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 作文教育の目指すもの(その3) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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作文教育の目指すもの(その3) as/387.html
森川林 2009/02/12 02:38 
 作文教室というものは、始めるだけならだれでもすぐに始めることができます。難しいのは、何年も継続して指導できるシステムです。また、得意な子と苦手な子がいた場合、それぞれに対応した教え方をするノウハウです。
 しかし、だれでもすぐにできるということから、インターネットにいろいろな作文教室が登場するようになり、「作文」で検索しても、言葉の森のホームページががなかなか出て来ないようになってしまいました。SEO対策が遅れていたために、今ではヤフーでは、かなり後ろのページに言葉の森が出てきます。グーグルはまだ上の方ですが、それでもコンテンツの質と量から言うと、言葉の森の位置は正しく評価されているとは言えません。
 作文と小論文の指導に関しては、言葉の森は、たぶんどこよりもわかりやすくかつ高度な指導をしていると思います。
 そこで、これから、SEO対策やホームページ作りをしっかり行い、言葉の森が、ヤフーやグーグルの上位に表示されるようにしていきたいと思います。
 もちろん、ライバルが多いことは歓迎しますが、理論と実践で優れたところが検索の上位に表示されることが大事だと思うからです。

 さて、ここからが本論です。ここまでの説明は、本論に入る前の状況と経過の話でした。
 今後の作文教育がどういう方向に進むかということで考えると、二つの大きな流れがあると思います。
 第一は、受験で作文の試験を課すところが増えるという方向です。しかし、この受験の作文という方向は、今のままでは、将来行き詰まってくると思います。なぜかというと、作文試験は採点が非常に大変だからです。現在でも、就職試験のエントリーシートで時間制限なしで書かれた文章は、どの人も同じようにレベルの高い文章になるので、採点はかなり難しくなっています。
 受験での作文を生かしていくためには、言葉の森が開発した小論文自動採点ソフト「森リン」による作文検定など、新しい評価の仕組みを導入することが必要になると思います。
 第二の方向は、本物の教育を目指す気持ちが作文教育を広げるという方向です。しかし、この本物の教育を目指す方向も、今のままでは、先細りになると思います。なぜかというと、作文は成果の見えにくい勉強だからです。考える力がついたとか、書くことが好きになったとかいうことは、比較するものがないと漠然とした成果としか感じられません。
 そこで、作文の勉強を作文文化として発展させることがこれから必要になってくると思います。
 文化として評価される仕組みとはどういうことかというと、例えば、日本では万葉集という文化がありました。その万葉集によって、広範な大衆が短歌を作るという文化ができ、そのすそ野に様々な派生文化が成立しました。
 オリンピックでも同じです。競技を評価をする文化的な仕組みがあるので、そのすそ野にいろいろなサービスや産業が広がっています。例えば、カーリングという競技です。もしこの競技がオリンピックなどで文化として認められていなければ、人間が氷の上にタイヤを滑らせるという競技自体にそれほど夢中になるとは思えません。
 作文文化をはじめ、社会のさまざまな分野で新しい文化が登場してくるというのが、将来の知識産業社会の風景になっていくと思います。
 作文を書くことが作文文化として成立するためには、作文の本質が何かということが重要になってきます。これは、作文試験を評価する際も同様です。そうでないと、作文は、ただ誤字がないとか、速く長く書けるとか、表現が上手だとか、面白い内容だとかいう、評価の定義が低いか感覚的なものかになってしまうからです。
 では、作文の本質は何かというと、その一つは創造と発見です。創造と発見という価値を基準にして、将来、作文のコンクールというものが行われていけば、作文教育のレベルは大きく向上します。この創造発見という核心の周辺を、表現の美しさや題材の面白さなどがカバーしていくというのが作文の評価のスタイルになると思います。
 作文の本質のもう一つは思考力です。物を考える力としての作文、つまり哲学としての作文というものが作文のもう一つの方向です。この思考力を育てる作文は、他の様々な学問分野と組み合わさって、未来の教育の主要な教科の一つになっていくだろうと思います。
 以上、まとめて言うと次のようになります。
 第一は、思考力と創造性を育てる作文を作文の評価の中心とすることです。
 第二は、その評価の土台を客観的な作文検定で支えていくということです。
 第三は、作文文化を発展させることによって質の高い永続性のある作文教育を目指していくということです。
 以上が、これからの作文教育の方向になると思います。


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