ログイン ログアウト 登録
 子供を本好きにするために、読書は家族ぐるみで Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 1317番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/5/7
子供を本好きにするために、読書は家族ぐるみで as/1317.html
森川林 2011/07/25 17:56 



 小学生で本をよく読む子と読まない子の違いはどこにあるかという、親が本を読むかどうかによるという調査結果があります。

http://www.edita.jp/education2/one/education28260458.html

 私は、この調査を見たとき、それはそうだろうと思いましたが、今さらそういうことを言っても解決策にならないだろうと思い、このことはあまり強調しませんでした。

 例えば、保護者から、「うちの子は、本を読まないんですが、どうしたらいいでしょうか」という相談がよくあります。

 そのときに、「それは、お母さんが本を読まないからです」と言っても、何の解決にもなりません。

 また、親が本を読まないでも、子供がしっかり本を読む例はたくさんあります。例えば、古い話になりますが、野口英世と野口英世の母の関係はまさしくそうだったでしょう。

 今の親の親にあたる世代は、戦争中に青少年時代を過ごし、戦後の経済成長を猛烈に仕事をしてきた世代ですから、当然本を読む余裕などはありませんでした。現に、私の家でも父や母は教養のある人でしたが、家で本を読んでいる姿を見たことはほとんどありません。生活が忙しくてそんな余裕はなかったのです。しかし、子供である私は本好きになりました。

 だから、子供の読書嫌いを、親が本を読まない結果と考えるのは、物事の一面を表してはいますが、それが決定的な要因ではないし、工夫次第でいくらでも子供を本好きにする方法はあると思っていたのです。

 そこで、言葉の森が保護者に提案する読書の方法は、「毎日10ページ以上読む」ということにしました。これなら、どんな子でもできます。また、低学年で文字をスムーズに読めない子の場合は、親が10ページ以上読んであげればいいのです。

 なぜページ数であって時間ではないかというと、もし10分間というような時間で区切るようにすると、読んでいる途中に時計を気にして読書に集中できないからです。また、ほかの勉強でも同じですが、時間を区切ってやる形の勉強は集中力が低下します。一生懸命にやっても、遊びながらやっても同じ時間までやらなければならないということになれば、だれでも遊びながらやる方を選ぶからです。

 10ページというのは、大人が普通に黙読する時間としては10分ほどです。これぐらいの分量なら毎日読むことは苦痛でもなんでもありません。

 そして、本というものは人間を引きつける要素がありますから、10ページ以上と決めて読んでいると、必ず途中で止まらなくなってもっとたくさん読むようになります。読書が苦手なうちは、10ページぴったりでやめていても、読む力がついてくれば、自然に読む楽しさに目覚めてきます。

 ところが、ここで大事なのが毎日ということです。2日に1回とか、週に3,4回ということではなく、毎日欠かさずに読むことが条件です。なぜかというと、読書というものは毎日の習慣になると自然に読めるのですが、1日でも読む日がないと、そこで習慣が止まってしまうことが多いからです。

 読書には、このような性質があるので、子供の読書冊数についても、よく読まない子と全然読まない子に二極分化します。読む子と読まない子がなだらかな曲線になるのではなく、読む子は毎日読むし、読まない子は全然読まないという分布になるのです。

 毎日10ページ以上という読書の仕方を続ければ、だれでも本を読むようになります。学校で取り組まれている「朝の10分間読書運動」も、同じ考えです。何を読むかとか、どう読むかとかいう難しいことを一切抜きにして、自分の好きな本を10分間読むというだけで、小学生の子供たちの学力も読書力も向上したのです。

 しかし、私は、その後、家庭での毎日10ページの読書というのが簡単に見えて、意外に難しいのではないかということに気づき始めました。その理由は、親自身に毎日本を読む習慣がないので、子供がたまに本を読まない日があってもそれを見過ごしてしまうからなのです。

 すると、最初の調査結果にあったように、親が本を読まないから、子供も本を読まないという結果になるということがわかってきました。

 だから、子供を本好きにするためには、子供だけに毎日10ページ以上の読書をさせようとするのではなく、家族ぐるみで、父親も、母親も、大きい子も、小さい子も、まだ本を読める年齢になっていない子も含めて、すべての人がその時間はいったんテレビなどを消して本を読むというようにしなければなりません。

 このときに、親がどのような本を読めばいいのかというと、それは子供の読書と同じです。自分の好きな本でいいのです。ただし、漫画や図鑑や雑誌は、この場合の本とは見なさないと決めておきます。

 子育ての一環として、家族で本を読む時間を確保すれば、そこから親子の対話も増え、読書のある生活が家庭の文化として定着していくでしょう。



コメント欄

コメントフォーム
子供を本好きにするために、読書は家族ぐるみで 森川林 20110725 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
のはひふ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「のはひふ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 
コメント1~10件
なぜ公立中高一 森川林
 志望校の過去問に特化した受験対策を進めるためには、まず「春 4/28
記事 5498番
作文検定のプレ あお
お返事ありがとうございます。暗唱検定が早くできてほしいです。 4/9
記事 5493番
作文検定のプレ 森川林
 日本語教育で、簡単なのは会話で、次が読書で、最後が作文です 4/8
記事 5493番
作文検定のプレ あお
日本語作文検定は、日本語を学ぶ外国人のための作文教育にも対応 4/8
記事 5493番
【合格速報】東 ふつ
合格おめでとうございます。 毎週真剣に取り組み、どんどん上 1/7
記事 5403番
国語力、読解力 森川林
読検の解答は個別れんらくでお送りください。 12/29
記事 4331番
国語力、読解力 すみひな
本日の読解検定を受け忘れてしまいました。回答をどちらに送れば 12/27
記事 4331番
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 読解検 森川林
 これは、その言葉があるかどうかではなく、文脈として読み取る 4/28
国語読解掲示板
読解検定小5の みきひさ
読解検定 小5 4月について3問教えてください。 どうぞよ 4/27
国語読解掲示板
茨木のり子さん 森川林
 茨木のり子さんが晩年に書いていた言葉、 「倚(よ)りかか 4/27
森川林日記
軽くて意味のな 森川林
軽くて意味のない広告の文面を書いていたのでくたびれた。 嘘 4/27
森川林日記
Re: 例えば 森川林
 この歌の本質は、「言えない」又は「言わない」というところに 4/27
森川林日記
例えば、敷島の 森川林
 本居宣長の「敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山桜花」は、 4/27
森川林日記
AIに文章を直 森川林
 AIに文章を直してもらうと、  詩的な文章が散文的になる 4/27
森川林日記
雨は龍のメッセ 森川林
 雨は龍のメッセージ。  晴れは太陽のメッセージ。  ど 4/27
森川林日記
五月の薄曇りの 森川林
 五月の薄曇りの空の下をゆっくりと歩く。  自分の心の中に 4/27
森川林日記
走水神社 森川林
 走水神社に行ってきた。  神社の横の山の途中に、弟橘媛( 4/24
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン