寺子屋オンラインシステムの運営で、第三に考えていることは、自主学習コースで、毎月、学年別の定期テストを実施することです。
テストの実施については、以前から行うことを考えていましたが、生徒の進度に応じてどのような形で行うかという仕組みづくりが難しかったので、実施が先延ばしになっていました。
自主学習コースの現在の教材は、誰でも入手しやすい市販の問題集で解説の詳しいものを中心にしています。
国語については、問題集読書を毎日続ければ必ず国語力が上がります。これ以外に国語力を上げる効果的な勉強法はないと言ってもいいぐらいです。
算数数学については、普通レベルの問題集が百パーセントできるようになれば、小中学校の算数数学もほぼ完璧にできるようになります。ほとんどの生徒は、難問の入っている問題集が八割ぐらいしかできないまま勉強を続けているから成績が上がらないのです。
理科・社会については、学校で教科書を中心に学ぶだけで十分です。小学校低中学年のころから、学校の教科に合わせて家庭で理科も社会もやるようにするから、いたずらに多忙になるのです。
基本的な問題集で自分のペースで勉強を続けられるという点で、自主学習コースは理想的な勉強スタイルなのですが、小中学生でまだ勉強の自覚がないうちは、できなかった問題もできたことにしたり、よくわからない問題もそのまま済ませたりということが起きてきます。
そのために、定期テストをしたいと思ったのですが、市販の教材のままだと、その教材を生かしたテストを作るのはかなり時間がかかります。(既に、小1から中3まで一応作ってはあるのですが、まだ問題数が少ないため)
そこで、個別指導の学習塾で使われていて定評のある問題集を、算数数学、英語に絞って取り入れることにしました。
国語については、現在の市販の国語問題集を引き続き利用し、テストについては、毎月第4週に読解マラソン集の読解問題を行うようにします。この読解マラソン集の問題で満点が取れれば、国語の読解力は完璧と言っていいからです。
算数数学と英語については、個別指導塾の問題集をもとにしてテストを定期的に行うようにします。これで、本人も保護者も学寮kの状況がより正確に把握できるようになります。
学校や塾のテストは、差をつけることを目的としているので、80点取れたからいいとか、90点取れたから安心だということになりがちです。
しかし、本来、テストは100点を取らなければならないものです。基本的な学力については、完璧にできていなければならないのです。
そのかわり、自主学習コースでは、その学年の学力が完全についたら、学年の先取りをして学習を続けていきます。
このようにしていけば、受験期に、受験に特化した勉強をするようになったときもすぐに対応できるからです。
これまで、言葉の森で作文の勉強をしている生徒の保護者から、教科の勉強について相談されることが多かったのですが、今後は、この自主学習コースに参加してもらう形で、教科の勉強はカバーできるようにしたいと思います。
自主学習コースは、通常の個別指導塾の2分の1から3分の1の受講料で、利益よりも生徒へのサービスとして行うクラスですから、効率よく教科の勉強をしたいという言葉の森の生徒はぜひ参加されるとよいと思います。
(つづく)
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勉強の基本は自主学習です。
自分のペースで、重点を決めてやっていくのが最も能率のよい勉強の仕方です。
この勉強姿勢は、学年が上がるにつれて効果を発揮してきます。
社会人の勉強の基本は独学です。
変化の速い時代には、独学でなければ必要なことを学ぶことができないからです。
子供も、大人も、教えてもらうのを待っていては、どんどん遅れてしまうのです。
勉強は、できる子だけができればいいというのではありません。
全員が、例外なくできなければならないのです。
この勉強の典型が暗唱です。
暗唱は、早い遅いの違いはあっても、やれば誰でもできるようになるからです。
同じように、テストも、全員が百点を取ることを目的として行わなければならないのです。
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寺子屋オンラインシステムとは、Zoomというウェブ会議システムを使った少人数のオンライン教育の仕組みのことです。
Zoomの利点は、第一に、マイクやカメラの設定でトラブルがほとんどないことです。
そのため、初めての人でもZoomの会場のリンクをクリックすれば、そのまま自然に参加できます。
第二に、ブレークアウトセッションという分科会の会場をメイン会場の中に作れることです。
必要に応じて参加者が分科会に分かれることができるので、柔軟な運営ができるようになりました。
第三は、参加人数に制限がないことです。
かなり大勢の人が同時に参加しても、動作が遅くなったり画面が粗くなったりすることなくスムーズに運営ができます。
当初、このZoomを使って、子供たちが自由な研究発表のできる思考発表クラブ(現在の名称は、発表学習コース)を行ってきました。
子供たちが、自分の研究や実験をあらかじめ画像や動画でアップロードしておき、Zoomの会場でそれらを画面共有で見ながら各自が発表するという勉強です。
この発表学習コースで、子供たちの思考力や創造力や発表力がトータルに伸びているという実感があったので、今年から作文指導についても、寺子屋オンライン作文コースという名称でスタートさせることにしました。
しかし、作文コースの方も、発表学習コースのように発表と交流の時間を長く取ったために、週1回の授業のあと、別に作文を書く時間を取らなければならないということになってきました。
こうなると、高学年の難しい作文を書く生徒には、負担が大きくなると考えたので、今後は、全体の発表を少なくし、個別指導の時間と作文実習の時間を多く取るようにしようと考えています。
これが、寺子屋オンラインシステムの運営の変更点として、第一に考えていることです。
実習の時間を確保できるようにすると、作文はその日のうちに仕上げるられようになります。
作文を書き終えるまでZoomの会場にいるということにすれば、ある程度強制力があるので、電話指導だけではその日のうちに書き上げられなかった子も、最後まで書き上げることができるようになります。
その意味では、高学年や中高生の生徒の方が、この寺子屋オンラインシステムの作文コースは利点が大きいかもしれません。
個別指導と作文実習を行うと、Zoomの教室の中での交流が少なくなるので、その分、作品を発表するgoogleコミュニティの中で、ほかの人の作品にコメントを書けるような形で交流を深めていきたいと思っています。
個別指導については、生徒と先生が1対1で行うこともできますが、Zoomの特性を生かして、同学年の生徒2、3人が合同で行うことを考えています。
そうすると、同学年の同じ課題で、他の生徒がどういう準備をしてきたかがわかるので、自分の書く作文の参考にもなると思います。
寺子屋オンラインシステムの運営で、第二に考えていることは、少人数のクラスをできるだけ同学年か近い学年にまとめることです。
自分より高学年の生徒の発表は参考になりますが、それは全体の発表交流会の見学で行えるようにし、普段の学習は同学年の生徒で共通の課題や関心のもとに行えるようにしたいと思っています。
(つづく)
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Zoomを使った寺子屋オンラインシステムの教育は、大きな可能性を秘めています。
それは、特に、思考力や創造力や発表力という点数になりにくいものの教育に向いているからです。
成績を上げるだけなら、ビデオ授業でも、同じ学力の生徒の一斉指導でも、それぞれの生徒に併せた個別指導でもできます。
しかし、これから求められる新しい学力は、従来の授業形態ではなかなかできません。
少人数を維持したままて集団授業が行えるというところに、寺子屋オンラインの特徴があります。
その特徴を生かす工夫を今しているところです。
先日まで、携帯電話の代わりにskypeを利用などと言っていましたが、今はskypeよりZoomです。
また、作文の画像をアップロードするというのは、昔は限られた人だけでしたが、今は次第にその方が主流になりつつあります。
今後は、作文の画像も、言葉の森のページにアップロードするのではなく、自分のgoogleフォトなどにアップロードしてそのリンクを言葉の森にアップロードするようになると思います。
最近は、手書きで書くのに時間がかかるからという理由で、音声入力で書く子も何人か出てきました。
これらは、社会全体のAI化、デジタル化の流れの一環なので、これから加速することはあっても後戻りすることはありません。
こういう新しいことは大好きです(笑)。
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国語の得意な子は、国語の問題集を解くような勉強をしていません。
何もしないのに得意なのです。
国語の勉強の本質は、文章を読み取ることですから、特に問題を解くテクニックを知らなくても、読む力のある子は大体できます。
100点を取ろうとすると、問題を解く技術が必要になりますが、普段のテストではそういうところまでする必要はありません。
読む勉強が解く勉強よりも大事だといういちばん大きな理由は、その勉強にかける絶対量が違うからです。
読む勉強の中身は、読書や問題集読書ですから、長時間読んでも大して苦になりません。
それどころか、読むのが楽しくなると、ちょっとした空き時間にも読み続けるようになります。
解く勉強は、勉強のような作業が続くので、少しやるとくたびれます。
30分や1時間もやれば、もうそれ以上はやりたくなくなるのが解く勉強です。
そして、気持ちだけは、しっかり勉強をした感じがしてしまうのです。
楽しく本を読んでいる子と、苦しく国語の問題を解いている子を比べれば、苦しく国語の勉強をしている子の方が成績がよくなりそうですが、実は反対です。
では、解く勉強は必要ないかというと、そうではありません。
入試の国語の場合は、1点差を競うような性質の国語ですから、緻密に解く技術が必要になります。
しかし、それは試験の直前で十分に間に合います。
その直前の勉強が効果を上げるためにも、読む力をつけておく必要があるのです。
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作文の勉強で読む力がつくのは、感想文を書くために、毎日長文を読むからです。
学年相応よりもやや難しい文章を読んでいると、その読む勉強で国語力がついてくるのです。
課題の長文を音読するというのは、短時間でできる効果的な勉強法ですが、なかなか続けられません。
それは、問題集を解くような勉強に比べると、音読は勉強した跡が残らないので張り合いがないからです。
そのうえ、声を出して読んでいると、たいていはお母さんに読み方を注意されます(笑)。
だから、学年が上がるにつれて、「音読は自分の部屋でやる」などと言ってやらなくなるのです。
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社会を良くする最も有効な方法は、子供たちを良い子に育てることです。
日本は、盗難などの犯罪が極めて少ない国だと知られています。
落とした財布が高い確率で戻ってくる国は、日本以外であまりありません。
それは、罰則があるからでも、監視カメラがあるからでも、社会人教育が行き届いているからでもなく、そういう子どもたちが育っているからです。
日本では、「嘘つきは泥棒の始まり」ということわざを誰でも知っています・。
また、他人のために尽くした人が報われるという昔話を子供のころから数多く聞かされています。
これらは、主に家庭教育によって行われたものです。
確かに、学校教育でも、助け合いをの精神を学ぶことやチームワークを大切にすることなどは教えられます。
しかし、それは共通の家庭教育の文化が背後にあるからこそ、有効なものになっているのです。
ところが、これからは異なる家庭環境の子供たちが増えてきます。
2016年の厚生労働省の統計によると、1年間に日本国内で生まれた赤ちゃん約100万人のうち3万人以上が両親又はどちらかの親が外国人となっています。
これからは、異なる家庭環境や文化背景を持つ子供たちが増えてくるのです。
だから、これからの教育は、家庭教育も含めたものにしていく必要があります。
「学力の経済学」では、幼児期の教育が大きな成果を生み出すということが述べられています。
しかし、私はその調査を見て、幼児期の教育そのものよりも、むしろそれと並行して行われた家庭訪問の方にその後の子供たちの成長の源泉があったと思うのです。
ここが、「学力の経済学」の中で見落とされている点です。
この家庭教育を含めた教育をどのように進めていくかということが、これからの教育の課題です。
私は、その答えが寺子屋オンライン教育にあると考えています。
それは、第一に、誰でも距離に関係なく、しかも低コストで、教室に参加することができるからです。
第二に、寺子屋オンライン教育の中心になる作文教育や発表教育は、家庭での親子の対話を学習の重要な要素とするからです。
第三に、寺子屋オンラインの授業のあとすぐに、講師と保護者との懇談を行うことができるからです。
第四に、これらの教育が、個別教育でもなく集団教育でもなく、5、6人の少人数教育というすべての子供が参加し発表するかたちで行うことができるからです。
これまで、この寺子屋オンライン教育は、学年が混在する状態で行われていました。
しかし、今後、学年別にクラスを分け、子供たちの共通の関心に基づいた課題に取り組めるようにしていきたいと思っています。
そのためには、寺子屋オンラインの教育を行える多数の講師が必要になります。
現在、
講師育成講座の参加者を募集しているのは、こういう背景があるからです。
寺子屋オンライン教育は、全国(全世界)どこからでも参加できるとともに、参加者のさまざまなニーズにも応えられる多様性を持っています。
現在は、作文を中心とした勉強が主流ですが、既に国語、算数数学、理科などの教科の勉強にも取り組めるようになっており、更に読書紹介や暗唱発表などの独自の学習にも取り組めるようになっています。
今後は、参加する生徒の希望に応じて、英語暗唱やロボットプログラミングなどにも、更には音楽や絵画などの芸術活動にも取り組めるようになると思います。
家庭教育と結びついた寺子屋オンラインの少人数教育によって、これからの日本の教育は大きく変わっていくと思います。
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これまでは、学力だけがあれば何とかなるという時代でした。
これからは、学力だけでなく、人と協力する力とか、他人に対する思いやりとか、勇気とか、情熱とか、誠実さとか、学力以外のものが重要になります。
その学力以外のものを育てる場は、今のところ家庭しかありません。
家庭教育力の差がおおきな差になる時代になってきたのです。
家庭教育が大事だと言っても、自分の家の家庭教育に自信を持てる家庭はありません。
どの家庭でも、試行錯誤しながら子育てを行っています。
勉強はどのくらいしたらいいのか、テレビはどのくらい見せてもいいのか、本はどのくらい読ませるか、ゲームやスマホはどうしたらいいのか、そういうことがすべてまだ日本の教育文化として確立していません。
だから、多くの家庭では、とりあえず勉強だけできればいいとなってしまうのです。
しかし、これからは、勉強以外のものの重要さがますす大きくなる時代です。
夫婦共働きの多忙な両親に合わせた新しい家庭教育を作っていく必要があるのです。
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小学4年生の作文がよく書ける子のお母さんは、次のような疑問を持つことが多いと思います。
それは、作文もよく書けているし、読書もよくしているが、中学入試の作文や読書としては、このままでは不十分なのではないかという疑問です。
言葉の森では、小学5年生の課題から感想文課題が増え、その感想文のもとになる長文も急に難しいものになります。
この小5からの課題は、しっかり書けばそのまま中学入試の作文と同じことが要求されるものなので、準備もかなり大変になります。
このため、小4から小5に切り替わるときに、急に作文が書けなくなる子も多いのです。
小4から小5への質的な変化というものは、算数の分野でも同じようにあります。
それまでの、特に考えなくても作業的に解ける算数から、考えないと解けない算数に内容が大きく変化していくのです。
この変化は、子供の精神年齢の成長に対応したものです。
小学4年生のある意味で無邪気な小学生の感覚から、物事を構造的にとらえ、背後にある抽象的なものの本質に気づく時期が小学5年生なのです。
小学4年生で作文をよく書ける子は、楽々と書いている印象を受けます。
読書についても、遊びと同じような軽い感覚で何冊も読んでいきます。
それを見ていると、お母さんは、もう少し苦労するような作文や読書をさせる必要があるのではないかと思ってしまいます。
しかし、そこで年齢を超えた先取りをするよりも、今の年齢に合ったことを十分に満喫しておくことが大切になります。
知的なことに関しては、先取りの学習は意味がありますが、精神的なことに関しては、先取りするよりも今の精神年齢に合ったことを確実に消化していく必要があるのです。
だから、小4で作文がよく書ける子は、今の生活作文を更に充実させて、小学生時代の記念となる作文をたっぷり書いておくことです。
それだけではものたりないというのであれば、コンクールの入選を目指すというような方向でがんばるといいのです。
読書も遊びも、小学4年生の無邪気な時期にできることを十分にしておくことです。
その土台の上に、小学5年生の考える作文や考える読書が育つようになります。
そして、何よりも子供時代は、その子供時代を幸福に生きることが最も大切で、将来の準備のためにする苦労のようなものはできるだけ少なくしておく方がいいのです。
それは、やがて子供自身に、自ら苦労を求めて挑戦することに喜びを感じるような時期が来るからです。
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知的なことは、先取りをさせることができますが、精神的なことは先取りができません。
ある精神年齢にならないと、頭ではわかったつもりでも、実感ではわからないということがあるからです。
大事なのは、その子の精神年齢に合ったことを十分に満喫させることで、それが次の成長の土台になります。
それぞれの時期にその子が最も幸福だと感じる生き方をさせることが、最も自然で人間らしい生き方なのです。
「這えば立て立てば歩めの親心」という言葉がありますが、作文や読書にも似たところがあります。
子供が楽に楽しく自由自在に書いているように見えると、もっと難しい、苦しんで書くようなことをさせたいと思ってしまうのです。
しかし、はいはいの時期には、しっかりはいはいをさせることが大事です。
楽しんで書いている時期には、しっかり楽しませることが大事なのです。
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