ログイン ログアウト 登録
 作文力のない子に、いくらていねいな添削をしても上達はしない――では、どうしたらいいのか。 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 4480番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/7/17
作文力のない子に、いくらていねいな添削をしても上達はしない――では、どうしたらいいのか。 as/4480.html
森川林 2022/06/14 21:30 


●動画:https://youtu.be/A2vf12MYF6k

 日本経済新聞に、次のような記事が乗っていました。
====
「作文が書けない 中学生、添削指導なく」

「学校の課題で国語の作文を書いたので見てください」。中3のA子が自信なさそうな顔でやって来た。読んでみると支離滅裂で言いたいことが分からない。
後日返却された作文を見たが、評価だけで添削はされていなかった。同じ学校の生徒で「作文の書き方が分からない」と言う者はほかにもおり、彼らの返却された作文も誤字脱字の指摘がある程度だった。
20年ほど塾講師をしているが、国語力の低下は深刻だと感じる。ここ数年...
====

 このように書いた塾講師の方も、作文指導については、学校の先生と似たりよったりだと思います。
 その理由は、よい添削指導があれば、子供たちの作文力は上達するという前提があるからです。
 実は、その前提が間違っているのです。

 作文力のない子に、いくらていねいな添削指導をしても上達することはありません。
 それよりも、その添削が嫌になって、指導を受けることをやめるようになります。
 添削で子供たちの作文を上達させることはできません。
 これが、多くの先生や保護者が共通して陥っている間違いです。

 作文力がないのは、文章の正しい書き方がわからないからではなく、読む力が不足しているからなのです。
 文章を読み取る力は、言い換えれば思考力です。
 文章を読み取る力がない子は、思考力がないから、思考力を必要とする文章が書けないのです。
 だから、そういう子でも、思考力を必要としない文章や、思考力を必要としないお喋りは普通にできます。

 では、どうしたらいいかというと、その方法はただひとつ、難しい文章を読む力をつけることです。
 その方法が問題集読書です。国語の問題集の問題文だけを毎日音読するのです。
 問題集読書で大事なのは、毎日欠かさずということです。

 国語力は筋力のようなもので、週に2、3回読むだけでは、維持するのがやっとです。読む力をつけることはできません。週に1、2回では、かえって読む力が低下するぐらいです。

 毎日読み続けることによって、読む力はついてきます。その読む力の上に、読解問題を解くコツがあります。
 問題の解き方を知るだけで国語力が伸びるということはありません。基盤になるのは、あくまでも読む力をつけておくことなのです。

 では、毎日問題集読書で難しい文章を読み続けて、どのくらいで読む力がついてくるかというと、それは大体6か月です。
 解き方のコツは、1日で上昇することがあります。しかし、読む力は、それよりもはるかに長い時間がかかるのです。

 なぜ、そのように時間がかかるかというと、子供たちがそれまでの人生で費やしてきた読書量には驚くほど大きな差があるからです。
 ある子は、暇さえあれば本を読んでいます。2、3日で1冊読み終えることが普通のようにあります。
 しかし、ほかのある子は、本をほとんど読みません。1か月に1冊読むかどうかというところです。
 しかし、この読書量が全く異なる二人が、学校の成績ではそれほど大きな差がないことが多いのです。なぜなら、学校の成績のほとんどは知識によるものなので、ある程度勉強をすれば誰でもできるようになるからです。
 作文力や読書力は、知識の勉強ではなく、スポーツや音楽の練習と同じようにしてつくものです。
 練習の量を積み重ねることだけが上達する道で、要領のいい近道のようなものはないのです。

 以上、ちょっと厳しい言い方になるかもしれませんが、国語力、作文力をつける方法は単純です。難しい文章を毎日読み続けることだけです。

 言葉の森が国語読解クラスを始めたのは、この問題集読書を少しでも続けやすくするためです。
 だから、国語読解クラスで国語力を上げるためには、この毎日の問題集読書が第一の条件になるのです。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

コメント欄

森川林 2022年6月14日 22時9分  
 作文については、大きな誤解があります。
 それは、作文は直せば上達すると考える人が多いことです。
 作文は、直して上手になるものではありません。
 最初から上手に書くから上手なのです。
 では、最初から上手に書くためにはどうしたらよいかというと、それは読む力をつけることなのです。
 読解にも誤解があります。
 解き方の解説を読めば読解力がつくと考える人が多いことです。
 解き方のコツで成績が上がるのは、読む力がある人だけです。
 だから、まず読む力をつけることが大事です。
 その方法は、問題集読書を毎日続けることなのです。


ゆきち 2023年6月16日 11時17分  
読書は大好きで大好きでたくさん読みました。
でも、作文はとても苦手です。書いてるうちに何が書きたいのか分からなくなってしまいます。何に要点を置けばいいか、悪い文章、良い文章の比較をしながら教えるのが良いのではないかと思います。

森川林 2023年6月16日 11時46分  
 ゆきちさん、コメントありがとう。
 作文が苦手だと思う理由は、自分の書いた作文に低い評価をされたことがあるからです。
 そういう子供たちはたくさんいます。
 いいところを褒めて伸ばせば、みんな得意になります。

コメントフォーム
作文力のない子に、いくらていねいな添削をしても上達はしない――では、どうしたらいいのか。 森川林 20220614 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
おかきく (スパム投稿を防ぐために五十音表の「おかきく」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 国語力読解力(155) 問題集読書(33) 
コメント1~10件
コメントは24時間以内に表示
掛け声だけでな 森川林
 あおさん、ありがとう。  読書会、確かにいいですね。 6/12
記事 5344番
掛け声だけでな あお
読書会っていいと思います。私は2年ほど前から地域の読書会に入 6/10
記事 5344番
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
朝日中高生新聞 森川林
朝日中高生新聞7/13の「天声人語で200字作文」で紹介され 7/14
森川林日記
第十番 冬が近 あういと
問三のBと問4のBが分かりません。 教えてください。 7/9
国語読解掲示板
読書のレベルを 森川林
 変な本を読んでいる子がいたので、聞いてみると、「ビブリオバ 7/6
森川林日記
「世界の教育は 森川林
 著者の白井さんは、よく調べて勉強している。  現在の 7/4
森川林日記
以超、以満とい 森川林
 「以超」は、以上、以降、以後だが、そこを含まずそこを超えた 7/2
森川林日記
2025年6月 森川林
●サマーキャンプ、8/14満員、8/15ほぼ満員。 6/23
森の掲示板
推薦図書検定の 森川林
推薦図書検定のキャラクター、「森ファン」 森のエレファント 6/1
森川林日記
作検のキャッチ 森川林
覚える学習から考える学習へ AI作文検定 AIが測定する 6/1
森川林日記
作検のキャラク 森川林
作検の新しいキャラクター、作シカくん。 5/31
森川林日記
「世界秩序が変 森川林
 「失われた30年」は、「雇用を守る」という日本自らが選んだ 5/27
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン