ログイン ログアウト 登録
 絶対語感の世界 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 1099番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/5/16
絶対語感の世界 as/1099.html
森川林 2010/12/14 04:49 


 子供が3、4歳の小さいころは、よく親に同じ本の読み聞かせをねだることがあります。飽きずに同じ本や同じ話を何度も聞きたがるのです。

 大人は理解の世界に生きているので、同じ本を読むよりも別の新しい本を読んだ方が意味があるように思いがちです。しかし、同じものを繰り返すというのは、実は大人の理解の世界を超えた何かがあるのです。

 その何かとは、知的な理解ではなく、感覚的な一体化です。

 子供に限らず大人になってからでも、例えばいい音楽を聴いたときはそれを何度も繰り返し聴きたいと思います。1回聴いたからそれでいいとは思いません。何度も同じ音楽を聴いて味わいます。それは、その音楽が、理解の対象ではなく、一体化の対象となっているからです。

 この一体化の感覚を身につける能力が最も成長するのが、3歳から5歳ごろです。

 0歳から2歳のころは、まだ生きることに精一杯の時期です。3歳から5歳は、生き延びることが一段落して、自分が何になるかを決める時期です。この時期に、人間は、狼になるか人間になるかに分かれます。

 この時期に繰り返し与えられた経験が、その子の絶対的な感覚を形成します。つまり、世界の座標軸を作る時期が、この3歳から5歳にかけてなのです。

 3歳から5歳は、知的に何かを身につける時期ではなく、感覚的に身につける時期です。このころ知的に学んだことは、そのときは身についたように見えても、年齢が上がると消えてしまいます。例えば、6歳以前に海外に行き外国語を自由に聞いたり話したりできるようになっても、6歳以降に日本に戻ると忘れてしまうのはこのためです。

 一方、絶対音感は、6歳以前に身につくと言われています。この時期は、音の世界が自分の外にある世界として認識されるのでなく、自分の身体の一部として感覚的に受け取られる時期です。しかし、それはただいろいろな音を聴くからではなく、一定の流れの音、つまりある音楽を繰り返し聴くからです。繰り返された世界が身体化するのです。

 絶対語感というのも、やはりこの3歳から5歳の時期に身につきます。絶対語感というのは、言葉を知的に理解する能力ではなく、言葉を自分の身体のひとつとして感じる感覚です。



コメント欄

そういえば 2010年12月18日 7時29分  
 我が家の2人の子供たちも、3~5歳の頃、同じ本の読み聞かせを繰り返しねだりました。 就寝前、5~6冊読んであげていましたが、読んでいるうちにこちらが眠くなってしまったりして・・・。最後に読んだ『ロボットカミイ』など、長めの絵本を「もう一回!」などとせがまれたときは、睡魔との闘いでした。
 高校生と小学生になった子供たちは、今も読書が好きですが、2人の本の好み、国語の基礎力の違いに、あの頃の読み聞かせの内容が影響しているのだと思うと、納得できるものがあります。もっと早く知っていたら!!!ちょっぴり残念ですが、3~5歳のお子さんのいる友人たちにこの記事をお見せようと思います。

森川林 2010年12月18日 8時26分  
 コメントありがとうございます。
 小さい子供が、なぜあんなに同じ本を何度も繰り返して読みたがり聞きたがるのか、昔は不思議に思っていました。しかし、それは大人が普通に読むような理解のための読み方ではなく、言葉を身体化するための読み方聞き方だったのではないかと今は思うようになりました。
 と考えると、国語の勉強は生活の中で3~5歳に始まっているのだと思います。今度、通学教室でそういう勉強を始めたいと思っています。

コメントフォーム
絶対語感の世界 森川林 20101214 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ほまみむ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ほまみむ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
日本語脳(15) 
コメント1~10件
なぜ公立中高一 森川林
 志望校の過去問に特化した受験対策を進めるためには、まず「春 4/28
記事 5498番
作文検定のプレ あお
お返事ありがとうございます。暗唱検定が早くできてほしいです。 4/9
記事 5493番
作文検定のプレ 森川林
 日本語教育で、簡単なのは会話で、次が読書で、最後が作文です 4/8
記事 5493番
作文検定のプレ あお
日本語作文検定は、日本語を学ぶ外国人のための作文教育にも対応 4/8
記事 5493番
【合格速報】東 ふつ
合格おめでとうございます。 毎週真剣に取り組み、どんどん上 1/7
記事 5403番
国語力、読解力 森川林
読検の解答は個別れんらくでお送りください。 12/29
記事 4331番
国語力、読解力 すみひな
本日の読解検定を受け忘れてしまいました。回答をどちらに送れば 12/27
記事 4331番
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 読解検 森川林
 これは、その言葉があるかどうかではなく、文脈として読み取る 4/28
国語読解掲示板
読解検定小5の みきひさ
読解検定 小5 4月について3問教えてください。 どうぞよ 4/27
国語読解掲示板
茨木のり子さん 森川林
 茨木のり子さんが晩年に書いていた言葉、 「倚(よ)りかか 4/27
森川林日記
軽くて意味のな 森川林
軽くて意味のない広告の文面を書いていたのでくたびれた。 嘘 4/27
森川林日記
Re: 例えば 森川林
 この歌の本質は、「言えない」又は「言わない」というところに 4/27
森川林日記
例えば、敷島の 森川林
 本居宣長の「敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山桜花」は、 4/27
森川林日記
AIに文章を直 森川林
 AIに文章を直してもらうと、  詩的な文章が散文的になる 4/27
森川林日記
雨は龍のメッセ 森川林
 雨は龍のメッセージ。  晴れは太陽のメッセージ。  ど 4/27
森川林日記
五月の薄曇りの 森川林
 五月の薄曇りの空の下をゆっくりと歩く。  自分の心の中に 4/27
森川林日記
走水神社 森川林
 走水神社に行ってきた。  神社の横の山の途中に、弟橘媛( 4/24
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン