供たちの教育を考えるお父さん、お母さんの必読書になると言ってもいいと思います。
私が普段考えていることと一致することが多かったので、改めて、日本の今後の教育について根本から考えてみました。
ただ、根本からの話は退屈するので、最後の結論というか、現実的な話から始めたいと思います。
まず、小学校低中学年のころは、漢字の書き取りや計算練習のような役に立つ勉強よりも、子供が熱中する時間を大切にすることです。
先日、基礎学力クラスの発表の授業で、自分が書いた何枚ものポケモン図鑑の絵を発表してくれた小学1年生の子がいました。
これは、義務としてやれと言ってもやれるものではなく、好きだから熱中してやれるものです。
私は、こういう発表を見ると、糸川英夫が子供時代、ベーゴマを強くするために、両親が寝たのを見計らって、溶かした鉛をベーゴマの上に乗せた話を思い出します。
こういう創造性と自主性が、後年、隼を改良したり、ペンシルロケットを打ち上げたりした創造的な仕事につながっていったのです。
さて、小学校高学年や中学生の勉強は、家庭学習が基本です。
学校や塾に行って、他人に教えてもらう勉強は、これからますます補助的なものになります。
ChatGPTなどのAIを活用すれば、先生に教えてもらう必要がなくなるからです。
学校や塾は、自分の発表と、友達との交流のために行く場所になります。
この家庭学習を軌道に乗せやすくするために、今後オンライン自習室を活用する予定です。
高校生以上は、もう勉強に対する自覚があるので、特に自習室のような枠組みがなくても、自分なりに枠組みを作ってやっていきます。
勉強の枠組みが必要なのは、中学2年生ぐらいまでです。
だから、中学2年生までは、家庭学習も、リビングでみんなのいる中でやるようにするのがいいのです。
言葉の森では、現在、小学123年生向けに基礎学力クラス、小学456年生向けに総合学力クラスを作っています。
中学生向けには全科学力クラスを作っています。
これらは、1週目国語、2週目算数数学、3週目英語や暗唱、4週目発表や理科社会という勉強の仕方をします。
家庭学習を基本にすれば、こういうやり方がいちばん能率のよい勉強法になります。
今後、本当に大事になる勉強は、作文、読書、創造発表、プログラミング、算数数学になると思います。
作文や読書や教科の勉強は、日本語という言語をもとにしていますが、プログラミングと算数数学は、プログラミングという言語や算数数学という言語を必要とします。
だから、プログラミングと算数数学は、独自にやっていく必要があります。
ただ、今の受験算数数学は、不必要に難しいことをやって、算数数学嫌いの子を生み出しています。
もっと感動のある算数数学の勉強をやっていくべきだと思います。
そのために、子供たちが自分で算数数学の問題を作るような時間を増やしていきたいと思います。
プログラミングの学習は、退屈なコードの勉強が長くなりがちです。
しかし、ビジュアルなプログラミングから始めても、コードプログラミングに移行するのは、どの子にとっても難しいようです。
コードプログラミングは、方法の勉強が長く続くだけで、何を作るかといく目的がはっきりしないからです。
昔のパソコンの黎明期に、プログラミング作りに熱中した子がたくさん生まれたのは、作る喜びという目的があったからです。
もちろん、今のパソコン教育も、ゲーム作りやロボット作りなど、面白くできることを導入部分にしています。
しかし、学習の枠が決まっているために自由な創造の余地があまりありません
自由な創造は、ChatGPTなどのAIを活用すれば、かなりやりやすくなります。
言葉の森では、今後、HTML、JavaScript、Python、ChatGPTを組み合わせた、目的を先行させたプログラミングの勉強をしていく予定です。
作文の勉強については、今回、AI森リンで作文の客観的な評価がわかるようになりました。
客観的な評価がわかるということは、努力の方向や進歩の方向がわかるということです。
これからの子供たちの作文の勉強は、AI森リンの活用によってこれまで以上に進歩しやすくなると思います。
ただし、作文力の土台は読書力です。
読書についても、客観的な指標が必要なので、今後AIを利用した難読検定を行っていく予定です。
当面、今できることは、少なくとも中学生以上の生徒は、物語文以外に説明文意見文の本を毎週必ず読んでいくことです。
読書力は、作文力の土台であるとともに、思考力の土台なので、読書に力を入れていると学力全体が向上します。
ただし、その際の本は難しい説明文や意見文の本である必要があります。
未来の勉強の中で重要な役割を果たすのが、創造発表とプログラミングです。
この二つの勉強は、ChatGPTなどのAIと連携する必要があります。
創造発表は、発表という目的ばかりでなく、発表する方法を学んでいく勉強になります。
逆に、プログラミングは、プログラミングという方法を学ぶだけでなく、何を作りたいかという目的をもとにした勉強になります。
すると、将来的に、創造発表とプログラミングは、同じ勉強の二つの面のようになります。
どちらも、AIの活用ということがキーワードになります。
家庭では、子供たちが自由にChatGPTを使える環境を早めに作っておくといいと思います。
■■これからの学力を考える――冨山和彦さんの「ホワイトカラー消滅」を読んで(その2)
●動画
https://youtu.be/jqJQdFpjgs0
具体的な話を先に書いたので、次は、根本的な話を書きます。
私の大きな目的は、日本を守り発展させることです。
そのために何をしたらいいかをずっと考えていました。
翻って、今の世の中の流れを見ると、大きく、工業と消費の時代から、文化と創造の時代に移り変わる前夜だということがわかります。
文化とは何かと言えば、ひとつは、1万年以上も争いがなく自然と共存して暮らしていた縄文時代の文化です。
もうひとつは、庶民が和歌を詠み、女性が活躍していた奈良平安時代の文化です。
さらに、もうひとつは、長い平和が続き、多様な文化が生まれた江戸時代の文化です。
こういう文化が、これからのAI(人工知能)とロボットとオンラインとフリーエネルギーとベーシックインカムの時代に、新しく花開くのです。
そのひとつの先駆けとして、私は「さかなクン」の生き方を思い浮かべます。
さかなクンは、赤ちゃんのころは絵をかくことに夢中になり、トラックが大好きになり、小学生になってからはタコや魚に夢中になり、中学生になってからは、吹奏を水槽と勘違いして入った吹奏楽部で管楽器に夢中になり、今は、東京海洋大学客員教授、東京海洋大学名誉博士、日本魚類学会代議員、農林水産省お魚大使など多くの役職を持ち、2010年には絶滅とされていたクニマスの生息確認に貢献し、内閣総理大臣賞を受賞しました。
そのさかなクンは、こう書いています。
「ずっと夢中が続いてハッピー」
新しい日本の文化の出発点は、子供たちの教育です。
思考力と創造力と共感力のある子供たちが数多く育ち、その子供たちが未来の日本文化を支えるようになるのです。
これまで日本は、工業製品を輸出していました。
これからの日本は、ネットワークの力を借りて、文化を輸出するようになります。
世界中に、日本の縄文時代、奈良平安時代、江戸時代の文化が広がるようになるのです。
今の世界の文化は、多くが競争と勝敗の文化にいろどられています。
何センチとか何秒とかの差で、勝ったとか負けたとかいうことが話題になる社会です。
そして、多くの人がその話題を消費することに意味を見出しています。
そのマスメディア的な消費の世界から、一人ひとりの創造の世界に移るのが、これからの時代です。
現代の教育は、競争の世界で形作られています。
競争に勝つことや限られた枠を奪い合うことが、教育の大きな目標になっています。
そのために、学校や塾では、子供たちに、大事なことを教えるよりも、差がつく問題を間違えないように教えることに力をいれています。
それらの多くが、あとからふりかえれば、意味のない重箱の隅なのです。
教育が、思考力、創造力、共感力を育てるものになることが、これからの日本を復活させる第一歩になります。
私は、そう考えて、言葉の森の仕事をしたいと思っています。
■■これからの学力を考える――冨山和彦さんの「ホワイトカラー消滅」を読んで(その3)
●動画
https://youtu.be/3BhrqnGx9K4
具体的な話と根本的な話を書いたので、今回はその中間の話です。
子供たちの新しい教育を支えるのは、先生です。
AIとオンラインの仕組みは、教育の環境として大きな役割を果たしますが、基本的に、人間は人間によって育ちます。
ところが、今、学校や塾で行われている教育では、先生は、限られた短期間しか子供たちを担当しません。
普通は1年か2年の担当期間です。
そして、その担当期間の目標は、子供たちの成績を上げること、あるいは子供たちが問題なく学校や塾での生活を過ごすことです。
江戸時代の寺子屋教育は、先生が子供たちの一生の成長に関心を持つ教育でした。
先生は、勉強だけでなく、子供たちの生き方に関心を持っていたのです。
その証が、寺子屋時代の子供たちが先生をしのび作った筆塚が今も各地に残っていることです。
先生と生徒の関係が意味を持つためには、先生が一生子供たちに関心を持ち、子供たちが一生先生を慕うような教育を取り戻す必要があります。
そのために、大事なことは、先生の給与です。
子供たちの保護者から受け取る受講料だけでは、十分な給与を確保することができません。
先生という仕事は、もっと高額の給与を受け取るべきです。
だから、教育機関が、生徒からの受講料以外の収入を作り出す必要があります。
それが、例えば、言葉の森では、AI森リンの販売で収益を上げることです。
言葉の森以外の教育機関でも、新しい創造を行うことによって、それを教育を担う先生に還元する必要があります。
更に言えば、日本全体での創造的な教育が、日本全体の創造的な発明や発見を生み出し、日本全体を豊かにする必要があります。
創造教育が創造文化を生み出し、それが教育に還元されるというサイクルを作ることが日本の教育と文化の目指す未来の方向なのです。
※これまでの記事で、タイトルに入れた冨山和彦さんの話自体は書きませんでしたが、内容的には多くのことを参考にさせていただきました。
多くの方が、「ホワイトカラー消滅」の本を読まれるといいと思います。
■■10月の森リン大賞
10月の森リン大賞のページができました。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=10
どの作品も力作でした。
森リン大賞の中での代表作品を2編紹介します。
●手縫いの良さとは
小5 ももんが
皆さんは手縫いをしたことがあるだろうか。あった人は分かると思う。最初は良く分からなくてむしゃくしゃしたが、だんだん慣れてきて、歳を重ねるごとに得意になっていく。しかし、ミシンはどうだろうか。ミシンは、練習して慣れさえすれば、どんな人も出来る。しかも、その人ならではの個性や上達というものが感じられないと思う。手縫いに関しては、色々な解説動画や画像がSNSに上がっているが、ミシン縫いの解説動画や画像は余り上がってない。この二つの違いは「上達」が鍵になっているだろう。
最近の美術品をみるとどこも銘が書き入れられている。それは、どんなつまらない作品でも何某の作品であるという印である。私の母に何度かバックを作ってもらったことがあるが、作者の名前など微塵かいていない。それは恐らく、美術者と違い世界に名を残したいのではなく、私に喜んでもらえるためのものや、実用性があるものを作っているためだろう。実際、私が好きなキャラクターや好きな色などをバッグの模様に入れることが多い。母親は、そういう小さいことでも子供に気を配っているのだろう。母に作ってもらってばかりではなく、私も何度か姉に教えられながら巾着を作ったことがある。しかし、途中でだんねんしてしまい今でも完成していない。しかも、手縫いではなくミシンという「機械」で作ったのに開始一週間くらいでやめてしまった。手縫いも面倒くさいとは思うがミシンもなかなかに難しかった。まずミシンは、最初のセッティングが難しい。それに、糸案内板など色々な機械の名前もあって頭の中がこんがらがってしまう。姉に、
「ほらそこ針穴に糸を通して。」
とか言われるたびに、私の頭がフリーズして固まってしまい、一行に作業が進まない。正直自分が面倒くさいと思っていたときもあったが、これでも頑張った方だと思う。しかし、姉がバックやらなにやら作っている様子をみると、楽々音楽を聴きながらやっているのだ。「機械」でさえ使えない私が虚しくなってくる。私の姉の違いは何なのだろうか。
今まで散々面倒くさいなど悪口を言われていた手縫いだが、逆にいいことはなんだろうか。それは、まず準備が少ないことだろう。手縫いは、針と布を準備すればすぐ始められる。他にも、ミシンが縫うことができないボタンなど細かいことや仕上げにはもってこいかもしれない。戦時中も、手縫いで服やバックを作り売り続けた有名な会社がある。それは、シャネルという高級ブランド店だ。そのころは、今よりずっと昔のことだったから、機械など量産しやすいものはなかったはずだ。そのため、シャネルの創設者であるココ・シャネルという方は最初を手縫いから始めたに違いない。こうしてみると、手縫いというものは凄いものだと分かるだろう。
まずまず、手縫いというものがあったからこそ、機械が生まれたのだし、機械は人間がやっていることを早くしたものと同じだ。だからこそ、ボーっとしているといつのまにか縫ってはいけないところを縫ってしまったなどと大変なこともある。うちの姉も、仕上げなどは手縫いでやるし、やはり手縫いは便利でなくしてはいけないものなのかもしれない。やはり餅は餅屋でということだろう。この文を読んでいる皆さんも手縫いを日常で使って、手縫いの良さというものを実感してみてはいかがだろか。
★身近な体験実例を、手縫いと機械縫いという大きなテーマに結びつけて書いています。高学年らしい書き方です。読みやすくするために、段落ごとに改行して表示しています。
●忙しいハチ
中3 あえにな
最近、リスが巣ごもりの準備に勤しんでいる。木の葉が色づき、今までは朝早くに会えた太陽もなかなか顔を見せてくれない。つまるところ、北の国カナダでは短い夏が終わり、永遠とも思えるような冬が刻一刻と近づいてきているのである。このように、私は四季を愛でる余裕がある暮らしをしたいと考える。
そのための第一の方法は、常に周りを見渡すことだ。確かに、急いでいたり余裕がなかったりすると、周りの些細な変化には気を配ることができないだろう。眼の前のことで精一杯になり四季云々を感じている場合ではないと思うかもしれない。しかし、時間に余裕を持ち心を落ち着かせると、見える景色が全く異なるものになる。具体的には、空中で風に舞う木の葉を見つけ、微かな鳥のさえずりが聞こえ、さらには肌をかすめる少し冷たくなった風を感じる事ができるのだ。そのため、私は毎朝時間に余裕を持って家を出発し、登校中は常に周りをキョロキョロとしている。例えば、今日はどんぐりを集めているリスがたくさんいるな、風向きが変わってきたな、太陽の登る時間が遅くなったな、などである。このように、私は毎日の些細な四季の変化に気がつくためには自身の余裕が必要であると考える。なぜならば、あまりにもスピードや効率を追い求めて心身の余裕がないと、身の回りの些細な変化に目がいかないからだ。つまり私が目指す季節感のある暮らしとは、余裕を持って周りを見渡すことで生まれるのである。
第二の方法として、あえて不便な環境に赴く、ということが挙げられる。明治時代を生きた日本の小説家・詩人である国木田独歩の作品、「武蔵野」では、人間の手が入っていない林の美しさについて述べられている。この小説は、「武蔵野を散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならない。」という一節から始まる。「春、夏、秋、冬、朝、昼、夕、夜、月にも、雪にも、風にも、霧にも、霜にも、雨にも、時雨にも、ただこの路をぶらぶら歩いて思いつきしだいに右し左すれば随処ずいしょに吾らを満足さするものがある。これがじつにまた、武蔵野第一の特色だろうと自分はしみじみ感じている。」つまり、林や野原が不規則に入り乱れている武蔵野を散歩するためには、心身ともに余裕がある必要がある、ということだ。なぜならば、大体の人は道も知らぬ、どこかもわからぬ場所で四季感を楽しむ余裕を持ち合わせていないからだ。きっと必死に携帯や地図を見ながらここはどこか、この道であっているか、などと焦り、恐れ、不安になるに違いない。このように、不便だということは、裏を返せば人間の手が届いていない、整備されていない場所である。つまり私は、一見不便な路をぶらぶらと当てもなく歩く時、心に余裕を持ち自然の営みを体感できるのだと考える。だから、私はあえて人間の手が届いていないような環境に足を運ぶことで、四季を愛でる余裕のある暮らしをしたい。
確かに、科学の発達は、人間に快適な環境をもたらした。土地が開拓され、インフラが整備され、便利な世の中になったと言えるだろう。一方で、人間自身の心はどんどんと貧弱になっている。『忙しいハチは悲しむ余裕を持たない』というW・フレークの言葉がある通り、眼の前のことに精一杯で周りを見渡す余裕・四季を感じる余裕がないほど現代人は忙しない。だからこそ、季節を愛でる余裕を身につけることはとても大切なのではないか。この「余裕」は、全てに効率化・スピード化を求める現代社会においてはとても貴重だ。かくして、かつては当たり前だった、身の回りのものを愛でる余裕を持つことが今、重要視されているのだと私は考える。
★意見文でありながら、事実の描写力のある優れた作品になっています。国木田独歩の引用が、題材の幅を広げています。読みやすくするために、段落ごとに改行して表示しました。
- ● 言葉の森新聞2024年12月1週号 通算第1829号 (5043字) 言葉の森事務局 jun 2024年12月02日 09時45分
17049 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年12月1週号 通算第1829号
文責 中根克明(森川林)
■■12月1週は作文進級試験
12月1週(12月1日~12月7日)は、作文試験の週になります。
この週は、これまで勉強してきた項目と字数が全部できるように書いてください。
また、項目は、ただ書いただけではわかりにくいので、自分が項目として書いたということがわかるように、項目マークを入れておいてください。
手書きの作文の場合は、項目マークは手書きで書いてくだい。
・構成 (枝の絵なら何でもいいです)
・題材 (葉の絵なら何でもいいです)
・表現 (花の絵なら何でもいいです)
・主題 (実の絵なら何でもいいです)
パソコン書きの場合は、全角山カッコ2つの間に文字を入れます。
・構成 < <構成> >
・題材 < <題材> >
・表現 < <表現> >
・主題 < <主題> >
(半角の二重山カッコではなく、全角の山カッコを2つつなげて入れるということです)
字数は、必ずその級の字数ができるように書いてください。
作文の提出の締切は12月7日です。
■■8月の森リン大賞
発表が遅れてしまいましたが、m(_ _)m
8月の森リン大賞を掲載しました。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=08
今回の森リン大賞は、これまでの古い森リンによる採点をもとにしています。
森リン点をもとに、人間が内容を見て大賞を選んでいます。
11月からは、新しいAI森リン「森リー」になったので、点数の基準が若干変わりました。
したがって、11月からは、新しい森リンによる森リン大賞になります。
森リン大賞全体の代表作品を紹介します。
●三匹のこぶた
中3 あえにな
子供の頃は、歩き慣れた道を体に染み付いた感覚に従って歩いていることが多いため、道に迷うことは少ない。一方で大人になって行動の可能性が広がると、地図から差し出される情報を扱わなければならないため、たびたび道に迷う。これは、他人から差し出された情報は、正しく使わなければ人間の行動の妨げになることもあるということを的確に表している。
他人から得た情報を活用することは大切である。例えば本を読む時、小説からエッセイまで様々な本のジャンルにおいて、私達は著者の意見や表現力に触れることができる。私は、小学五年生の頃に出会った『みをつくし料理帖』という本からたくさんの状況描写の仕方を学んだ。この本は江戸を舞台とし、大阪出身の女料理人、澪が数々の美味しい献立を作り出していく様子がとてもリアルに描写されている。まるで本当にその料理を眼の前にしているかのように感じられるため、この本を読んだあとは必ずお腹が空くほどだ。その中でも、私は「昆布出汁の旨味は、まろやかで甘いんです。口にいれると全体にふんわり広がっていく感じ。逆に鰹出汁かつおだしの旨味は鋭くて、舌の上に集まってくる感じがするんです」という描写が特に気に入っている。この表現を、私は実際に作文を書くときに真似したことがある。揚げだし豆腐につけるめんつゆを「舌の上に集まってくるような鋭い旨味」と表現し、先生から高い評価を得た。このように、他人から学んだ方法や知恵を使うことで成功する事がある。つまり、私は他人から得た知恵を自分の力に利用することは重要であると考える。
しかし、自分の経験から得た知恵や知識を活かすことも大切である。他人の考えを借りるのではなく、たとえ遠回りであっても自分の体験から自分で考えることは人間にとって重要だ。例えば、私がカナダの自然区域市に指定されている森にハイキングに行ったときのことだ。その日は残念なことに雲が厚く空を覆っており、なんとも怪しげで暗い雰囲気だった。私は生い茂る木々の間から見る暗い空の様子を一言で表したいと思い立ち、一人で悶々と考え始めた。それから約30分ほど立って、自分が見た空の様子を描写するのにうってつけの言葉を考えつくことができた。それは、「森の木々によって歪いびつな形に縁取られた空」という表現だ。私はこの描写を実際に作文を書くときに使うことで、森リン採点で高い表現力を評価された。このように、自分の体験からオリジナルの表現を生み出すことは、自分の語彙力や表現力を磨くうえでとても大切なことである。アンデルセン童話の「三匹のこぶた」でも、末の豚は自分が頑丈だと信じるレンガ造りの家を汗水たらしながら建てることで、最終的に幸せを掴むことができた。つまり、自分を信じて突き進むことが良い結果をもたらすこともあるのだ。要するに、他人に頼るのではなく自分自身の経験を利用して結果を出すことが大切であると私は考える。
確かに、「読書とは自分の頭で考えることではなく、他人の頭で考えることである。」という名言がある通り、他人の情報を活用することも、自分の体験で方法を見出すことも、どちらも大切である。しかし、最も大切なのはどちらか一方に頼るのではなく、2つを両立することだ。他人から学びを得ながらも自分の頭で考えることにより、自分自身をさらにブラッシュアップすることができると考える。
読みやすくするために、段落ごとに改行し、いくつかの漢字にふりがなをつけました。(言葉の森)
■■9月の森リン大賞
9月の森リン大賞の代表作品を2つ紹介します。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=09
●一番好きなのは寿司
小4年 すみれ
「うわ!おいしい。」
あまりのおいしさに感動してしまい、思わず口に出してしまいました。
私は、回転寿司へ行ったとき初めてはまちとぶりを食べました。いつも回転寿司へ行ったときは、私が一番大好物なサーモンや、エビや、マグロを頼みます。でもあまりにもぶりがおいしそうだったので、頼んでみたらとてもおいしかったです。
よくお店に売っている刺身にもたまにぶりが入っているものがありますが、回転寿司のメニューではぶりがあまりありません。前に、食べて感動したぶりをもう一度食べたいと思ったけど、メニューにはのっていなくて「ガーン。」と頭に雷が落ちたようにびっくりしました。
とてもぶりとはまちが美味しかったのは、高級の魚ではないのかと考えました。
ぶりがとれるところは、長崎県で、10775トン、北海道は9574トン、千葉県で1387トンとれ、主な収穫値は、鹿児島県で37260トン、愛媛県は37091トン大分県で26521トンが収穫されるそうです。東京の外側でとれる魚なのだと感じて輸入できるのは少ないのか。と思ったので回転寿司にあまりぶりがないことは、遠いところでぶりが収穫されるということが分かり、もう少し食べたかったと思いました。
また、まちとぶりを両方食べた時、ぶりと、はまちの色や味が似ているので調べてみるとぶりとはまちは同じ魚だそうです。ぶりの前がはまちで、はまちがもっと成長するとぶりになるそうです。
家族に好きな食べ物を聞いてみました。
お母さんはえびが入っている料理が好きだそうです。小さいころにエビが入った鍋を食べたらしくなべにえびのエキスが浮いていたので、それがおいしかったらしくそれからえびの料理が好きになったそうです。
兄は豚骨ラーメンが好きらしく、福岡で食べた豚骨ラーメンのしるにだしがとても入っていたから美味しかったそうです。
お父さんは、ジャガイモが入っている料理が好きらしいです。理由はじゃがいもがほくほくしているからと言っていて、肉じゃがと豚汁が好きだそうです。
妹はチーズケーキが好きだそうです。たぶん8月ぐらいに家で作ったチーズケーキが美味しかったから好きになったのだと思います。
家族が好きな食べ物は全部私も好きですが、自分の大好物なものにはやっぱりついていって、ラーメンや、豚汁や、エビ料理や、チーズケーキもみんな好きだけど自分が大好物な寿司が一番おいしいのは寿司だなぁ。と思いました。
★自分自身の感動のある体験とともに、調べた話、取材した話が幅広く書かれています。
これからも、おいしいお寿司をたくさん食べられるといいですね。
(読みやすくするために、こちらで段落ごとに改行しました。)
●清書
さゆ
近代社会では、人間は法律に違反しないかぎり何をしようと自由だという建前で運営されている。すると、そういう社会で自分が満足した財産や地位を持てないのは、自分の努力が足りないか、社会が悪いかということになってくる。誰もが自由になる半面、分を知ることが難しくなり、顔の見えない他人とを比較して、限度のない自己実現を迫られる程度が増したことが問題である。
今後の対策として第一に、自己実現にとらわれすぎないことだ。今までは自分の所属している組織の中でのみ競争することができた。しかし、昨今では、大衆社会に触れ始めた。インターネットが普及して、今までより他人と近づくことができる時代になった。狭い組織の中で満足できていたのに、より上を目にすることができるようになり、目指したいと思えるようになってしまった。だが、上には上がいて実現しようとするならば、それは不可能なことだろう。
私も理想を高く持つことはよくある。他人の良いところが気軽に見ることができるようになったため、知らなくてもいいことも目に入るようになった。やはり羨ましく思い、そうなりたいと思うことがよくある。しかし、人はみな異なるため、その人に近づくことはできても、その人にはなれないのだ。その人はその人、自分は自分とわけて考えることが大事だと考える。
今後の対策として第二に、際限のない自己実現に追われる社会から、自己表現を奨励する社会へ転換していくことである。表現は実現と違って、財や地位の量的な尺度で計られず、魅力を理解する親しい他人の目があれば足りる。それは閉鎖的な階層組織ではなく、相互に顔の見える柔らかな社交の集団を作り、人はその小世界で認められることで、「何者か」であることができる。今の時代、自己実現をする場が少なく感じる。逆に、自己表現をすることでよく思わない人がいるのではないかと考える人が多いだろう。そうなってしまっていることがまず問題である。大人数の場で自己表現するのが難しい場合は、少人数の場で自己表現するのでも良い。自己を表現して、認めてもらう経験をしたらそれが自信に繋がり、より良い人生が築いていけるだろう。また、アサーションという考え方がある。アサーションとは、相手も自分も大切にした自己実現のことである。お互い意見が違うことを前提にして、相手を尊重しながら、けれども安易に妥協せず互いに意見を出し合って、納得のいく結論を出していくプロセスを大切にするのだ。この考えが広く伝われば、周りの目を気にしすぎて、自分の意見が言えないということが減るだろう。自分だけではなく相手も配慮するというのがお互いに正直に向き合うことができ、良い人間関係を築くことに繋がるので良いことだ。
確かに、自己実現していくことは自分の成長に繋がることなので、大切である。しかし、それにとらわれすぎてしまい、顔の見えない他人とも比較することで、限度のない自己実現を迫られる程度が今よりも増すことは問題である。自己実現にとらわれすぎるのではなく、人はそれぞれ異なった魅力があるので、みんなが自己表現することができたら、今より良い社会になるだろう。
★課題の長文を読み取り、内容を自分のものに消化して書いています。対策を深く考えたことがよくわかる力作です。
(読みやすくするために、こちらで段落ごとに改行しました。)
■■【合格速報】広尾学園小石川中学校
広尾学園小石川中学校 T.E.さん
<担当講師より>
作文クラスと国語読解クラスを受講してどんどん実力をつけてくれました。作文も国語読解も予習に手を抜いたことが一度もなく、いつも真摯にそして素直に課題と向き合ってくれました。曖昧な部分を残さないところまでしっかりと学んできた成果が出て嬉しいですね(^^)。誰に対しても明るく礼儀正しくポジティブなコメントを伝えてくれるEさん、これからもたくさんの友だちと切磋琢磨しながら充実した中学校生活を送られることと思います。ぜひ楽しんで下さいね!
合格おめでとうございます!
- ● 言葉の森新聞2024年11月4週号 通算第1828号 (3534字) 言葉の森事務局 jun 2024年11月22日 15時40分
17018 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年11月4週号 通算第1828号
文責 中根克明(森川林)
■■11月29日(金)・30日(土)は休み
11月29日(金)・30日(土)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■2024年11月保護者懇談会資料
●サーバー移転に伴うトラブル
本当に、いろいろご迷惑をおかけしました。
OSの変更とプログラムバージョンの変更で、30年前からのすべてのファイルを修正しなければならなくなったのが原因です
大きなところは大体修正しましたが、まだ修正するところは残っています。
当面、メールの文字化け対策をする予定です。
ただし、サーバー移転により、ChatGPTのAIと連携できるようになり、Pythonも本格的に使えるようになりました。
●AI森リンで学年ごとの講評がでるようにします
AI森リンは、現在特許申請中です。
今後、語彙力の評価と指導項目の評価を取り入れたAI講評が出るようにする予定です。
小学4年生以上の人は、ローマ字入力ができるので、少なくとも4週の清書のときはパソコンで作文を書いて送ってみるといいと思います。
手書きの練習は、学校でたっぷりやっているので、週1回の作文のパソコン入力は何も問題ありません。
漢字の練習は、作文の勉強の中でやるのではなく、漢字の練習として独自に取り組むものです。
ただし、入試に作文のある人は、3ヶ月前から、手書きに戻しておくといいです。
それは、うっかり間違えて覚えている漢字のミスが見つかることがあるからです。
●家庭学習は、自習室を活用する仕組みを考案中
勉強は、家庭学習として行うのが最も能率がよいものですが、両親が仕事をしているために家庭学習が日常化できない家庭が増えています。
そこで、読書、作文、国数英の教科の学習、暗唱の練習などで、保護者の方と相談しながら生徒ごとの自習室利用のメニューを作ることを考えています。
自習室のメニューは、国数英の確認テストの点数なども基準にします。
なお、国数英の確認テストは、今後、該当する問題集を購入すれば、教科のクラスを受講していない方も毎月できるようにしていきます。
その際、採点は解答を見て翌日の自己採点というかたちにするので、保護者の方が採点を行えば、子供さんの勉強の現状が把握しやすくなると思います。
●創造性を活かす教育は、発表の機会を利用して行います
言葉の森の勉強の特徴は、生徒の思考力と創造力と共感力を活かす仕組みを考えていることです。
そのために、授業の中で、読書紹介や一人一言や発表の時間をできるだけ設けるようにしています。
国数英は評価の基準があるので、発表にも力を入れていくようにします。
一方、作文や創造発表やプログラミングは、評価の基準がないので、今後、発表広場(仮称)を作り、生徒の発表を一覧できるページを作る予定です。
そこで、生徒保護者講師が1人何票かで投票できる仕組みを作り、発表大賞のようなものを創設します。
その際、得票できない人がいないように、ほかの人の作品に1票を投票すれば、その分自分にも1票+αが入るようにします。
●言葉の森を一生続く勉強の機会に
昔の言葉の森は、個別指導が中心でしたから、先生と生徒の関係だけが長く続き、生徒どうしの関係というのはありませんでした。
現在は、オンライン少人数クラスというかたちで、生徒どうしの関係が作れるようになっています。
生徒によっては、小学校低学年から言葉の森で勉強を始め、高校生まで勉強を続ける人もいます。
すると、毎週の授業の中で、親しい友達関係になる場合も出てきます。
将来は、言葉の森を卒業したあとも、同窓会で、その後の勉強や仕事の交流ができるようにしていきたいと思っています。
■■これからのAI森リン「森リー」の開発方向
AI森リン「森リー」がスタートしましたが、今はまだ3分の1の力しか発揮していません。
今、行っているのは、講師の講評を参考にしながら、AIが独自に作文を評価してコメントを書いているというところまでです。
それでも、かなり的確にコメントを書いているので、AIのレベルはかなり高いと思います。
しかし、ここまでだけで終わっていては、せっかくの語彙力評価や項目指導が活かせません。
次に取り組むのは、言葉の森が独自のアルゴリズムで抽出した、作文ごとの思考語彙、知識語彙、表現語彙などを、AIのコメントに取り入れることです。
そのためには、学年別に新しい森リン点を大量に取得し、学年ごとの平均点や標準偏差を出す必要があります。
これに、これから取り組みます。
もうひとつの課題は、項目指導を評価の中に取り入れることです。
例えば、小学校低中学年だったら、作文の中に、個性的なたとえやダジャレが入っているかどうかを評価します。
しかし、AIは、もともとアメリカ出身なので、ダジャレの評価はまだ苦手です(笑)。
これから、AIが日本の文化になじんでくれば、だんだんダジャレも上手になっていくと思います。
小学校高学年や中高生の項目指導の重点は、意見の中に光る表現があるかどうかです。
小学6年生だったら、一般化の主題、中学生だったら反対意見の理解、高校生だった自作名言などです。
また、データ実例、昔話実例、伝記実例、歴史実例なども評価できます。
ただし、あまり特殊化すると、一般の人が使えないので、項目指導の評価は言葉の森の生徒に限るかたちになると思います。
さて、AI森リン「森リー」の活用がもっとも生かせるのは、中学や高校での作文指導です。
作文指導の大切さを多くの先生が理解していながら、中学、高校では実際に作文指導がほとんどなされていないのは、先生の評価が大変だからです。
これは、小学校高学年から授業で作文指導がほとんどなくなるのと同じ事情です。
現在、学校での作文指導は、ほぼ夏休みの宿題に限られています。
しかし、AI森リン「森リー」を活用すれば、生徒全員の作文指導を毎日のように行えます。
しかも、ただAIが評価するのではなく、客観的な語彙力評価や項目表ををもとにした評価ですから、生徒にとっても納得できる評価になります。
納得できる評価が大事なのは、そこからよりよい作文を書くという方向が理解できるようになるからです。
よりよい作文を書く方向というのは、作文の書き方を工夫することだけではありません。
本当に大事なのは、読書力を高め、考える力と表現する力を伸ばすことなのです。
- ● 11月の読解検定の問題文を送り直しました【送信指定】 (205字) 森川林 nane 2024年11月21日 11時24分
17010 (言葉の森オンライン新聞)
このメールは、11月の読解検定を受検される方にお送りしています。
先にお送りしました読解検定の問題文と解答用紙のうち、問題文の内容が10月のものになっておりました。
本日、正しい11月の問題文をお送りしました。
受検は、新しい問題文が届いてから行っていただくか、又は、ウェブで表示されている問題文を印刷して取り組んでくださるようお願いいたします。
(ホームページのトップに問題文の印刷リンクを載せてあります。)
- ● 言葉の森新聞2024年11月3週号 通算第1827号 (2314字) 言葉の森事務局 jun 2024年11月20日 12時22分
16999 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年11月3週号 通算第1827号
文責 中根克明(森川林)
■■言葉の森の今後の展望―これからの教育の3つの柱
サーバー移転が、まだいろいろ手直しがあるものの、基本的には一段落したので、今後の展望を説明します。
言葉の森が考える教育の柱は、3つあります。
第一は、子供たちの学力をつけることです。
ただし、宿題やテストや競争で煽るようなやり方ではなく、子供たちが自主的に勉強に取り組むような方法でやっていきます。
そのために、考えているのは、今の学習グラフを更に見やすいものにし、毎回偏差値の推移のグラフなどが見られるようにすることです。
結果がビジュアルに分かれば、講師も生徒を褒めたり励ましたりしやすくなるので、保護者連絡もやりやすくなります。
成績が上がっている子は、褒めるだけでいいのですが、成績が上がらない子に対しては、単に注意をするだけでなく、自習室への参加を義務付けるようにしたいと思います。
自習室は、ブレークアウトルームを100個ぐらい作って、個人が1つのブレークアウトルームで勉強するようにします。
先生や親は、あとで自習の記録を見て、自習の内容を確認できます。
読書不足の子なども、自習室の10分間読書で対応できるようになります。
勉強は、方法がよければ、かけた時間に比例して成績があがるので、自習室での勉強は、すぐに成果に結びつくと思います。
ただし、自習室の参加義務付けは、中学2年生までとします。
中学3年生以上は、自分で自覚して勉強できるので、義務的なものはあまりやらないようにします。
第二の教育の柱は、創造力を育てる教育を行うことです。
主な講座としては、作文、創造発表、プログラミングですが、国語読解、算数数学、英語でも、できるだけ創造的な勉強を入れていくようにしたいと思います。
中根がやっているのは、国語読解では、問題文の要約・短歌・感想を書くこと、算数数学では、自分で面白い問題を作成すること、英語では、自分で面白い英作文を作ることなどです。
ただし、創造力を育てる教育は、教科の勉強のように成績がはっきりしないので、子供に意欲をもたせるが難しい面があります。
そこで、発表広場というページを作り、毎月4週目は、自分の作品をそこに発表するようにします。
これは、発表室への発表をそのまま自動的に発表広場にも入れられるようにすればいいので、子供にとっては手間はかかりません。
そして、発表広場に載った作品については、生徒や保護者や講師が1人何票かの票を持って投票できるようにします。
票が入らない子がいるとかわいそうなので、自分が誰かに投票すれば、その分だけ自分にも票が入るようにします。その際、ランダムにおまけの票もはいるようにします。
創造教育における意欲づくりは、この発表広場の投票と表彰によってやっていきたいと思います。
第三の教育の柱は、子供たちのコミュニティ作りです。
これは、まだ一部のクラスでしかできていませんが、同じクラスに参加する生徒どうしが仲よくなり、読書紹介や一人一言や質問感想などのやりとりを通して親しくなることが目標です。
子供たちの学校生活や日常生活であとまで残るのは、勉強の知識よりも、友達との交流です。
言葉の森は、場合によっては、小1から高3まで勉強を続けて、その間、同じ生徒と何度か一緒のクラスになって交流するということがあります。
こういう長期間の交流の可能性は、学校以外にはなかなかありません。
いずれ、言葉の森の生徒どうしが、一生の友だちになるようなケースも出てくると思います。
同様に、先生と生徒と保護者の関係も、子供たちが卒業したあとも、続く可能性があります。
私は、勉強で何かを身につけるのと同じかそれ以上に、こういう人間的なつながりが大事になると思います。
以上の教育の3つの柱をもとに、これから、講師と保護者の連絡を更に充実させていきたいと思います。
■■新しいAI森リン「森リー」の点数の付け方
AI森リン「森リー」のページがスタートしました。
ただし、森リンベストなどはまだ開けません。
作文を送信したあとのページ、又は、すでに「山のたより」に入っている作文のページに、☆という小さな星のマークがあります。
この星のマークをクリックすると、「森リー」のページに飛びます。
題名、本文、生徒コードなどが入っているので、パスワードを入れ直してそのまま「点数を見る」のボタンをクリックしてください。
本文と点数が表示されるので、そのあと、「講評を見る」のボタンをクリックしてください。
「講評を見る」は少し時間がかかりますが、送信が完了すると、講評と点数と字数などのグラフが表示されます。
今回、表示する点数は、まだデータが少ないため、仮の点数としています。
また、中高生を標準とした点数ですので、小学生の作文は点数が低くなっています。
今後、データが多くなれば、学年別の点数にする予定です。
■■11月23日(土)は「休み宿題」(再掲)
カレンダーに記載してあるとおり、11月23日(土)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
- ● 言葉の森新聞2024年11月2週号 通算第1826号 (2895字) 言葉の森事務局 jun 2024年11月12日 18時04分
16759 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年11月2週号 通算第1826号
文責 中根克明(森川林)
■■11月23日(土)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、11月23日(土)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■サーバーの重要なところはほぼ直りました。現在、AI森リンを開発中です
10月末のサーバー移転から約2週間、いろいろご不便をおかけしましたが、重要なところはほぼ直りました。
ただ、言葉の森のサーバー内にあるファイルは大量ですので、手直しが必要なところはまだ残っていると思います。
お気づきの点があれば、ご連絡くださるようお願いいたします。
さて、過去をふりかえるようなことは、普通はしないのですが、一応経過を報告させていただきます。
サーバーの移転は、長年の懸案事項でした。
3年前に、サーバー移転を決心して、新しいサーバーを立ち上げて準備をしたのですが、少し移転を始めてみると、言葉の森のファイルのほとんどがそのままでは使えないことがわかりました。
そのため、3年間、準備だけで何もしなかったのですが、海外からのDDOS攻撃が急に増えたことと、これまで使っていたサーバーのOSやプログラム言語のバージョンが期限切れに近づいてきたため、やむを得ず10月末に移転することにしました。
そのときの見通しでは、移転はかなり難しいので、せめて最低限のところだけ、山のたよりやオンラインクラス一覧表だけ動かせるようにしておこうという悲壮なものでした(笑)。
しかし、ここで強力な手助けがあることがわかったのです。
それは、ChatGPTとPerplexityです。
ChatGPTは、それまでも、ちょっとしたことを調べるのに使っていましたが、今回のサーバー移転で、これほど強力なツールだったのだということが改めてわかりました。
何しろ、大きなことから小さなことまで、高度なことから初歩的なことまで、何を聞いても、同じように丁寧に優しく説明してくれるのです。
しかも、早いときは、朝の2時や3時から夕方まで、また、土曜も日曜も同じペースで、十数時間質問を続けても、嫌な顔ひとつせず(あたりまえか)わかりやすく説明してくれます。
その結果、移転作業を始める前までは、不可能だと思っていたようなことも、少しずつ解決することができました。
ただし、そのための時間はかなりかかりました。
一つのファイルを直すのに、2、3時間かかるということもよくありました。
今回の、ChatGPTの活用によって、私は、子供たちの勉強も、ChatGPTでやればかなり能率がよくなると思いました。
勉強や仕事で、いちばんのネックになるのは、わからないことがあったときに近くに聞く人がいないことです。
しかし、もし聞く人がいたとしても、朝から晩まで聞き続けるわけにはいきません。
また、人間相手だと、何度も同じ質問をしたり、あまりにも初歩的な質問をしたりすることははばかられるところがあります。
ChatGPTなら、そういうことはありません。
わからないところを聞く勉強で、いちばん効果があるのは、数学とプログラミングです。
これから、ChatGPTや他のAIを利用した数学やプログラミングの勉強は、広がっていくと思います。
さて、ここまでが過去の話で、このあとは未来の話です。
今回のサーバー移転のひとつの目標は、森リンをAI化することでした。
森リンがこれまで使っていた日本語形態素解析ソフトのchasenがmecabに切り替わっているので、移転を機会に、mecabを利用し、併せて森リンの採点の仕組みを根本から見直そうと思ったのです。
AIの利用というのは、森リンの集計した語彙の点数を参考に、ChatGPTがアドバイスをしてくれるという仕組みを作ることです。
ところが、ホームページとChatGPTをつなぐAPIがまだ不十分なようで、別途作っていたカスタムChatGPTとつなげることができませんでした。
また、ChatGPTのバージョンも3.5turboということなので、やや力不足の気がします。
しかし、実際に動かしてみると、作文を送信したあと、一応それなりのコメントを返してくれました。
今後、ChatGPTとのAPIが改善されれば、更にいいコメントが返せると思います。
語彙の集計の仕方も見直したので、これからは学年別の採点ができるようになります。
今までは、小学生から高校生まで同じ基準で評価していましたが、今後、学年別の評価にすれば、もっとわかりやすい評価の見方ができるようになると思います。
言葉の森のホームページとChatGPTをつなげるAPIができたので、今後は、作文の評価だけでなく、他の勉強についても、ChatGPTの利用ができるようになります。
この分野は、まだ未知の世界ですから、これからいろいろおもしろいことができると思っています。
さて、今回のサーバー移転をきっかけとしてChatGPTの利用を経験して、これからの子供たちの勉強も大きく変わると思いました。
私がよく言っていることですが、第一は、家庭での自学自習が勉強の中心になるということです。
第二は、家庭での学習は、基本的な学力をつけるためのもので、本当の勉強は、創造的なものになるということです。
第三は、勉強の目的が、大学に合格することではなく、社会に出て活躍することになるということです。
そして、その社会に出て活躍するというのは、必ずしもいい会社に入って仕事をすることではなく、自分の個性的な仕事を立ち上げるということです。
近い将来か遠い将来かわかりませんが、エネルギーが限りなくフリーに近くなり、収入のほとんどがベーシックインカムになるような時代がやがて来ると思います。
そういう社会で楽しい人生を生きることが、これからの子供たちの目的になっていくと思います。
■■合格速報
●フェリス女学院大学 グローバル教養学部
<担当講師より>
小学生から入会し、高3まで、毎週必ず提出、欠席連絡も必ずしてくれました。本当によく頑張られました。継続は力なりです。これから、培った力を発揮していってくださいね。
●立教大学 スポーツウエルネス学部
<担当講師より>
合格おめでとうございます! 何事にも全力投球、絶対にあきらめない強い気持ちで取り組む姿勢は本当に立派です。一回一回じっくり取り組んでいた、その地道な努力が大きく実りましたね。これから始まる大学生活でも、大きな目標に向かって一歩また一歩と着実に歩みを進めてください。応援しています!
- ● 言葉の森新聞2024年11月1週号 通算第1825号 (2288字) 言葉の森事務局 jun 2024年11月05日 15時34分
16697 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年11月1週号 通算第1825号
文責 中根克明(森川林)
■■オンラインクラス一覧表が、開けるようになりました
11月1日にサーバーは、新しく更新されましたが、オンラインクラス一覧表は、生徒のみなさんには開けない状態が続いていました。
講師や事務局では開けるようになっていたので、事情がわからず、対応が遅れてしまいました。
ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。
現在、オンラインクラス一覧表は開けるようになっています。
作文の送信もできますので、よろしくお願いします。
原因は、次のようなことです。
言葉の森が、ホームページを作ったのは、1996年とかなり早い時期でした。
今回の新サーバーでは、プログラム言語がバージョンアップされていたため、昔の古いプログラムで使えない箇所が多数出てきました。
一応、一括で直したのですが、手作業で直さなければならないところがまだかなり残っています。
ただし、新しいサーバーと新しいプログラム言語にしたことによって、ChatGPTなどのAIが、ホームページの中で使えるようになりました。
当面は、AI森リンを作りますが、そのあとは、教科の勉強にもAIを使えるようにしていく予定です。
■■国語読解クラス、基礎学力クラス、総合学力クラスの生徒の読解検定のやり方
読解検定のページが直りました。
上記の3クラスの生徒は、ウェブで読解検定を受けることができます。
しかし、読解検定として申し込んでいない場合は、問題の郵送、結果の郵送はありません。
【読解検定のやり方】
1.オンラインクラス一覧表の「国語読解クラス」「基礎学力クラス」「総合学力クラス」のいずれかのタイトルをクリックする。
2.左上から2行目の「読解検定と長文」をクリックする。
3.自分の学年と月をクリックする。
すると、問題文が4ページ表示される。
画面で見るのでは読みにくいので、できるだけプリントするとよい。
4.左上の「読解検定送信フォーム」をクリックすると答えが入力できる。
5.点数はすぐ表示されるので、×だったところはその理由を考える。
6.考えてもわからないときは、国語読解の掲示板に書く。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=45
■■勉強の種類――知識の勉強、理解の勉強、身体化の勉強
現代の勉強の性格は大きく変わりつつあり、従来の知識中心の学びから理解、そして身体化へとシフトしています。
この変化は、時代のニーズやテクノロジーの進化によるものです。
勉強には大きく3つの種類があります。
それは「知識の勉強」「理解の勉強」、そして「身体化の勉強」です。
これらは、それぞれの時代において異なる役割を果たしてきましたが、今後は身体化の勉強が中心となっていくと考えられます。
まず、「知識の勉強」とは、従来の教育における基本的な学びの形態であり、単に情報や事実を記憶し、知識を蓄積することが目的です。
かつては黒板と教室、そして教師がこの学びの中心でした。
しかし、インターネットの発展により、知識の習得はより効率的かつ迅速に行えるようになりました。
例えば、オンライン辞書や動画講義、Eラーニングプラットフォームなど、様々なツールを使うことで知識を手軽に得ることができる時代になっています。
その結果、知識の勉強が個人の生活や仕事の基盤であった時代は終わりを迎えつつあります。
次に、「理解の勉強」とは、単なる知識の暗記に留まらず、情報を自分の中で整理し、納得することを目指す学びです。
特に、数学や理科のような科目では、理解が深まることで初めて応用力が身につきます。
この理解の勉強において、重要なツールは詳しい解法の書かれた参考書や個別指導の先生です。
しかし、近年ではAI(人工知能)の導入により、理解の学び方も変わりつつあります。
AIは24時間365日対応可能で、初歩的な質問から高度な質問まで受け付けてくれるため、学習者が「分かったふり」をする必要がありません。
さらに、AIはどれだけ同じ質問をしても、常に丁寧に答えてくれるという利点があります。
このような環境での学びは、学習者の遠慮や恥ずかしさを軽減し、より深い理解を促進することが期待されています。
最後に、「身体化の勉強」とは、知識や理解を超えて、習得したことを自然な行動や習慣として身につける学びです。
スポーツや音楽、図工といった分野はこの身体化の勉強の代表例です。
これらの分野では、知識や理解だけではなく、身体を使って経験を通じて学びます。
ここで重要なのは、日本語力の身体化です。
特に抽象的な概念を自然に使いこなすことができるようになることが、思考力の向上に繋がります。
言い換えれば、日本語力を身体化することは、他の勉強をする上でも重要な基礎となります。
このように、現代の勉強は「知識」から「理解」、そして「身体化」へと段階的に進化しています。
知識を学ぶだけではなく、それを理解し、さらに自然に使いこなせるようになることが求められているのです。
身体化の勉強は、反復練習と時間の積み重ねが欠かせません。
具体的には、日々の読書や暗唱、発表、そして対話を通じて、自分の中に取り込んでいくことが大切です。
これからの時代、勉強の中心となるのは身体化であり、日々の実践が重要な役割を果たします。
したがって、これからの学習者は知識の蓄積に留まらず、理解を深め、さらにその理解を身体化することに努めていくことが必要になるのです。
- ● 言葉の森新聞2024年10月4週号 通算第1824号 (3910字) 言葉の森事務局 jun 2024年10月24日 10時27分
16627 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年10月4週号 通算第1824号
文責 中根克明(森川林)
■■10月29日(火)・30日(水)・31日(木)は休み
10月29日(火)・30日(水)・31日(木)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
なお、29日~31日は、サーバー移転のため、言葉の森のホームページは使えません。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■2024年10月保護者懇談会資料
●サーバー障害のお詫び
9月下旬から10月にかけて、サーバー障害によりホームページの閲覧や送信が大幅に遅れるようになりました。
ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
原因は、海外からのDDOS攻撃という手法で、膨大なアクセスを言葉の森のサーバーに送りつけサーバーをダウンさせ、サーバーの中に入ろうとしていたということのようです。
対策として、遅いクエリを修正することと、新しいファイアーウォールを設定することで、対応しました。
●11月から新しいサーバーに移転――しばらくの間、一部のページしか使えません
11月から新しいサーバーに移転します。
OSも、プログラム言語も新しいバージョンになるので、直すところがかなりあります。
現在、全ファイルの修正を行っているところですが、複雑な作業になるため、11月からは、一部の必要なページだけを稼働することになりそうです。
とりあえず、現在ほぼ直っているところは、
・ホームページの表紙・オンラインクラス一覧表・個別れんらく板・検索の坂
までです。
このあと、
・作文の丘・山のたより・発表室連絡・読書記録・自習記録・確認テスト・暗唱検定・教材注文・森リンベスト・絵の実・森の掲示板・受講案内・体験学習
などのページを直す予定ですが、1日に2つぐらいずつしか直せないので時間がかかります。
10月29・30・31日は、サーバー移転のため、言葉の森のページはどこも使えませんので、この期間に振替授業に参加される方は、27日までに予習メモ、読書記録などをアップロードしておいてください。作文の送信は、11月1日以降にお願いします。
●ChatGPTを活用した新しい勉強法
今後の勉強は、AIを活用したものになります。
ChatGPTは、まだ検索の代わりに使うような利用が多いと思いますが、実は、あらゆることを教えてくれる一流の家庭教師のような存在です。しかも、無料です。
より高度な利用をするなら月額20ドルの有料になりますが、普通に使うだけなら無料でいいです。
将来、中学生や高校生などで、学校の定期テストや志望校の模擬試験を、ChatGPTを使って作るような子も出てくると思います(笑)。
これまでの過去問を読み込ませれば、そういうこともすぐにできます。
また、自分が苦手な分野の問題と似た問題を、ChatGPTを使って大量に作ってもらうこともできます。
英語などでは、音声でChatGPTとやりとりをして、そのあと、自分の話のどこを直したらいいか教えてもらうこともできます。
言葉の森でも、サーバー移転が一段落したら、AI森リンをはじめとして、AIを利用した学習システムを作っていく予定です。
13歳からは、Gmailでメールアドレスを作れるので、そのメールアドレスで、ChatGPTの無料アカウントを作っておくとよいと思います。
13歳未満でも、保護者の監督のもとで生徒個人用のメールアドレスを作ることはできます。
今後、AIの利用によって、勉強の仕方は大きく変わってきます。
子供たちの適応力は高いので、新しい技術には早めに対応できるようにしていくといいと思います。
●吸収する勉強から発表する勉強への転換
これまでの勉強は、知識を吸収しそれをテストで再現するという勉強でした。
今でも、多くの学校の試験は、そのパターンです。
すると、記憶力のいい子か、勉強時間を長くかけた子が、いい成績を取るようになります。
昔は、そういう勉強にも意味がありました。
しかし、これからは、そうではありません。
大学入試の総合選抜、高校の授業の探究学習などに見られるように、勉強の方向が大きく変わってきています。
同じようなことを言っている人がいました。
「東大の入試問題を見れば「頭のいい子」の条件がわかる…名門進学校の教諭が最も重視する"学力以外"の能力」
https://president.jp/articles/-/86772
ここに書いてあることは、簡単に言えば、「吸収するよりも発表すること」「読むよりも書くこと」が大事だというようなことです。
東大の入試は、確かに国語の選択問題は1問もありません。すべて記述問題です。
選択問題は、大学入試共通テストまでです。
読む力、選ぶ力よりも、書く力、表現する力が評価されるようになっているのです。
しかし、発表型の勉強は、優秀で意欲的な生徒でないと、かつてのゆとり教育のような勉強になりがちです。
また、子供自身も、発表型の勉強よりも吸収型の勉強の方が、勉強した気がする面があります。
言葉の森では、今後、子供たちが意欲的な発表ができるような仕組みを作っていきたいと思っています。
その主なやり方は、表彰システムを大幅に拡大することです。
●家庭での自学自習が勉強の基本――自習室を活用しやすくする方法を検討中
勉強は、学校や塾でするよりも、家庭で自分ひとりでするのが最も能率のよいやり方です。
しかし、小学生や中学生は、まだ勉強の自覚がないので、ひとりではなかなか勉強に取り組めません。
そこで、自習室をもっと活用しやすくし、先生がその子の勉強の様子を見て、自習室での勉強を指示するというようなこともしていきたいと思っています。
国語、算数数学、英語の確認テストを見ると、成績の悪い子が時どきいます。
今後、それぞれのクラスの授業を受けない人でも、問題集さえ購入すれば確認テストができるようにして、勉強のトータルなアドバイスをできるようにしたいと思っています。
●読書のレベルが、将来の学力のレベルになる
中学生や高校生で、読書の質が低い生徒がいます。
また、物語の本しか読んでいない子もいます。
逆に、小学校高学年で、読書の質が高い生徒もいます。
子供たちは、学校の勉強を第一に考えがちですが、あとになって残るのは読書の力です。
読書の質が低い、または、読書の量が少ない生徒は、学年が上がるにつれて成績が上がらなくなります。
それは、読書とは、思考力をつけるものだからです。
そのためには、難しい本を読む必要があります。
小中学生のころは、勉強にまだ考える要素が少ないので、勉強さえしていれば成績が上がるように思いがちです。
しかし、高校生、大学生になると、考える力がなければ、勉強だけしていても成果を上げることはできなくなります。
中学生以上の生徒は、やさしい本や物語の本だけでなく、できるだけ難しい説明文意見文の本も取り入れて読むようにしていくことが大事です。
ただし、難しい本を読ませようとして、読書量が低下しては、かえって読書力がつかなくなります。
複数の本を並行して読むような方法で、読書量は低下させずに、少しずつ難しい本を読むことに慣れていくといいと思います。
複数の本を読むには、付箋読書が役に立ちます。
https://www.mori7.com/mori/hp_senn_husenn.php?table=beb_article
- ● 言葉の森新聞2024年10月3週号 通算第1823号 (3948字) 言葉の森事務局 jun 2024年10月16日 12時45分
16596 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年10月3週号 通算第1823号
文責 中根克明(森川林)
■■【連絡】個別れんらく板の先生からの連絡は差し出し人が先生のペンネームとコードになります
個別れんらく板からの連絡について、これまで、先生からの連絡は、
「○○様←中根克明」などとなっていましたが、10月13日から、
「○○様←森川林(nane)」と、ペンネームと講師コードを併用したかたちになります。
■■【重要】受講停止・退会の連絡は、毎月15日までにお願いします
受講停止又は退会の連絡は、20日までに連絡があった場合、その月の末で終了としていました。
しかし、この日程ですと、受講料自動振替を金融機関に報告する日程とぶつかることがわかりました。
そこで、10月より、受講停止・退会の連絡は、毎月15日までとさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
■■勉強の基本は、家庭での自学自習。家庭学習をやりやすくする新しい自習室のシステムを計画中
■ 家庭での自学自習の重要性
勉強の基本は、家庭での自学自習にあります。
現在、世の中には解法がていねいに説明された参考書が数多く出回っているため、自分で学ぶ環境は整っています。
そのため、答えが存在するような学習内容については、必ずしも塾や家庭教師に通い、人から教わる必要はありません。
しかし、学習を自ら進めるには自己管理能力が求められ、それが未熟なうちはなかなか独力では勉強が進まないのも現実です。
■ 子供にとっての学習環境と家庭の変化
子供が中学生までの年齢では、ひとりで勉強をする自覚がまだ育っておらず、教室のような仲間と一緒に学べる場があって初めて集中できることが多いものです。
高校生以上になれば、自己管理の意識が芽生え、自宅での学習もできるようになりますが、それまでは適切な環境づくりが欠かせません。
昔は、保護者や家族が家にいる時間が長く、子供が学校から帰宅した後、自然と勉強する習慣を家庭内で身につけやすい状況がありました。
しかし、現代では多くの家庭で保護者が仕事で帰りが遅くなるため、家庭内で子供の学習をサポートすることが難しくなっています。
■ 宿題とテストに依存しない自学の仕組み
その結果、子供の勉強は、宿題やテストといった「外部からの強制」に依存する傾向があります。
しかし、本来、学力を高めるためには、自分で選んだ教材を繰り返し学習することが大切です。
宿題やテスト対策のためだけに時間を費やしても、十分な力はつきません。
子供が自ら学ぶ習慣を身につけ、外部の強制ではなく、自己決定による学習を促す取り組みが必要とされています。
■ 言葉の森による自習室の活用と今後の展望
「言葉の森」では、自習室をさらに使いやすくし、家庭学習を支援する新たな方法を導入しようとしています。
具体的には、国語や算数・数学、英語などの授業で、生徒が次の週までに家庭で行う学習計画を立て、その計画を生徒・先生・保護者が共有します。
生徒は家庭でその計画に従って、自習室に入って勉強を進めます。
自習室では、Zoomのブレークアウトルームを利用し、100か所の個室で自由に学習ができます。
各個室はカメラをオンにした状態で利用し、他人の目を意識することで集中力を高めます。
しかし、もちろん他人に部屋の様子が見えることはありません。
このシステムでは、他の生徒とペンネームを通じて交流し、仲の良い友達と同じルームで勉強することも可能です。
学習の内容や時間は、事前に自習記録に登録することで、後から振り返ることができます。
また、タイマーを使って「この勉強は何分以内で終わらせる」といった時間制限を設けることで、集中力を高める工夫をすることが大切です。
ネットを通じた学習では、休憩の際に他のサイトを見ることもありますが、タイマーを使った計画的な休憩により、時間のコントロールができます。
このような自習室を小学校低学年から利用できるようにすることで、中学生や高校生になったときにも、同じように自学自習の習慣を続けられるようになります。
このような自習室を活用した学びのスタイルが、今後の勉強のスタンダードになると思います。
■■AI時代の教育は、積み上げ型から山頂型へ。学校は知識を蓄積する場ではなく、創造し発表する場に
● AI技術の進化と教育の変化
AI技術の発達によって、これからの教育は大きく変わっていきます。
従来の教育は、知識や記憶を積み重ねていく「積み上げ型」が主流でしたが、これからは「創造」と「発表」を重視する「山頂型」へと移行していくと考えられます。
積み上げ型の教育は、学んだ内容が次のステップの基礎となる一方で、学習の成果が見えにくく、達成感を得づらいという課題がありました。
しかし、AIの導入によって、教育のゴールを先に設定し、その後に必要な学びを補うという新しい学習の形が可能になります。
● 各教科と積み上げ型学習の課題
積み上げ型の学びの代表的な教科として、算数・数学やプログラミングが挙げられます。
これらの科目は、基礎の積み重ねが大切ですが、その一方で、特に初期段階の学習が退屈であることも事実です。
算数や数学は四則計算のような基礎から順に学ぶカリキュラムが整備されているため、学習の初期段階で行き詰まることは少ないですが、プログラミングでは学習の進め方がまだ確立されていない部分もあります。
たとえば、ビジュアルプログラミングのScratchから、コードを書くJavaScriptに移行する際に、多くの学習者がつまずいてしまうことがあります。
英語は積み上げ型の側面を持ちながらも、生活の中で使う「手段」としての性格が強いため、将来的にはAIによる通訳や翻訳などのツールがこの役割を代替する可能性があります。
理科や社会科は、理解することで学びが完結するため、読書のように知識を吸収する科目と考えられます。
国語、つまり日本語の学習は、単なる知識ではなく、考える力や表現力を育む重要な教育であり、今後の学びの中心になると考えられます。
● AIによる学習スタイルの転換
従来の積み上げ型学習では、新しい知識を積み重ねても、なかなか目に見える成果を感じられないことが多くあります。
しかし、AIを活用することで、このような学びを「山頂型」に切り替え、まずは結果を出すことを優先し、その後で理由を学ぶという流れが実現可能になります。
学習途中でわからないことがあっても、AIに質問すれば解決でき、積み上げ型の学びに戻る必要はありません。
必要なときだけAIに頼り、より深く知りたい部分だけを掘り下げて学べば十分です。
このように、学習が山頂型に変わることで、教える先生や教科書、そして学校という「教える場」の存在意義が再考されるかもしれません。
AIを活用して、自学自習を進めることができれば、子供たちは自分のペースで学び、知識を活用する力を伸ばせます。
そして、学校は学ぶ場というよりも、創造したものを発表する場としての役割を果たすようになるでしょう。
● 反転学習の本格的な普及と創造的学習への移行
この新しい学びのスタイルは、かつて「反転学習」と呼ばれていたものの進化版ともいえます。
反転学習とは、授業で教えるのではなく、自宅で学び、学校ではその学びを深めたり発表したりする形の学習法です。
AIを利用することで、この反転学習はより意味のあるものとなり、子供たちは創造と発表を重視した勉強に取り組めるようになります。
ただし、多くの子供たちや学校がこの変化についていけていないのが現状です。
現在、中学生たちの学びの多くは、宿題をこなし、テストで良い成績を取るためのものであり、そのために時間をいかに効率的に使うかが求められています。
私自身も、かつて「1分1秒でも惜しい」と感じながら勉強に励んでいた記憶がありますが、それが知識と記憶の積み上げに基づく勉強だったからだと、今になってわかります。
本当の勉強は、何時間も何日もかけて考えるものです。
AIを活用した新しい学びのスタイルは、子供たちが創造的に考え、自分の考えを表現し、それを発表するものになります。
これからの教育では、知識を蓄えるだけでなく、考える力を伸ばし、創造力を育むことが求められるようになります。
● 未来の教育と学びの姿
AI技術を活用した教育の進化により、これからの子供たちの勉強は、知識や記憶のためだけのものではなく、創造と発表のための学びへと変わっていくでしょう。
自学自習のスタイルを確立し、AIにサポートを受けながら、自分のペースで学びを進めることが当たり前の時代が来るでしょう。
そして、学校は知識を教える場所ではなく、創造と発表の場へと変わり、子供たちは自らの考えやアイデアを発信する経験を積むようになるでしょう。
こうした変化が、これからの新しい教育のスタンダードとなっていくと思います。
■■【合格速報】上智大学 総合人間科学部心理学科
●上智大学総合人間科学部心理学科 M.R.さん
<生徒さまより>
長年の作文の経験は受験準備中も受験日当日も常に生きていると感じ、本当にやっていて良かったなと思っています。辞めるまで毎週作文を見てくれて、前向きなコメントをくれたH先生には、感謝してもしきれないくらいです。本当にありがとうございました。
<担当講師より>
書くことが大好きで毎週欠かさず取り組んでいました。レッスンでも課題はもちろんのこと、作文以外の話も分かち合ったりしていました。合格報告を受け、我が子のことのように嬉しく感じています。
- ● 言葉の森新聞2024年10月2週号 通算第1822号 (4264字) 言葉の森事務局 jun 2024年10月09日 11時29分
16561 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年10月2週号 通算第1822号
文責 中根克明(森川林)
■■10月14日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、10月14日(月)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■ChatGPTは、ワンポイントのアドバイスをしてくれる超一流の家庭教師――特に、数学の苦手な子にとっては新しい勉強法になる
中学生、高校生は、数学の勉強にChatGPTを活用しようという話です。
ChatGPTは、自分専用の超一流の家庭教師です。
どんなことでも、専門家として教えてくれます。
しかも、夜中に突然質問をしても、同じことを何度も聞いても、初歩的すぎて人には聞けないようなことも、いつでも丁寧に返事をしてくれます。
ChatGPTを使った勉強法は、まだあまり行われていません。
しかし、数年後には、ChatGPT勉強法が主流になります。
中学生以上のみなさんは、今からChatGPTを使った勉強に取り組んでいきましょう。
最初は、自分(森川林)の体験から話をします。
サーバーの障害と外部からの攻撃が重なって、言葉の森のホームページがなかなか開けない状態が続いていました。
そこで、ChatGPTに原因になりそうなことを聞いてみました。
すると、いろいろな原因の中に、データベースのクエリの中に重い動作をするものがあるということもありそうでした。
そこで、ChatGPTに、動作の遅いクエリをどう探すのか聞いてみました。
こういうことは、データベースの本を何冊か読まないとわからないことです。
それを、ピンポイントで焦点を絞って教えてくれるのです。
私は、このとき、ChatGPTの価値がよく理解できました。
2日間ぐらいのChatGPTとの対話で、問題点がほぼわかったのです。
もうひとつ、私の昔の話ですが、高校生のころ、数学の勉強をしてわからない問題があったときのことです。
私は、そういうときは、その問題を考えながら、夜の街を何時間も歩くことにしていました。
それで、わかるときもあるし、わからないときもありました。
私は、高校生のころ数学は得意だったので、数学はそういう勉強をするものだと思っていました。
しかし、これは、答えのある受験数学の勉強法としては、もっともよくない方法だったのです。
ということが、今はわかります。
わかるまで考えるというのは、答えのない数学に取り組むときの話です。
それは、数学者の仕事です。
受験の数学は、答えがあるのですから、考えるのは解法を理解するために考えるということでよかったのです。
数学の苦手な子供に、どういう勉強をさせるかというと、わかるところまで戻って教えるというのが、これまでのオーソドックスな数学の勉強の仕方でした。
しかし、これでは、成果が出るまでに時間がかかりすぎます。
これからのいい勉強法は、できない問題があったときに、ピンポイントでChatGPTに解き方を聞くのです。
それでわからなかったら、更に質問を続けてわかるまで聞けばいいのです。
更に、その解き方を身につけるために、似た問題も作ってもらいます。
同じような勉強法は、国語でも英語でも理科でも社会でもできますが、私は、数学の勉強に使うのが最も効果があると思います。
ChatGPTの活用法は、まだあまり出ていませんが、これからいろいろな工夫が生まれてくると思います。
中学生(13歳)以上の人は、自分のメールアドレスをGmailで作れます。
13歳未満であっても、保護者の監督のもとに、生徒個人のメールアドレスを作ってもらうことができます。
メールアドレスがあれば、ChatGPTのアカウントが無料で作れます。
ChatGPTで、プログラムを作るというような「作る」作業をするには、月20ドル(約3000円)の有料アカウントが必要になりますが、それはそういう「作る」作業をしたくなってからでいいです。
AIテクノロジーは、これから更に発展していきます。
生徒のみなさんは、ぜひ、こういう新しい技術を早く使えるようにしていってください。
■■プログラミングの学習も、数学の学習も、どの教科の学習も、やがて山頂型学習になる――AI時代の教育は大きく変わる
プログラミングの学習は、役に立ちます。
特に、自分で新しく何かを始めようとする人にとっては、ある程度のプログラミングの知識技能は必要です。
それは、自分で何かを始めようとする人にとって、車を運転できることがある程度必要であるのと似ています。
ところが、プログラミング学習の難しいところは、積み重ね型の学習であるために、最初のころの知識の習得に時間がかかることです。
見晴らしのいい尾根に上がるまでの間に、歩かなければならない単調なアプローチの距離がかなり長いのです。
その対応策として、プログラミング学習の導入部分を、興味の持てるゲーム作りにしたり、ロボット作りにしたりという工夫が数多く生まれました。
しかし、ビジュアルプログラミングで、自分なりのプログラミングを作れるようになった子も、その後、コードプログラミングに移行する段になると、その単調さに飽きてしまうことが多かったのです。
ところが、この積み重ね型のプログラミング学習が、大きく変わる可能性が出てきました。
それが、AIの活用です。
プログラミングの学習と似た事情は、数学の学習についても言えます。
子供がある時期に数学が苦手になると、それを得意教科にするまでがんばるということは、なかなかできなくなります。
それは、数学が、典型的な積み重ね型の学習だからです。
苦手になったときに、どこから手をつけていいかわからなくなるのです。
積み重ねが必要だということは、多かれ少なかれ、どの教科の勉強にもあてはまります。
しかし、それらが、AIの利用によって変わる可能性が出てきたのです。
積み重ね型の学習に対して、正反対の学習を山頂型の学習と呼びたいと思います。
スキーの練習のごく初期のころは、麓から山頂まで歩いて登る過程が必要でした。
今は、リフトで山頂まで行けますが、リフトのない山には行くことができません。
ところが、ヘリコプターで山頂まで行くという方法もあるのです。
スタートが山頂で、そこからゆっくり麓まで降りていくというスキーの仕方です。
プログラミングの学習における山頂とは、「こういうものを作りたい」というイメージです。
数学の学習における山頂とは、「この問題を解きたい」という目標です。
積み重ね型の発想をしているかぎり、そのイメージや目標を実現するためには、長い下積みの苦労をしなければならないというのがこれまでの考え方でした。
しかし、AIを利用すれば、すぐに自分の望むプログラミングを作ってもらえます。
数学でも、すぐに解き方を教えてくれます。
そのあと、そのプログラミングの詳しい意味を聞いたり、数学の解き方の更に詳しい説明を聞いたりしていけばいいのです。
聞くことにも、もちろん時間はかかります。
しかし、下から登っていく苦労に比べたら、上から下へ降りる苦労は、比較にならないぐらい小さなものです。
下から登るためには、麓を全部回る必要がありました。
上から降りるには、必要なところだけ下っていけばいいのです。
これが、山頂型学習の特徴です。
AIの利用によって、これからの勉強の仕方は大きく変わります。
AIは、答えを教えてくれるだけではありません。
もし、自分の苦手な問題があれば、それと似た問題を何問も作ってもらうこともできます。
英語の場合は、音声のやりとりもできるので、ヒアリングとスピーキングの勉強も同時にできます。
AIと英会話で話をしたあと、自分の言った英文のどこを直したらいいかを聞けば、丁寧に教えてくれます。
人間では、なかなかここまではできません。
AIは、勉強のすべての分野をカバーしている、自分だけの超一流の家庭教師です。
山頂学習ということで言えば、登りたい山の頂上にすぐに連れていってくれる空飛ぶ乗り物と言ってもいいでしょう。
では、実際に、プログラミング学習がどういうかたちになるかというと、まず、生徒は、自分の作りたいものをChatGPTに作ってもらいます。
すると、Pythonのプログラミングコードがわかります。
勉強好きな子なら、そのコードを読むために、AIに更に質問をするか、又は、Pythonの勉強を始めるでしょう。
この下り坂の勉強の仕方は、自分のしたかったことと結びついています。
ゲーム作りやロボット作りから、コードプログラミングに移り、長い登り坂を経て尾根に上がる勉強よりもずっと楽にできます。
しかし、そういうプログラミングの勉強をわざわざ始めなくても問題はありません。
こういう命令をしたら、こういうものができたから、次は、どういう命令をしてみようかと考えるようになればいいのです。
ちょうど、Midjourneyなどの画像作成ソフトの使い方と同じです。
言葉による入力と、画像による出力との間のブラックボックスがどうなっているかは誰にもわかりません。
作った人自身がわからないのが、深層学習の特徴です。
だから、わかることよりも、使えることが大事になるのです。
AIの活用に伴って、勉強のスタイルも変わってきます。
これまでは、答えのある知識を吸収することと中心に勉強が組み立てられてきました。
そのわかりやすい表現が、テストや宿題や点数や成績でした。
これからの勉強は、吸収するだけの勉強ではありません。
これからの勉強は、創造し発表することが中心の勉強になるのです。
言葉の森が今考えているのは、データベースとChatGPTを組み合わせ、山頂型学習で学力を身につけ、創造発表教育で、勉強の方向を吸収から創造と発表へと発展させる教育です。
これから、新しい勉強法を作っていきたいと思います。