ログイン ログアウト 登録
 小1から始める作文の勉強が学力を育てる Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 1133番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/14
小1から始める作文の勉強が学力を育てる as/1133.html
森川林 2011/01/21 12:03 


 言葉の森では、幼稚園年長や小学校1年生から作文の勉強を始めることができます。しかし、幼稚園のころは、家庭で楽しくお父さんやお母さんと話をしているだけでも十分です。年齢的に無理なく始められるのは、ちょうど幼稚園から小学校に上がるころです。

 しかし、これから小学校1年生になる子は、文字がやっと書けるぐらいです。書けても、「く」の字が左右逆になっているようなこともよくあります(笑)。また、読むことにもまだあまり慣れていないので、声を出して読むことによって自分の耳で聞いて初めて理解するような読み方です。

 ですから、作文を書いても、最初に書けるのは2、3行です。また、書き方を先生や親が説明しても、一度で理解することはほとんどありません。会話をカギカッコで書いて行を変えるというようなことも、何度言ってもできないというのが普通です。しかし、それを無理にできるようにさせる必要はありません。

 では、そういう勉強で何が身につくのでしょうか。2、3行しか書けない作文を書いているぐらいなら、国語の問題集を解いたり、漢字の書き取りをさせたりする方がいいのではないでしょうか。ところが、そうではないのです。逆に、問題を解いたり、漢字の書き取りをしたりという勉強的なことをすると、かえって国語の力がつかないことも多いのです。

 それはなぜかというと、勉強というものを生活から分けて考え、勉強が済んだからあとは遊んでいいということで、テレビを見たりゲームをしたりしてしまう生活になりやすいからです。国語の力は、国語の勉強の中でつくのではなく、国語的な生活の中でつくのです。

 低学年からの勉強で、もっと問題なのは、勉強のときだけは親と子の接触があるが、勉強が終わると親は親の生活に、子供は子供の生活に分かれてしまい、親子の対話が少なくなってしまうことです。子供の国語力は、日常生活における親子の対話の中で育ちます。親子の対話が少ないのに、国語の勉強だけをしても、言葉の力は発達しません。

 子供が子供どうしで遊ぶというのはよいことですが、そこで楽しく遊んでいるときに交わす会話は、子供どうしのきわめて限られた語彙で通じるような内容です。語彙力のある子と語彙力のない子が一緒に楽しく遊ぶためには、その遊び仲間のいちばん語彙力の少ない子に合わせた会話をしなければなりません。小さい子供は、親との対話がなければ語彙の力を豊かに育てることができないのです。

 しかし、テレビやCDやDVDのような機械による音声で日本語に接するというのは、もっと大きな弊害があります。機械による学習は、子供の感情を破壊する面を持っています。特に、CDやDVDで聞かせる音声が、日本語でなく外国語であるような場合は、感情だけでなく知力の発達も抑制するようになります。

 しかし、もしこれまでそういう生活をしてきた場合でも、今からやり直せば間に合います。そのやり直しの基本は、親子で対話をする機会を増やすことです。そして、更に、本を読む時間を確保していくことです。

 ここで、言葉の森の作文の勉強を生かすことができます。言葉の森の勉強は、毎週1回作文を書く勉強ですが、そこに毎日の生活の中での読む学習、親子で対話をする学習を結びつけることができます。それが、長文の音読と暗唱、読書、作文を書く前の対話、作文を書いたあとの対話、子供の音読や暗唱をもとにした対話という学習です。

 毎日の生活の中で、日本語を読む機会、聞く機会、話す機会を増やし、しかも、その内容を意識的にレベルの高いものにしていくというのが、国語力を育てる最も優れた方法なのです。



コメント欄

コメントフォーム
小1から始める作文の勉強が学力を育てる 森川林 20110121 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
むめもや (スパム投稿を防ぐために五十音表の「むめもや」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 言葉の森の特徴(83) 
コメント1~10件
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
【合格速報】順 森川林
Rさん、合格おめでとう!! よくがんばりましたね。 受験 12/4
記事 5387番
森リン大賞9月 森川林
 従来の作文評価は、小学校低学年では「正しい表記ができている 11/9
記事 5382番
作文の学習で大 森川林
 「何でも自由に書いてごらん。いつでも褒めてあげるから」とい 11/7
記事 5381番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
「給与の決め方 佐藤隆
経営者・経営層の皆さまへ 突然ですが、御社の人件費?? 12/12
森の掲示板
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン