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本当に必要なのは読解力の先にある作文力――作文力は思考力 as/5520.html
森川林 2026/05/31 07:21 


●読解力低下の実態

 子供たちの読解力の低下が指摘されています。
 新井紀子さんの著書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』にも書かれているように、教科書を読み取れていない子が実は数多くいることがわかってきました。

 読解力のなさは、聞き取る力のなさにも表れます。
 私がみんなの前で何か説明をすると、そのすぐあとに、「今なんて言ったの?」と聞く子がいました。
 そして、もう一度詳しく説明し直すということが何度かありました。
 一度で聞き取れないということは、文章を読むときも一度で読み取れていないということです。

●読み取る力の個人差

 読み取る力で言えば、その反対に、こちらがみんなに向けて保護者向けのプリントを渡すと、すぐそのプリントを読み取って中に書かれていることを質問する子もいます。
 保護者向けのプリントですから、自分には関係ないと思ってすぐにしまう子がほとんどですが、文章が書いてあるとすぐ読みたくなる子もいるのです。

●読解力向上の重要性

 これからの日本の発展を考えた場合、子供たちに読む力が不足しているというのは極めて重要な問題です。
 この読解力の向上を教育の中で早急に進めていく必要があります。

●緻密な読み方の効果

 新井紀子さんはこの読解力不足を解決する方法として、緻密に読むという問題の解き方を説明しています。

 これは、言葉の森の「読解検定」が行っている方法と同じで、表面的に読んで内容を理解するのではなく、緻密に読んで内容を把握するという読み方です。
 この読み方を教えると、どの子も急速に国語の読解力が向上します。

 しかし、この緻密に読むという方法は、ある程度手取り足取り説明しなければ子供には伝わりません。
 先生が一人の子供に対して一時間も二時間も説明するのは時間的に難しいですから、読解検定の間違えたところを理解するためには、親が一緒に見てあげることです。
 つまり、読解検定で×だったところの理由を親が一緒に考えてあげるのです。

●解き方のコツだけでは不十分

 ところで、読解力はこのように解き方のコツを身につけるだけで成績が上がりますが、実は解き方のコツだけではカバーできないものがあります。
 それは難しい文章を読み取る力です。

 解き方のコツを身につけた子でも、普通の問題文はよい点数が取れるのに、難しい問題文になるとよい点が取れないということが出てきます。
 つまり、読解力をつけるためには、解き方のコツを身につけることのほかに、難しい文章を読む習慣をつけることなのです。

●言葉の森の取り組みは難しい文章に慣れること

 この難しい文章を読む習慣をつけるために、言葉の森では国語読解クラスを開設しました。(現在は全科学力クラス)

 難しい文章を読むことが大切だといくら説明しても子供は実行しません。
 それは、あてのない勉強のような気がするからです。

 難しい文章を読む最も手軽な方法は、国語の問題集の問題文を読むことです。
 それも一回だけではなく、一冊を読み終えたらまた最初に戻り、最初から同じように繰り返し読み、一冊の問題集の問題文を五回読み込むことです。

●難しい文章を読むための音読の方法

 小中学生は勉強の自覚がまだあまりないので、黙読で五回読むと言っても斜め読みになってしまうことがあります。
 だから、小さい声でいいので、問題文を音読して読むということです。

 ただ、小学校高学年から中学生ぐらいになると、子供は音読を嫌がります。
 それは、小学校低中学年のころに、音読をすると親に注意されることが多かったからだと思います。

 子供の音読を聞くときに大事なことは、読み方を注意するようなことは一切せずにただ褒めることです。
 褒め方は、
「難しいのをよく読んでるね」
「だんだんうまくなってきたね」
などでいいのです。

 これなら子供がどんな下手な読み方をしていても、嘘を言ったことにはなりません。

 こうして音読を続けて半年たつと、読む力が変わってくるのがわかります。

●読解力の先にあるもの

 さて、ここまで読解力の大切さとそのための方法を述べてきましたが、本当に大事なのはこの先です。

 読解力とは答えのある世界です。
 だから、学力のある子は満点が取れて当然になってきます。

 そこで東大の現代文の入試問題は、読解の選択問題などはなく、すべて記述問題になっているのです。
 答えのある勉強はできて当然だから、答えのないところでその生徒の学力を見ようというのです。

 次の話は、読解力の先にある記述力、作文力についてです。

(つづく)



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