ログイン ログアウト 登録
 日本発の未来の教育――オンエア特別講座、寺子屋オンエア、オンライン作文、森林プロジェクト(1) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 2540番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/5/17
日本発の未来の教育――オンエア特別講座、寺子屋オンエア、オンライン作文、森林プロジェクト(1) as/2540.html
森川林 2016/03/06 21:03 


 今の世界経済は、行き詰まっています。先進国はどれだけ金融緩和をしても景気は上向かず、株価だけがマネーゲームで上がり(ということはそのうち下がることがあるのですが)、貧富の差はますます広がっています。そして、国家の財政赤字も日々拡大し、それが縮小する見通しはありません。
 しかし、これを政策が悪いからだと言うことはできません。政治は今の時点でできることをやるために、できる限りの工夫をしているはずです。だから、国民のすることは、批判する対象を探すよりも、自分のできる場所で日本が直面する困難に立ち向かっていくことです。
 そして、その一方で、その困難を克服したあとにこれから迎える新しい社会を生きる子供たちを、どう育てていくか考えることです。

 今の世界の行き詰まりの最も大きな原因は、経済の新しいフロンティアが見つかっていないことです。
 先進国がこれまで担ってきた工業社会は、グローバリズムの流れの中で、新興国、中心国に拡散していきました。新興国は、低賃金と最新設備によって、先進国から工業生産の主要な役割を引き継ぎました。
 先進国は、理屈の上では、より高度な工業生産を目指していけばよかったはずなのですが、高度な工業生産は、これまでの工業のような多数の雇用を必要としませんでした。
 雇用を増やさずに生産性を高める大企業と、所得を低下させ消費力を減退させていく大多数の消費者との間の矛盾が今の社会の行き詰まりの大きな原因です。

 だから、これから作るべき新しい社会は、これまでのような生産を一手に引き受ける少数の大企業と、消費だけを一手に引き受ける多数の消費者によって構成される社会ではありません。
 人類全体の生産力は、既に人類全体に必要な消費を埋めて余りあるものになっています。だから、先進国が率先して新しい消費と、その消費によって引き出される新しい生産を生み出す必要があるのです。しかも、その新しい生産は、生産に特化した企業によって行われるのではなく、消費者が生産者を兼ねるような形で行われなければなりません。
 すべての人が消費者であるとともに生産者であるような社会を作ることによって初めて流れの止まっていた通過が動き出し、経済が自然な活性化を取り戻すのです。

 江戸時代の三百年間は、経済の停滞した時代と考えられています。しかし、その中で、日本独自のさまざまな文化が生まれました。その文化を担ったのが、消費者でありかつ生産者でもある大衆の中から生まれた無名の独創家でした。今の日本が目指すのも、こういう時代です。
 これまでの社会では、人間は労働者でありかつ消費者でした。労働者というのは生産者ではなく、生産者の手足となって働く人です。生産者とは、自分の意思で物を作り出す人ですから、生産者とは別の言葉で経営者と言ってもいいでしょう。
 未来の社会は、誰もが経営者でありかつ消費者でもあるような時代、つまり、生産と消費の両方を兼ね備えた人間の本来の姿に近づく社会になるのです。
 今の子供たちが将来社会に出るころには、そのような誰もが経営者でありそして消費者であるような世の中になっているでしょう。その時代を生きていくために、今大事なことは、経営者となるための子育てを上手に行っていくということです。

 一昔前までは、経営者になることは大変でした。まず大変なのは、資金を作ることでした。なぜ資金が重要だったかというと、物を作るのにも、それを売るのにも、事業所を確保するのにも、何をするにも資金が必要で、その資金を提供してくれる機関も限られていたからです。
 しかし、今は、経営者になることは昔よりもずっと簡単です。それは、パソコンとインターネットとソーシャルサービスと3Dプリンタの時代には、物を作るのにも、それを売るのにも、場所を確保するのにも、資金はほとんど必要ないからです。そして、資金を提供してくれる機関も人も、アイデアさえよければいくらでもいます。しかも、昔は失敗したらあとがないという悲壮な決意をした起業も、今はアメリカ並みに、失敗はむしろ自分の経験になるという感覚に近づいています。
 こういう時代に、経営者(生産者)になるために必要なものは、個性と、個性に支えられた創造性と、その個性を支えるバランスのよい学力と、社会生活を円滑にするための人間関係です。昔のように、優れた学歴さえあればどこからでも引く手あまただったという時代は、もう過去のものになっています。学力が必要なのは、学歴のためではなく、自分が仕事をする際にいろいろな場面で学力が必要になるからなのです。

 このような社会がくることを前提にして考えると(それはもう既に来ているのですが)、子育ての重点のひとつは、個性を育てることです。もうひとつは、バランスのよい学力を育てることです。そして、この二つが、言葉の森が今行っている「オンエア特別講座」や「寺子屋オンエア」や「オンライン作文」や「森林プロジェクト」に結びついているのです。

 それでは、それを順番に述べていきたいと思います。
 まず、個性を育てることについてです。
 個性を育てるためには、その子の個性を発見しなければなりません。ところが、日常生活で見られる個性というものは、日常生活自体があまり変化や多様性がないことから、誰でも似たり寄ったりのものなりがちです。その子がどういうことに興味や関心を持っているかということが、選択できる興味や関心の分野にあまり広がりがないために平凡なものになってしまうのです。(つづく)

※次回は、「どのようにして個性を発見するか」です。



コメント欄

コメントフォーム
日本発の未来の教育――オンエア特別講座、寺子屋オンエア、オンライン作文、森林プロジェクト(1) 森川林 20160306 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
あいうえ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「あいうえ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンエア講座(41) 森林プロジェクト(50) 寺子屋オンライン(101) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント1~10件
なぜ公立中高一 森川林
 志望校の過去問に特化した受験対策を進めるためには、まず「春 4/28
記事 5498番
作文検定のプレ あお
お返事ありがとうございます。暗唱検定が早くできてほしいです。 4/9
記事 5493番
作文検定のプレ 森川林
 日本語教育で、簡単なのは会話で、次が読書で、最後が作文です 4/8
記事 5493番
作文検定のプレ あお
日本語作文検定は、日本語を学ぶ外国人のための作文教育にも対応 4/8
記事 5493番
【合格速報】東 ふつ
合格おめでとうございます。 毎週真剣に取り組み、どんどん上 1/7
記事 5403番
国語力、読解力 森川林
読検の解答は個別れんらくでお送りください。 12/29
記事 4331番
国語力、読解力 すみひな
本日の読解検定を受け忘れてしまいました。回答をどちらに送れば 12/27
記事 4331番
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 読解検 森川林
 これは、その言葉があるかどうかではなく、文脈として読み取る 4/28
国語読解掲示板
読解検定小5の みきひさ
読解検定 小5 4月について3問教えてください。 どうぞよ 4/27
国語読解掲示板
茨木のり子さん 森川林
 茨木のり子さんが晩年に書いていた言葉、 「倚(よ)りかか 4/27
森川林日記
軽くて意味のな 森川林
軽くて意味のない広告の文面を書いていたのでくたびれた。 嘘 4/27
森川林日記
Re: 例えば 森川林
 この歌の本質は、「言えない」又は「言わない」というところに 4/27
森川林日記
例えば、敷島の 森川林
 本居宣長の「敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山桜花」は、 4/27
森川林日記
AIに文章を直 森川林
 AIに文章を直してもらうと、  詩的な文章が散文的になる 4/27
森川林日記
雨は龍のメッセ 森川林
 雨は龍のメッセージ。  晴れは太陽のメッセージ。  ど 4/27
森川林日記
五月の薄曇りの 森川林
 五月の薄曇りの空の下をゆっくりと歩く。  自分の心の中に 4/27
森川林日記
走水神社 森川林
 走水神社に行ってきた。  神社の横の山の途中に、弟橘媛( 4/24
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン