ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 上手な作文は親子の対話で書く――低学年は題材作り、中学は似た例の取材、高学年は感想のアドバイス、受験生は準備と推敲の協力 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4757番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/24
上手な作文は親子の対話で書く――低学年は題材作り、中学は似た例の取材、高学年は感想のアドバイス、受験生は準備と推敲の協力 as/4757.html
森川林 2023/06/08 08:13 

アジサイ・ダンスパーティー

●動画:https://youtu.be/pnpkHia7-I8

 言葉の森には、何度も作文のコンクールに載るような小学生から高校生までの生徒がいます。
 そういう上手な作文を書くには、コツがあります。
 そのコツの土台になるのは、読書と対話です。

●字数

 見栄えのある作文を書くためは、学年相応の字数も必要です。
 字数の大体の目安は、学年の100倍から200倍です。

 小学1年生は100字から200字、小学2年生は200字から400字、……、小学6年生以上は600字から1200字、中学生、高校生も600字から1200字です。
 内容のよい作文で、字数が短いときは、清書の週などに新しい実例を追加して字数を倍にします。

 小学校高学年、中学生、高校生になると、字数がなかなか伸びなくなる生徒も出てきます。
 作文の字数推移グラフを見ると、すぐにわかりますが、1年間近く同じ字数のまま書いている生徒が時どきいます。
 字数が伸びていないのは、作文力が伸びていないからです。

●字数の目標

 字数を長く書くためにどうしたらいいかというと、ひとつは字数の目標を意識することです。
 もうひとつ、もっと大事なのは、読書の量を増やすことです。

●読書

 読書は、小学生の間は生活作文という事実中心の文章なので、物語文の読書でも間に合います。
 しかし、中学生以降は意見中心の作文になるので、説明文や意見文の読書をする必要があります。

 アウトプットをするためには、その前提としてインプットが必要です。
 読む量が不足していると、作文を書くために必要な実例や表現が出てきません。

●添削

 この読書と並んで大切なのが、親子の対話です。
 作文力は、読書と対話に支えられて成長します。

 世間で大きな誤解のあるのはここのところです。
 上手な作文を書くためには、添削を強化すればいいと思ってしまう人が多いことです。

 添削では、作文は上手になりません。
 もともとの作文が読み応えのある内容になっていることが大事で、添削はその付け足しなのです。

●低学年の対話

 対話の分野は、学年によって変わってきます。
 小学校低学年の場合は、作文の題材作りを手伝うことです。

 低学年の生徒は、自分のしたことや、自分が面白いと思ったことを無邪気に書きます。
 それは、それでいいのですが、普通に自分のしたことを書くだけだと、いつも「学校でこんなことがありました」とか、「今日もともだちとサッカーをしました」とかいう、代りばえのない作文になります。

 もちろん、それでもいいのですが、大きくなってから自分の低学年のころの作文を読み返して面白いと思えるような作文を書ければ、やはりその方がいいのです。

 価値ある作文は、その子の自分らしい経験が書いてある作文です。
 子供は、映画を見にいって楽しかったときは、映画の話を書こうとします。
 ゲームをして面白かったら、ゲームがどうなったかという話を書こうとします。
 翌日楽しい遠足があるというときは、遠足が楽しみという話を書こうとします。
 しかし、見ただけの話や、未来の話は、いずれも、自分らしさのある作文にはなりません。

 低学年の作文は、題材づくりを親が手助けをしてあげるといいのです。
 それは、別に、わざわざディズニーランドに連れていくというようなことではありません。
 例えば、「今度の日曜日、お母さんと一緒にカレーライスを作ろうか」とか、「お父さんと一緒に、ザリガニをつかまえに行こうか」とかいうことでいいのです。
 その際、子供と一緒に、必要な手順を考えて、できるだけ子供が主体的に参加する形にすることです。
 こういう経験が、作文を書く以上に、子供を成長させます。

●中学年の対話

 中学年からは、作文の課題が決まってくるので、お母さんやお父さんに似た例を取材することが必要になります。
 特に、日常的に対話をする機会の少ないお父さんに似た話を聞くと、子供の題材力が広がります。

 感想文の課題のときは、特に、子供の体験だけでは十分に書けないので、お父さんやお母さんが似た経験を話してあげることが必要になります。

 似た話の取材は、家族だけに限りません。
 場合によっては、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに電話で取材をしてもいいのです。

 この取材によって、子供の題材と表現の幅が広がります。
 そして、この対話は、作文に役立つだけよりも、むしろ子供の生き方、ものの見方の成長に役立つのです。

●高学年の対話

 小学校高学年以降は、似た例の話のほかに、感想や意見のアドバイスもしてあげることができます。
 高学年になると、生徒自身がよりよい文章を書こうと思うようになります。

 しかし、小学校高学年のうちは、まだ感想や意見を書くための語彙が不足しています。
 そのときに、中学年のころまでに似た例の取材をよくしてきた子は、感想や意見についても両親に話を聞こうとします。
 感想や意見の対話によって、子供の考える力が伸びていくのです。

●受験生の対話

 受験作文に取り組む場合も、親子の対話が必要です。
 ひとつは、課題を見て、どういう実例や構成や意見で書けるかを話し合うことです;
 特に大事なのは、どういう実例で書くかということです。
 いい実例を思いつくと、その方向で一気に書けるようになるからです。

 そして、先生から作文が返却されてきたときは、その作文を親子で推敲するのです。
 普段の作文では、推敲までする必要はありません。
 かえって、普段の作文で推敲をする時間をとると、子供は作文を書くことを負担に感じるようになります。
 しかし、受験作文の目標は合格する作文を書くことですから、よりよい表現になるように親子で赤ペンを入れていくようにするといいのです。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 対話(45) 

コメント欄

コメントフォーム
上手な作文は親子の対話で書く――低学年は題材作り、中学は似た例の取材、高学年は感想のアドバイス、受験生は準備と推敲の協力 森川林 20230608 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
みむめも (スパム投稿を防ぐために五十音表の「みむめも」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 対話(45) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習