ログイン ログアウト 登録
 教育における父親の役割は、厳しく明るく叱ること Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 1026番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/8/3
教育における父親の役割は、厳しく明るく叱ること as/1026.html
森川林 2010/09/27 18:06 


 子供の成長にとって、父親と母親の役割は、それぞれ違う形で重要です。

 父親は主に躾を担当し、母親は主に愛情を担当します。もちろん、どちらにも両方の役割が必要ですが、敢えて役割を分担すればそのようになるということです。もちろん、逆の家庭もあるとは思いますが(笑)。

 教室で、時々次のような子がいます。先生に何かを言われても、すぐに返事をしない。「これをして」と先生が言っても、平気で「いやだ」「やらない」などと言う。一度で言うことを聞かずに、何度か言われて初めて言うことを聞く。

 いずれもかわいい子供たちですが、やっていることがにくたらしいのです(笑)。しかし、これらは、すべて子供たちの問題ではなく、家庭でこれまで子供たちがそういう態度をとっていても、親がそれをそのままにしてきたという問題なのです。

 しかし、子供ですから直すのも簡単です。教室で一度厳しく注意すると、次からはちゃんとできるようになります。

 子供と犬を比較するのは問題がありますが、吠えるなと言っても吠える犬、噛むなと言っても噛む犬、待てと言っても待たない犬、おいでと言っても来ない犬などは、もともとの犬の性質による面もありますが、大部分は人間の躾の仕方によるものです。

 躾の最も決定的な場面は、褒めて直すところではなく、叱って直すところにあります。確かに、いつでも優しく褒めるというのも難しいことですが、もっと難しいのは、肝心なときに、しっかり短く厳しく叱るということです。

 本当は、優しく褒めるだけでいい子に育てばいいのですが、人間の先祖はもともとサルですから(という理由は変かもしれませんが)、たまには叱らないと、やはりいい子にはならないのです。

 肝心なときに叱ることができれば、普段は、子供も親も楽しい関係を保つことができます。しかし、それが、多くの家庭では、逆になっています。つまり、肝心なところで叱っていないから、いつも小言を言うような接し方をして、子供も親も一緒にいるとくたびれるということになるのです。

 肝心なときに叱っていない最大の理由は、主に父親が叱りなれていないということにあると思います。そして、父親が叱りなれていない原因は、それまでに子供を叱る経験があまりなかったことによるものです。

 では、叱る経験を増やすためにはどうしたらいいのでしょうか。

 そのためには、まず小学校低学年のころから、家庭での絶対に守るルールを一つ決めておくことです。例えば、朝起きたらあいさつをする、玄関の靴をそろえて脱ぐ、席を立ったらイスをしまう、家の仕事を手伝うなどです。実行しやすいものをどれかひとつ決めておき、そのことに関してだけは絶対に妥協せず厳しく守るということにします。

 ただし、これは、両親がともに実行できるものでないと徹底しません。お母さんが子供に、「玄関の靴をそろえるのよ」と言っても、お父さんが平気で脱ぎ散らかしていては子供に徹底できません。子供は、何回か叱ればできるようになりますが、大人は何回注意しても直りません。それは互いに人生の価値観が違うのですから仕方ないとあきらめて、両親がともに無理なく実行できるルールを家庭でのルールとして決めておくことです。

 そして、家庭でこのようにルールを決めておき、子供がそれを実行できていないときに厳しく叱るようにします。そのときに厳しく叱る役割は、やはり父親の方が向いています。そのときに、母親は、「そんな強く叱らなくても」などとは言わないことです。これは、叱り叱られる練習をしていることだからです。そのかわり、母親はあとで優しくフォローしてあげればいいのです。間違っても、父親が子供を叱っているときに、母親も一緒になって子供を叱らないことです。

 このように、家庭の中で、やれば当然できるというルールを決め、できていないときは厳しく叱るということにして、それを年齢に応じて少しずつ変えていきます。

 よく中学生や高校生で、母親に乱暴な言葉づかいをする子がいると思います。例えば、母親が何か注意すると、「うるせえなあ。わかったよ」などと言う子です。いるでしょ(笑)。そういうときは、即座に間髪入れずに、「何だ。その言い方は! ちゃんと言い直せ」と叱らなければなりません。

 そういう叱り方ができないとしたら、それは、小学校のころから親が厳しく注意をしたことがあまりなかったからです。しかし、小学校のころに厳しく叱って育てていない子に、中学生になって厳しく叱るというのはまずできません。叱り方も、親が試行錯誤の中で少しずつ身につけていくものだからです。

 ところで、「厳しく叱る」というと、多くの人は「かわいそう」という感じを持つと思いますが、そういう叱り方ではありません。厳しく叱っている最中でも、親は心の中では全然怒っているわけではありません。だから、叱ったすぐあとに、さらりと冗談を言って笑わせるようなこともときどきするといいのです。

 そういう厳しいが明るい叱り方をするというのも、やはり試行錯誤の積み重ねの中でできるようになることだと思います。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

コメント欄

コメントフォーム
教育における父親の役割は、厳しく明るく叱ること 森川林 20100927 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
まみむめ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「まみむめ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 
コメント1~10件
昔テレビで一億 森川林
最近の研究では、ゲームは頭をよくするということが言われていま 7/17
記事 2968番
昔テレビで一億 匿名
最新の医学研究でYouTubeを筆頭としたスマホコンテンツが 7/10
記事 2968番
掛け声だけでな 森川林
 あおさん、ありがとう。  読書会、確かにいいですね。 6/12
記事 5344番
掛け声だけでな あお
読書会っていいと思います。私は2年ほど前から地域の読書会に入 6/10
記事 5344番
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
「この世」と「 ゆめ
「この世」からは「あの世」がとっても高くて遠いところにあるよ 7/25
ゆめ日記
SBペイメント 森川林
 クレジットカード支払いの仕組みを探して、SBペイメントに頼 7/25
森川林日記
「作文検定」は 森川林
 現代用語研究会が、「作文検定」という名称を使っているので、 7/24
森川林日記
ゆめ。 森川林
 ゆめ。 「ありがとう。楽しかった。たまに怖かったとき 7/23
森川林日記
2025年7月 森川林
■1.夏季休業期間中の授業と夏期講習の記事を載せまし 7/22
森の掲示板
読書のためのだ 森川林
読書のための本選びで大切なことは、 ストーリーの面白さでは 7/21
森川林日記
Re: 第十番 森川林
B 休眠に入った虫は、厳しい冬をただじっと耐えて乗り切る × 7/17
国語読解掲示板
朝日中高生新聞 森川林
朝日中高生新聞7/13の「天声人語で200字作文」で紹介され 7/14
森川林日記
第十番 冬が近 あういと
問三のBと問4のBが分かりません。 教えてください。 7/9
国語読解掲示板
読書のレベルを 森川林
 変な本を読んでいる子がいたので、聞いてみると、「ビブリオバ 7/6
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン