ログイン ログアウト 登録
 書く力、読む力の基礎は、幼児期の話す力、聞く力 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 4424番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/16
書く力、読む力の基礎は、幼児期の話す力、聞く力 as/4424.html
森川林 2022/02/17 20:53 


●動画:https://youtu.be/snLI3_qQRI4

 作文を書く力、文章を読む力のそもそもの土台は、幼児期の話す力、聞く力です。
 それは、どうやって身につくかというと、身近なお母さんが子供と話をすることによってです。
 昔は、今のように本も豊富にはなかったので、親は自分の知っている昔話の桃太郎などを何度も聞かせていました。それが、読み聞かせの代わりになっていたのです。

 この方法は、今でも使えます。
 子供に読み聞かせをするというのは、親にとって負担の大きいものです。
 特に、子供は、同じ本を何度も読み聞かせしてもらおうとします。
 親が読むのに飽きている本を、何度も聞きたがるのです。

 そのときの対応法のひとつは、親がアドリブでオリジナな作り話を話してあげることです。
 私がよくやったのは、「おもしろい話」です。「あるところに、真っ白な犬がいました。……その犬は、耳も白い、鼻も白い……」という話です。
 何度、聞いていると、子供はそのオチがわかるので、途中でいろいろなつっこみを入れてきます。
 すると、こちらも、話の展開を変えて、「しかし、尾だけは黒かったのです」などと話を急に変えるのです。
 こういう読み聞かせなら、親も子も飽きません。

 中学入試や高校入試で、面接や集団討論のあるところが増えてきました。
 子供たちの中には、どんなことを聞いても、自分なりに考えて答える子がいます。
 一方、すぐに、「わからない」と言ってすませてしまう子もいます。
 この差は、かなり大きいと思います。

 現在の入試は、結局知識の詰め込みで優劣が決まります。
 考える問題であっても、考え方の方法をどれだけ詰め込んでいるかで差が出ます。
 しかし、その考えの中身は、パズルのようなもので、それが何かの役に立つということはありません。
 ただの頭の体操のような面白さなのです。

 だから、いずれ今のような知識詰め込み型入試に対する見直しが起こります。
 その見直しのあとにくるものは、面接による口頭試問と作文小論文になると思います。
 その方が、本人の実力がはっきりわかるからです。

 ただし、口頭試問はある程度時間をかける必要があります。
 作文小論文は、1本だけの試験ではなく、複数のテーマで複数の作文の試験をする必要があります。
 そうでないと、誤差が出てくるからです。

 しかし、今の試験制度では、こうい時間をとることは難しいと思います。
 そこで、使えるのが森リンという自動採点ソフトです。
 数秒で採点するので、時間の負担ということはありません。

 アメリカでは、すでにe-raterという自動採点ソフトが、高校生の作文評価にかなり広範に使われています。
 しかし、こういうのを見ると、必ず批評する人が出てきて、この場合も、AIで高得点を取るが無意味な文章を綴る装置を開発した人がいたという話が出ていました。

 ところが、これは、文章の自動採点というものを誤解しているのです。
 森リンやe-raterが評価しているのは、作文ではなく、作文力です。
 もし、無意味な文章を高得点で綴ることができる人がいたら、その人は、その作文の中身とは別に、かなり作文力があるということがわかります。
 自動採点が評価しているのは、作文という作品ではなく、その作文を書いた人の作文力なのです。

 いずれ、日本でも、こういう自動採点をベースにした評価が出てくると思います。
 そのために大事なことは、受験のためのパズルのような知識を詰め込むことではなく、自分の個性を生かし、多様な読書をし、思考力を深めていくことなのです。



コメント欄

コメントフォーム
書く力、読む力の基礎は、幼児期の話す力、聞く力 森川林 20220217 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
おかきく (スパム投稿を防ぐために五十音表の「おかきく」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
【合格速報】順 森川林
Rさん、合格おめでとう!! よくがんばりましたね。 受験 12/4
記事 5387番
森リン大賞9月 森川林
 従来の作文評価は、小学校低学年では「正しい表記ができている 11/9
記事 5382番
作文の学習で大 森川林
 「何でも自由に書いてごらん。いつでも褒めてあげるから」とい 11/7
記事 5381番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
「給与の決め方 佐藤隆
経営者・経営層の皆さまへ 突然ですが、御社の人件費?? 12/12
森の掲示板
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン