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低学年の読む力 as/246.html
森川林 2008/05/02 11:32 
 文章を読む力は、想像以上に大きな個人差があります。
 計算力や漢字力は点数に表しやすいので、一見大きな個人差があるように見えますが、実はその差は大きくありません。
 これらの勉強は、勉強した量に比例して身につくものなので、あとからいくらでも追いつくことができます。小学校低学年の成績はあてにならないというのは、この理由からです。
 ところが、文章を読む力(読解力)はそうではありません。
 文章を読む力は、だれもが同じように持っています。点数に表しにくいので、どの子もあまり差がないように見えます。これは、聞く力も同じです。
 しかし、読む力や聞く力は、勉強した量に比例して身についたものではありません。日常生活の中での読む経験や聞く経験を通して、あたかも自然に身につくかのように身についていったのです。
 読む力や聞く力の差は、次のようなときに表れます。説明書などの文章を渡されたとき、読む力のある子は、だれに言われなくてもすぐに読み始めます。読む力のない子は、自分からは読み始めません。自分では読まずに何が書いてあるかを他人に聞こうとします。
 学校の先生などが、少し込み入った説明をするとします。聞く力のある子は、一度でそのとおりに実行します。聞く力のない子は、難度も聞きなおしますが、なかなか実行できません。
 これらの読む力や聞く力は、その子がこれまでの日常生活でどれだけ読む力や聞く力を使ってきたかということに比例しているので、一度差がつくと、その差は広がるばかりとなります。
 低学年のころは、目につきやすい勉強に力を入れるのではなく、目につかない読む力や聞く力を育てていくことが大切です。読書や対話が重要だというのは、そのためです。

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自然学習力 as/245.html
森川林 2008/05/02 11:09 
 医療と農業と教育には、共通点があります。それは、いずれも生命のあるものを相手にしていることです。
 更に言うと、政治や経済も、ある意味で社会的な生命のあるものを相手にしているので共通点があると言えます。しかし、話を広げるとわかりにくくなるので、今回は、医療と農業と教育について考えていきたいと思います。
 医学と農学と教育学は、西洋の科学を取り入れて大きく発展しました。
 しかし、今それが大きな曲がり角を迎えています。
 そこで見直されつつあるのが東洋の発想ですが、これはまだ大きな流れにはなっていません。なぜかというと、東洋の発想には、西洋科学のような明確な再現性がないからです。Aという薬を与えたらBという結果になったということであれば、だれもが納得できます。しかし、東洋的な発想は、出る結果もまちまちですし、かかる時間もまちまちです。そこで、どうしても東洋の科学には神秘的な概念が出てきてしまうのです。
 神とか霊とか魂という客観的に定義できない概念で組み立てられた論理は、異なる考え方との対話の可能性を閉ざします。そのために、東洋の発想は大きな流れになることがなかったのです。
 しかし、ここに来て、新しい科学の可能性が開かれてきました。その一つが脳機能科学で、もう一つが遺伝子生物学です。(量子力学は、まだ観念的に利用される可能性しかありません)
 この結果、東洋と西洋の科学が新しい概念で総合化される可能性が出てきた、というのが、現在の状況だと思います。

 以上の話を前提にして考えてみると、医療と農業と教育における新しい可能性を次のように考えることができます。
 医療の分野では、自然治癒力を生かすことがこれからの最重要課題になると思います。農業の分野も同じで、自然の生命力をいかに生かすかということがこれからの目標になります。教育の分野はどうでしょうか。
 教育の分野では、人間が生まれつき持つ学習意欲をいかに生かすかということが大きな目標になると思います。これを、例えば自然学習力と名づけます。自然学習力を生かす教育が、これからの教育の課題になるというのが、私の考えです。そこに、現代の脳機能科学と遺伝子生物学の成果を結びつけるというのが、今後の研究の方向になると思います。(ただし、それは、遺伝子工学のような物理的なやり方ではなく、むしろ哲学的なやり方で、ということです)

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四行詩 as/244.html
森川林 2008/04/28 09:56 
 日本語は、長い文章を話したり書いたりすることにあまり向いていない言葉のように思います。
 「くまのプーさん」という子供向けの本があります。作者はイギリスのロンドン生まれです。私は、昔この本を読みながら、日本人なら同じ内容をこう長々とは書かないだろうなあと思いました。日本人の感覚としては、不必要な説明や言い回しが多すぎる印象なのです。たぶん、こういう文章スタイルは、シェークスピア以来のイギリスの伝統なのでしょう。
 日本の文化では、長さよりもむしろ、無駄を排した短さが尊重されてきました。それが、短歌や俳句などの短い詩形式となって表れています。
 石川啄木の歌集や詩集にある短い文章を、日本人は一つのまとまった作品世界として味わいます。その短さに比べると、例えばゲーテの詩集などには、詩なのだか散文なのだかわからないと思うようなものがあります。
 そんなことを考えているうちに、日本人のこの短さを好む傾向を、むしろ生かしていくことができるのではないかと思いました。
 ところが、これまでの文学の延長で短さを生かすとなると、日本には短歌のように情景や心情を表す形式しかないようです。短歌の中には、意見や思想を盛り込んだものもありますが、論説的な内容を盛り込むのは無理があります。
 そこで、考えたのが四行詩という形式です。
 基準は、(1)四つに分けて書く、(2)自分なりの発見や創造を書く、(3)できればたとえや自作名言のような表現上の工夫をする、です。
 日常生活の中で、ふと、いい考えを思いついた。しかし、長く書くほどの時間はない。短歌などの形式にはなりそうもない。そういうときに使えます。
 次は、先日、あるところに書いた文章です。最後の四行目が自作名言になっています。

 過去にさかのぼって、嫌だったことをすべて面白かったことに思い返す。
 すると、そのときに傷ついたDNA情報が修復される。
 そのようにして、人は次々と失われた遺伝子情報を取り戻す。
 大事なことは、未来を明るく生きることではなく、過去にさかのぼって明るく生きてきたことだ。

 これなら簡単。
 四行という制約があるので、無駄に時間をかけることもありません。
 作文の勉強としても使えそうです。

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