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森林プロジェクトと寺子屋オンライン――これから生まれる新しい教育(動画) as/3369.html
森川林 2018/07/12 06:17 

 昨日7月11日(水)20:30より、Zoom会議室で7月の森プロ交を行いました。
 その前半の中根からの報告部分の動画です。

 森林プロジェクトの目標と寺子屋オンラインの可能性について、約15分説明しています。
 これからの日本の教育に関心のある方はぜひごらんください。

 オンライン教育のツールは、現在、大きな技術革新が進んでいます。
 これからの教育も、仕事も、このオンラインツールの活用なしには考えられなくなると思います。

 しかし、大事なのはツールよりも、ビジョンです。(カタカナ語が続きますが)
 これまでの教育は、ひとことで言えば受験のための教育でした。
 それが、子供たちの教育にさまざまな歪みを生み出してきました。

 もちろん、その受験のための教育は、ある程度までは子供たちの学力形成に大きく寄与する時代がありました。
 しかし、今は、その利点よりも弊害の方が大きくなっています。
 その弊害とは、ひとことで言えば、学ぶこと自体にあまり意味のないことを、ただ点数の差をつけるためだけに学ばされる度合いが大きくなってきたことです。

 ところが、その受験のための教育の良し悪しを論じるより以前に、受験という制度そのものが今大きく変化しつつあるのです。
 それは、これからのオンライン教育の仕組みを活用すれば、入学者に定員を設ける受験そのものが必要なくなってくるということです。

 現在でも、既にMOOCなどのシステムでは、誰もが世界中のどこからでもほとんど無料で、世界の最高水準の講義を受けられるようになっています。
 学ぶための手段や方法が大きく改善されたために、その手段や方法を手に入れるために行われていた受験は、これから急速に必要ないものになっていくのです。

 すると、大事なのは、手段を手に入れることではなく、何を学びたいかという本人の意欲の方になってきます。
 その意欲を育てるのが、これからの教育の主な目標になっていきます。

 今、言葉の森では、オンラインシステムを使った、寺オン作文コースと発表学習コースを行っています。これは、既に30年以上の実績のある電話通信による作文指導と並行して行っているコースです。

 この寺子屋オンラインと名付けた教育は、従来の学校や塾での勉強のような、先生が教えることを中心とした教育ではありません。
 確かに対象が小中学生ですから、教える授業はあります。しかし、教えたことが定着したかどうかをテストして、教えたとおりのことができればそれで完了という教育ではありません。

 そうではなく、教えたところを出発点として、自分から学問を深めそれを創造的に発表していく教育です。
 この勉強には、従来の知識の詰め込みによる勉強とは違った楽しさや苦しさがあります。
 その楽しさとは、自分らしい創造性を生かす楽しさで、苦しさとは、創造的に取り組むことによる苦しさです。

 わかりやすい例で言うと、従来の勉強の典型は漢字書き取りや計算練習です。
 この勉強はもちろん誰にとっても必要なものですが、今の受験教育の中では、間違えやすい漢字や間違えやすい計算問題が中心になって教えられるようになっています。
 そのための知識の詰め込みには、それなりに楽しさと苦しさがあります。

 一方、新しい勉強の典型は作文です。
 作文は、覚えた知識を再現するようなやり方で書くことはできません。どういうテーマであっても、そこに自分なりの実例や意見の創造が必要になります。
 だから、作文の勉強には、創造できないときには苦しさがあり、創造できたときには楽しさがあります。

 この作文の勉強と同じようなスタイルの勉強を、国語、算数数学、理科、社会の全教科にわたって行っていくことがこれからの教育の大きな方向になっていきます。
 それは、今、言葉の森では、寺オン作文コースと発表学習コースで行っています。

 そして、それらの教育を担うのが、森林プロジェクトで理念と方法を共有する講師たちという関係で考えているのです。

▽森プロ交2018年7月
https://youtu.be/q1_4QGme-7s



コメント欄

森川林 2018年7月12日 6時39分  
 教育に携わる人には必見の動画です。
 今、教育をめぐる環境は大きく変わっています。
 それが単にツールの変化だけでなく、教育の方向そのものの変化につながっています。
 人間の成長と創造という本来の教育の姿に戻りつつあるのだと思います。


nane 2018年7月12日 6時44分  
 寺子屋オンラインも森林プロジェクトも、未来の理想の教育のひとつの形になると思いますが、今はまだほとんどの人に知られていません(笑)。
 知っているのは、言葉の森に関係する人ぐらいです。
 しかし、だんだんとこのよさがわかってくると思います。


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