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頭のよさは、作文力に表れる as/551.html
森川林 2009/07/09 08:41 



 成績をよくするという表面的なところに目を向けるのではなく、もっと根本にある頭をよくすることに目を向けていれば、必要なときに成績をよくすることができます。

 今、世の中で活躍している人で、子供のころからずっと成績がよかったという人はむしろ少数派です。ほとんどの人は、普通の成績で、途中いろいろな脱線を経ながら成長しています。そして、ある日やる気になったときに、猛然と勉強を始めて実力を発揮していったのです。

 そのやる気になったときに、ぐんぐん伸びる人と、あまり伸びない人とがいます。必要なときに伸びる力があることが、頭がよいということです。

 小さいころから、時間とお金をかけて、コツコツと成績を積み上げるというやり方だけが勉強なのではありません。小さいころはよい頭を作っておき、必要なときに集中して勉強するというのが最も無駄のない方法なのです。

 小さいころから努力して取り組むことが必要なのは、成績を上げるための努力ではなく、頭をよくするための努力です。


 では、頭をよくするとはどういうことでしょうか。第一は理解力をつけることです。第二は思考力をつけることです。第三は創造力をつけることです。そして、第四はそれらを表現する表現力をつけることです。

 このうち、理解力を除く三つの力、思考力、創造力、表現力は、主に作文力という形で表面に表れてきます。最近の作文小論文入試では、与えられた文章を読んでその感想を述べるという形が多いので、その感想小論文という形であれば、理解力も作文力の中に含まれます。

 逆に、ペーパーテストのような形で見ることができるのは、主に理解力と思考力の一部です。しかし、テストで分かる力というものは人為的なものなので、テストの解き方のコツに慣れているかどうかによって大きく左右されます。テストの点数よりも、普段その子が書いていることや言っていることに接して受ける感じの方が本当の実力が分かるのです。

 成績はその子の過去の勉強のかんばり度がわかるだけですが、作文には、その子の本当の実力が表れます。推薦入試で、作文や面接の試験があるのは、そういう事情があるからです。

 頭がよいか悪いかは、作文を書く力を見れば分かると言ってもいいでしょう。ですから、頭をよくする勉強は、作文力をつける勉強ということで考えていくことができるのです。

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成績をよくする時代は終わり、これからは頭をよくする時代に as/550.html
森川林 2009/07/08 12:08 


 成績を良くする時代は終わりつつあります。これからは頭をよくする時代です。

 では、なぜ成績をよくする時代が終わりつつあるのでしょうか。


 第一は、社会のグローバル化の流れによってです。

 江戸時代の藩が県になり日本の一部になったように、現在の日本は、これから、世界の中の一つの国という面をますます強めていきます。日本で名前を知られた大学でも、世界の基準でいうと様々な大学の一つでしかなく、世界的な基準では、学歴は「参考までに聞いておく」という程度のものになっています。

 特に、最近増えているAO入試や内部進学によって、学歴と学力の相関は弱くなっています。さらに、学歴と実力については、もっと弱い相関しかないと多くの人が感じるようになっています。

 成績をよくして希望の大学に入ることは、もちろん大事なことですが、それだけでは、まだ出発点の一つに立ったにすぎない、ということなのです。


 成績の時代が終わりつつある第二の理由は、流動化した社会が生まれているからです。

 学校の成績は、小、中学校のころまでは勉強の仕方次第で、ある程度上位を占めることができます。しかし、高校、大学と進むにつれて、勉強の仕方よりも、本人の努力や実力が大きく物を言うようになってきます。

 P・F・ドラッカー氏氏は、これからの企業の平均寿命は30年程度だから、人間が持っている知識の寿命の方が、勤める企業よりもはるかに長くなるだろうと述べています。

 勉強をして、いい成績を上げて、いい学校に入ったらそれでおしまいというのは、過去の時代の話です。これからは、時代の変化に応じて新しい知識や技能を次々と学んでいく形が日常化していきます。

 今有利な資格や学歴というものは確かにありますが、一生有利な資格や学歴はない、と考えておくことが大切です。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

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