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勉強は家庭が主で、塾が従 as/2376.html
森川林 2015/07/07 07:07 
修 削


 寺子屋オンエアは、家庭学習を中心とした勉強法です。ところが、家庭学習がせっかく軌道に乗っているのに、もっとよく勉強させようと思い、家庭学習の時間を削ってまで塾に行かせようとする家庭も多いのです。
 それは、親の世代が塾に行って勉強していたからという面もあります。また、今の社会では塾に行って勉強する子が多いので、それが最もオーソドックスな勉強の仕方だと思ってしまう人が多いからだと思います。

 確かに、家庭で勉強をしていると、子供たちの勉強のアラが見えます。遊んだりふざけたり、集中できなかったりという勉強の欠点が見えるのは、親が近くにいるからです。しかし、その欠点は塾に行っていても変わりません。ただ、親の目につかないので気にならないというだけです。

 子供たちの学力がつくのは、教えてもらっているときではありません。教えられたことを自分で反芻するときに本当の力がつきます。
 塾に行って成績が上がる子は、家庭での宿題をきちんとしている子です。塾に行くだけで、家庭で何もしなければ、成績は決して上がりません。また、宿題のあるときだけ宿題をするという子も、成績は上がりません。宿題のあるなしにかかわらず、毎日同じような勉強をする習慣のある子が成績も上がります。ということは、逆に言えば、家庭で勉強する習慣のある子は、わざわざ塾に行って勉強する必要はないのです。

 塾に行って教わる勉強をしていると、同じことを身につけるのに、家庭で勉強するよりも何倍も時間がかかります。そのため、塾に通う時間が増えると、子供たちの生活時間は圧迫され、遊んだり、本を読んだり、自分の好きなことをしたりする貴重な時間が削られてしまいます。なぜそういう時間が貴重かというと、それらの時間が子供たちの将来の仕事力や創造力の源になっていくからです。

 塾でも、学校でも、先生に教えてもらう勉強という点では変わりません。しかし、小中学校の勉強は、わざわざ誰かに教えてもらわなくても、教科書と簡単な参考書と問題集だけでわかるようになっています。だから、教わる勉強はできるだけ少なくして、自分で決めたことをする勉強を中心にしていく必要があるのです。つまり、それは家庭学習です。

 ところが、家庭で自分だけで勉強をしていると、その勉強法が正しいのかどうか不安になってくることがあります。また、それ以上に、勉強するきっかけをつかみにくいので、親から言われなければやらないという勉強になりがちです。
 そこで、言葉の森では、寺子屋オンエアという仕組みを作ったのです。

 しかし、ここでひとつ問題になるのは、学年が上がってくると、誰かに教えてもらわないとわからないような勉強も出てくることです。それは、受験のための差をつけることを目的とした勉強です。一種のパズルのような勉強ですから、教えてもらえばわかる、自分で考えたのではいくら考えてもわからないという勉強が出てくるのです。
 そういう一見難しい勉強ができると、学力がついたように思いがちですが、それはパズルの解き方を知っただけで、本当の学力がついたのではありません。だから、中学受験のための難しい問題を解けるようになった子と、中学受験をせずに教科書レベルの易しい問題しか解かなかった子が、やがて中学3年生になり高校入試レベルの問題に取り組むようになると、かつての小学6年生のころの勉強の差は全くなくなっているということが多いのです。

 では、その難しい受験勉強はどのようにしたらよいかというと、それは、家庭で志望校の過去問を研究することです。入試の傾向は、共通点もありますが、学校による違いがかなりあるからです。
 学習塾での勉強は、子供たちに、どの学校でも受かるような全天候的な得点力をつけることを目的としています。しかし、それは最も無駄の多い勉強法です。能率のよい勉強法は、その子の志望校に絞って過去問を研究し、その子の実力に応じてどういう時間配分でどの教材を勉強するかを決めることです。
 このように自分で工夫する勉強は、高校入試、大学入試、更には社会に出てからの仕事というように、成長するほど重要になってきます。

 小学生時代は、他人に教えてもらう勉強の方が能率よく見えることがありますが、そういう時期は人生の中ではほんのわずかです。これからの長い人生の大部分は、自分で考えて自分で工夫する勉強法を身につけた子がよりよく切り開いていけるのです。



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