競争が好きなのは人間だけ。
ライオンやトラは、だれがいちばん強いかで競い合ったりしない。
人間らしい喜びは、競争に勝つことにではなく、
新しい何かを創造することの中にある。
闘犬や闘牛の文化がありますが、そういうのを見て喜ぶのは人間だけで、当の犬や牛にとっては、はた迷惑なことだと思います(笑)。
犬や牛の本当の喜びは、仲よく平和に暮らすことです。
人間は、仲よく暮らすだけでは飽きてしまうので、もっと生き生きとした目標が必要になります。
その目標を、生き生きとした競争と勘違いしてしまう人が多いのですが、競争はちょっとした味つけのようなものに過ぎず、本当の喜びは創造の中にあります。
しかし、創造には、それなりの準備も必要です。
これからの教育は、競争に勝つための教育から、創造の準備のための教育へと変わっていく必要があると思います。
数学の勉強の能率を上げるコツは、
すぐに答えを見ること、わかる人に聞くこと。
子育てのコツは、まずその子をじっと見ること。
じっと見ていると、おのずからわかってくるものがある。
数学の問題は、あらかじめ答えがあることがわかっているある種のゲームです。
だから、答えを見て、解き方のコツを早くつかむのが勉強です。
これに対して、子育てには答えはありません。
解けるかどうかわからない問題に対しては、まず問題そのものをじっと見つめることが大切です。
人や本や物やお金に頼るのは、そのあとからです。
解けるかどうかわからない問題も、じっと見ていると、その人にとって答えとなる道筋が見えてきます。その答えは、もちろんひとつではありませんが。
しかし、数学の問題は、じっと見ているだけでは時間の無駄です。
では、国語の問題は、どうしたらしいのでしょうか。
じっと見ていることでも、すぐに答えを見ることでもなく、問題をくりかえし読むことです。
問題の解き方にも、いろいろあるのです。
「葉隠」に確か、こんな言葉がありました。
「問題の中には、解けるものと解けないものがある。
解けない問題の中にも、時間がたてば解けるものがあり、時間がたっても解けないものがある」
あたりまえのようですが、奥が深いと思いました。
現代のような管理の行き届いた社会に生きていると、ついあらゆる問題にそれなり答えが用意されているように思いがちですが、実は、答えのない問題の方がずっと多いのです。