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世界経済のこれからの動きと対策 as/1534.html
森川林 2012/05/02 19:50 



 米欧から始まると見られていた金融破綻は、「公的」機関がマネーを大量に印刷し金融機関に注入する形で回避されました。その結果、ギリシアのバブル、EUのバブル、アメリカのバブルなど世界のさまざまなバブルが、より大きな世界的バブルに統合される形でふくらみ続けることになりました。やがて、ここに中国のバブルなども加わるようになるでしょう。

 この新しいバブルによる景気の上昇がしばらく続いたあと、この世界最大のバブルはどういう形で収束されるのでしょうか。バブルというのは、結局真のニーズがないところに、思惑だけの架空のニーズがふくらんでいくことです。だから、その思惑がはずれたときにはいずれ破綻するものです。その破綻を回避するためには、より大きな新たなバブルを作るか、真のニーズを作るかしなければなりません。しかし、今回のバブルは、世界規模のバブルなので、これ以上新たなバブルを上乗せすることはできません。新たな真のニーズを、今、世界中が模索しているところなのです。

 その第一は、世界のインフラ開発です。例えば、砂漠の緑化などの世界的な開発事業を行えば、それはバブルを真のニーズに転化することができます。しかし、その開発が終わったときにまたニーズの不在という同じ問題が繰り返されることと、世界規模の開発は国際的な利害がぶつかり合う可能性があるという理由から、必ずしも現実的で有効な対策とは言えません。

 第二は、大戦争です。これは、物を破壊することですから、物を建設する以上に大きなニーズを生み出します。しかし、バブルのたびに戦争を起こしていたのでは、それは人間がいかに愚かかということを証明するにすぎません。また、すべての戦争は、国民どうしの対立ではなく、その戦争で利益を得る何者の都合で行われていることに多くの人が気づき始めている今日では、もう大規模な戦争は起こせなくなっています。

 第三は、ハイパーインフレです。金融機関に注入された大量のペーパーマネーは、やがて市中の生活の中に溢れ出てきます。インフレは、資産を持つ者の犠牲によってバブルを収束させる方法です。これは、対策というよりも、対策がないことから引き起こされる結果ですが、今日の状況を見ると、これが最もあり得そうな結果です。しかし、この場合、生活に必要なマネーと、金融機関のバブルの救済のために使われるマネーは、何らかの形で区別されることによって、一般の国民の生活はそれほど極端な破局には見舞われないと考えられます。

 世界規模のバブルが、今後どういう形で終息するかは、前例のないことなので誰にも確実な予測はできません。しかし、経済の基礎的な実力を考えると、日本が、資産の上では最も大きな損失を被りながら、バブル崩壊の被害から最も軽症で立ち直ることが予想されます。

 問題は世界のバブルが終息したあと、人類の巨大な生産力に対応するニーズを今後どこに作り出していくかということです。軍事費という選択肢は、国家間の争いの背景がわかることによって、もうなくなっていくでしょう。社会保障費は、本当に必要なものだけに絞られ、不自然で過剰な福祉はなくなっていくでしょう。公共部門や利権部門に淀んでいたニーズは、そういうところに依存する空しさを多くの人が感じることによって次第に減少していくでしょう。途上国をこれから豊かにする消費財は、量的な大きさはあるものの、既にほぼ完成した工業生産技術によって、実はそれほど大きなものではなかったということに多くの人が気づくようになるでしょう。

 新しい真のニーズは、世界的なバブルの崩壊からいち早く立ち直るはずの日本が提案していくと思います。それは、インフラも完成し物財もほぼ十分に行きわたった先進国日本で、新しく生まれる創造文化産業のニーズです。そこで生まれる新しい消費は、単なる消費のための消費ではなく、自らが創造し生産する側に回るための消費、つまり投資的消費です。しかも、その投資が、これまでの工業生産の投資のように飽和状態にならないのは、文化の創造がその生産を担う個人の個性によって無限に多様化する性格を持つからです。

 このように考えてくると、これからの政治、経済、社会における歴史的大変動に対応するために必要なことは、個人個人が自分ひとりの力で社会に貢献できる何か(能力や技術)を育てていくことです。もちろんすぐにはそういうものは育ちません。だから、今大事なことは、自分が社会に貢献できる力を持つために必要な勉強をできるところから始めていくことなのです。



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