ログイン ログアウト 登録
 小学1年生の作文で、なぜダジャレを入れるのか――ダジャレは言語感覚を磨き、親子の対話のきっかけになる――音素数が少なく同音異義語の多い日本語の特徴を生かすダジャレ Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 4854番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/7/2
小学1年生の作文で、なぜダジャレを入れるのか――ダジャレは言語感覚を磨き、親子の対話のきっかけになる――音素数が少なく同音異義語の多い日本語の特徴を生かすダジャレ as/4854.html
森川林 2023/11/19 09:36 

スズメ

●動画:https://youtu.be/su0TT8cb5FM

 小学1年生の作文課題の項目にダジャレがあります。
 その理由は、2つあります。

 一つは、言葉の感覚を広げるためです。
 もう一つは、そこから親子の対話を増やすためです。

 日本語圏以外の言語では、ダジャレという言葉遊びはありません。
 帰国子女の生徒が、言葉の森で作文を書くときにつまずくのが、このダジャレです。
 英語は、多様な民族が話せる共通語として発展したので、同音異義語のような文脈で理解する言葉の文化がないからです。

 日本にダジャレがあるのは、音素数の少ない日本語を利用して、言葉そのものではなく、言葉の裏になる意味を理解し合う文化があったからです。

 小学1年生の子にとって、このダジャレは難しいです。

 私自身の経験で言うと、幼稚園のころ、みんなで絵をかいていました。
 私が汽車の絵をかいていると、ほかの子たちが寄ってきて、「中根の汽車の絵、うまいじゃん」と言いました。
 そのとき、私は、ダジャレのつもりで、「でも、大根はまずいよ」と言いました。
 しかし、それがわかった子は誰もいなかったと思います。あたりまえですが。
 私は、そのダジャレが気に入ったので、家に帰ってから、母親にそのことを話しましたが、たぶん感心されたようなことは何も言われなかったと思います。

 小学1年生のころのダジャレは、面白くないか、わけのわからないものが多いです。

 しかし、このダジャレで、言葉の感覚を磨くことができるのです。
 これは、「たとえ」でも同様です。
 たとえも、言葉の感覚を磨く練習になります。

 たとえを使うということは、現実のものごとから離れて言語的な表現の世界に入ることですから、言語の世界の乏しい子は、たとえが思いつきません。

 子供によっては、知識として覚えたたとえを使うことがあります。
 「チーターのように速く走った」というようなたとえです。
 チーターの走るところなどは見ていないはずですが、それを知識としてたとえにするのです。

 しかし、そういう場合でも、先生は褒めます。
 「ありきたりなたとえだ」などということは言いません。
 褒められることによって、子供はよりよいたとえを使うようになるからです。

 ダジャレの能力とたとえの能力は関連があります。
 たとえは、よく考えれば誰でもできます。
 しかし、ダジャレはよく考えてもなかなか出てきません。
 だから、項目指導では、たとえかダジャレのどちらかが入ればいいとしています。

 ダジャレの項目指導の大事な効果のもうひとつは、そこから親子の対話が始まることです。
 一般に、真面目なお母さんは、ダジャレを思いつかないことが多いです。
 しかし、お父さんは、真面目でないことはないのでしょうが、大胆にダジャレを思いつくことが多いです。

 子供と、お父さんとお母さんが話をして、この作文にどんなダジャレが使えるかなあという話ができれば、親子の知的な対話が始まります。
 この話し合いのときに大事なことは、決してほかの人の意見を批判しないことです。
 キーワードは、「でも」という言葉を使わないことです。
 頭のいい人は特に、「でも」という言葉は、家族の会話の中では使わないと決めておくといいと思います。

 言葉の森の初参加説明会でも、私が、
「子供の作文は、書いたあとは褒めるだけ」
と言うと、必ず何人かの保護者の方が、「でも」と言います。
 「でも、明らかに字がまちがっていたらどうするのですか」というようなことです。
 それも、褒めるだけでいいのです。

 なぜかというと、そういう話をするお母さんは、これまで子供に、いろいろなかたちで注意をしてきたからです。
 その発想を根本的な変える必要があります。

 「3つ褒めて1つ注意する」というようなあいまいなやり方では、これまでの注意しすぎの家庭文化は直りません。
 だから、どんな間違いがあっても褒めるだけでいいのです。

 親から注意されて育った子は、小学校低学年のころは、確かによくできる子が多いです。
 しかし、いつも親の顔色をうかがって話をしたり勉強をしたりしています。
 だから、学年が上がるにつれて、かえって勉強に対する意欲を持てなくなることが多いのです。

 表記の間違いなどは、何も直さなくても、子供の読書量が増えれば自然に直ります。
 自然に直るのに時間がかかる場合でも、読書量のある子は、ひとことの注意で直ります。
 読書量のない子は、何度も同じ注意をしても直りません。

 だから、褒めるだけということと、本を読むことと、親子で対話を楽しむことが、作文の勉強の要になるのです。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


コメント欄

コメントフォーム
小学1年生の作文で、なぜダジャレを入れるのか――ダジャレは言語感覚を磨き、親子の対話のきっかけになる――音素数が少なく同音異義語の多い日本語の特徴を生かすダジャレ 森川林 20231119 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
となにぬ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「となにぬ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 小学校低学年(79) 
コメント1~10件
掛け声だけでな 森川林
 あおさん、ありがとう。  読書会、確かにいいですね。 6/12
記事 5344番
掛け声だけでな あお
読書会っていいと思います。私は2年ほど前から地域の読書会に入 6/10
記事 5344番
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
以超、以満とい 森川林
 「以超」は、以上、以降、以後だが、そこを含まずそこを超えた 7/2
森川林日記
2025年6月 森川林
●サマーキャンプ、8/14満員、8/15ほぼ満員。 6/23
森の掲示板
推薦図書検定の 森川林
推薦図書検定のキャラクター、「森ファン」 森のエレファント 6/1
森川林日記
作検のキャッチ 森川林
覚える学習から考える学習へ AI作文検定 AIが測定する 6/1
森川林日記
作検のキャラク 森川林
作検の新しいキャラクター、作シカくん。 5/31
森川林日記
「世界秩序が変 森川林
 「失われた30年」は、「雇用を守る」という日本自らが選んだ 5/27
森川林日記
2025年5月 森川林
●夏季休業の予定(8/11月~8/17日は休み宿題、 5/22
森の掲示板
何千年も続いて 森川林
何千年も続いてきた天皇制を 人気投票にするな。 おまえら 5/18
森川林日記
桃太郎と犬と猿 森川林
桃太郎が、犬と猿と雉に出会ったのは、 桃太郎が歩いていたか 5/18
森川林日記
AIの遠い未来 森川林
生成AIが生まれるまでの歴史を 感動を持って語れる、 そ 5/18
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン