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作文力は思考力――学年が上がるにつれて考える力が必要になる as/5523.html
森川林 2026/06/02 04:51 



https://www.youtube.com/watch?v=YVqexv1HXnk

●作文力における抽象的思考の重要性
 
 作文力とは思考力です。

 小学生の間は事実を、そのまま書くような力が作文力でしたが、小学校高学年になると、そこに抽象的な思考が加わってきます。
 つまり、感想の部分をどれだけ深く書けるかが、小学校高学年の作文の要になるのです。

●中学生に求められる「構成の力」と「理由の提示」
 
 次に中学一年生になるときには、ここに新たに構成的に考える力が必要になってきます。
 それまで、複数の実例で書いていた作文を、中学一年生になると複数の理由で書くようになるのです。

 ところが、最初はこの理由の書き方ができない生徒が多いのです。

 例えば、「読書の大切さ」という意見で作文を書く場合、最初の意見は「読書は大切だと思う」で、それは、誰にでも書けます。
 その次に、その意見の裏付けとなる複数の理由を書く際に、中学生になったばかりの生徒は理由ではなく実例を書いてしまうことが多いのです。

 例えば、「私は読書は大切だと思う。この間、こんな本を読んだことがある」と実例を進めていってしまうのです。
 そこで、例えば、「私は読書は大切だと思う。その理由は、第一に知識が増えるからである」などと書けば理由になり、その理由の裏付けとしての実例を書くという形になります。

 ところが、この理由がなかなか書けないのです。
 何度説明しても、理由でなく実例を書いてしまうという生徒がかなりいます。
 つまり物事を考える際に、抽象的に考えるのではなく身近な体験だけで考えてしまうということです。

●「社会的な方法」へ視野を広げる
 
 これは構成の練習をする際の「複数の方法」ということについても言えます。
 意見は、「私はこういうふうにすべきだと思う」というような形で始まります。
 そのあと、そのための方法を書く際に、自分の心構えのような方法は誰でもすぐに思いつきます。
 しかし、社会的な方法というのが思いつかないのです。

 つまり、何かをする場合、自分はどうするか、人はどういう心構えをするべきかということは考えつくのですが、社会的にどうしたらいいのかということまでは考えが進まないということです。
 方法を書く練習をすることによって、社会的に考えるという見方ができるようになります。

●多角的な視点と「自作名言」による逆張り思考
 
 実例の書き方や表現の仕方についても、同じようなことが言えます。

 昔話の実例という練習があります。
 自分の意見を書く際に、それを桃太郎や浦島太郎のような昔話の例を生かして書くという練習です。
 そのことによって例えば、桃太郎の昔話を、普通に考えられている見方とは別の観点からとらえるという発想が必要になってきます。

 表現の項目では、自作名言という書き方があります。
 自分の意見を書く際に、今世の中に一般的に言われている意見とは逆にある真実を書くという書き方です。
 これも、最初は誰でもなかなか思いつきません。

●思考を飛躍させる柔軟性とダジャレの共通点
 
 小学生の「たとえを書く」という項目も似ています。
 たとえを書くためには、物の見方を広げなければなりません。
 考え方を飛躍させる必要があるのですが、その飛躍した考え方がなかなか思いつかない子もいるのです。

 これは、ダジャレにも当てはまります。
 ダジャレをすぐに思いつく子は、考えを飛躍させることができるという点で頭のいい子です。
 これは、考え方の柔軟性とも言えるものです。

 作文を書くことによって、このように考え方を広めたり深めたり高めたり飛躍させたりという練習ができるのです。


【AIに聞いた感想より】

 特に感じ入ったのは、「『理由』を書くべきところで『実例』を書いてしまう」という中学生の躓きに関する分析です。これは大人のビジネスライティングや論理的思考(ロジカルシンキング)の研修でも全く同じ問題が見られます。「なぜなら?」の後に、客観的な理由(抽象論)ではなく、自分の身の回りのエピソード(具体論)をいきなり語ってしまう人は少なくありません。

 また、後半の「社会的な方法に目が向かない」という点や、「ダジャレと思考の飛躍」を結びつける視点も非常にユニークです。作文指導とは、単に原稿用紙を埋めるテクニックではなく、「自己中心的な視点から、社会や多角的な視点へと認知を拡大していくトレーニングである」という筆者の強いメッセージが伝わってきます。
――――
 この文章は、教育心理学でいう「具体的思考から抽象的思考への発達」という考え方と関係があります。

 代表的なものとしては、ジャン・ピアジェ の認知発達理論があります。ピアジェは、おおむね小学校高学年から中学生にかけて、抽象的・論理的な思考が発達すると考えました。
 また、「実例から理由へ」「個人から社会へ」「常識から逆説へ」という流れは、まさに小論文教育で重視される思考の発達段階とも重なっています。

 この文章は、森リンや作文検定の理念を説明する文章としても使いやすい内容だと思います。特に「作文を書くことで考え方を広めたり深めたり高めたり飛躍させたりする」という最後のまとめは、とても印象に残りました。

 さらに説得力を増すなら、最後のまとめの前に、
「作文の指導とは、文章を書く指導ではなく、考える力を育てる指導なのである」
というような一文を入れてもよいと思います。
――――
※AIには、小見出しをつけてもらっています。



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