ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 思考力とは何か--算数の思考力と読書の思考力 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3121番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
思考力とは何か--算数の思考力と読書の思考力 as/3121.html
森川林 2017/12/26 14:46 


 先日の保護者懇談会で、「思考力とは何か」という質問が出ました。

 今、書店では、子供向けの算数クイズのような思考力を育てる問題の本がいくつか出ています。
 いずれも頭を使って考える面があるので、大人にとっても面白い問題です。
 そういう算数クイズのような本で、思考力を育てるのはどうかという意見があったのです。

 こういう算数・数学の問題で、確かに思考力はつきます。
 しかし、それは算数・数学の狭い分野に限定された思考力です。

 世の中に出て遭遇するさまざまな問題にその思考力が適用できるかというと、そういうことはかなり限られています。

 日本のロケット開発の父とも言われる糸川英夫氏は、その著書の中で、「数学が、考える力をつけるわけではない。それは大学教授会の数学科の先生の発言を聞いていればよくわかる」と皮肉を書いていたことがありました。

 数学の思考力というものは、確かにありますが、それは一般の思考力と混同され過大評価されている面があるのです。

 では、思考力を育てるものは何かと言えば、それは困難な課題への挑戦と、難しい本の読書だと思います。

 なぜかというと、困難な挑戦や読書によって、人間が普通に平面的に考えるところから、一歩進んで立体的に考えることができるようになるからです。
 そういう立体思考は、ほかのところにも応用できます。

 だから、子供の思考力を育てるためには、難しい本を読ませたり、難しいことに挑戦させたりすることです。
 しかし、「させる」という面が強くなると、子供の自主性を育てる面ではかえってマイナスになります。

 いちばんいいのは、説明的な文章の面白さに気づかせることと、小さな挑戦であっても子供が独自にやろうとしたことをいつも評価してあげることです。

 そして、親自身が、子供との対話の中で、知識ではなく思考を使って話をするように心がけることなのです。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 

コメント欄

nane 2017年12月28日 9時20分 1 
 子供たちの得意だと考える勉強の第一位は算数でしたが、同時に、子供たちが苦手と考える勉強の第一位も算数でした。
 これはどういうことかというと、算数は考える力が問われる勉強だと思われていると同時に、実は本質は知識の勉強だということなのです。
 ただし、その知識の量と組み合わせ方が多く、他の知識の勉強のようにすぐには成果が出てこないので、頭のよさに左右される勉強だと考えられているということなのです。


森川林 2017年12月28日 9時21分 1 
 よく、「知識よりも思考力」などと言いますが、その思考力という概念は実はかなり曖昧なものです。
 というのは、誰でもいつも何らかの形で思考しているので、思考するということがかえってとらえにくいからです。
 そこで、思考力というものがわかりやすく形として見える気がする、算数のクイズや、慣用句の知識などに人気が出ているのだと思います。
 しかし、現実の生活に適用できる本当の思考力は、読書と対話の中で育つのです。


コメントフォーム
思考力とは何か--算数の思考力と読書の思考力 森川林 20171226 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
あいうえ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「あいうえ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 
コメント1~10件
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習