ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 127番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/17
科学の話をしよう as/127.html
森川林 2007/02/27 10:27 
 お父さん、子供に何か話していますか。朝早く出勤して、夜遅く帰宅するので、子供と普段接する機会があまりありません。そこで、たまの日曜日、子供とゆっくりできる時間ができても、共通の話題があまりないので、「勉強はどうだ。ちゃんとやってるか」「うん」という会話が多いのではないでしょうか。
 子供が小さいころは、会話よりも遊ぶことが中心で、どこかに出かけて楽しくやっていればコミュニケーションが取れていましたが、子供の生活が勉強中心になってくると、そうそう遊びにも行っていられません。子供が塾に通う時間が長くなれば、ますます会話の題材がなくなります。
 そのときに生きてくるのが科学の知識です。
 子供はもともと知的好奇心が旺盛です。今はその知的好奇心に受験という圧力がかかるので、子供の関心はテストや成績の方に向きがちです。しかし、本当は、知ることそのものに喜びを持っているのが子供です。
 小4の課題に載っているアインシュタインは、子供のころ学校が嫌いでたまりませんでした。しかし、家に帰るとヤコブおじさんが、数学の面白い話をしてくれるので、そこから学問に対する興味を深めていきました。ヤコブおじさんは、勉強を教えてくれたというよりも、勉強の面白さを教えてくれたのです。
 お父さんが科学の話をするときに役に立ちそうな本が、ナツメ社の図解雑学シリーズです。試しにAmazonで「図解雑学」を検索してみると、次のような書名が並んでいます。
「孫子の兵法、統計解析、ゲーム理論、失敗学、ディベート、マクロ経済学、よくわかる色彩心理、ミクロ経済学、自動車のしくみ、三角関数、人間関係の心理学、多変量解析、社会心理学、心理学入門、超ひも理論、決算書のしくみ、……」(こういうシリーズが400冊近くあります)
 この中で自分の関心のありそうなものを読むと、大人でも「はあ、そうだったのか」と感心することがあります。新しいことを知るというのは、大人にとっても感動のあることなのです。
 その感動の薄れないうちに、子供に話をしてあげるのです。子供は、知識を吸収するとき、話し手の感動も一緒に吸収します。百科事典のようなものをただ読ませても、頭の中にはがらくたの知識が詰め込まれるだけですが、身近なお父さんやお母さんが感動をもって話した知識は、子供の頭の中で生きた知識になります。
 こういう話を子供が小学校の低中学年のころからしていれば、お父さんの話もだんだん上手になってきます。プロの話し手である落語家も、最初からプロであったわけではありません。みんな時間をかけて上手になっていったのです。お父さんが、毎週子供に面白い科学の話をしてあげれば、1年もたつうちに自分の子供に話をしてあげるプロになっているでしょう。
 ここで、ひとつ大事なことは、お母さんの応援です。お父さんが話している間、お母さんも感心して聞いてあげることです。もちろん、お母さんが話をしているときは、お父さんも感心して聞いてあげることです。つまり、大人どうしが揚げ足を取らないということです(笑)。
 こういう家族の話ができれば、その影響は次の世代に続いていきます。小学校時代に、お父さんやお母さんから楽しい科学の話を聞いて育った子供は、自分が親になったときにも同じように、子供に楽しい知的な話をするようになるでしょう。今は、家庭の中に、そのような知的な会話がないから、塾の話や成績の話ばかりが話題の中心になっているのです。
 もうひとつ大事なことは、テレビを見すぎないということです。テレビも確かに新しい知識を吸収する媒体です。しかし、テレビで提供された話題は、お父さんやお母さんだけでなく、子供もほかの人も同じように知っています。同じものを見て「面白かったね」「うん」では話がはずみません。知的な創造というのは、互いに異なる知識を前提にして成り立つからです。
 知的な会話のある家庭では、テレビはあまり登場しません。テレビを見るよりも、みんなで話す方がずっと楽しいからです。こういう家庭の文化が、学力の土台になるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


記事 126番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/17
森リンの点数を100点満点に換算 as/126.html
森川林 2007/02/22 13:32 
 森リンの点数修正の続きです。<(_ _)>

 森リンの点数は、これまで確率密度の順位で表示していましたが、直感的にわかりやすい100点満点の表示も行うようにしました。
 最高点がほぼ100点ということですから、厳密には100点を超える点数を取る場合もあります。
 これまでの採点のし直しは、土曜日ごろまでに完了する予定です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント171~180件
……前のコメント
作文用紙の廃止 森川林
 記事を追加しました。  なお、7月からの新学期については 6/19
記事 4771番
優しい母が減っ からあげ
うちはお母さんが怖いけど僕の将来の為だと思って素直に聞いてい 6/18
記事 979番
作文力のない子 森川林
 ゆきちさん、コメントありがとう。  作文が苦手だと思う理 6/16
記事 4480番
作文力のない子 ゆきち
読書は大好きで大好きでたくさん読みました。 でも、作文はと 6/16
記事 4480番
2023年の夏 森川林
 2023年の夏期講習は、暗唱、読書感想文、受験作文、国語読 6/7
記事 4756番
小学3、4年生 森川林
 ありがとうございます。  この本は、結構内容が深いので、 5/30
記事 4752番
小学3、4年生 しげか&
この本教えていただき、私も友人に勧めて、友人の子も読んで、ま 5/30
記事 4752番
読書感想文コン 森川林
 ChatGPT時代には、大勢の人数の中から一人を選ぶとか順 5/29
記事 4751番
声掛けは否定語 森川林
 あと、言わない方がいい言葉のひとつは、でも。  子供が何 5/27
記事 4748番
スマホの使用を 森川林
 時どき、「読書をしないので先生からも言ってください」と言わ 5/25
記事 4743番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板
2025年11 森川林
△ムラサキシキブ ●作文検定スタート  学校 11/26
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習