言葉の森は45年前に作文教室を始めた時から、作文教室を読書と作文の教室にしたいと思っていました。
しかし、教室として生徒の指導をするためには、指導の方法論がなければなりません。
指導の方法論があるためには、評価の方法論がなければなりません。
そこでいろいろ工夫して作文評価の方法を作ったので、その後の作文指導は軌道に乗せることができました。
しかし、読書については、おすすめの本のリストだけは170冊作ったのですが、評価の方法がないためにそのリストは埋もれたままになっていました。
ところが、今回AIを活用して読書を評価する見通しがついたので、改めて推薦図書のリストを作り直しました。
作り直した推薦図書の基準のひとつは、その本が何年か後に絶版にならないということです。
そこで、すでにKindle化されている本に絞って推薦図書を作り直しました。
その結果、半数以上の本が図書リストから外れてしまいましたが、とりあえず80冊を小1から高3までの推薦図書のリストとすることができました。
高校生の推薦図書の中にはかなり難しいものもありますが、社会人になる前には、こういう本を教養として読んでおいてほしいというリストです。
このリストの続きの大学生版としておすすめしたい本には、「葉隠」「精神現象学」「成功の実現」などがありますが、それはいつか機会を見て作りたいと思っています。
▽推薦図書リスト
https://www.mori7.com/tosyo/
◆◆確認テストで見える「読みの深さ」と「読みの浅さ」
全科学力クラスや国語読解クラスでは、問題集読書の確認を行っています。
その子がそれまでに読んだページの中から、任意のページを取り出して、どんなことが書いてあったかを聞くのです。
その時に元の文章をちらっと見ただけで、すぐに詳しく答えられる子がいます。
その一方で、元の文章を見ながら、切れ切れに読んだことをつなげて答える子もいます。
この違いが読みの深さと読みの浅さです。
◆◆浅い読みを深めるための「繰り返し読書」と学年別のコツ
読みが浅いというのは、読み方が甘いということです。
内容を理解して読むというよりも、表面の文字を追ってわかった気になるような読み方をしているということです。
だから、問題集読書は1回読んで終わりにするのでなく、繰り返し何回も読む必要があるのです。
繰り返し読むためには、小中学生の場合は黙読ではなく、小さな声でいいので音読をする必要があります。
高校生は勉強の自覚があるので、黙読でも繰り返し読めば頭に入ります。
◆◆家庭でのチェックと「褒めて待つ」教育法
この読みのチェックは家庭でもできます。
ただし、大事なことは、子供の読み方をチェックした後、必ず褒めるだけにすることです。
子供が正しく説明できなかったとしても、「よく読んでいるね」と褒めるだけでいいのです。
これを繰り返すことによって、子供は自然に、内容をよく読んでおこうと思うようになります。
子供の教育は、注意をしてすぐに直そうとするやり方ではなく、褒めることによって長く継続して自然にできるようになるのを待つやり方で取り組むことです。
◆◆継続がもたらす変化――まずは半年続けてみる
その待つ期間というのは、私の経験では6ヶ月です。
毎日同じようなことを繰り返していても、半年経つと必ず変わってきます。
多くの人は2日か3日やっただけで成果が出ないと諦めてしまうことが多いのですが、成果が出ないように見えることを6ヶ月続けていくことが大事なのです。
続けていると、いつの間にかうまくできるようになっていた、という日が来ます。
◆◆「精読とは復読のこと」――繰り返すことで身につく読解力の土台
「精読とは復読のこと」という言葉があります。
深く読むとは、じっくり読むことではなく、繰り返し読むことです。
だからこそ、褒めて読ませ続けることが大事なのです。
繰り返し読むことによって、読んだ文章に書かれていることがわかるだけでなく、その文章に使われている語彙が自分の身体の一部のようになってきます。
繰り返し同じ文章を読んでいると、自分が何かの文章を書く際にも、そこで使われている語彙や文体が自然に出てくるようになります。
読む力がつくと、初めて見る文章についても、始めのいくつかの文を読んだだけで、全体にどんなことが書かれているか推測できるようになります。
これが読解力の土台なのです。
※言葉の森のnoteの記事もごらんください。
https://note.com/shine007