ログイン ログアウト 登録
 国語力と作文力のつけ方2 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 1351番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/17
国語力と作文力のつけ方2 as/1351.html
森川林 2011/09/12 16:29 



 今回は、作文力のつけ方についてです。

 先日、(言葉の森の生徒でない)保護者の方から、次のような相談を受けました。

「中高一貫校向けの塾に行っているが、作文がなかなか書けない。しかし、どう書いていいかわからない」

 子供が作文を書いたあとに添削することは、大人なら誰でもある程度できます。

 しかし、子供がどう書いたらいいかわからないで困っているときに、事前にアドバイスできる先生はあまりいません。

 また、子供が作文を書いた場合、先生の添削を受けますが、その添削は実はあまり効果がありません。一般に、作文は添削によって上達すると思われがちですが、添削は、下手なところを直す効果があるだけで、上手に書かせる効果はありません。

 作文指導というものは、書かせて添削するという形だけならば、誰でもできますが、上手に書かせる指導まではなかなかできないのです。



 では、作文力はどのようにつけたらよいのでしょうか。

 まず前提になるのは、作文力の土台となる国語力、読解力がついていることです。例えば、本をよく読んでいる子は、わずかの指導でも急速に上達します。

 だから、試験までもう時間がないという場合は、とりあえず今の読む力の範囲でいちばん上手に書けるように勉強していくということになります。



 作文の勉強の基本は、構成を意識して書くことです。テーマを出されたら、どういう方向で書いていくか大体の見当をつけ、それから書き出します。

 言葉の森のfacebookページに、いくつかの書き方のパターンが載せてあります。

http://www.facebook.com/kotobanomori?sk=app_149005838493066

 例えば、最初に意見を書き、次に理由を書き、その実例を書き、次に方法を書き、その実例を書き、最後に、反対意見にも言及し、意見をまとめる、というような書き方です。

 構成の仕方は、どのようなものでもいいのですが、作文を書きだす前に、大まかな方向を決めておくという姿勢が大事です。



 構成を考えて書くことができるようになったら、次は書きなれることです。今の作文入試は、点数の差をつけるためだと思いますが、短時間で、長い文章を読ませ、速く書かせるような仕組みになっています。時間内にある程度の字数まで書けなければ、内容がいくらよくても合格作文は書けません。

 本当は、こういう試験の仕方は邪道で、長い時間をかけて長い文章を書かせた方が実力がわかるのですが、早く採点しなければならないという試験の性格上、時間制限があるのはやむをえないことなのだと思います。



 しかし、速く長く書く力をつけるまでの余裕がない場合もあります。

 その場合は、次のような勉強します。

 まず、親子で相談して、出題されそうな課題を10本作ります。これは、題名課題で構いません。「志望理由」「私の家族」「私の夢」「○○学校時代の思い出」「がんばったこと」「思いやり」「協力の大切さ」などというテーマです。

 そして、それぞれのテーマについて、構成を考え、実例を工夫し、表現も工夫し、漢字もしっかり書けるようにして、最高傑作を書いておくのです。その最高傑作を何度も読んでいるうちに、似たテーマであれば、同じような内容の作文がすばやく書けるようになります。



 学校によってはこういう形の勉強では対応できないように、ひとまとまりの作文ではなく、設問を何問かに区切って作文課題を出すところもあります。

 しかし、その場合でも、ひとまとまりの作文を10本書く力があれば、設問に合わせて中身を埋めていくことはずっと簡単にできるようになります。



 最高傑作を書く上で、大事なポイントになるのは、その子自身の体験実例を書くということです。また、その実例の中身も、個性、挑戦、感動、共感があるようなものを中心に書くようにします。

 子供は、どういうものが個性、挑戦、感動、共感のある実例か自分ではわかりません。親や先生が、第三者の立場でアドバイスしてあげるといいと思います。



コメント欄

コメントフォーム
国語力と作文力のつけ方2 森川林 20110912 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
もやゆよ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「もやゆよ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 
コメント1~10件
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
【合格速報】順 森川林
Rさん、合格おめでとう!! よくがんばりましたね。 受験 12/4
記事 5387番
森リン大賞9月 森川林
 従来の作文評価は、小学校低学年では「正しい表記ができている 11/9
記事 5382番
作文の学習で大 森川林
 「何でも自由に書いてごらん。いつでも褒めてあげるから」とい 11/7
記事 5381番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板
2025年11 森川林
△ムラサキシキブ ●作文検定スタート  学校 11/26
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン