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若者は就職以外の道も考えよう――森林プロジェクトのように自分で働ける仕事の展望を as/2487.html
森川林 2015/12/09 20:27 
修 削


 甲野善紀さんは、古武術を自分なりに研究して新たな境地を切り開いてきた人です。
 その甲野さんが、「今までにない職業をつくる」という本を出しています。これは、自分がこれから作るというのではなく、今の若者の仕事の状況を見て、やむにやまれぬ気持ちで、「もっと自分たちで新しい職業を作ればいいんだよ」とアドバイスしているのだと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4903908593
 若い人たちの就職の環境は、今のままではますます展望のないものになっていきます。
 派遣という形の仕事が増えると、当面の生活は何とかなりますが、その仕事の中で自分が何かを学び成長するという面がどうしても弱くなります。

 しかし、正社員でもその事情はあまり変わりません。生活の安定度がある程度あるとしても、これからの社会では、高度成長時代のように毎年規模が拡大するような仕事はもうありません。
 逆に、毎年縮小する市場を多くの企業が奪い合う中で、そのしわよせは社員に向けられます。つまり、競争の中で最も削減の対象となるのは人件費なのです。

 そのため、正社員であっても、仕事の中で自分の成長や挑戦が実感できる人はごくわずかで、ほとんどの人は、縮小する市場の中でいかに仕事を能率よくこなすかというようなところに力を入れざるを得なくなっていきます。
 若い人の離職率が高いのは、根性がないからではなく、やはりその仕事の中で先の展望が見えない気がするからなのだと思います。

 昔のように、会社自体が発展していく中であれば、長年勤めているだけで、部下が増え新しい仕事が増えました。それに伴って、自分も成長していくことができたのです。
 しかし、これからのように会社も市場も縮小していく中では、仕事の中で成長するどころか、今ある能力自体もさびついていく可能性が高いのです。

 では、どうしたらいいかというと、それは、若いうちに時間を味方にすることです。
 時間を味方にするというのは、時間をかければかけるだけその分野のプロになれるようなことに今から着手しておくのです。

 甲野善紀さんが、古武術の研究を始めたころは、そういうことが仕事になると思っている人は誰もいなかったでしょう。本人自身も、それが仕事になるとは思っていなかったではずです。
 しかし、自分の好きなことをずっと続けていく中で、やがて時間がたち、気がついたら押しも押されぬその分野の第一人者になっていたということなのです。

 これからが個性の時代というのは、こういうことなのです。
 個性というものが持って生まれたものだけであれば、それが特に何かに役に立つことはあまりありません。しかし、時間をかけた個性であれば、それは個性を生かした仕事に結びつくのです。

 しかし、個性というぐらいですから、みんなと同じ安全に見える道を歩いていたのではその分野の第一人者にはなかなかなれません。
 例えば、野球やサッカーやバスケットボールというメジャーなスポーツであれば、同好の士も多いし、練習する機会や場所も幅広く提供されています。しかし、その分野でプロになる可能性はほとんどないでしょう。
 ところが、周りに同じことをやっている人がほとんどいないような珍しいスポーツであれば、最初は誰からも相手にされないという苦労を味わうでしょうが、何年もたつうちに、そのスポーツの第一人者になっている可能性がずっと高くなるのです。

 これが、昔のような住んでいる地域に限定された狭い情報の社会であれば、人と違うことをやっていることは特に大きな利益にはなりませんでした。
 しかし、今のインターネット時代の特徴は、ロングテールなのです。つまり、インターネットを使えば世界中が市場ですから、自分の住んでいる町が人口10万人で1人だけ同じ趣味を持つ人がいたとしたら、同じ確率で考えると日本全体の1億人の中では、1000人も同じ趣味を持つ人がいます。世界全体で考えれば、もっと多くの仲間がいて、その人たちに自分の経験を教える仕事をすれば、そこに大きなマーケットが生まれるのです。

 こういうことが可能になるのは、ただ自分の好きなことに時間をかけることによってです。そして、若いということは、これからの時間がたくさんあるということです。
 だから、今仕事をしている人も、これから新たに社会に出る人も、まず自分の好きな分野で、多くの人がまだ参加していない分野をライフワークにする展望で取り組んでいくといいのです。

 言葉の森では、森林プロジェクトという名称で、作文を教える仕事を提供していますが、これを今後作文だけでなくもっと幅広い分野でできるものにしていきたいと思っています。
 当面、毎月第二火曜日は、森林プロジェクトに参加している人の交流会を、googleハングアウトで行っていく予定です。

 同じようなことをしているところは、今はたくさんあるはずです。
 若い人たちは、こういうさまざまな機会を利用して、自分のライフワークを見つける参考にしていくといいと思います。
 そのときに大事なことは、まず第一に自分の好きなこと、そして第二にできるだけみんなのやっていないことを時間をかけてやっていくことです。



コメント欄

suman 2016年9月5日 14時56分  ▽
仕事は自分の能力を伸ばしたり挑戦したりする機会だとすると、「就職」以外の道を考えるほうが、ライフワークに結びつくかもしれませんね。

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若者は就職以外の道も考えよう――森林プロジェクトのように自分で働ける仕事の展望を 森川林 20151209 に対するコメント

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