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作文の書き方——中学生後半の作文 as/535.html
森川林 2009/06/23 02:24 


作文検定4級レペル
中学生の後半は、方法を考えて書こう

 中学生の後半は、象徴的な題名を主題にする書き方を身につけます。体験実例も社会実例もできるたけ個性的ほ書きましょう。字数の目標は六〇〇—一二〇〇字です。

▼ここが大切!

▽生き方の主題

 象徴的な題名を白分の生き方に結びつけて書く練習です。象徴的な題名とは、「窓」「道」「空」などという題名です。その題名から連想して、どんな生き方をしたいかという形で意見を考えます(「私は、窓のように心を開いた生き方をしたい」など)。

▽複数の方法

 意見を実現するための方法を書きます。心構え的な方法と、社会的な方法の両方から考えてみましょう。

▽社会実例(伝記)

 社会実例として伝記から実例を選ぶ練習です。本を一冊読んでおくと、その一冊からいろいろな実例が引用できます。『福翁自伝』(福沢諭吉)、『フランクリン白伝』(フランクリン)、『氷川清話』(勝海舟)などを読んでおきましょう。特に明治時代は近代日本の原点を形成した時代ですから、その時代の伝記を読むと応用が広がります。

▽詩の引用

 多くの人に知られている詩、短歌、歌の歌詞などから表現を引用し、意見に合わせて加工して書く練習です

▼作文を書き終えたあとに

 中学生の後半は、小学五年生のころから続いた作文のスランプにようやく出口の見える時期です。中学生の後半に書く作文の中には、大人になったときに読み返しても感動するような優れたものがよくあります。それだけ、白分の言葉で物事を深く考えられるようになったということでしょう。しかし、書いている本人は、よく書けたという自覚がないことが多いので、周囲の人が温かく評価してあげることが大切です。

▼作文のお手本!

   森

 先日、田舎の祖父の家に行った。祖父の裏山にある森は、春にはタケ/コが出るし、秋にはクリやキノコが採れる、生きた白然のある森だった。確かに、都会の公園にも自然はある。しかし、生きたものという感じがしないのは、やはりそこに多様性がないからだろう。私は、白然の森のように多様なものを許容できる人間になりたい。

 そのための方法としては、第一に、外見だけで相手を判断しないことだ。私は昔スズムシを飼っていたごとがある。ある日、母と一緒にスズムシが鳴いているのを見ていたとき、かごの横をゴキブリが通った。そのとき、母は、「スズムシちゃん、いい声ねえ」と言った声のボリュームを急に上げ、「きゃあ。ほら、スリッパ」と、ゴキブリをたたこうとした。しかし、よく考えてみれば、スズムシもゴキブリも、同じ地球の仲間なのだ。

 多様性を持つ第二の方法は、互いの意見を交流させることだ。今、世界には、民族や宗教の紛争が続いている。その根底にあるのは、異なる価値観を持った人どうしの対話の不足である。人間は、意見の異なる人とこそ話を交わすべきなのだ。幕末の江戸城明け渡しの立役者、勝海舟と西郷隆盛は、それまでに一度しか会ったごとがなかった。しかし、その二人の対話が江戸を戦火から救ったのだ。

 確かに、白分の考えを純粋に貫こうとすることは尊い。しかし、それが白分とは異なるものを拒否することであってはならない。森のよさとは、多様なものを認めるよさである。「ミミズだって、オケラだって、アメンボだって」という歌がある。その歌詞の延長には、やはり「ゴキブリだって」森の中て楽しく生きているはずなのである。


▼中学生後半の日記の書き方

 その日に思ったことを、「したい」「なりたい」「べきだ」「問題だ」などと意見化し、「反対意見への理解」が入るように書きましょう。感想と説明だけの殺風景な日記にならないように、情景描写も工夫してみましょう。

○月○日

 今日は、久しぶりにいい天気だった。青く広がる明るい空に、筆でかいたような白い一筋の雲が浮かんでいた。
 私は、ごの空のようにいつも明るい心で生きていきたい。
 確かに、暗い現実があるときにそれを直視するごとは大切だ。社会の進歩は、否定的な現実を変革することで生まれる。しかし、そのときに、心まで暗くしてはならないと思った。

▼日記を書き終えたあとに

 中学生は、文章を書くことがスランプになりがちな時期ですが、中学生後半になると次第に自分の考えが確立してきます。意見や実例の材料となるものは、やはり読書です。書くことがないときは、無理に書こうとするのではなく、まず読むことに力を入れていきましょう。

学年別作文感想文の書き方


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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