国語の問題というと読解問題が中心ですが、中学・高校・大学の難関校では読解問題はほとんどありません。
その理由は、学力のある生徒は、普通の読解問題では高得点を取れるので、試験の意味がなくなるからです。
学力の優秀な生徒に差をつけるような読解検定を作るのは極めて難しく、大学入試の共通テストでも問題を作成する人はかなり苦労していると思います。
だから、難関校の国語問題は、読解問題よりも記述問題が中心になるのです。
ところが、PISAのテストの結果や全国学力テストの結果を見てもわかるように、日本の生徒は記述が苦手です。
苦手というよりも、記述問題に答えを書くことを最初から諦める無答率が高いのです。
これは生徒の心理として、答えのある問題については安心して書けるが、答えのない問題については自分の考えで書くのをためらうという日本の文化的な心理があるからだとも思います。
ここで私の個人的な話になりますが、大学のある科目の試験で、内容のわからない記述問題が出たときに、それをすっかり全部埋めて合格したことがあります。
また、就職試験でも、勉強したことのない問題が出てきたとき、その場であれこれ考えて解答欄を全部埋めて合格したことがあります。
こういうことは、記述問題の得意な人にはよくあるようで、選択問題では○か×かはっきりしてしまうが、記述問題ではわからなくても自分なりに書けば何とかなることがあるということです。。
つまり、記述力のある人は、記述問題が得意だということです。
記述問題が苦手だということは、作文も苦手ということです。
逆に言えば、作文が得意な人は、記述問題も得意になるということです。
では、その記述力、作文力が得意になるためにはどうしたらいいかというと、第一はもちろん記述問題に慣れることです。
言葉の森の記述検定などを利用して、どんなテーマについても、時間内に必要な字数を書くという練習をしておくといいのです。
もう一つは、書き慣れることの土台にある、言葉が次々に出てくる力をつけておく必要があります。
言葉が次々に出てくる能力、それが読書力です。
本を読んでいるとその本に熱中して、人の声も聞こえないぐらいに読むということが、小学生の時期には時どきあります。
そういう子にとって、読書の文字の世界は、実際の現実的な世界と同じように臨場感がある世界です。
その臨場感のある世界を、文章によって体験した子は、自分が何かを考えるときに、その臨場感した体験の言葉を自然に使えるようになるのです。
つまり、大事なのは、そこで使う言葉が身体化されているということなのです。
記述力を高めるためには、記述問題に慣れること、そして読書で語彙力を増やすことです。
記述検定のページは、10月分と11月分の小3から高3までのそれぞれの学年の問題ができるようになっています。
https://www.mori7.com/ksk/
12月分以降は、今後作成します。
記述検定は、キーボード入力だけでなく、音声入力もできるようになっています。
キーボード入力に慣れていない人は、音声入力で取り組んでください。
◆◆推薦図書リストを更新し、ほぼすべての図書に問題を作成
図書検定のリストを編集し、全360冊のほぼすべての図書に問題を新たに作成しました。
https://www.mori7.com/kst/
また、学年別の図書配分のバランスも見直しました。
学年ごとの級別の配分は、図書検定11級の小学1・2年生相当から、1級の高校3年生相当まで、各級30~40冊のリストで選んでいます。
◆◆言葉の森の生徒・保護者の利用は無料です
図書検定は、他の検定試験や音読マラソンと同様、言葉の森の生徒・ご兄弟・保護者・祖父母の方のご利用は無料です。
保護者の方は、保護者用の個人コード(生徒コード)を新たに作れます。
https://www.mori7.com/sima/aki_tori.php
作成されましたら「個別れんらく」で、naneあてにご連絡ください。
◆◆海外の生徒も利用できるようにKindle対応の本を中心に
推薦図書リストは、海外の生徒も利用できるように、Kindle化されている本を中心にしています。
ただし、Kindleは、読みたい本をすぐに入手でき、持ち運びにも便利ですが、小学3年生までは、できるだけ紙の本で読むといいです。
また、小学校高学年・中学生・高校生でも、面白かった本は紙の本として手元に置いておくといいです。
◆◆選択問題2問と記述問題3問で、読書の内容を深める
図書検定の選択問題は、その本を読んでいれば分かるような基本的な問題が2問です。
選択問題の2問のほかに、記述問題が3問あります。
記述問題の内容は、「いちばん心に残ったこと」「似た話や似た例」「全体の感想」という、言葉の森の読書感想文の勉強と同じような内容になっています。
記述問題の字数は、60字から100字程度の短い文章で答えるようになっています。
読書は、本を読んで終わりではありません。
読んだことを自分の経験や考えと結びつけることで、読書の内容が自分のものになっていくのです。
また、記述問題は、テキスト入力(キーボード入力)とともに音声入力もできるので、小学校低学年の生徒も解答を入れられます。
◆◆推薦図書リストを、昔の本屋さんのように利用しよう
昔の子供たちは、学校の帰り道に本屋さんがあったので、そこで立ち読みをしてから帰るということがよくありました。
本屋さんに寄って立ち読みをするという行動から、新しい本との出会いがあったという人も多かったと思います。
この推薦図書リストは、昔の帰り道にあった本屋さんの代わりとして活用してもらえればと思います。
読書で大切なのは、自分が読みたいと思っていた本を読むことだけではありません。
自分では選ばなかった本と偶然に出会うことも、読書の大きな楽しみです。
◆◆中学生・高校生には、あえて難しい本もすすめたい
推薦図書リストには、中学生・高校生の級になると、かなり難しい本も並んでいます。
なぜ難しい本を読むのかというと、難しい本は、読んだときには十分に理解できなくても、あとになって自分の中に残るものがあるからです。
大雑把な言い方ですが、「易しい本を10冊読むよりも、難しい本を1冊読む方が価値がある」と私は考えています。
◆◆難しい本を読む時間を、若いうちに持とう
社会に出て仕事をするようになると、難しい本を読むということはなかなかできなくなります。
だから、中学生、高校生のうちに、またその先の大学生のうちに、できるだけ難しい本を読んでいくといいのです。
今回更新した推薦図書リストを参考にして、ぜひ、これまで読んだことのない本を手に取ってみてください。
そして、面白い本だけでなく、少し難しそうだと思う本にも挑戦してみてください。
そのような読書の積み重ねが、将来の自分の考える力を育てていくのです。