ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 読むだけで成績が上がる新しい読解、記述、作文の本――国語のテストは点数ではなく解いた跡を見る Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3535番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
読むだけで成績が上がる新しい読解、記述、作文の本――国語のテストは点数ではなく解いた跡を見る as/3535.html
森川林 2019/02/05 05:56 

 「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」が発売されます。
 この本は文字どおり、読むだけで成績が上がる実践的な内容になっています。

 例えば、以前こんなことがありました。
 言葉の森で作文の勉強をしていた中学3年生の数学のよくできる生徒がいました。
 あるとき、その生徒のお母さんから電話がありました。「国語の成績がなかなか上がらない」というのです。
 作文は毎週よく両親にも取材して、充実した内容のものを書いていましたから、勉強はしっかりやっているはずです。

 それではということで、実際の国語の試験問題と解答を持ってきてもらうようにしました。
 そのお母さんと生徒の前で、問題文を読み、その問題をどう解くかということを1時間ぐらい問題ごとに説明しました。
 それまでも、一般論としてそういう解き方を話しているはずなのですが、実際にそのとおりにやっている子は少ないのです。

 解き方を説明すると、お母さんもその生徒も驚いていました。
 その後、その子の国語の成績はどんどん上がり、入試は神奈川県のトップ校のひとつと言われるところに合格しました。
 その生徒が、入試のあと、しばらくして何かの話をしているとき、「国語だけは得意なんです」と言うのを聞いて思わず笑ってしまいました。

 このように、国語は解き方さえわかれば、成績は必ず上がる教科なのです。
 しかも、解き方を考えながら問題文を読むと深く読む力がつくので、成績だけでなく読む力もついてきます。

 ところが、こういう解き方を一人ひとりに説明するような時間はなかなか取れません。
 一斉指導で説明することもできますが、その場合ほとんどの生徒は他人事のように聞くだけです。
 だから、家庭でお父さんやお母さんが、子供に国語の問題の解き方を教えるときに使えるようにと考えてこの本を書きました。

 この本は、問題集のような体裁になっていますが、問題を解くための本ではありません。
 読解の問題については、問題文を読み、問題の選択肢を読んだあと、解説を読んでください。
 この解説が、問題の解き方を詳しく説明しています。

 解説を読むと、読解の問題をどのように解くのかがわかります。
 不思議なことに、こういう解き方を学校や塾で教えられている子はかなり少ないです。
 だから、小学生だけでなく、中学生、高校生も含めて、ほとんどの子がこの解き方を教えられたあとすぐに次の週から成績が上がるのです。

 読解問題の解き方のコツをひとことで言うと、緻密に読むということです。
 四つの選択肢があれば、その一つひとつについて、次の図のようにどの部分が問題文の本文と必ずしも一致していないかということを明らかにしながら読むのです。

▽筑波大附属中2017年の問題(「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」より)


 子供が国語のテストを持って帰ってきたとき、親がまず見るべきなのは、点数ではありません。
 点数だけ見ると、「今回はよくできた」とか、「今回はよくできなかった」とかいうだけの話になってしまいます。

 テストが返却されたときにまず見るのは、選択問題を解いた跡です。
 選択肢の一つひとつについて、その選択肢を選ばなかった根拠が、傍線や×や△や?の記号でメモしてあれば、その子の成績は必ず上がります。
 しかし、たぶんほとんどの子は、何も書いていないきれいな問題用紙を持ってきます。書いてあるとしても、せいぜい合っていると思った選択肢に○がついているくらいです。
 合っているものを選ぶのではなく、合っていないものがなぜ合っていないのかという根拠としての△や×や?のメモをしてあることが大事なのです。

 ただし、こういう厳密な読み方をするのは、入試問題などの難しい問題を解くときだけですから、小学校低中学年のうちはこのような読み方をしないでも解けるものがほとんどです。
 だから、多くの子は、そのやさしい解き方の延長で、高学年や中高生になってからもやさしい解き方をしてしまうのです。
 したがって、この本は、まずお父さんやお母さんに読んでほしい本ということになります。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 

コメント欄

森川林 2019年2月5日 6時43分  
 言葉の森は、国語の教室ではありません。
 国語の勉強のようなものは、やれば誰でもできるようになるのです。
 わざわざ人に教えてもらうようなものではありません。

 ひとりでできないのは、作文です。
 それは、答えのない勉強で、やればどこまでも実力が上がる勉強だからです。

 しかし、この本を書いたのは、ひとりで国語の勉強ができない人がほとんどだったからです。
 この本には、読解、記述、作文の方法が書いてあります。
 いずれも、類書にはない内容ですから、子供さんがお父さんやお母さんと一緒に読んでいただくといいと思います。


nane 2019年2月5日 6時56分  
 勉強は大きく分けて、答えのある勉強と答えのない勉強とに分かれます。
 答えのある勉強は点数がつくので、誰でも関心を持ちます。
 しかし、長い人生で考えると、答えのある勉強で身につけた力の寿命は短いのです。

 大事なのは、答えのない勉強の方です。
 その勉強の典型が、作文と読書です。

 作文も読書も答えがないから、誰でもできます。
 また、答えがないから、特にやらなくても何も言われません。
 しかし、答えがないから、どこまでも高度なところまで進めるのです。

 言葉の森は、今のところ高3までの課題で卒業ということにしていますが、本当はその先の課題もあるのです(笑)。
 今の仕事が落ち着いたら、大学生や社会人の人を対象にしたいつまでも続けられる学問クラブというのを開きたいと思っています。

コメントフォーム
読むだけで成績が上がる新しい読解、記述、作文の本――国語のテストは点数ではなく解いた跡を見る 森川林 20190205 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
れろわを (スパム投稿を防ぐために五十音表の「れろわを」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 
コメント1~10件
コメントは24時間以内に表示
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習