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創造性を育てる作文のための予習 as/1538.html
森川林 2012/05/10 15:47 



 小3以上は毎週の作文の課題が題名課題や感想文課題になるので、家で似た話を考えてくることが準備として必要になります。

 その似た話の中に、お父さんやお母さんにも聞いてくるというものがありますが、子供によっては、まるで聞いてくることが宿題のような受け身の態度になってしまう子もいます。

 親に答えを教えてもらうという勉強ではなく、自分で似た話を考えるひとつのきっかけとして親にも聞くという主体的な姿勢が必要なのですが、最初のうちはなかなかそういうところまでできない子もいます。これまでの勉強のスタイルは、自分で何かをするというよりも、与えられた知識を受け身で吸収するというものが多かったので、作文の予習も自然にそうなりがちなのだと思います。

 ですから、作文の課題の予習をするときのお父さん、お母さんは、次の点を心掛けながら話をしてくださるとよいと思います。

 第一は、この作文の勉強は、自分で考える創造性のある子を育てる勉強だという位置づけをはっきりさせることです。単に勉強のよくできる子を育てるのではなく、どんなことにも自分なりの考えを述べられる子を育てる勉強です。

 ですから、第二には、機会あるごとに、子供に自分はどう考えるのかを聞き、少しでも自分なりの考えを述べたらそれを高く評価してあげることです。ここで大事なことは、「自分の考えを言えなければだめ」というマイナスの評価をすることではありません。まだ小さい子には、自分から進んで言えないものはたくさんあります。できないことを注意するのではなく、おぼつかない言葉であっても、自分から進んで言ったことについて高く評価してあげることです。できないことを注意するのではなく、できたときに褒めるというのが大事です。

 第三に、自分から進んで考える力をつけるために、お父さんやお母さん自身が、そういう対話を楽しむ姿勢を持つということです。子供に似た話を聞かれたときに、それを狭く真面目に考えて、「そんな似た話はない」とすぐにあきらめるお父さんやお母さんがいます。また、似た話がないから、インターネットで検索して調べてみるという人もいます。調べること自体はいいことですが、自分の考えを補強するために調べるのではなく、出来合いの答えを見つけるために調べるような調べ方では自分で考えていないことと同じになってしまいます。どんなテーマであっても、親が何らかの自分なりの話を楽しくしてくれるということに接するうちに、子供自身もそういう自分で考える楽しさを身につけていくのです。だから、大事なことは、似た話を子供に聞かれたときに、親はできるだけ自分の体験に結びつけて話してあげることです。

 とっさに聞かれたのでは十分にいい話ができないということもありますから、できれば、お父さんやお母さんも事前に長文に目を通しておくか、毎日の子供の長文音読を聞く機会を持つといいと思います。長文を聞くと言っても、食事の支度をしながらとか、新聞を読みながらとか、そういう聞くともなしに聞くという程度でいいのです。

 また、当然ですが、子供自身も長文を何度も繰り返し音読しておく必要があります。繰り返し音読をしていると、その長文がすっかり自分のものになるので、長文を見ないでも内容を説明できるようになります。そういう状態になったときに初めて似た話の対話が自由にできるようになります。従来の勉強は、1、2回読んで内容を理解して答えを書くという表面的な知識を問う形の勉強が多かったので、この繰り返し読んで自分のものにするという勉強法に子供たちはあまり慣れていません。しかし、これからの世の中で必要になるのが、こういう知識を自分のものとして消化しそこから自分なりのものを創造する学力なのです。



 以上のような説明を聞くと難しく感じるかもしれませんが、要点は簡単です。まず、毎日子供に長文を音読させることです。そして、週に一度その長文の内容を子供に説明させて、お父さんやお母さんが自分なりの似た話を楽しくしてあげることです。そういう話をするうちに、子供も自分からいろいろな考えを言うようになります。そうしたら、その子供なりの考えを(多少見当違いのことがあっても)大いに評価してあげることです。

 このようにして、単に勉強がよくできるだけでなく、自分なりのオリジナルな考えを述べる力のある子が育っていくのです。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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