世の中には、言葉の森以外に、さまざまな作文教室や国語教室があります。
ときどき、問い合わせの方から、「どういうところが違うのですか」という質問を受けますので、今回はそれを説明します。
第一は、作文教室の中で最も古くから始めているということです。長い伝統があるので、指導のノウハウもいちばん多く蓄積されていると思います。
これは、言葉の森のホームページをごらんになるとよくわかります。言葉の森のホームページは1996年から開設しているので(言葉の森の開設自体はもっと以前から)、その当時の生徒の作品や指導の記録が残っています。そのころ小学生だった生徒は、みんなもう立派な社会人です。
第二は、通信指導なのに、担任の先生からの電話による説明が毎週あるということです。担任の先生が決まっているということは、生徒によっては、同じ先生に小学生のころからずっと何年間も担当してもらうこともあるということです。
作文の内容というものは、添削した先生は意外とよく覚えているもので、電話指導中に、「そういえば、○○君はもう中学生だけど、小学生のときにこんなこと書いていたじゃない」などという話になることもあります。
この電話による担任制度というものは、少人数の教室でなければできないので、言葉の森以外にはやっているところはないと思います。言葉の森の生徒は現在約1000名ですが、その1000名の生徒を約80人の担当の先生が毎週電話で指導するという体制をとっています。
第三は、授業のふりかえや質問などが随時できるということです。電話指導の時間に電話に出られないということは、だれでもときどきあります。そのときに、ほかの曜日や時間にふりかえて、その週の授業の説明を聞くことができます。
また、電話指導の時間帯もかなり幅が広いので、部活などで帰りが遅い生徒も、遅い時間帯に授業を受けることができるようになっています。
これらの事情から、言葉の森の作文指導は、通信指導でありながら毎回の提出率がきわめて高いという特徴を持っているのです。(つづく)
A君は、高校入試の推薦で作文の試験があるので、言葉の森の先生に聞いてみました。
「入試向けの作文って、難しいんですか。どういうのが出るんですか」
すると、先生の答えは、意外にも、
「確かに難しいけど、君は、これまで勉強していたから大丈夫だよ」
でした。
中学生の作文の課題は、そのまま高校入試にも、大学入試にも生かせる内容だったのです。A君は、どうりで毎週の勉強が難しいはずだったと思いました。
入試向けの受験コースは、過去問に合わせてやっていきます。しかし、その学校は過去問が公開されていなかったので、一般に出そうな題名で受験作文の練習をすることにしました。
A君は、それから約2ヶ月間、受験用の作文の課題を練習しました。どの課題も、これまで練習してきた作文の延長で書くことができました。A君は、作文を書きなれているので、スピードと字数には自信があります。先生も、「試験は大丈夫だから、自信を持ってやっておいで」と言ってくれました。
ところが、実際の試験では、全然予想していなかった課題が出ました。Σ(゜□゜;)ガーン(。□。;)ガーン(;゜□゜)ガーン!!
言葉の森の課題は、全体に真面目なものが多く、本格的な小論文の練習ということでやっていましたが、入試にで出た課題は、最近の流行語とコマーシャルをもとにしたかなりくだけたテーマでした。
A君は、毎日部活で夜遅くまで練習をしていたので、テレビを見るような時間はほとんどありません。だから、課題で出た流行語とコマーシャルも、どこかで聞いたような記憶はありますが、意味がよくわからないものでした。しかし、わからないと言ってあきらめるわけにはいきません。
ここで、A君のがんばりが出てきました。せっかく、小学生からやってきた言葉の森の勉強です。作文の課題の意味がよくわからなかったからということで引き下がるわけにはいきません。A君は、これまでの作文の練習で書いた実例を思い出して、テーマに合いそうな話を書き進めていきました。
いったん書き出すと、書くスピードには自信があります。時間にだいぶ余裕がある状態で結びの段落まで来ました。結びの5行は、格好よく決めなければなりません。結びの表現を決めるということは、先生に言われたわけではありませんが、これまでの言葉の森の勉強で自然にそういう感覚が身についていたのです。
A君は、書き出しのキーワードとテーマのキーワードと、最後の意見の内容をじっくり眺めて、格好のよい結び方を考えつきました。書き終えたあと、全体を読み直してみると、テーマの意味がよくわからないにもかかわらず、かなりうまくまとまっています。A君は、もうこれでいいやと思いました。
試験が終わり、言葉の森の先生に会って、どんな問題でどんなふうに書いたのかを話しました。ひととおり話し終わると、先生は、「うん、合格だ」と言いました。A君が、「ええっ! でも、課題の意味が全然わからなかったんですよ」と言うと、先生は、「結びに光る表現を入れるぐらいだったら、まず大丈夫」と言いました。
合格発表は一週間後でした。推薦入試と言っても倍率はかなり高かったようです。A君は、不安な気持ちで合格発表を見に行きましたが、掲示板にはしっかりと自分の番号がありました。(つづく)