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 これからの学力を考える――冨山和彦さんの「ホワイトカラー消滅」を読んで(その2) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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これからの学力を考える――冨山和彦さんの「ホワイトカラー消滅」を読んで(その2) as/5232.html
森川林 2024/12/08 05:50 



https://youtu.be/jqJQdFpjgs0

 具体的な話を先に書いたので、次は、根本的な話を書きます。

 私の大きな目的は、日本を守り発展させることです。
 そのために何をしたらいいかをずっと考えていました。

 翻って、今の世の中の流れを見ると、大きく、工業と消費の時代から、文化と創造の時代に移り変わる前夜だということがわかります。

 文化とは何かと言えば、ひとつは、1万年以上も争いがなく自然と共存して暮らしていた縄文時代の文化です。
 もうひとつは、庶民が和歌を詠み、女性が活躍していた奈良平安時代の文化です。
 さらに、もうひとつは、長い平和が続き、多様な文化が生まれた江戸時代の文化です。

 こういう文化が、これからのAI(人工知能)とロボットとオンラインとフリーエネルギーとベーシックインカムの時代に、新しく花開くのです。

 そのひとつの先駆けとして、私は「さかなクン」の生き方を思い浮かべます。

 さかなクンは、赤ちゃんのころは絵をかくことに夢中になり、トラックが大好きになり、小学生になってからはタコや魚に夢中になり、中学生になってからは、吹奏を水槽と勘違いして入った吹奏楽部で管楽器に夢中になり、今は、東京海洋大学客員教授、東京海洋大学名誉博士、日本魚類学会代議員、農林水産省お魚大使など多くの役職を持ち、2010年には絶滅とされていたクニマスの生息確認に貢献し、内閣総理大臣賞を受賞しました。

 そのさかなクンは、こう書いています。
「ずっと夢中が続いてハッピー」


 新しい日本の文化の出発点は、子供たちの教育です。
 思考力と創造力と共感力のある子供たちが数多く育ち、その子供たちが未来の日本文化を支えるようになるのです。

 これまで日本は、工業製品を輸出していました。
 これからの日本は、ネットワークの力を借りて、文化を輸出するようになります。
 世界中に、日本の縄文時代、奈良平安時代、江戸時代の文化が広がるようになるのです。

 今の世界の文化は、多くが競争と勝敗の文化にいろどられています。
 何センチとか何秒とかの差で、勝ったとか負けたとかいうことが話題になる社会です。
 そして、多くの人がその話題を消費することに意味を見出しています。

 そのマスメディア的な消費の世界から、一人ひとりの創造の世界に移るのが、これからの時代です。


 現代の教育は、競争の世界で形作られています。
 競争に勝つことや限られた枠を奪い合うことが、教育の大きな目標になっています。
 そのために、学校や塾では、子供たちに、大事なことを教えるよりも、差がつく問題を間違えないように教えることに力をいれています。
 それらの多くが、あとからふりかえれば、意味のない重箱の隅なのです。


 教育が、思考力、創造力、共感力を育てるものになることが、これからの日本を復活させる第一歩になります。
 私は、そう考えて、言葉の森の仕事をしたいと思っています。



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