ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 日本の国語教育のつづき Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 396番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/16
日本の国語教育のつづき as/396.html
森川林 2009/02/22 20:55 
 昨日の記事を読まれた方から、日本と外国での国語教育の違いが参考になったというお便りをいただきました。
 お便り、アリガチョーク! ( -ω-)ノ-=≡≡≡☆−(>。<) イタイ! なんてことをやっている場合じゃなくて。

 続きを少し書きます。
 大岡昇平の「野火」に感銘を受けたという方も多いと思います。
 それはそれでいいのですが、私は、日本の文学の弱点がある意味で典型的に表れているような気がします。
 戦争中でやむをえず人の肉を食べたという話ですが、私は、食べたくなければ食べるな、食べたのだったら、もう済んだことなのだから、ああおいしかったでいいだろ、という考えです。
 現実世界を生きている健康な人は、だれもこのように考えて世の中を渡っていると思います。解決のつく問題なら考えなければなりません。しかし、解決のつかない問題なら問題そのものを保留にして生きていくのが普通の人間です。解決のつかない問題を、解決する気もないままにいつまでも眺めているというのが文学であるとすれば、それは読む人を後ろ向きにする役割しか持たないでしょう。
 ところが、国語の選択問題は、こういう解決のつかない問題をいつまでもこねくりまわしている心理を問うようなものが多いのです。
 太宰治の短編の「トカトントン」なども、インターネットで探して読んでみるとわかりますが、人間性を低めることによって成立している真実です。文学者は、高い真実を追求する仕事をするべきです。低い真実を伝えることなどは、2ちゃんねるなどでも十分にやられていることで、わざわざ文学を志す人間がやるほどのことではありません。
====参考までに「トカトントン」の一部
 私は寝不足の眼を細くして、それでも何だかひどく得意な満足の気持で、労働は神聖なり、という言葉などを思い出し、ほっと溜息(ためいき)をついた時に、トカトントンとあの音が遠くから幽かに聞えたような気がして、もうそれっきり、何もかも一瞬のうちに馬鹿らしくなり、私は立って自分の部屋に行き、蒲団(ふとん)をかぶって寝てしまいました。
====
 かってに寝てろ、と言いたくなります(笑)。
 日本の国語の教科書には、「羅生門」とか「こころ」とか、湿っぽい話が多すぎます。小学校の国語教科書でも、アンハッピーエンドの話が多すぎます。そういう暗い話が高級だと思うのではなく、もっと明るくてレベルの高い話を国語教育の中で目指していくべきだと思います。


 対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


コメント欄

コメントフォーム
日本の国語教育のつづき 森川林 20090222 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
いうえお (スパム投稿を防ぐために五十音表の「いうえお」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント1~10件
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27
ぶんぶんドリム 森川林
また、あるところが、朝小に、作文講座のカラーの全面広告を出し 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習