勉強は、教材のためにするものではなく、
自分のためにするものだ。
こなすことを目的にするのではなく、
生かすことを目的にしよう。
よく小学校2年生ぐらいの子のお母さんから、
「学校で感想文の宿題が出されたのですが、なかなか書けなくて」
と相談があります。
そのときのお返事は、
「そんなの無理して書かせなくてもいいですよ。どうしても出さなければならないのなら、お母さんが代わりに書いてあげてください」
です。
親が見ている子供の実態が本当の姿です。
無理なことはせずに、できることをしっかりやっていればいいのです。
しかし、もうひとつ大事なのは、この、できることをしっかりやるということです。
何をしっかりやるかは家庭の方針によって変わってきますが、しっかりやることの芯が決まっていれば、周辺のことはいくらでも柔軟にできます。
「塾の宿題が多く大変」というのも似ています。
宿題のために勉強をしているのではなく、子供のために勉強をしているのだという原点を思い出して取捨選択することが大事です。
そして、やると決めたことだけは、雨が降ろうが槍が降ろうが、土曜だろうが日曜だろうが、必ずやるという原則を守ることです。
そこで、今日のテーマは、原則と柔軟。
1、原則と柔軟についてひとこと、
又は、
2、「げん、そ、く」「じゅ、う、なん」で五七五、
又は、
3、何でも自由にどうぞ。
ところで、生まれつき原則と柔軟の区別が決まっている人などはいません。
みんな、いろいろな人生経験をする中で、少しずつ自分なりの原則が決まってくるのです。
そして、子供にとって大事なのは、何が原則になっているかということではなく、原則があるということそのものなのです。
それでは、今日も原則と柔軟のバランスを考えながら、芯はあるけど柔らかい一日をお過ごしください。(複雑(^^ゞ)
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子育ては長距離走。
手間をかけない方が長続きする。
教えることに手間をかけるのではなく、
育てることに手間をかけよう。
例えば、子供が作文を書くとき、難しい課題だと自分で書き進められずに、親や先生に聞くことがあります。
そのときに、一生懸命に教えるのは、教えることに手間をかけることになり、長続きしません。
その場で熱心に教えるのではなく、それまでにその課題を毎日音読させ、音読させた長文の内容について親子で楽しく対話をしておくことです。
これが、育てることに手間をかけることです。
子供が小さいとき、親はつい手取り足取り勉強を教えてしまいがちです。
しかし、教えることに手間をかけると、親がいないと勉強ができないようになり、かえって長続きしません。
何よりも、教えることに手間をかけると、子供を叱る回数が増えてくるのです。
そして、叱られながら勉強したことは、そのときは覚えたように見えても、すぐに忘れてしまいます。
人間は、嫌なことは忘れるようにできているからです(笑)。
勉強は、教えることを極力少なくして、そのかわり、子供が自分でやれるようなやり方を工夫し、毎日自分でやる習慣をつけるという子育ての方に力を入れていくことです。
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競争が好きなのは人間だけ。
ライオンやトラは、だれがいちばん強いかで競い合ったりしない。
人間らしい喜びは、競争に勝つことにではなく、
新しい何かを創造することの中にある。
闘犬や闘牛の文化がありますが、そういうのを見て喜ぶのは人間だけで、当の犬や牛にとっては、はた迷惑なことだと思います(笑)。
犬や牛の本当の喜びは、仲よく平和に暮らすことです。
人間は、仲よく暮らすだけでは飽きてしまうので、もっと生き生きとした目標が必要になります。
その目標を、生き生きとした競争と勘違いしてしまう人が多いのですが、競争はちょっとした味つけのようなものに過ぎず、本当の喜びは創造の中にあります。
しかし、創造には、それなりの準備も必要です。
これからの教育は、競争に勝つための教育から、創造の準備のための教育へと変わっていく必要があると思います。
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数学の勉強の能率を上げるコツは、
すぐに答えを見ること、わかる人に聞くこと。
子育てのコツは、まずその子をじっと見ること。
じっと見ていると、おのずからわかってくるものがある。
数学の問題は、あらかじめ答えがあることがわかっているある種のゲームです。
だから、答えを見て、解き方のコツを早くつかむのが勉強です。
これに対して、子育てには答えはありません。
解けるかどうかわからない問題に対しては、まず問題そのものをじっと見つめることが大切です。
人や本や物やお金に頼るのは、そのあとからです。
解けるかどうかわからない問題も、じっと見ていると、その人にとって答えとなる道筋が見えてきます。その答えは、もちろんひとつではありませんが。
しかし、数学の問題は、じっと見ているだけでは時間の無駄です。
では、国語の問題は、どうしたらしいのでしょうか。
じっと見ていることでも、すぐに答えを見ることでもなく、問題をくりかえし読むことです。
問題の解き方にも、いろいろあるのです。
「葉隠」に確か、こんな言葉がありました。
「問題の中には、解けるものと解けないものがある。
解けない問題の中にも、時間がたてば解けるものがあり、時間がたっても解けないものがある」
あたりまえのようですが、奥が深いと思いました。
現代のような管理の行き届いた社会に生きていると、ついあらゆる問題にそれなり答えが用意されているように思いがちですが、実は、答えのない問題の方がずっと多いのです。
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話を聞くのは耳からの読書。
話をするのは口からの作文。
だから、対話をすることで、
理解力も表現力も育つ。
ただし、いい話を聞き、いい話をすることが大事です。
いい話とは、中身のある楽しい話です。
昔は、今ほど本が豊富ではありませんでした。しかし、その分、テレビやゲームもなかったので、家族が互いにいろいろな話をしていました。
そういう対話が、頭のいい子を育てていたのです。
今の社会でも復活できるのは、親子でいろいろな対話をすることです。
ひとりで画面を見ながら遊んでいるよりも、にぎやかにお喋りをした方がずっと楽しいし、中身のある話なら、楽しいことがそのまま勉強になります。
そんな家族の対話の工夫が、これからの家庭学習の要になるでしょう。
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