ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 日本文化とは何か―勇気と知性と愛における日本文化の特徴 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 855番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/17
日本文化とは何か―勇気と知性と愛における日本文化の特徴 as/855.html
森川林 2010/04/07 04:17 




 日本文化の特徴を一言で言えば、勇気と知性と愛において日本独特の性格があることです。もちろん、世界の他の国々も、それぞれの国なりの勇気と知性と愛の文化を持っています。しかし、日本は、ほかの国にはないような特徴を持っているのです

 勇気については、「葉隠」にあるように、死をも恐れない無私の勇気が特徴です。なぜ、無私の勇気を持つことができるかというと、日本人は、自分個人を超えた家族や郷土や国家を自分と一体のものと考えることができるからです。

 知性については、日本語の特色が色濃く反映されています。ひとつは、日本語は語尾のニュアンスが豊富なので、聞き取るときに微妙な感受性を必要とします。これが日本人の注意力や集中力という、わずかな差異も識別する精度の高い知性を育てました。もうひとつは、漢字かな混じり文という特色から来るものです。物事を視覚的にとらえる言語によって、時系列的な論理ではなく、空間的創造的な論理を得意とする知性が育ちました。日本文化における知性は、日本語の特徴と深く結びついています。

 愛については、特定のものに対する愛というよりも、自然や他人に対する一体感という広い愛の意識が特徴です。だから、日本人は、他人に対しても、動植物に対しても、もちろん外国人に対しても、自分と同じ魂を持ったものだという感覚を持って接することができます。

 勇気と愛という特徴がなぜ生まれたかというと、日本という国が民族の興亡をほとんど経験しなかったからです。日本は歴史上のほとんどの時代を同じ民族で平和のうちに経過してきました。それは、例えば天皇制が世界最長の歴史を持つというところにも現れています。民族どうしの興亡のない平和な国では、民族の精神年齢が成熟する傾向があります。これが、無私の勇気と、自分以外のものに対する一体感という日本文化の特徴を育てていったのです。

 興亡の激しい若い文化では、言葉や理屈が優先され、個人の意識が前面に出てきます。日本では、言葉を超えたものを大切にし、全体の調和を先に考える文化があります。それは、日本人の魂が成熟しているためです。若い文化では、競争が活力の源になりますが、成熟した文化の活力は、助け合いの中から生まれてきます。

 したがって、日本文化を今後発展させていくためには、日本語を大切にするとともに、言葉を超えたものにたいする尊敬の念を大事にしていく必要があると思います。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

コメント欄

コメントフォーム
日本文化とは何か―勇気と知性と愛における日本文化の特徴 森川林 20100407 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
りるれろ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「りるれろ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
優しい母が減っ 森川林
 娘さんの友達から怖がられているというお母さん、コメントあり 5/8
優しい母が減っ 娘の友達
娘は中3。私は自称甘い母親です。世の中の厳しい先輩ママたちか 5/7
学習グラフのペ 森川林
言葉の森の今後の方針は、デジタルなデータをアナログで送信する 5/6
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
通学が普通、通 森川林
通学が普通、通信はおまけ、 オンラインは特殊な例外(笑)と 5/15
ブンブンドリム 森川林
 ブンブンドリムが、「31年の実績」と書いていたので、   5/15
基礎学力、総合 森川林
 勉強は、家庭学習で十分。  しかし、勉強の進捗状況をチェ 5/13
Re: 読解検 森川林
 ご質問ありがとうございます。  こういう質問ができる 5/10
男は、というか 森川林
男は、というか、自分は、あれこれ説明はしない。 聞かれれば 5/10
大事なのは理念 森川林
大事なのは理念だ。 損得や利害ではない。 遠くの星を目指 5/10
読解検定4月中 あうせれ
問3のAが×だと思いました。←「小学校低学年らしい男の子」と 5/8
マスクしない、 森川林
マスクしない、ワクチン打たない、消毒しない。 人類は、何十 5/7
まだ夜なのに、 森川林
まだ夜なのに、小鳥が鳴いている。 元気がよくていいや。 5/7
夜の山道を車で 森川林
夜の山道を車で走っていると、なぜか左側が暗い。 降りてみる 5/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習