ログイン ログアウト 登録
 公立中高一貫校受験という選択(2) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 3026番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/20
公立中高一貫校受験という選択(2) as/3026.html
森川林 2017/09/08 05:13 


 今は、公立中学、公立高校という選択も、かなり明るい見通しが持てるようになってきました。

 だから、公立中高一貫校の受験は、合格はしてもよいが、最初から合格しないもりで受験するぐらいに考えておくといいのです。

 なぜ、そういう姿勢でいるのがいいかというと、第一に、小学6年生はいくら本人が受験したいと思っていても、まだ自覚して勉強に取り組む年齢ではないからです。

 本人が受験を希望していても、それは友達や親の言葉に影響されて、ムードでそう思っていることがほとんどです。
 だから、合格すればそれはそれでいいのですが、不合格になったときに、それを自分の問題として受け止めることができません。
 だから、不合格という経験が自分のプラスにならないのです。

 第二に、公立中高一貫校の試験問題は、何度も言いますがガラパゴス化しているために、努力や実力に比例して合格するものではなく、合否が偶然に左右される面が大きくなっているからです。

 努力のしようがあるものであれば、全力でがんばるということは、たとえそれば失敗に終わっても価値ある挑戦になります。
 しかし、今の試験問題は、高倍率で、難問で、しかも問題数に比べて制限時間がかなり短いので、努力と成果の相関がきわめて低くなっているのです。

 ところで、これまでは、志望校に合格するかどうかということがその後の人生を大きく変えるような感覚を多くの人が持っていました。

 それは、中学生や高校生の時期は、まだ周囲の影響を受けやすいので、進学校に入ると、その進学校的な雰囲気で自然に勉強するようになるからです。
 それは、学校の教育力というよりも、周囲の友達の教育力と言ってもいいものです。

 そして、これまでは、学校以外に本格的に勉強をする場はほとんどありませんでしたから、ある学校に入ることは、その学校のレベルに合わせて勉強することにならざるを得なかったのです。

 しかし、今は、ネットワークの利用によって、学校以外に勉強できる場が充実してきています。
 本人にやる気があれば、学校に頼らずに勉強を進めていけるようになっているのです。

 また、公立の中学、高校も、独自の改革を進めているところが多くなっています。
 私立が優れているのは、受験生を集めることができるトップ校までで、そうでない私立校は、今後少子化の影響で財政的な余裕がなくなるという点で、公立よりも教育環境が不利になることが考えられます。

 このように考えれば、近所の公立中学に進み、その後公立高校に進むということは、いい選択肢だとも言えます。

 公立中高一貫校を受験するような生徒は、どの子も優れた実力を持っています。
 だから、努力と成果の相関が低く、偶然の合否に左右される面の強い入試であまり消耗しないように、親は大きな目で余裕を持って受験に取り組んでいくとよいと思います。

公立中高一貫校受験という選択(1)



コメント欄

森川林 2017年9月8日 5時22分 1 
 受験に合格してもしなくても、その受験という経験自体に意味があるのは、子供が15歳以上になり自分の人生を自覚するようになってからです。
 小学6年生の時点での受験は、合格すれば、その経験から得るものはありますが、不合格になると得るものはほとんどありません。
 しかも、今の公立中高一貫校の受験は、努力に比例して成果が出るというものではなくなっています。
 だから、受験に取り組むことはいいのですが、親がそこに過度に熱中しないことが大事です。
 親の役割は、子供の長い人生をいつも見ておくことです。

nane 2017年9月8日 5時39分 1 
 いい受験とは、自分なりに志望校の研究をして作戦を立てて臨む受験です。
 塾や予備校に言われたまま宿題をこなすような受験は意味がありません。
 どんなことでも、主体的にやったことは、結果にかかわらずあとに残るものがあり、人に言われたままやったことは、結果しかあとに残るものがないのです。


コメントフォーム
公立中高一貫校受験という選択(2) 森川林 20170908 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
こさしす (スパム投稿を防ぐために五十音表の「こさしす」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
公立中高一貫校(63) 
コメント1~10件
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
【合格速報】順 森川林
Rさん、合格おめでとう!! よくがんばりましたね。 受験 12/4
記事 5387番
森リン大賞9月 森川林
 従来の作文評価は、小学校低学年では「正しい表記ができている 11/9
記事 5382番
作文の学習で大 森川林
 「何でも自由に書いてごらん。いつでも褒めてあげるから」とい 11/7
記事 5381番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板
2025年11 森川林
△ムラサキシキブ ●作文検定スタート  学校 11/26
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン