ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 789番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/6/10
暗唱から暗写へ--そして、音声入力を作文に生かす as/789.html
森川林 2010/02/18 21:25 



◆暗写


 貝原益軒は、「空に読み、空に書く」という指導をしました。(「和俗童子訓」より)

 読むことと書くことは、同じではありません。暗唱の練習は作文に生きてきますが、より作文に生かしやすいのは暗写です。

 しかし、読むことに比べて書くことは時間がかかります。そこで、中心にする勉強はあくまでも暗唱とし、暗唱した文章の一部を暗写することにしました。


 現在、通学教室の中学生以上は、構成図をもとに音声入力をしています。ICレコーダーを使う形の音声入力なので、同じ機器を暗写にも使うことにしました。


 まず、授業の前に、一人ずつ暗唱してきた文章を先生が聞きます。その300字から900字の暗唱が合格したあと、100字程度の一部分をICレコーダーに録音します。

 その際、一文ずつ切って入れていくのがコツです。一文ずつ切っておけば、書き写すために再生するときに自然に文が終わるので、再生停止の操作をしなくて済むからです。

 再生するときは、一文ずつ再生し、作文用紙などに書き写します。長文を見ずに、暗唱した音声だけをもとに書いていき、最後に長文と照合します。

 書けない漢字は、ひらがなでかまいません。しかし、読点や段落は、なるべく元の原稿に合わせるようにします。

 このように暗写の練習をしていると、暗唱のときも、書く文章として意識しながら読めるようになります。

◆音声入力


 この暗写の練習をしていると、音声入力も全く同じようにできます。

 音声入力の場合は、構成図を見ながら、自分が書こうと思う文を一文ずつICレコーダーに入れていきます。読むスピードは書くスピードの10倍以上あるので、1200字の文章でも10分もあれば楽に音声で入れられます。

 全部音声で入れたあと、最初から一文ずつ聞いてテキスト化していきます。


 実は、音声入力も、最初のうちは、なかなかひとまとまりのスムーズな文が出てきません。しかし、慣れてくると、手で書いたりパソコンで入力したりするのと同じように音声で入力することができるようになります。

 作文は、考える過程と書く過程に分けることができますが、これまでは、書きながら考え、考えながら書くというふうに両者が渾然一体のものとなっていました。これはこれで楽しいものですが、忙しいときにはなかなか書くことができないということになります。

 中学生以上の生徒が作文の勉強を続けるときに、いちばんネックになるのが、この書くことに時間がかかるということです。構成図と音声入力は、この時間的な制約をほとんどなくしてしまいます。

 何しろ、わずか15分程度で構成図と音声入力を使って1200字程度の作文ができるのですから、勉強の能率はかなりよくなります。もちろん、その音声をテキスト化する作業を入れると、キーボードを打つ又は手で書くという物理的な時間は必要になります。しかし、忙しいときは音声だけで済ませておき、時間のあるときにテキストに直すということもできるようになります。


 音声入力に慣れてしまうと、手で書くときに書けなくなるのではないかと心配する人もいると思いますが、そういうことはありません。逆に、文を音声で言ってから書くスタイルが身につくと、直接手で書くときにも能率がぐんと上がります。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 音声入力(10) 

記事 788番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/6/10
家庭での作文の教え方4 表記のポイント as/788.html
森川林 2010/02/18 03:45 


 言葉の森では、表記という言葉を、正しい書き方、正しい表記の仕方という意味で使っています。


 正しい表記ができない原因は、二つに分けて考えます。

 一つは、実力がないために表記ミスがある場合です。

 もう一つは、正しい表記知識を知らないために表記ミスがある場合です。


 第一の実力がないための間違いの例としては、次のようなものがあります。


(1)単なる書き間違い

 「ぼくは」と書くところを「ぼくわ」と書くような例です。

(2)不自然な言い回し

 「おもしろかったです」を「おもしろいでした」と書くような例です。

(3)文のねじれ

 「ぼくが行ったところは、かまくらに行きました」というような例です。

(4)「それで」の多い文

 「……。それで……。それで……。」と続く文です。

 直すときは、「『それで』『そしたら』『それから』『そして』は、原稿用紙1枚に1つだけなら書いていい」と指示します。

(5)「たら」や「して」で続く文

 「……たら、……たら、……たら……。」と延々と続くです。

 直すときは、「早めに『。』をつける」と指示して、実際に文を途中で二つに分けてみせます。


 以上の表記ミスは、子供が自分の作文を読み返すと自然にわかります。

 しかし、こういう間違いをする子は、文章を読むことにまだ慣れていないので、読み返すということ自体がなかなかできません。

 これは、注意して直すというよりも、実力をつけることによって自然に直るのを待つというのが基本です。直すこと自体は問題ありませんが、理屈で注意するだけですぐに直るとは思わないことです。


 第二、正しい表記知識を知らないために起こるミスです。

 しかし、表記の正しさは歴史的なもので時代によって少しずつ変わっていきます。現在、どういう使われ方が主流になっているかということを基準にして正しさというものを考えていきます。

 その際にグーグルなどのヒット件数で多いものが参考になります。ただし、正しくない表記の方が多くヒットするという場合もあるので、ヒット件数はあくまでも参考です。

 例えば、今グーグルで検索をすると(2010年2月現在)「話をする」よりも「話しをする」という言葉の方が多くヒットしますが、正しい書き方は、「話をする」の方です。


 昔と今とでは正しさの基準が違うというものがいくつかあります。

 例えば、「続く」のふりがなは、昔は「つずく」が正しい表記でした。現在は「つづく」が正しいとされています。

 「国旗」「読解」は、昔は「こくき」「どくかい」と読むとされていました。現在は、「こっき」「どっかい」という読み方です。

 ひらがなで書いた方がよい字として、形式名詞の「こと」「とき」「ところ」「もの」があります。しかし、新聞などではスペースの関係で「時」は漢字で書かれています。

 「子供」は昔の常用漢字音訓表では、「子ども」という書き方しか載っていませんでした。現在は「子供」という書き方も載っています。

 「縦書きは漢数字」というのが一般的ですが、新聞では算用数字もよく使われます。パソコンで文章を書く時代は、同じ一つの文章が縦書きにも横書きにも使われることがあるので、どちらにも使える算用数字がこれから主流になってくると思われます。

 小学校では禁則処理として、小さい「ゃゅょっ」を行頭に打たないと指導しているところがあります。禁則処理には、強い禁則処理と弱い禁則処理があり、通常は弱い禁則処理で「句読点やカッコの閉じは行頭に打たない」という程度が基準です。小さい「ゃゅょっ」は禁則処理としない方が普通ですが、どちらも間違いということではありません。ただし、今後はワープロソフトなどのデフォルト(既定値)となっている弱い禁則処理が主流になると思われます。

 会話のカギカッコの中で、文の2行目の行頭を1マス空ける書き方があります。これは手書き時代の名残りです。パソコンで文章を書く時代には、2行目の行頭は1マス空けないのが普通です。


 このあと、次のようなことを説明していきます。


○原稿用紙の使い方

○段落のつけ方

○読点の打ち方

○禁則処理

○ひらがなで書く字

○送り仮名のつけ方

○常体と敬体

○尊敬語と謙譲語


 ここまで読んで来た人は、「こんなにいろいろ気をつけないといけないのか」とうんざりしてきたと思います。
 私も書いていてそう思いました(笑)。

 そこで、息抜きにダジャレでも。

「表記って、いろいろ細かいことがあるから気をつけてね」
「ひょー、きびしいなあ」

「表記が正しくないと、文章が病気になっちゃうんだよ」

「わあ、おもしろい表記」
「それ、ひょうきん」

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

記事 787番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/6/10
家庭での作文の教え方3 パソコン書きか手書きか as/787.html
森川林 2010/02/17 19:48 


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

記事 785番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/6/10
家庭での作文の教え方2 字数 as/785.html
森川林 2010/02/17 04:19 


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

記事 784番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/6/10
家庭での作文の教え方1 時刻、題名と準備 as/784.html
森川林 2010/02/16 21:09 


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

記事 783番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/6/10
お問い合わせの住所などが不明の方 as/783.html
森川林 2010/02/16 09:43 

 言葉の森にお問い合わせいただいた方の中で、住所などが不明のため案内や教材を送付できていない方がいらっしゃいます。
 お心当たりの方は、ご連絡くださるようお願い申し上げます。

○1月15日「横浜市中区」から受講案内を申し込まれた方、お名前がわかりません。
○1月25日「長野県長野市」から体験学習を申し込まれた方、ご希望の曜日時間がわかりません。
○1月25日「横浜市都筑区」から体験学習を申し込まれた小2の方、お電話番号がわかりません。
○2月10日「東京都大田区」から土曜日9時で体験学習を申し込まれた方、お電話番号がわかりません。
○2月15日「ドイツ」からお問い合わせいただいた小2の方、ドイツの17:00-20:00の電話指導も対応できると思いますので、体験学習のページからお申込みください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生徒父母連絡(78) 

記事 782番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/6/10
小学生の勉強のさせ方のポイント as/782.html
森川林 2010/02/16 04:50 



 これは、小学生とは書いていますが、中学生にも高校生にも共通する勉強のコツです。特に、第二の話で書く「短期間でできるようにさせる」というのは、あらゆる勉強の仕方に共通します。


 保護者のみなさんからいろいろ相談を受けることがあります。その中で、特に気がついた問題が二つあります。

 第一は、低学年のときの勉強のやらせすぎです。第二は、できるようにさせてから褒めるという勉強の仕方をしている人が少ないことです。


 まず第一の勉強のやらせすぎから説明していきます。

 低学年は、親や先生の言うことをよく聞きます。また、適応力があるので、やらせようと思えばどんなことでもやっていきます。

 そのため、親はつい必要以上に勉強をさせようとしてしまいます。また、うまくできないと注意してしまいます。

 勉強をたくさんさせすぎると、子供の熱中力がなくなってきます。何をするときでも、ほどほどにやるという姿勢が生まれてくるのです。

 小学校低学年のころに遊びに熱中した子は、いざというときに馬力がかかります。低学年のころは、苦しい勉強はしたくないのが普通です。自分の好きなことをして自由に遊んでいたい年齢です。この時期に親の言うことを聞いて、言われたとおりに勉強をしている子の中には、将来の熱中する力を犠牲にしている子も多いのです。


 勉強をしていてうまくできないときに注意するのも、子供にとってはマイナスです。低学年のころのほとんどの注意は、そのときにしなくても、年齢が上がれば自然に直るものです。

 例えば、作文の例で言うと、低学年のころによくまちがえる「わとはの区別、おとをの区別」です。本を読む量がまだ少なくて、言葉のほとんどを耳から聞いている時期に作文を書かせれば、「わ」と「は」の区別はできないのが当然です。だから、それを急いで直す必要はありません。直すよりも、本を読んで言葉を目から読む経験を増やしていくというのが最初にすることです。

 注意して直すことによるプラスよりも、注意して勉強は苦しいものだという意識を持たせてしまうマイナスの方が大きいのです。


 では、どういう勉強をさせたらいいのでしょうか。

 低学年のころの勉強は、習慣をつけるということが目的です。決まった時間に決まったことをすることが大事です。しかし、それで成績を上げることを目指すのではありません。

 百ます計算や漢字の書き取りも、勉強をすること自体は何も問題がありません。毎日の習慣となるような形で勉強すればいいのです。しかし、それを他人と競争したり比較したりして、もっと完璧にできるようにさせようとすると、やらせすぎのマイナスが出てくるのです。

 また、家庭学習の習慣とする勉強は、問題集を解くようなものよりも、本を読むようなものの方がずっと効果があります。問題集を解くという勉強スタイルは、一見勉強をしているような感じがしますが、結局できることをくりかえす作業にすぎません。問題を解くという勉強に意味があるのは、できない問題をできるようにさせるという過程があるときだけです。


 次に第二の「できるようにさせてから褒める」という勉強の仕方の説明をします。

 勉強でもスポーツでも、できないことをできるようにさせて初めて意味があります。できるようにさせて、そして褒める、というのが理想の勉強の姿です。ところが、できないという状態を続けたまま、注意をしたり褒めたりという事後の工夫に力を入れている人が多いのです。

 「できる」というのは、勉強のいちばんの核心です。「注意する」「褒める」というのは、その外側のおまけの部分です。

 問題集を解くような勉強では、できるできないがはっきりしないことが多いので、この問題はそれほど表面に出てきません。だから、問題を解くような作業的な勉強は、あまり意味がないのだとも言えます。

 暗唱の勉強は、できるできないがはっきりしています。暗唱の勉強で、「できない」という状態を続けたまま、あとから褒めたり注意したりしてもそれらはすべて空回りになります。「できる」ようにさせてから、初めて褒めることも注意することも生きてきます。

 そのためには、一時期、無理矢理にではあっても、できる水準までさせてしまうことが大事です。そのときのコツは、できるだけ短期間に形だけでもできるようにさせて、子供に自信を持たせることです。

 暗唱の場合は、80%や90%できる状態で満足するのではなく、100%できるところまでやらせて、そのあとにたっぷり褒めていくことです。時間で言えば、10分かかることがせいぜい15分か20分に延長するぐらいですから、無理にやらせるとはいっても大したことではありません。それよりも、100%できるようにさせることで子供が自信を持つということが大きいのです。

 中学生や高校生の勉強でも同じです。

 苦手な教科があった場合、その勉強を毎日少しずつ取り組んでもできるようにはなりません。夏休みなどに朝から晩まで何週間も集中して取り組み、何が何でも得意にしてしまうところまで持っていくということが大事です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

kamama 20150102  
現在小1男子の母です。コメントとというより質問になりますが、お願いします。
3人兄弟の長男についてですが、幼児期より座って勉強する事が習慣になればと思い、幼児教室に通ったり自宅でも幼稚園に行く前にプリント学習の時間を取ったりしていました。次第に私も熱が入ってしまい、出来ない事を怒ったり追及したりできるまで練習させたりと、今となればやり過ぎたと思う事が気づきつつもやめれなくなっていました。
もちろん座って勉強だけでなく、外遊びをしたり、色々一緒に出かけたりもよくしていました。
しかし、小学校(公立)にあがってからも、幼児期にしていた事が全く無意味だと思い知らされる様に、息子は波にのればスラスラできるのですが、集中力に欠け、行動も遅く、学校でノートをとるのも遅れて、休み時間にやりなさいと言われた事も忘れて遊んでしまい、家に持って帰ってきたりします。その事に関しては、友達と話していて出来なかったというのはよくないけれど、自分なりのペースでついていけなかった分に関しては仕方ない。でも後でやる所までは、休み時間等を使ってきっちりやろうと本人に話しています。本人も納得し、今日はできたよ等、報告してくれて出来たときには褒める様にしているのですが、ひと度調子が狂うと漢字プリント7問程度を書き写すのに1時間以上かかります。(ほぼやり始めるの時間がかかります。)ただ、自分の好きな絵を描いたり、何かを作ったりにはすごく集中します。本も、面倒くさがりなので自分ではあまり読まないのですが、読んでもらうのは好きで内容もものすごく理解しています。ただ、本人も怒られ慣れているのか、何度注意されても行動は遅く、自分でも人より行動が遅いと思っていて、自分に自信も持っていません。
やる事を早く終わらせたら自由時間がたくさんあるという事を理解しつつも結局グズグズダラダラして時間がかかり、最終的に怒られるという流れです。
幼児期に長時間座らせて、意味のないやり方で勉強させていた事が今の集中力や学習意欲低下などに影響しているんだなと後悔している日々です。
やはり学習意欲や集中力を今から上げるのはもう難しいでしょうか?習慣改善や何かアドバイスをいただけたら有り難いです。
因みにお稽古は通信教材、習字、そろばん、英語、ピアノ、スイミングです。お稽古はどれも宿題は少なく、宿題やろっかと声をかけるとやり、どれもやめたくないと言っています。

森川林 20150103  
 気がついたときから新しいスタートをすればいいのですから、そんなに心配することはないです。
 集中力がないのは、本人がいやになるほど長い時間やらせていたり、早めに終わると追加の勉強をさせていりしたからです。これからは、分量をこれまでよりもずっと少なくして(そのかわり毎日欠かさずやるようにして)、本人が自分でやって自分でおしまいにする形にするといいです。

 学校で言われたことがすぐにできないのは、家庭で何度も注意されてやっとやるという形に慣れているからです。これは怖いお父さんでもいないとすぐには直らないですから、これからは気長に、言われたことはすぐにやるのがいいということを理屈で言ってあげることです。学年が上がるにつれてだんだん自覚してきます。

 小学校時代は、勉強よりも読書を優先する時期ですから、時間のかかる習い事はやめて、そのかわり読書と対話と遊びの時間を増やすといいと思います。
 英語、ピアノ、習字はしなくてもいいと思います。英語は特に必要ないです。

 通信教材は、基本的な算数だけに絞るといいと思います。「できた君の算数」がいいと思いますが、これまでのを続けるなら量を少なくすることと、間違えたところを繰り返すやり直す仕組みを作っておくといいです。(小1や小2ではそういうところはまだほんとんどありませんが、学年が上がると出てくるので)

 あとは、楽しい生活を送ることが大事ですから、お母さんができるだけがんばって明るくやっていくことです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 勉強の仕方(119) 

記事 781番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/6/10
効果のある読書法、作文法(その5) as/781.html
森川林 2010/02/15 18:04 



 前回は、速くわかりやすく書く書き方を説明しました。今回は、美しく書くという方法です。

 美しく書くというときの美しさとは、わかりやすさの発展したものです。わかりやすさとは、平均値に近いことです。

 文章を読むとき、読み手は読んでいる文の先を予測しながら読み進めています。その読み進める予測の方向が平均的であるとき、その文章はわかりやすい文章だと言われます。

 美しさとは、その平均値からある方向性をもってわずかにずれることです。だから、わかりやすく書く実力をつけておくことがまず大事です。平均値がはっきり把握されているからこそ、ずれることもできるのです。

 これは、スポーツにおけるフェイントやフェイクと似ています。正しいドリブルやパスができるからこそ、方向をはずすフェイントやフェイクができます。

 では、それをどのようにして身につけるのでしょうか。その方法が、暗唱法です。

 暗唱というと、普通は、記憶力を育てたり、模倣の練習をしたりすることと思われがちです。しかし、実際に暗唱の練習をしていて感じることは、暗唱によって、発想力が豊かになり言葉のリズム感が育つということです。

 しかし、ここで大事なことは、暗唱には方法があるということです。

 言葉の森が音読の自習を始めたとき、音読をさせるような勉強法は世間一般にはありませんでした。それが次第に、学校でもどこでも音読をするようになってきました。

 しかし、中には、上手に音読できなことを注意するような勉強の仕方も増えています。音読は退屈な勉強なので、勉強の仕方を工夫しないとかえってマイナスになります。

 暗唱の場合は、音読よりも更に勉強の仕方を工夫する必要があります。その理由は、暗唱は、音読よりも更にはっきりとできるできないの差が出るからです。このため、暗唱は、やり方を工夫しないと子供に対する負担の大きい勉強になります。

 では、どのように暗唱をしたらいいのでしょうか。暗唱のコツは、次のとおりです。

1、繰り返すこと

 ほとんどの人は、暗唱の練習というと、覚えようとして読みます。覚えるのは、暗唱の結果であって目的ではありません。
 暗唱は覚えるために読むのではなく、ただ繰り返すために読むのです。

2、声を出して読むこと

 暗唱は、耳から言葉が入ることが大事です。目だけで意味を理解して読もうとすると暗唱がかえってできなくなります。

3、早口で読むこと

 早口で読むことによって、ひとまとまりの文章が丸ごと頭の中に入るようになります。一語ずつ逐語的に意味を理解しながら読むと暗唱は難しくなります。
 息継ぎをしならが上手に読むのではなく、できるだけ一気に読むという読み方をするのが暗唱のコツです。

4、読み方を注意しないこと

 間違った読み方をしても直しません。読んだあとは、ただ褒めるだけです。間違いは、実力がつけば自然に直ります。間違いを指摘することによって暗唱にブレーキがかかるという弊害の方がずっと大きいのです。

 暗唱をうまく生かして作文の勉強をしていってください。



この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 作文の書き方(108) 
コメント1~10件
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
中根の担当する 森川林
YKさん、ありがとう。 私が子供にさせたいと思っていたのは 1/27
記事 5267番
中根の担当する YK
創造発表クラス面白くなりそうですね!イギリスの私立学校のカリ 1/27
記事 5267番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
推薦図書検定の 森川林
推薦図書検定のキャラクター、「森ファン」 森のエレファント 6/1
森川林日記
作検のキャッチ 森川林
覚える学習から考える学習へ AI作文検定 AIが測定する 6/1
森川林日記
作検のキャラク 森川林
作検の新しいキャラクター、作シカくん。 5/31
森川林日記
「世界秩序が変 森川林
 「失われた30年」は、「雇用を守る」という日本自らが選んだ 5/27
森川林日記
2025年5月 森川林
●夏季休業の予定(8/11月~8/17日は休み宿題、 5/22
森の掲示板
何千年も続いて 森川林
何千年も続いてきた天皇制を 人気投票にするな。 おまえら 5/18
森川林日記
桃太郎と犬と猿 森川林
桃太郎が、犬と猿と雉に出会ったのは、 桃太郎が歩いていたか 5/18
森川林日記
AIの遠い未来 森川林
生成AIが生まれるまでの歴史を 感動を持って語れる、 そ 5/18
森川林日記
Re: 中1 あかそよ
ありがとうございました。 なんとなく、分かりました。次の中 5/16
算数数学掲示板
Re: 四月の 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  よく考えて質問をしているの 5/16
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習