ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 日本語脳を勉強に生かす Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 1025番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/6
日本語脳を勉強に生かす as/1025.html
森川林 2010/09/26 12:46 


 日本人以外のすべての民族が、子音を含む言語だけを左脳の言語脳で処理し、ほかの音は全部右脳で処理するのに対して、日本人だけは、子音の言語だけでなく、母音だけの音、自然の音、邦楽の音、感情の動きなど、楽器音や雑音以外のほとんどの音を左の言語脳で処理しています。この日本人の脳の仕組みを日本語脳と言います。
 では、その日本語脳を勉強を生かすためには、どうしたらよいでしょうか。


 まず最初に考えられるのは、勉強の邪魔にならないような脳の使い方です。

 日本人は、言語だけでなく、自然の音や、琴・尺八などの邦楽の音も、左脳の言語脳で処理します。したがって、考える勉強をしているときに、波の音や鳥の声又は琴の音色などが聞こえると、それらの音が言語処理の左脳に入ってくるので、勉強が進まなくなります。

 ある会社で、正月に邦楽を流して仕事をしたところ、社員から仕事ができないという苦情が多く出て取りやめになったことがあるそうです。

 作文を書いているときは、脳をかなり酷使しているときなので、このような音が流れない環境で書く作業を行うことが大切です。

 また、人の話し声は、小さな声でも左の言語脳を刺激します。したがって、勉強をしているときにはテレビなどは消すか、あるいは各人それぞれのヘッドホンで聞くというやり方をする必要があります。

 よく音楽を聴いて、ながら勉強をする人がいますが、思考作業と両立する音は、雑音か楽器のみの西洋音楽です。しかし、不快な音は感情を刺激し、日本人の場合は感情も左脳で処理するので、不愉快な雑音では勉強の邪魔になります。

 すると、ながら勉強にいい音は、聴きなれた西洋音楽になるので、クラシックなどが静かに流れている中で勉強するのがいいということになります。しかし、もちろん、だれにとってもいちばんいいのは、音のない静かな環境で勉強をすることです。


 次に、日本語脳を、勉強を進めるのに生かすということで考えてみます。

 頭をよくすることにも、日本語脳を活用することができます。

 その前に、「頭をよくする」といった場合の「頭のよさ」とは何かということを考えてみます。

 私は、頭のよさというのは、(1)物事を理解する力、そして、(2)物事を創造する力、更にもう一つ付け加えるならば、(3)物事を表現する力、の三つになると思います。理解力、創造力、表現力の三つです。

 理解力というのは、主に、知識を吸収する力です。創造力というのは、吸収した知識を組み立て直す力です。表現力というのは、その組み立て方をわかりやすく美しく表現する力です。

 知識の吸収は、左脳の言語脳で処理されますが、これを左脳で処理するだけでなく、右脳のイメージ脳や音楽脳に結びつけていくことが、これらの力を発達させる要因になっていると思います。つまり、頭をよくするということは、左の言語脳と右のイメージ音楽脳との連携をよくすることなのです。

 こう考えると、暗唱というのは、言語を一種の音楽として右脳に結びつける働きがあります。また、言葉の森で作文の前に書いている構成図は、言語を右脳のイメージ脳に結びつける働きがあります。つまり、暗唱練習や構成図の練習が、頭をよくすることに結びついているのです。暗唱は主に理解力育成の面で、構成図は主に創造力育成の面で役に立ちます。

 ただし、創造力という能力が現実的な力として発現するまでには時間がかかるので、構成図が創造力に役立つというのは、ある程度の年齢になって知識の蓄積が進んでからになると思います。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


コメント欄

touko 2017年2月17日 18時42分 77 
なるほど!おもしろいですね。勉強の方法も、科学的にとらえて理論的に考えると、とても説得力があります。作文といっしょですね(笑)

コメントフォーム
日本語脳を勉強に生かす 森川林 20100926 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
はひふへ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「はひふへ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
日本語脳(15) 
コメント1~10件
学習グラフのペ 森川林
言葉の森の今後の方針は、デジタルなデータをアナログで送信する 8:9
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
競争から創造へ 森川林
競争で勝つということは、負ける相手がいるということだ。 大 5/6
人はみな、未来 森川林
人は皆、未来に生きている。 親がレールを敷こうとしている未 5/4
Re: 読会検 森川林
 千個というのは、立方体のことなので、例えば、1辺が1ミクロ 5/3
なぜ、作文クラ 森川林
なぜ、作文クラスを作文個別より優先するのか。 それは、言葉 5/3
釈迦は言った。 森川林
釈迦は言った。 ――自灯明(じとうみょう)―― 人間は、 5/3
読会検定4月  あかそよ
問題3 Bが〇だと思いました。なぜなら、五段落目の一番最後 5/1
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン