ログイン ログアウト 登録
 国語力の不思議(その2) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1019番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/16
国語力の不思議(その2) as/1019.html
森川林 2010/09/15 00:53 



 算数・数学の勉強は、できるかできないかが、問題が解けるか解けないかという形で表れます。だから、解けない問題が解けるようになるように、教え方をブレークダウンしていけばやがて解けるようになるという道筋があります。

 しかし、国語はそうではありません。できるかできないかということが、白黒はっきり決着がつくような形で表れるのではなく、その子の読解力に応じて、浅くわかるところから深くわかるところまで限りなく曖昧に広がっているのです。

 それは、ちょうど同じ健康体でも、すごく元気のいい人と、あまり元気のない人との差のような形で表れる差異です。原因の特定できる病気であれば、人工的な治療が成功することもしばしばあります。しかし、元気のない人をもっと元気よくするというのは、人工的な治療ではなく、自然の対応が向いています。

 健康で元気のいい人は、野菜を中心に食べる、適度の運動をする、自然に接する、明るい心でいる、など共通する特徴があります。

 国語の勉強も、これに似ています。国語の得意な子に共通しているのは、特に国語の勉強などしていないということです。国語の得意な子は、本が好きで本をよく読んでいるうちに自然に国語が得意になったというケースがほとんどです。

 このように考えると、逆に国語の勉強法がわかってきます。それは、いい文章を繰り返し読むことです。マンガを繰り返し読んでも国語の力はつきません。逆に、難しい文章をたまに読むだけでも国語の力はつきません。難しくて面白い文章を何度も繰り返し読むというのが、国語の力につながっています。

 算数・数学のできない子は、前の学年まで戻って勉強することで力がつきます。算数・数学は、低学年から高学年に向けて積み上げていく勉強だからです。

 国語のできない子は、前の学年に戻るという方法が取れません。国語は、低学年からの積み上げの勉強ではないからです。

 国語の力の土台は、前の学年ではなく、その子の家庭の国語環境にあります。家庭で、読み聞かせや読書や対話のある子は、国語力の土台が自然にできています。それらの中でも特に重要なのが読書です。受験生の場合は、通常の読書の時間はあまり取れなくなるので、読む勉強の密度を高めるために、問題集読書などを取り入れていく必要があります。

 国語の学力と、算数・数学の学力とは、性質が根本的に異なります。国語の勉強は、文章を読む練習をすることで、算数・数学の勉強は、問題を解く練習をすることで進めていくものです。しかし、国語のテストも、問題を解く形で出されるので、多くの生徒は国語の勉強も、問題を解く形でやろうとしてしまうことが多いのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 

コメント欄

コメントフォーム
国語力の不思議(その2) 森川林 20100915 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
やゆよら (スパム投稿を防ぐために五十音表の「やゆよら」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 
コメント1~10件
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
【合格速報】順 森川林
Rさん、合格おめでとう!! よくがんばりましたね。 受験 12/4
記事 5387番
森リン大賞9月 森川林
 従来の作文評価は、小学校低学年では「正しい表記ができている 11/9
記事 5382番
作文の学習で大 森川林
 「何でも自由に書いてごらん。いつでも褒めてあげるから」とい 11/7
記事 5381番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
「給与の決め方 佐藤隆
経営者・経営層の皆さまへ 突然ですが、御社の人件費?? 12/12
森の掲示板
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習