ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 四行詩の世界 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2911番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/19
四行詩の世界 as/2911.html
森川林 2017/04/10 04:44 


 人間は生きているかぎり、いろいろなことを感じたり考えついたりします。
 日本では、その一瞬の感情を俳句や川柳や短歌として表す文化がありました。

 しかし、この詩形では、自然や心情の描写は表せても、思想を表すには難がありました。
 七五調というリズムは、感情をまとめるには適度の制約になり、その制約が感情の圧縮率を高める効果があります。
 しかし、思考した内容を表すには、その七五調の制約が不自由に感じられることも多かったのです。

 そこで、思考の結果を表現するための制約として、四行にまとめるということを考えました。
 やってみるとわかると思いますが、これはかなり役に立ちます。

 作文の勉強は、中高生の場合、1200字を1編書き上げるのに大体1時間半かかります。
 すると、定期テストなどが迫っているときは、時間的に苦しいということがよく出てきます。

 そこで、これまで、忙しいときでもできるアドバイスとして行っていたのは、
1.長文を読んで考えるだけでも勉強になる。
2.時間があれば15分で要約だけでもまとめる。
3.更に時間があれば、感想も書き、その感想に自作名言を盛り込むところまでやる。
というようなことでした。

 時間がなくてやれないというより、長文を読んで考えるだけでも効果があります。
 しかし、本当は、四行の詩の形にまとめておき、あとで時間があるときに、その詩をひとまとまりの文章に広げていくというのがいいのです。
 もし、文章に広げることができなくても、四行詩としてまとめておけば、それがそのまま作品として残ります。

 しかし、四行詩というのは、まだ制約として理解しにくいところがあるので、今後誰でもできるような形にしていきたいと思っています。

 以下は、四行詩の作品例です。

■四行詩の世界
 ひとまとまりの言いたいことがあるとき、
 文章化するのに時間がかかると思うとつい億劫になるから、それを四行でまとめる。
 言いたいことを圧縮してただ四行にまとめるだけだが、詩のリズムを持たせることが要だ。
 形の上で言うと、比喩があるか、対比があるか、創造があるか、笑いがあるか。

 季語は特に要らない(笑)。


■漢字教育
 読みは能力であるが、書きは機械でも代替できるから、いずれ漢字書き取りの試験はなくなるだろう。
 読みは、読み専門の精選された漢字集の音読で身につけ、あとは読書で応用を広げるべきで、多様な漢字問題集を使うべきではない。
 また、読みは、学年配当という人為に従うのではなく、全常用漢字2000字を小学生の早い時期に身につけることだ。
 そして、語彙の量が思考の材料の量であり、日本語は世界一の量を誇るから、あとは難読漢字集で勉強を続ける。

 漢字ドリルがカラフルになり、漢字学習のアプリなどが使えるようになってから、みんなの漢字力が低下した。


■道徳教育
 教育勅語がいいとか悪いとかいう議論は、物事の影を論じているにすぎない。
 道徳教育の本質は、その道徳の中身ではなく、
 その道徳を音読反復によって血肉化するという方法にある。
 だから、道徳の内容など似たり寄ったりなので、リズミカルな道徳教材が最もいい教材になる。

 教育勅語か(笑)。
 あるいは、それに匹敵しうる詩心のある教材。


■英語教育
 英語は、やっている子はできるが、やっていない子はできない。
 その差があまりにはっきりしているので焦る人が多いが、
 知識の差は、実はやれば誰でもできるもので、本当の差は頭のよさにある。
 新渡戸稲造も内村鑑三も福沢諭吉も、大人になってから英語の勉強を始めた。

 早めにやることより、頭をよくしておくことの方が大事。


■作文よりも構想図
 作文の本質は、書くことではなく考えることだ。
 書くことが音声入力化される時代になって、そのことがますますはっきりしてきた。
 その考える方法が構想図で、
 この構想図に必要なものが、ペンとノートである。(あるいは、筆と紙)

 手書きには数千年の歴史があるが、キーボード入力には数十年、音声入力には数年の歴史しかない。
 ついでに言うと、未来の入力は思考直接入力で、既に研究が進められているはずだ。



 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
四行詩(13) 

コメント欄

森川林 2017年4月10日 4時58分 1 
 短歌や俳句は、日本文化の大発明だと思いますが、どの言語にもその言語なりの定型詩があります。
 大事なのは、形が決まっていることであって、その形の枠組があるから、微妙な中身も入れやすくなります。
 しかし、これまではその中身が主に感情的なものや感覚的なものに限られていました。
 これから必要になるのは、論説文のような思考の結果を入れるための形の枠組みになると思います。


nane 2017年4月10日 5時2分 1 
 四行詩の話を書いていて、立原道造のソネット形式というのを思い出しました。
 要するに、何か外的に決まっていることが大事で、そういう形式がないと、微妙な中身は散文的に解消してしまうのだと思います。


栄光あれ 2018年10月4日 20時0分  
詩の先生が(笑い)とは、どんなものでしょか。
笑うか笑わないか、は読者の気持ち次第です。手紙でもメールでも、あえて(笑い)と書く表現を見るようになりましたが、言葉の乱れか、表現力の不足、と感じています。

森川林 2018年10月5日 8時51分  
 大事なことは文章の中身です。
 表現の好き嫌いは人それぞれ言ってかまいませんが、それは、
「僕はカレーが好き」
「私はラーメンが好き」
と言っているようなもので、そこから何かが生まれるわけではありません。
 そして、人間は、何も生み出さないようなことほど言いやすいのです。(笑)
 大事なことは、文章の中に創造があることです。

コメントフォーム
四行詩の世界 森川林 20170410 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
なにぬね (スパム投稿を防ぐために五十音表の「なにぬね」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
四行詩(13) 
コメント1~10件
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習