https://youtu.be/PHPeav5e4x8
●国語力を伸ばす三つの柱
国語力をつけるコツは、大きく三つあります。
第一は、毎日の読書によって速く読む力を身につけることです。
第二は、難しい文章を読むこと、すなわち問題集読書によって難読力を身につけることです。
第三は、読解問題を分析し、解き方のコツを理解することです。
●国語力は身体的な能力
数学や英語は、知識や理屈を理解すれば、比較的短期間で成績が上がります。しかし国語はそうではありません。読解問題の解き方を理解すること自体は理屈なので、誰でもある程度は分かりますが、自分の力で文章を読み取る力は、理屈ではなく身体的な訓練によって身につくものだからです。国語力は、運動や音楽と同じような身体的な能力なのです。
●解き方よりも読む力の不足
解き方の理屈を理解しても、易しい文章では正解できるのに、難しい文章になると正解できない生徒がいます。それは、読み取る力が不足しているからです。国語の成績が伸び悩む原因の多くは、理屈以前に、この読む力が足りていないことにあります。
●読書傾向が読む力を示す
読む力は、その子の読書の傾向を見ればある程度分かります。読む力のある生徒は、自然に読み応えのある難しい本へ向かいます。一方、読む力のない生徒は、易しい本や短い話で終わる本、挿絵や図解が中心の本を選びがちです。中学生以上になっても、事実の経過を中心にした本ばかりを読んでいる場合は、読む力が十分に育っていない可能性があります。
●問題集読書の意義
そこで必要になるのが、問題集読書です。問題集の問題文は、日常生活ではあまり触れない語彙や、読み取りにくい構造の文章が多く含まれています。小学生が中学入試の問題文を読むと、「異色」「容認」「討論」など、普段の会話では使わない言葉に数多く出会います。こうした語彙に慣れていないと、意味が分かっていても、文章全体を自分のものとして把握することが難しくなります。
●テクニックでは埋まらない差
試験問題は、もともと読み取りにくい文章の中でも、特に理解が難しい部分を問うように作られています。そのため、読解テクニックだけで点数差を埋めることはできません。難しい語彙や文章に日頃から慣れておくことが、読む力の土台になるのです。
●問題集読書の具体的な方法
問題集読書の方法はシンプルです。入試問題集を用意し、問題を解かずに問題文だけを毎日少しずつ読みます。大切なのは、一冊を一度で終わらせず、四回、五回と繰り返し読むことです。難しい文章を繰り返し読むためには、音読が効果的です。黙読だけでは、文字を目で追うだけの読みになりやすいからです。
●時間をかけて育つ国語力
問題集読書は、すぐに成果が見える勉強ではありません。運動や音楽と同じように、時間をかけて少しずつ上達していきます。成果が実感できるまでの目安は、半年ほどです。国語は時間のかかる教科だからこそ、受験直前ではなく、早い時期から取り組むことが大切です。
●語彙が思考の解像度を高める
語彙が増えると、物事がより高精細に見えるようになります。同じものを見ていても、語彙の豊かな人は、より深く本質を捉えることができます。問題集読書は、成績を上げるためだけでなく、考える力そのものを育てる大切な勉強です。
●本気で伸ばすための実践
国語の力を本気で伸ばしたい場合は、問題集の問題文を毎日数ページ、音読で読み、一冊を五回以上繰り返すことを目標にしてください。この地道な積み重ねこそが、確かな国語力につながっていきます。
https://youtu.be/JOMnEI5vho8
●AI時代に九九を覚える意味
かけ算の九九を小学2年生ごろにやるときに、「AIで聞けばすぐできるのに、覚える必要はないのではないか」という声が出ることがあります。
かけ算の九九を覚えるのは、大きい数の掛け算をやるときに便利だからというようなことは大した理由ではありません。
本当の理由は、数字の概念を身体化することにあるのです。
●小学生時代の教育の本質は身体化
小学生時代の教育の本質は身体化で、最も重要なものは言葉の身体化です。
次に、数字の身体化です。
さらに物の身体化というものもあります。
例えば、絵を描いたり、積み木を積んだりすることによって、形と物が自分の体の一部として取り込まれていくのです。
●身体化とは何か
言葉の身体化とは、言葉が自分の手足のように自由に動かせるようになることです。
数字の身体化も同じです。
考えずにできるレベルになるのが身体化ということです。
確かに身体化をしなくても、感想文をAIに書いてもらったり、複雑な計算をAIにしてもらったりすることができます。
しかし、それは答えがあらかじめわかっている世界の範囲でAIに任せることができるということです。
●未知の問題に向き合う力
人間が未知の新しい問題に遭遇したときに必要になるものは、その問題をどう処理するかという創造的な発想で、その創造的な発想はひらめきともいうものです。
そのひらめきはどこから生まれるかというと、身体化された知識から生まれるのです。
●読み書きそろばんの現代的意味
江戸時代の寺子屋教育の基本は、読み書きそろばんでした。
これは現代でも通用します。
読書と文章を書くことと計算をすることは、小学校時代の教育の基本で、この身体化の教育によって子供たちは創造性の土台を作っているのです。
●「書くこと」は作文に限らない
読み書きそろばんの「書くこと」に関しては、作文ということに限りません。
ちょっとしたメモでも詩でも俳句でもいいのです。
書くことによる手と頭が連動していることが大事で、意識的に文字を書こうと思わなくても、考えたことに沿って手が自然に動いて書くというのが「書くこと」の身体化です。
「書くこと」の身体化は、昔ながらの鉛筆やペンのような筆記用具でなければ身につきません。
学年が上がれば、パソコンのキーボードで入力したり、スマホの入力で文章を書いたり、音声入力で文章を書いたりすることはできますが、それは子供時代に手書きで文を書いたという蓄積があるからこそできることなのです。
大人はすでにパソコンで入力しながら考えることもできますが、それはその土台に小学生時代の手書きの蓄積があったからこそです。
●子供時代にこそ身体化を
だから、子供時代にはまず手書きで書くことを身体化し、考えなくても書けるように、つまり、書くことが自分の手足のように動かせるようになることが大事なのです。