ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 生きた知識が作文を上手にする Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 137番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/29
生きた知識が作文を上手にする as/137.html
森川林 2007/04/06 09:46 
 知識には、生きた知識と死んだ知識があります。
 受験期になると、よく時事問題の参考書が店頭に並びます。これらの参考書を読んで身につく知識は、クイズで聞かれたときに答えるのには向いていますが、生きた知識ではありません。その証拠に、いくらこれらの時事的な話題を参考書で覚えても、作文の中にそれらの知識をうまく生かすことはまずできません。
 小学生の場合の生きた知識は、主に大人との会話によって身につきます。だから、時事問題を生きた知識として身につけるためには、ニュースなどを話題にして、お父さんやお母さんが自分の考えを話してあげることが役に立ちます。お父さんやお母さんの知識は、参考書よりも精確ではないかもしれませんが、子供には身近な人の実感のこもった意見の方がずっと心に残るのです。
 知識のこのような仕組みを考えると、小学生の間は、子供を勉強部屋でひとりで勉強させるよりも、家族の中で勉強させた方が、より効果的な学習ができるということがわかります。長文音読なども、親が料理を作ったり新聞を読んだりしている横で子供が読むようにすれば、その長文に関する話題なども自然に生まれてきます。
 同じようなことが、高校生で書く小論文にも言えます。学校の勉強はしっかりやっているはずなのに、そこで学んだ知識を小論文にうまく生かせる人はほとんどいません。世界史や日本史などは、実例の宝庫のように思えますが、意外と小論文の実例としては使えないのです。
 では、どういう実例が使えるかというと、その人が読書の中で読んで身につけた知識です。だから、本をよく読んでいる生徒は、的確な実例を書くことができますが、本を読まずに勉強的な知識だけを詰め込んでいる生徒は、ありきたりの実例しか書けません。
 ところが、更に言うと、同じ読書でも、入門書や概論書のように知識が上手に整理されているものは、やはり実例にうまく生かすことができません。よく「○○入門」という書名の本がありますが、そういう本は、実は意外と生きた知識にはならないのです。
 それでは、どういう本が生きた知識になるかというと、それは原典です。どの分野でも、古典と呼ばれる定評のある本があります。書かれている内容が古くなっているように見えても、そこには、作者の生きた感情が流れています。それが、読み手にとって生きた知識につながるのです。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


コメント欄

森川林 2007年4月9日 11時32分  
 留守番電話に、「精確」は「正確」の間違いではないかというご質問がありました。
 正確……正しいこと
 精確……精(くわ)しいこと
という使い分けですので、どちらでもいいと思います。
 ニュアンスとしては、「くわしくない」方です。

コメントフォーム
生きた知識が作文を上手にする 森川林 20070406 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
たちつて (スパム投稿を防ぐために五十音表の「たちつて」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習