OECDの学習到達度調査(PISA)でわかったことは、今の日本の子供たちの勉強には、国際的に見ると欠けていると思われるものがあるということです。
しかし、これは、たまたま日本と諸外国の生徒の学力を比較したからわかった弱点です。このような比較がなければ、日本の国内では何の問題もなく、これまでと同じような教育が行われていたことでしょう。
同様なことは、まだ比較をされていない分野でも、実はあるはずです。子どもたちが将来成長したときに、自分が受けてきた勉強に意味があったと思うのは、その勉強が自分の人生に生かされていると感じたときです。受験勉強には役立ったが、人生にはあまり役立たなかったと感じるのであれば、その勉強はあまり意味があったとは言えません。
そして、現在の受験勉強は、ますます人生から乖離しているように思えます。その一つのわかりやすい例は、読書です。今の受験勉強では、読書というものが評価されるのは、国語の成績に関係したときだけです。読書によって、読む力、考える力、感じる力を育てたどうかということは、受験勉強の評価には入りません。
だから、学校の成績では同じぐらいのA君とBさんが、実は、非常に大きな読書力の差を持っているということはあります。その差は、大学入試の段階ではまだはっきりとはわかりません。しかし、子供たちが将来社会に出てから、徐々にその差が明らかになってきます。
勉強は、入試に合格するためにあるのではなく、自分の人生を豊かにするためにあります。中学生や高校生のみなさんは、将来の自分にとって役に立つ学力は何かということを考えて勉強を進めていってください。
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日本の教育産業、学習塾や予備校などの世界は競争が激しいので、勉強についてある目標を持つと、その目標に向かって極めて効率的な指導システムを完成させます。
そして、現在、日本の教育産業が何を目標としているかというと、当然受験に合格するための勉強です。受験勉強に合う学力をつけるために、高度にシステム化した勉強が行われているというのが、日本の教育の現状です。
ところで、その受験勉強が目指す学力の内容は何かと言うと、ここで一つの問題が出てきます。受験というものは、短時間で大量の試験を採点するという必要から、考える問題ではなく、記憶を再現する問題を中心にせざるを得ないところがあります。
もちろん、考える良問はありますが、採点者が採点に頭を使うような問題ではなく、ある程度自動的に採点できるような仕組みの問題を作らざるをえません。そういう日本の受験の内容にあった教育がされていたために、OECDの学習到達度調査(PISA)で、日本の生徒の思考力、記述力、読解力が不足しているという結果が出たのだということです。
それは、ある意味で当然と言えば当然のことです。日本では、PISAで要求されるような学力を目指す教育を行っていなかったから、PISAで低い結果が出たということです。もし、日本の受験の内容がPISA的なものであれば、ほぼ二、三年で日本の生徒の学力は、国際的にトップレベルになると思います。日本の教育産業は、それだけのシステム力を持っているからです。
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感動を高める第三の方法は、緊張感を持つことです。そのためには、悔しさをバネに勉強する、叱責をきっかけにして勉強するというのも、いい方法です。しかし、ネガティブな動機をもとに勉強することは、勉強の密度を高めはしますが、上手に工夫しないと、身体や精神に負担をかけることになります。子供を叱るときは、叱ったあとのフォローが大切で、「君ができるはずだと思うから叱ったんだよ」と叱った動機を明るく伝えておくことが必要です。
緊張感を持つためには、このほかに、五感をフルに活用して勉強するということも大切です。何かを覚えるときは、ただ読むだけでなく、手で書いたり声に出したりすると効果があります。昔の人の中には、英語の辞書を覚えるときに、覚えたページを1枚ずつ食べた人もいたそうです。それぐらいの気迫で覚えると、記憶も定着するということです。
心理学の実験で、吊り橋の上で待ち合わせをすると、その待ち合わせた人に好意を持つというものがあります。緊張のある状況で遭遇した人物や事物は深く印象に残るからです。同じようなことを勉強にも適用することができます。
第四は、潜在意識の活用です。子供に限らず人間は、無意識のうちに自分に対する限界を設けています。その限界は、自分に対して大きな影響力を持っていた人が、無意識のうちに言った言葉や動作が自分の潜在意識の中に入ったところから来ています。言葉や動作には、常に二重三重の情報が含まれています。例えば、大人が子供に、「こんなのができないなんてダメだぞ」と言ったとき、子供の顕在意識に伝わる言葉の意味としては「ダメだぞ」だけです。しかし、その言葉を言った人の気持ちの中に、「本当にこいつはダメだ」という思いがあれば、その思いが同時に子供の潜在意識に伝わります。しかし、言った人の気持ちの中に、「こいつはできるはずだ」という思いがあれば、その思いが子供の潜在意識に伝わります。言われたことが事実になるのではありません。当然のように言われたことが、その当然さ実現するために事実になるのです。
だから、子供に対して大きな影響力を持つ親の役割は重要です。親は常に自分の子供に対して、「この子は、絶対にいい子になるに決まっている」と思うことが大事なのです。
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受験のときに出た問題の内容は、何年かたったあとも覚えていることが多いものです。それは、その問題を解くときに、精神がいつもより集中していたためです。
また、大人になって小学校時代の勉強を思い出すとき、先生や友達と楽しくやっていたころの学年の記憶はたくさんあるのに、楽しくなかった学年のころの記憶はあまりないということがあります。
勉強の能率を高めるためには、勉強の質を高める必要があります。そのためには、勉強をするときの感情を活性化しておく必要があります。それが、勉強における感動の大切さということです。
その勉強に感動をもたらすための方法はいくつかあります。
第一は、楽しい雰囲気の中で勉強を行うことです。勉強をしたあとに褒められると、その勉強の内容も定着します。
第二は、目標をもって勉強を行うことです。目標には、将来の大きな目標ももちろんありますが、それよりも、もっと身近な目標をうまく生かすことです。例えば、制限時間内に行うことは、勉強に取り組む気持ちを活性化します。
長い時間をかけているわりには成績が上がらないという子がいます。それは、長い時間をかけているために逆に集中度が低下しているということもあるのです。
小学校低中学年のころは、制限時間で勉強をするよりも、ページ数などで目標を決めて、早く終わればあとは遊べるというふうにしておいた方が集中力が高まります。よくないやり方は、子供ががんばって早く終えたときに、「時間があるから、もう一題」と追加してしまうことです。こういうことをしてしまうと、子供はだらだら勉強する癖を身につけてしまいます。
「よく学びよく遊べ」というのは、勉強の密度を高めるためにも大切な考え方なのです。
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夏休みは帰省したり塾の夏期講習に行ったりするために、通常の時間に授業を受けられない場合も多いと思います。その場合は次のようにしてください。
(1)通常の電話指導を受けられない分を、他の曜日や時間に振り替えて受講できます。平日午前9時〜午後7時50分、土曜午前9時〜午前11時50分の間に、直接教室にお電話ください。希望の週の課題の説明をします。事前の予約などは必要ありません。8月に休む分を7月や9月にふりかえることもできます。
電話0120−22−3987(045−830−1177)
(2)山のたよりの送付先や電話の宛先を、自宅以外にすることができます。帰省先や滞在先などで授業を受けることを希望される場合はご連絡ください。ただし曜日や時間を変更する場合は、先生から生徒にはお電話しませんので、生徒から直接教室にお電話をして説明を聞くようにしてください。
(3)8月のみ休会されるという場合でも受講料の返金はしませんので、できるだけほかの曜日や時間に振り替えて授業を受けてくださるようお願いします。ただし、(A)海外にホームステイで出かける場合、(B)病気治療のため入院する場合など、電話連絡のとれない状況での1ヶ月以上の休会は受講料の返金をしますのでご相談ください。
なお、8月11日(月)より8月16日(土)までは、振替などの電話の受付もお休みとなりますのでご了承ください。
夏休みは、通常と違い多忙になることが多いので、つい「1ヶ月休んで」と考えてしまいがちです。しかし、ふりかえ授業を受けたり、字数を短くして提出したりとできるだけ休まない形で続けていく方が、その後の子供の勉強意欲にとってプラスになります。
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海外から受講している生徒の作文送信については、これまで、次のような方法がありました。
(1)教室へのファクス送信(2)ウェブへのパソコン作文送信(3)ウェブへのPDFアップロード(アップロードできない場合はメール添付)。
7月から、送信方法を、(1)ファクス送信と(2)パソコン作文送信の二つに絞りたいと思います。(理由はPDFのアップロードやメール添付が、意外と手間がかかるようだったため)
いずれも、24時間受付です。費用等の変更はありません。
よろしくお願いいたします。
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海外でお世話になっている者です。
PDFでの送信は大変便利で、助かっていたのですが、なんとか継続していただけないでしょうか?
PDFが便利であれば、そのまま継続してくださって結構です。これまでどおり、作文の丘から送信してください。
ありがとうございます。助かります。
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5月に新しいスキャナを導入したために、文字の濃さの設定が間に合いませんでした。そのため、文字が薄くて一部読みにくい箇所があったと思います。
言葉の森のホームページの入選清書のページには、大きいサイズの原稿が載っていますので、読みにくい原稿は、このページで確認してくださるようお願いいたします。
設定を調整しましたので、次回からはもっと読みやすくなると思います。
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6月20日の日経新聞の特集「『アジアの未来』プログラム」に、竹中平蔵氏の講演が載っていました。その中で、氏は次のような四つの提案をしていました。(1)羽田空港の能力増強、(2)低率の法人税を適用するスーパー特区の新設、(3)アジアの政府系ファンドの資金などを呼び込むための省庁の設立、(4)大学の国際競争力を高めるための東大の民営化。
同じ特集で、自民党元幹事長の中川秀直氏がやはり、対談の中で、(1)羽田空港のハブ化、(2)高い法人税の見直し、(3)英語を話せる人材の増加、などの必要性を話していました。中川秀直氏は、副島隆彦氏がウェブの「学問道場」で、その力量を評価していた政治家です。
こういう記事がいながらにして読めるというのが現代社会の特徴です。現代は、社会の大きな方向を高い視点で述べることのできる人が、それぞれの分野で次々と世論の前面に出つつある時代だと思いました。
歴史の流れを図式的に説明すると、最初は、少数の優れたリーダーが社会を引っ張っていく時代でした。しかし、社会が複雑になるにつれて、官僚制が台頭します。始めは有効に機能していた官僚制のヒエラルキーが次第に腐敗し、自己保身を第一に考える多数の中間的小リーダーが広がるというのが現在までの時代だったと思います。
ところが、インターネットの普及は、そのヒエラルキーを急速に無効なものにしつつあります。未来は、多くの優れた有権者が大量に登場する時代になるでしょう。リーダーが一方的に政治権力を執行する時代から、多数の優れた有権者がそれぞれの局面でふさわしい多数のリーダーを選ぶ、という民主主義の本来の形が生まれつつあるのです。
そのような時代に必要な能力は、材料を集める力よりもむしろ、与えられた材料を料理する力です。学力で言えば、知識力よりも思考力ということになるでしょう。
人間が他の動物と違って格段に優れているところは、他人の知識をすぐに自分の知識とすることができる点です。ピタゴラスが三平方の定理を発見したときには、膨大な時間と天才的なひらめきが必要だったはずです。しかし、現代人は全くそのような時間も才能も必要とせずに、わずか十数分でその定理を自分の知識として使うことができます。
最初に書いた竹中氏や中川氏や副島氏(もちろんほかのいろいろな識者も含めて)の知識や提案は、彼らの独自の知識や経験や才能によって生まれたものでしょう。しかし、有権者は、メディアを通じて、それらの考えを自分の判断材料としてすぐに生かすことができるのです。
昔は、ほかの人の知らない知識を持っていれば、それだけで通用しました。今は、どのような知識もすぐに社会全体に広がります。知識を蓄えることではなく、活用することを勉強の目的としていくことがますます必要な時代になっているのです。
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