ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 よくできる子の共通点――継続 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3259番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/17
よくできる子の共通点――継続 as/3259.html
森川林 2018/03/28 08:03 

 勉強もよくでき性格もよいという子からときどき聞く言葉に、継続の大切さということがあります。
 家庭で、折に触れて継続ということを言われているのだと思います。

 よくできる子は、何か特別な方法を集中して身につけたのではなく、平凡なことを毎日欠かさずにやってきたのです。
 例えば、毎日音読を続けているとか、毎日読書を続けているとかいうことです。
 生活面で言えば、毎日決まった時間に起きるとか、決まった時間に勉強するとかいうことです。

 ある時期に熱中して取り組むとか、新しいやり方を試すとかいうことももちろん大切ですが、基本になるのは誰でもできる平凡なことを毎日欠かさずに続けるということです。

 江戸時代の寺子屋の勉強法も同じでした。
 基本となる学習法は、素読という、四書五経などのテキストを何度も繰り替えし音読しその言葉を自分のものにするという方法でした。
 その平凡な誰でもできる勉強法で育った子供たちが、明治期の日本の急速な近代化の推進力となったのです。

 その原則は、今の時代も変わりません。

▽関連記事
「どんな子でもできるようになる勉強法――そのコツは毎日続けること」
https://www.mori7.com/index.php?e=2928
====
 あるとき、全然作文が書けない、書けても間違いだらけ、しかも字数もほんのわずか数行だけ、そして、何よりも文章がほとんど読めないという小学校高学年の子が、言葉の森の教室に来ました。

 本人もお母さんも、どうしたらいいか途方に暮れていました。
 その子とお母さんに説明した勉強法は、何しろ毎日、長文を音読すること、できれば暗唱するぐらいまで読むことでした。

 音読は、ただいろいろな文章を音読すればいいのではありません。
 その文章を暗唱できるぐらいまで同じものを繰り返し読むことが大事です。

 ところが、大抵の子は、同じものを繰り返し読むのは退屈するので、次々に新しい文章を音読したがります。
 それでも音読をしないよりはましですが、繰り返し読むのに比べて効果はぐんと落ちます。

 学校で音読の宿題を出すところが増えてきましたが、全体に繰り返しの回数が少ないのではないかと思います。
 その子の学校はそういう宿題がなかったので、言葉の森の長文の音読だけを毎日続けました。
 その子は漢字がほとんど読めなかったので、言葉の森のサイトで全部ルビ振りにしたものを印刷して、同じものを1週間読むということにしました。

 そして、それに加えて毎日の読書も必ずやってくるようにしたのです。
 すると、ある時期から急に作文が長く書けるようになり、数年たつと同学年の生徒よりも語彙の豊富な立派な文章を書けるようになりました。
 そして、高校入試では、数年前には考えることもできなかったような第一志望の高校に合格したのです。

 その間、やっていたことは毎日の音読と読書だけです。
 大事なことは、その音読と読書を毎日一日も欠かさず続けたことです。

 勉強でうまくできないことがある子の勉強の仕方には特徴があります。
 それは、お父さんやお母さんが、あるとき集中して教えるような勉強の仕方をしていることです。

 休みの日に数時間集中してそのことを教え込むような勉強の仕方をすると、確かに何とかできるようになります。
 しかし、そこで、親も子もくたびれ果ててしまうのです。
 そして、しばらくすると、またもとの何もしない状態に戻ります。

 ある時期集中して勉強するという勉強スタイルは、お父さんやお母さんの教え方だけでなく、子供の勉強スタイルにも出てきます。
 そういう子は、やっているときはすごくがんばっているように見えます。
 しかし、そういう勉強法では効果が出ないので、やはり自分はその勉強は苦手なのだと思ってしまうのです。
 小中学生の勉強に、苦手ということはありません。ただ、毎日やる仕組みを作っていないだけなのです。

 勉強の基本は、あるときたくさんではなく、毎日少しずつです。
 言葉の森の自主学習クラスも、この毎日少しずつが自然にできるようになることを目的にしています。
 特に、国語問題集読書のような勉強は、家庭でやるとすぐに飽きてしまいます。
 成果がすぐに目に見えないような勉強こそ、この毎日少しずつという勉強の仕方が大事なのです。
====


 対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
勉強の仕方(119) 

コメント欄

森川林 2018年3月28日 8時8分 1 
 ときどき、どんな勉強の仕方をしたらいいか聞かれることがあります。
 また、どんな本がいいか聞かれることがあります。
 いい勉強の仕方も、いい本ももちろんありますが、何よりも大事なことはそれを続けることです。
 だから、親の役割は、子供にあるひとつのことを続けさせることなのです。



nane 2018年3月28日 8時18分 1 
 大人でも、その人の持ち味は、何をがんばったかとかいうことよりも、何を続けてきたかということにあります。
 これから、子供たちの教育にも、多くの高齢者が参加するようになると思いますが、そのときに役立つのは、学歴や資格よりもまず、その人がそれまで続けてきた仕事の経験です。

コメントフォーム
よくできる子の共通点――継続 森川林 20180328 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
はひふへ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「はひふへ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
勉強の仕方(119) 
コメント1~10件
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習