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これから脚光を浴びる学力は作文力 as/3065.html
森川林 2017/10/12 06:06 
修 削


 現在の入試は、国数英理社などの主要教科の試験が中心になっています。
 これらの教科の中でも、特に差がつくのは数学と英語です。
 反対に、あまり差がつかないのは国語です。

 なぜかと言うと、数学と英語は知っているかどうかという知識の差が点数の差となって現れるからです。
 数学を考える教科という人がいますが、入試の数学は考える教科というよりも、解法を数多く身につけてそれをあてはめる教科です。
 ですから、難問の解き方の解法を覚えるのに時間をかけた人の点数が上がるという仕組みになっているのです。

 こういう入試が本当の学力を評価していないのではないかという反省から、現在、入試改革が行われようとしています。
 しかし、今考えられている2020年度の入試改革は、今の採点技術の水準を前提にした不十分なものです。

 それは例えば、国語の記述の問題や作文の問題が極めて少ない字数で行われるというところなどに表れています。
 しかも、その少ない字数の記述式の問題であっても、実際に採点するとなると採点する側の負担は○×式の試験に比べて比較にならないほど大きなものになります。
 だから、中途半端に記述式の問題を出すよりも、○×式でのテストの方がコストと効果を考えた場合、ずっとよいものだというのが今の採点の技術の水準です。

 ところが人工知能を利用すれば、作文小論文の採点が一瞬で人間よりも正確にできる時代がやってくるのです。
 これについては、私にも確かな見通しがあります。
 人工知能だけの採点では不安があるという場合は、しばらくは、人工知能の採点で第一次の合格枠を絞り、その狭められた枠の中で人間が採点するという方法も考えられます。
 しかし、いずれは、大学入試程度の小論文であれば、人工知能だけで十分な評価ができるというようになるでしょう。

 この人工知能による作文小論文採点が行われるようになると、国数英理社の教科の試験は、現在のようにガラパゴス化した難問ではなくなります。
 高校の教科書レベルの学習が、全教科にわたってしっかり行われているかどうかというごく普通のものになってきます。

 作文力小論文力というのは、言葉を変えて言えば考える力と表現する力です。
 この考える力思考力と、表現する力作文力さえあれば、他の教科の勉強は、基礎となる学力さえあれば、必要に応じていくらでも進めていけるようになります。
 だから、教科の学力は、全教科にわたる基礎学力がついていればそれで十分なのです。

 このように考えると、これから脚光を浴びる本当の学力は作文力ということになります。

 しかし、今の作文指導のほとんどは、小学校は小学校の生活作文で完結していて、中学はまた中学の作文で完結し、大学入試の小論文はそれだけで完結するという連続性のないものになっています。

 必要なのは小学校低学年の生活作文のレベルから考える要素が段階的に入っていき、小学生の作文が、自然に中学生、高校生、そして社会人の作文力につながっていくような指導の流れを作ることです。

 これが、言葉の森が35年前から行っている作文教育です。
 だから、一人の先生が、ある生徒を小学生から高校生まで指導するということがあるのです。
 こういう作文指導を行っているのは、今のところ言葉の森だけだと思います。

 子供の教育に求められるものは、時代によって変化します。
 江戸時代は、読み書き算盤と並んで、馬術や剣術が教育の中心でした。
 しかし、今、馬術や剣術を習っているような子は、趣味の世界をのぞいてはまずいません。

 現代の教育は、制限時間内に多数の難問を解く受験教育が中心になっています。
 このため、解法を身につけるとか、捨てる難問を見極めるとかいう本来の学力とは関係のない技術が重視されています。

 しかし、これからは人工知能をはじめとした科学技術の発展によって、そういう不自然な教育が是正される時代がやってきます。
 そのときに必要になるのが、作文力を中心とした本当の学力なのです。



コメント欄

森川林 2017年10月12日 6時14分 1 ▽
 言葉の森が作文教室を始めたとき、全国で、作文を教えているような教室はどこにもあありませんでした。
 だから、すべてオリジナルに、小学生から社会人まで一貫して学べるような教材を作ったのです。
 この教材の基本は、今でもほとんど変わっていません。。


nane 2017年10月12日 6時22分 1 ▽
 人工知能(AI)の導入で変わるのは、職業だけではありません。
 教育の内容も大きく変わります。
 今、進められている2020年度からの入試改革も、今考えられている水準よりも更に大きく変わります。
 それは、辞書になる教育から、辞書を使える教育へという、教育の本来の姿に戻ることなのです。


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