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古い勉強法、新しい勉強法(その4)―競争から心へ as/1036.html
森川林 2010/10/07 09:25 
修 削



 前回、「競争を超えて」というタイトルで書きました。では、競争に代わるものは何でしょうか。それは、心をこめることだと思います。

 子供の教育で、競争や賞罰に頼るのは子育ての下手な人です。競争や賞罰を全くなくすことはできませんが、その割合を極力少なくしていかなければなりません。

 人間は、アメとムチで簡単に動かせるものではありません。そして、人間の意識はここ十数年の間にますます進化しています。競争や賞罰は、次第に効果が出なくなっているのです。

 人間がアメとムチの使い分けで動くと思う親や先生は、自分自身が同じようにアメとムチで動くかどうか考えてみればわかると思います。そういうレベルの低いコントロールには、従う人がどんどん少なくなっているのです。

 これは、人間どうしの関係だけでなく、国と国との関係でも言えます。昔は、武力と経済力で他国を支配することができました。これからは、急速にそういうことができなくなっています。

 では、競争や賞罰に代わって何が大事になっているかというと、それは心です。子供の教育に関して言うと、子供をコントロールする力は、強力なムチでも魅力あるアメでもなく、親や先生の心からの○○なのです。この○○の中に、賞賛、信頼、叱責などいろいろな言葉を入れることができますが、要するに、心から子供に接するということです。

 褒める場合でも、言葉の上だけで褒めるのではなく、また賞をつけて褒めるのでもなく、心から褒めるということです。叱る場合でも、口先だけで叱るのではなく、また「○○をしないと□□をさせない」というような罰を与えて叱るのでもなく、心から叱ることです。

 先日、小学校高学年の男の子のお母さんから相談の電話がありました。その子供自身は作文がよく書ける子ですが、ときどき母と子の間でいざこざがあるようです。そのときの相談の内容は、「作文をなかなか書き出さない」「作文を書かないと、好きなサッカーをやめさせると言っているが言うことを聞かない」「子供は、もっといい賞品が出ないとやる気にならないなどと屁理屈を言っている」ということでした。もう、そのままです(笑)。

 親が口先で子供をやる気にさせるつもりで、「○○しないと□□させない」「○○したら□□させてあげる」などと言うので、子供はかえって、親のその見えすいたコントロールに反発してしまうのです。もちろん、子供自身はそういうことを自覚していません。しかし、敏感な子はそれを感じてしまうのです。

 子供が親と同じような低いレベルに反応する子であれば、うまくいくかもしれません。ところが、子供の方が親よりも純粋なので、親に反発してしまうのです。だから、これは子供の問題ではなく親の問題です。

 では、親は何をしたらいいのでしょうか。それは、親自身が自己を向上させることです。

 親が、自分は多忙や疲労を理由に安逸な生活を送り、子供にだけ勉強をさせようとするから、アメとムチという発想しか出てこないのです。親がまず自分の人生をしっかり生きることが大事で、そこで初めて子供に対しても、心からの言葉をかけることができるようになるのです。

 では、親が自己を向上させるというのは、どうしたらできるのでしょうか。人生の目標は人によって違うので、一概に言うことはできませんが、共通するのは読書をすることだと思います。子供と同じになってしまいましたが(笑)。

 要するに、働くでも、学ぶでも、遊ぶでも、親が気迫のある生き方をしていれば、言う言葉にも自然に心がこもり、子供も自然に親の言うことを聞くようになるのです。



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