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国語の読解問題は、数学の図形問題と同じ as/762.html
森川林 2010/02/03 09:45 



 言葉の森が読む勉強法を提唱してから、多くの塾でこの勉強方法を取り入れるようになりました。しかし、まだ、なぜ読むことで読解力がつくのかとたずねる人もいます。

 読む勉強に比べて、問題を解く勉強法は、やったあとが形として残り、答え合わせをすることができ、教えることができます。そのために、勉強した気にはなるのですが、そのわりに実力がつきません。それは国語の解く勉強法が、数学の解く勉強法とは意味が違うからです。


 数学の解く勉強にも2種類あります。一つは、計算問題を解く勉強です。文章題を解く勉強も、広い意味で計算問題を解く勉強と同じです。これらは、手順を追っていけば誰でも解ける問題です。国語の勉強で言えば、漢字の書き取りや文法の問題がこれにあたります。手順どおりにやっていけばいいので、簡単ではあるが、ある程度の反復練習が必要になる勉強です。

 数学の解く勉強のもう一つは、図形の問題を解く勉強です。図形問題を解くとは、図形の数値を入れて計算する作業です。大事なのは、数値をあてはめて計算する以前の、補助線などを引いて図形の読み取りにひらめく段階です。

 国語の読解問題を解く勉強は、文章の題材にあてはめて選択肢を選んだり、答えを記述したりする作業です。しかし、ここでも大事なのは、題材にあてはめる以前の、文章を読み取る段階なのです。


 数学の図形問題でも、国語の読解問題でも、読み取るのが難しいのは、その読み取りに子供がまだ経験していない新しいパラダイムが要求されるからです。難しい読解問題とは、子供がまだ経験していない世界や、子供が初めて知る認識の世界が、問題文として登場してくる問題です。


 しかし、この新しいパラダイムは、一度でも経験をしていると、二度目には比較的容易に読みとれるようになります。従って、国語の読解問題を読み取る勉強は、新しいパラダイムが盛り込まれている文章を味わって読むことです。味わって読むとは、深く読むことではなく、繰り返し読むことです。同じ文章を4回から5回読むと、その文章のテーマとなっている枠組みが確実に読み取れるようになります。これが文章読解問題の実力になっていくのです。

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国語力は作文力(選択→記述→作文) as/761.html
森川林 2010/02/02 03:12 


 東大の国語(現代文)の入試は、漢字の数問以外はすべて記述式の問題です。ここで求められる国語力は、選択肢を選ぶコツではなく、自分なりに考えて書く力です。

 選択式の国語の実力と、記述式の国語の実力との間には、若干のずれがあります。選択式の問題は、コツがわかれば高得点がとれます。だから、作文力は特にそれほど優れているわけではないが選択式の問題はよくできるという人がいます。一方、作文力はあるのに選択式のコツがわかっていないために得点が低いという人もいます。

 どちらが真の実力かと言えば、それはもちろん記述式の方です。社会に出てから選択式の問題を解くコツが役に立つような場面はまずありません。それに対して複雑な問題を自分なりに考えて書き表す記述力は常に必要になります。

 では、記述力の試験で何が評価されるのでしょうか。読み取る力や書き表す力が必要なのは当然ですが、それとともに、字数の感覚とスピードが大きな要素になります。

 ある事柄を一定の枠や字数で過不足なくまとめる力が、記述力では大きく出てくるのです。言いたいことを必要な字数でまとめるところに、語彙力や表現力の差が出てきます。長くなりそうなら短くまとめ、短くなりそうなら長くまとめるということができるためには、いろいろな語彙を駆使できなければなりません。求められる字数が長ければ長いなりに、短ければ短いなりにまとめる力が記述力です。

 このように考えると、記述力には、決して独創的な力が求められているわけではありません。選択式の問題よりも、考える要素がありますが、しょせんは記述するだけの力だと言ってもいいかもしれません。

 では、真の国語力は何でしょうか。それは記述式の50字から200字程度の文章を書く力ではなく、もっと長く800字から1200字程度のまとまりのある文章を書く作文力です。

 ところが、今の日本には、その作文力を見るのにふさわしい試験がほとんどありません。いちばんふさしいのが、言葉の森で行っている作文指導のような書き方です。日本語作文小論文研究会で行っている作文検定のような書き方と言ってもいいと思います。

 例えば、「ある事柄について、相反する二つの意見を述べ、それぞれに体験実例と社会実例を書き、最後の意見は名言を引用して四段落でまとめなさい。なお、社会実例は昔話か伝記から選ぶこととし、一段落の長さの目安は150字から200字とする」という試験です。そのような作文試験であれば、表現力だけでなく思考力もはっきり出てきます。また、採点もポイントを絞って見ればいいので、かなり深く読むことができます。

 将来、そのような作文試験が登場する可能性はあります。少子化によって入学試験に余裕ができ、もっと実力をしっかり見たいという機運が高まれば、試験の性格は次第に選択式から記述式に、記述式から作文式に変わっていくでしょう。
 言葉の森での作文の勉強は、当面の学力に役に立つのはもちろんですが、そのような将来の学力にも役立つ内容を持っています。そして、将来の学力にも役立つということは、実社会に出てからも役立つ学力だということなのです。

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