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魚屋さんで買うか、釣り方を学ぶか as/331.html
森川林 2008/12/13 12:21 
 言葉の森新聞に掲載した記事「教育の目的」で、読者の方からコメントをいただきました。「魚屋さんで魚を買うのではなく、魚の釣り方を学ぶことが大切だ」という記事に関してです。
 コメントをわかりやすく紹介すると、「今の世の中のほとんどの人は、魚屋さんで魚が買えなくなることなど99%ないと思っているはずだから、魚の釣り方を学ぶ必要性を感じないのではないか」ということでした。
 比喩だけで話してしまうとわかりにくくなるので、元の話を書きます。
 元の話は、教育の目的ということに関してです。教育の本当の目的は、いい人生を送るために勉強をするということにあります。これが遠い目標で、「魚の釣り方を学ぶ」という比喩です。これに対して、いい学校やいい会社に入るために勉強をするという目的もあります。これは、近い目標で、「魚屋さんで魚を買う」という比喩で表しました。
 確かに、「餅は餅屋」ということわざもあります。コスト対効果の能率で考えるなら、魚屋さんで魚を買う方がずっと有利でしょう。しかし、魚を買うという行動は、だれにでもできます。つまり、消費生活は、人間の個性を必要としません。これに対して、釣り方を学ぶことは、その人の個性の蓄積になります。
 個々の事例を短期間で考えれば、魚屋さんで魚を買う方が、釣り方を学ぶより優れているケースが多いでしょう。しかし、大事なことは、「長い間に差がつく」ということです。つまり、短い期間ではわかりませんが、長い期間では「買う」か「釣る」かという発想の差が大きな差になっていくということです。
 何かを買って済ませる人は、いつまでも「買う人生」を送ると思います。自分で何かを作ろうとする人は、やがて、その作るものが巨大な雪ダルマになる可能性があります。
 例を一つ挙げると、自分で株式投資をするのが「魚の釣り方を学ぶ」やり方です。これに対して、投資信託に資金を預けるというのが「魚屋さんで魚を買う」というやり方です。短期間では、たぶん魚を買うやり方の方が有利でしょう。自分の手で釣ることを試みる人は、何も釣れないどころか大損するかもしれません(笑)。しかし、長期間ではどうなるかわからないのです。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をテキスト化したものです)
 
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子供に読書をさせるには as/330.html
森川林 2008/12/12 13:37 
 今日は、「子供に読書をさせるには」ということで考えてみたいと思います。
 まず大事なことは、何のために読書をさせるのかという目的を、大人がしっかり把握しているということです。
 読書の目的がはっきりしていないと、次のような言い方になってしまいます。
「そんなに暇そうにしているなら、本でも読んだら」
 こういう言い方では、子供は決して本を読むようにはなりません。(笑)
 読書は、勉強の一つで、しかも勉強の中で最優先のものだと考えることが大切です。なぜなら、読書には四つの効用があるからです。
 第一は、日本語力を身につけるということです。これは、広い意味での哲学、つまり思考力を育てることにつながります。
 第二は、知識を身につけるということです。これは、広い意味での科学、つまり理科や社会も含めた科学の勉強につながります。
 第三は、感性を育てる勉強になるということです。
 第四は、読書によって、読書好きになるという力が育ちます。
 もちろん、読書によってはカバーしにくい分野もあります。
 一つは、数学です。数学は、日本語とは異なる独自の数学言語によって成り立っています。ですから、数学については独自に勉強する必要があります。しかし、読書で頭の構造化が進んでいれば、多少数学の勉強が遅れていてもすぐに追いつくことができます。
 もう一つは、英語です。これも、日本語とは異なる独自の言語なので、独自に勉強する必要があります。しかし、これも日本語の読書によって読解力がついていれば、英語の読解力もより早くつくようになります。
 このように考えると、読書の重要性がわかると思います。
 食べ物には、玄米、卵、サツマイモなどのように完全栄養食品と呼ばれているものがあります。読書は、頭脳の完全栄養食品と言えるかもしれません。
 しかし、漫画や雑誌は、食べ物で言えばお菓子にあたります。お菓子を食べ過ぎないことが、主食をしっかり食べるための条件になります。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をテキスト化したものです) 

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