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記事 192番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/10
無駄のある教育 as/192.html
森川林 2007/11/06 10:50 
 中2の長文集(10.2週)の中に、「学校とは一点から一点への最長距離を教えることである」という一文があります。これは、勉強の本質を表しています。勉強で大事なことは、答えを出すことではなく、どのように答えを出すかというその方法です。答えではなく、答えを出す過程を学ぶことが勉強です。
 私(森川林)の話ですが、昔は、勉強の方法などを知らなかったので、高校生のころ、解けない数学の問題を何時間も考えて夜の街を散歩したことが何度もあります(笑)。今考えれば、すぐに解法を見てあるいは聞いて、その解法をまるごと理解するのがいちばん能率のよい勉強法だと分かるのですが、そのころは真面目に、問題は自分で考えて解かなければならないと思っていました。しかし、そういう回り道の経験があるせいか、今でも何か問題があると、自分で考えればそのうちよい答えが出るという考えを持つようになりました。それが欠点になることもあると思いますが。
 「葉隠」という本に、「分からないことの中には、分かるようにしてあるものもあり、また自然と分かることもあり、どうしても分からないこともある、それが面白いことだ」という言葉があります。これは、自分でよく考えた人の言葉だと思います。しかし、同じ「葉隠」に、「本当の知恵は他人に聞くことだ」という言葉もあります。これもまた、真理だと思います。
 教育評論家の和田秀樹氏と、数学者の森毅氏の数学に対する考え方は、対照的です。和田氏は、解けない問題は考えずにすぐに解法を見て理解せよ、という考えです。森氏は、解けない問題はむしろ考えることを楽しめ、というような意見です。しかし、両者の意見は対立しているのではありません。受験勉強のような能率を重視する勉強では、早く解法を見て理解することが大事です。しかし、ここで能率を上げて余裕のできた時間を、本当に考える問題を解く時間にあてるということなのです。これが、無駄のある教育です。
 では、その無駄のある教育とは、どこで行われるのでしょうか。それは、対話と経験と読書の中においてです。
 小学生のころの勉強は、時間をかければその時間に比例してよくなります。しかし、そこで必要以上に時間をかけるよりも、能率のよい勉強法を心掛けて、あるいは勉強はいったん脇に置いておいて、対話や経験や読書の時間を確保することが、家庭で行う本当の教育になると思います。

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記事 191番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/10
読解マラソン集小3の長文一部訂正 as/191.html
森川林 2007/10/31 09:30 
 小3秋4番の長文「寝る子は育つ」で、レム睡眠とノンレム睡眠の記述が逆になっていました。
 読解マラソン集には、現在、訂正したものを掲載しています。
https://www.mori7.com/marason/marason_sample.php?id=842959
(知識よりも考え方を優先するために、レム睡眠、ノンレム睡眠という言葉自体をやめて、浅い眠り、深い眠りという記述にしました)

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記事 190番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/10
小中学生の受験小論文対策 as/190.html
森川林 2007/10/30 11:01 
 入試で作文や小論文の試験を出すところが増えています。
 今日は、小中学生の作文試験対策について書きたいと思います。
 大事なことは、全部で5つあります。
 第一は、何しろいろいろなテーマで最低10本は書いてみるということです。出そうなテーマで、10種類の作文を書いておけば、実際の試験でも使えそうな実例や意見が準備できます。
 第二は、誤字を徹底してなくすことと、時間内に字数を埋める練習をすることです。誤字は、実際に書いて見つけるしかありません。時間と字数については、いろいろなコツがありますが、これも最終的には慣れるしかありません。
 第三は、挑戦実例を見つけるということです。10種類の作文を書くときに、自分がこれまで何かに挑戦したという体験をできるだけ思い出して入れていきましょう。体験実例に価値があると、作文の印象そのものがよくなります。
 第四は、家族で対話をすることです。特に、普段あまり話すことのない父親が登場して、出そうなテーマについて父親の体験を交えながら話しておくと、その対話実例がほかのテーマのときにも使えるようになります。両親との味のある対話が入っていると、挑戦実例と同じで作文の印象がよくなります。
 第五は、光る表現を入れる練習です。しかし、これは、試験直前に練習すれば十分です。
 これら5つの取り組みの中で、最も効果の高いのが、第四の「家庭での対話」です。時事問題集などを読んで身につけた知識は、表面的なものなので試験には生かせませんが、両親の肉声を通して聞いた実例は生きた実例として子供の記憶の中に残ります。

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記事 189番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/10
先生の役割 as/189.html
森川林 2007/10/19 10:50 
 ここのところ、何人かの保護者の方から、「もっと厳しい指導をしてほしい」というご要望をいただきました。それは、先生の指導に対して期待をしているということだと思いますが、私は、子供の教育における先生や親、つまり大人の役割はあまり大きくしない方がよいと考えています。それは、次のような理由からです。

 勉強をするのは、子供です。勉強を山にたとえれば、子供はひとりで山を登っていきます。先生や親が先導して引っ張って登らせるのではありません。
 大人は、その山の先がどのようになっているか、おおまかな予測がつきます。場合によっては、その山を先回りして危ない場所がないかどうか確かめることもあります。しかし、山を登るのは子供自身です。
 先生や親は、後ろの方にいて、子供にときどき声をかけてあげます。その声かけのほとんどは、明るく単純な励ましと賞賛です。そして、ごくたまに、子供が危ない場所に迷い込みそうになったときに、大声で注意をします。また、子供が失敗して落ち込んでいるときは、近くによってじっくり話をしてあげます。
 教育における大人の子供に対する関わり方は、そのようなものではないかと思います。

 具体的な教室での指導の場面は、こうです。(私の場合)
 子供たちが作文を書いているときには、ときどき声をかけます。「おっ、うまいなあ」とか「たくさん書いているね」などという単純な声かけです。
 勉強以外でも、いいところはどんどん褒めます。「元気そうだなあ」とか「いいあいさつだね」などという声かけです。言葉に出さないときでも、常にそういう目で子供を見るようにしています。そうすると、雰囲気が自然に明るくなってきます。
 たまにルールに反したことをわざとやった子については、ぶっとばすこともあります(笑)。しかし、暗い叱り方はせずに明るく強く叱るだけで、すぐに切り換えるので尾を引きません。
 作文の指導については、ほとんど、よいところを褒めるだけです。個々の作品や表現について、「ここをこう直したらもっとよくなる」というような細かい指導はあまりしません。ここが、一般に期待されている先生像と違うところだと思います。
 しかし、よくがんばっている子に対しては、たまに、これからの勉強の大きな方向をアドバイスします。実は、ここも一般に期待されている先生の役割とは違うところだと思います。
 先生が先導して子供を引っ張って山を登っていくような指導ではなく、先生は後ろからついていって、たまに重要なポイントに来たときだけしっかりアドバイスをするという指導です。(つづく)

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