言葉の森では、作文を樹木になぞらえています。
第1は、幹や枝となる部分です。これは、文章の骨格となる構成です。これは、作文が内側に向かってまとまろうとする動きです。
第2は、葉となる部分です。葉は光合成をして栄養素を作ります。これは、作文の題材で、材料や実例となる部分です。この実例は、過去の経験や知識に基づいていま す。
第3は、実となる部分です。これが樹木の目指すもので、作文で言えば主題にあたります。その作文のテーマや感想や意見と言い換えることもできます。作文が未来に向かって働きかける部分です。
第4は、花となる部分です。これは、鳥や蝶を引きつける部分で、作文で言えば表現にあたります。いい表現、美しい表現をすることによって、作文が外側に向かって働きかけるという部分です。
この表現に似たものとして表記があります。これは、木でいうと根にあたる部分です。美しい表現の土台には正しい表記があります。その点で表現と表記は同じ性質のものです。
従来の作文評価は、作文をトータルに見てうまいかどうかという見方をしていました。そこで、誤字や誤表記の指摘と主観的な評価が作文指導の中心になっていました。
言葉の森では、この作文の構成・題材・表現・主題・表記・字数を、小1から高3までどういう流れで教えるかというカリキュラムを作って指導しています。
例えば、低学年の作文で会話を指導する場合でも、会話は題材にあたるので、将来の体験実例を書くときの前段階として指導することになります。体験実例は、やがて社会実例に発展します。社会実例の中には、伝記実例、昔話実例、自然科学実例などがあります。
そこで、「この作文は題材がよくできている」という評価をした場合、小学2年生では、生き生きとした会話が書けているということですが、高校2年生では、自然科学実例がよく書けているという評価になっているのです。
さて、最初に、樹木や作文の、内側、外側、過去、未来、という四つの方向を書きましたが、この四つの方向は、実は物事の本質に深く関わっています。

←アマゾンで購入できます。
今月発売の「プレジデントFamily」5月号に、言葉の森が協力した記事があります。タイトルは、「開成が問う『五〇字表現力』を養う毎日の作文」です。
開成中学の国語の問題は、ほとんどが記述式です。選択式の問題は数えるほどで、年度によっては全くない年もあります。漢字の問題はありますが、おまけのようなもので、記述式の問題ができれば、開成の国語は攻略できます。また、選択式の問題も、解法のテクニックで解けるようなものはなく、全部の内容を読み取っていないと正解にならないような選択式の問題になっています。
開成の国語が記述中心なのはなぜかというと、東大の国語もすべて記述式だからです。
大学入試センター試験は、四問選択式ですが、選択式問題は、作成者がどれほど工夫して作っても満点をとる子が続出します。記述式は、採点の手間はかかりますが、受験生の実力がかなり正確に出ます。もっと正確に出るのは作文ですが、これは採点の手間がかかるので、入試で本格的に取り入れているところは、あまりありません。
さて、東大型の記述中心の国語問題は、言葉の森の生徒なら超得意です(笑)。毎週、長文を読んで600-1200字の小論文を書いているので、問題文を読んで50字から100字程度の文章に意見をまとめるというのは、苦もなくできます。時間が余って困るぐらいです。(国語の問題に関してだけですが)
記述力をつけるのに必要なのは、語彙と発想と慣れです。語彙については、今月の「プレジデントFamily」の記事が参考になると思います。発想については、家庭での対話が大事です。慣れについては、書く時間を増やすことです。
ぜひ、今月号の「プレジデントFamily」を書店で立ち読み、ではなかった、書店で購入して、今後の勉強の参考にしてください。「ノート大解剖」の特集もあってお買い得です。