ログイン ログアウト 登録
 言葉の森のIT化の歴史、そして未来の展望 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 2687番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/9/16
言葉の森のIT化の歴史、そして未来の展望 as/2687.html
森川林 2016/09/24 20:53 

(△本文とは関係ない写真ですが、立石海岸にいるゆめ)

 言葉の森は1981年に開設され、教育分野のIT化をどこよりも先駆けて行ってきました。(前身の作文教室は1977年ごろ)
 言葉の森では、1996年に初めてホームページを開設しました。当時、ホームページを持っている企業はほとんどなく、ヤフーの学習塾のカテゴリーで言葉の森が全国のトップを占めているような状態でした。
 このころは、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスで、大学生が授業の中でホームページ作りが行われていることが先進的な取り組みとして新聞で話題になっていたような時代です。
 言葉の森では子供たちの作文を生徒自身がパソコン入力することに取り組んでいましたが、当時は、駅の売店にワープロで文章を入力してくれるコーナーがあり、ワープロ入力が職業として成り立っていた時代でした。

 その後、作文指導をより科学的にするために、当時アメリカで開発されていたeraterという自動採点ソフトの記事を参考に、PHPとMySQLと茶筅というソフトを利用して、日本語の小論文自動採点ソフト「森リン」を独自に開発しました。
 これは、人間による評価とかなり相関が高く、2005年に国際特許を取得しました。(特許第4584158号)
 しかし、その後、経営の仕事が多忙になったため、この自動採点ソフトの開発は一時休止しました。

 近年、MOOCなどアメリカ発の教育のネットワーク利用が盛んになってきました。日本でも同じような教材のネット配信などの事業がいくつか立ち上げられています。
 しかし、これらの教育のICT化は、結局世界規模で最も大きい数社の寡占状態になることが見込まれるので、今後の可能性はないと考えられます。
 また、もう一つのICT化として、skypeなどを利用したグローバルなマンツーマンの英会話学習なども行われています。しかし、これは、高額なマンツーマン指導をグローバル化することによって低価格で提供できるようにしているだけなので過渡的なビジネスモデルと考えられます。
 そこで、言葉の森では、これらの方向とは別に、少人数のグループ活動による生徒どうしの交流を活かした自学自習形式のネットワーク教育を目指しました。

 今後のネットワーク利用は、独自のソフト開発よりも、クラウドサービスの活用になると考えられるので、まずfacebookなどソーシャル・ネットワーキング・サービスの活用に力を入れました。
 また、googleハングアウトを利用して、10名以内の生徒指導の仕組みを寺子屋オンエアという名称で作りました。(寺子屋オンエアは登録商標)
 今後、日本の社会に求められているものは、内需の拡大と考えられるので、ネットワークを利用した作文指導の講師養成講座「森林プロジェクト」を作り、全国にネットワーク教育を広げていく方向で取り組んでいます。
 現在のネットワーク教育は、まだテキストと画像と動画の利用にとどまっていますが、今後バーチャル・リアリティ技術が進むと、身体的な教育もネットワークで行われるようになると考えられます。

 最近、人工知能や深層学習が、一般にも利用できるようになってきました。
 この深層学習の仕組みを見ると、これが自動採点ソフト「森リン」のより高度な開発に使えることがわかったので、今後、森リンの開発を再開していく予定です。
 現在の見通しでは、大学入試の小論文採点のレベルまでは、この深層学習を取り入れた森リンで十分対応できるのではないかと考えられます。

 現在、プログラミング教育が話題になっていますが、現在のプログラミング学習は、プログラミング言語の学習と同じようなものと考えられています。
 しかし、このプログラミング言語の学習は、コンピュータの現在の計算速度を前提にした過渡的なものです。
 今後、計算速度や記憶容量が量的に著しく拡大するようになると、現在のプログラミング言語は限りなく自然言語に近づいてくるようになります。
 これは、これまでのプログラミング言語の発達の歴史を見れば誰でも推測できることですが、ITに詳しい人ほど現在の過渡的なプログラミング環境を今後も変わらない前提のように考えがちです。

 したがって、将来のプログラミング教育は、言語を学ぶ教育ではなく、言語はどのようなものであってもよいので(場合によっては日本語でもよいので)、その言語によってビジョンを作る力を育てる教育に発展していくと考えられます。
 現在のプログラミング学習においても、優れたプログラミングを書く人は、ただ言語をうまく使える人ではなく、何を作るかという大きな方向を考えられる頭のよい人になっています。
 今後、この傾向は更に加速していくと考えられます。そこで、言葉の森では、作文教育と結びつけたプログラミング教育も開発していく予定です。


(補足というか蛇足)
 作文教育という文学的なことをしているのに、なぜIT化のようなことに関心があるのかというと、私は高校生のときは理系の選抜クラスにいて数学が得意だったのです。
 しかし、数学と物理の勉強自体はあまり好きではなく、特に物理は先生が好きでなく(ごめん)、いちばん好きだったのは立原道造や中原中也の詩集でした。
 そして、そういう詩的なロマンチックな気持ちのまま、当時は花も好きだったので、絶対にここだと思って千葉大学園芸学部に入学しました。
 しかしすぐに、自分が好きだったのは花の栽培のようなことではなく、ただきれいな花を見ることだけだったのだとわかり(遅い)、紆余曲折の上、作文教育に未来があると思って言葉の森を始めたのです。
 日本でいちばん最初に作文教室というものを始めたので、苦労はいろいろありましたが、いちばんよかったことは、仕事の一環として好きな本をたくさん読めるということでした。もちろん、作文教育関係の本も、二百冊は読みました。
 しかし、何だか脱線の多い人生だったような……いまだに(笑)。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


コメント欄

nane 2016年9月25日 5時31分 1 
 多くの人は、人工知能というものを過大評価しがちです。
 人工知能は、単に答えを出すための知能です。
 人間の知能は答えを出すための知能ではなく、希望を持って生きるための知能です。
 人間は、答えを出したいから考えるのではなく(試験ではそういうこともありますが)、何かをしたいから考えるのです。
 この「何かをしたい」ということが、人工知能と人間との決定的な違いなのです。


森川林 2016年9月25日 5時32分 1 
 人工知能の発達が人間の仕事を奪うと言われていますが、それは何も問題がありません。
 一時的、局所的にそういう事態は生まれますが、大きく見れば人間はより人間らしい仕事ができるようになるのです。
 人工知能が本質的にできないことは、楽しく生きるということです。
 だから、人間の仕事は楽しく生きることに結びついたものになっていくのです。


コメントフォーム
言葉の森のIT化の歴史、そして未来の展望 森川林 20160924 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
まみむめ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「まみむめ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
ICT教育(1) 言葉の森サイト(41) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント1~10件
「この世」と「 匿名
温かいコメントをありがとうございます。 ゆめもあの世で読ん 8/21
記事 5359番
「この世」と「 かささぎ
ゆめちゃん 亡くなられたのですね。 ゆめ日記好きでした。お 8/18
記事 5359番
昔テレビで一億 森川林
最近の研究では、ゲームは頭をよくするということが言われていま 7/17
記事 2968番
昔テレビで一億 匿名
最新の医学研究でYouTubeを筆頭としたスマホコンテンツが 7/10
記事 2968番
掛け声だけでな 森川林
 あおさん、ありがとう。  読書会、確かにいいですね。 6/12
記事 5344番
掛け声だけでな あお
読書会っていいと思います。私は2年ほど前から地域の読書会に入 6/10
記事 5344番
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 無題 森川林
 それは、もとの問題文が読み取れていないということです。 9/4
国語読解掲示板
VLC 森川林
https://vlc-media-player.softo 8/31
森川林日記
無題 はむすけ
高1の7月の読解検定で質問です。 問5と問6が全然わかりま 8/22
国語読解掲示板
2025年8月 森川林
■1.夏期講習と夏期振替  8月は夏期休業の期間が 8/22
森の掲示板
Re: 読解検 森川林
 よく読んでいるね。 「やせがまんをはったときの正三の目に 8/21
国語読解掲示板
Re: 読解検 森川林
 国語の問題は、数学のような厳密な正解というものはありません 8/12
国語読解掲示板
Re: 読解検 みきひさ
問題文にある「うれしい」と本文にある「愉快、得意な気持ち」は 8/11
国語読解掲示板
読解検定小4 みきひさ
本文7行目に「はじめ自分と同じ年くらい」と書いてあるので、は 8/11
国語読解掲示板
Re: 読解検 森川林
 易しい読解問題は、同じ内容が同じ言葉で書いてあります。 8/11
国語読解掲示板
読解検定小4 みきひさ
問題3ーBに「正三は、自分より強そうな相手にはっきりと意見が 8/11
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン